機体データ
型式番号 | AMA-100 |
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所属 | ネオ・ジオン軍→ニューディサイズ |
建造 | アクシズ(ネオ・ジオン) |
生産形態 | 試作機 |
全長 | 218.3m |
全高 | 44.2m |
全幅 | 41.65m |
本体重量 | 9,640t |
全備重量 | 22,580t |
出力 | 197,400kW |
推力 | 49,600,000kg |
センサー有効半径 | 28,000m |
装甲材質 | ガンダリウム・コンポジット |
武装 |
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主なパイロット |
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機体解説
地球侵攻作戦の際の低軌道制空用兵器として開発された。
外観は旧世紀の宇宙用ロケットを思わせるフォルムとなっている(対峙したストール・マニングスとリョウ・ルーツは共に「教会の尖塔〈ピナクル〉」を連想している)。
特徴
全長200mを超える超大型モビルアーマー。本来、ここまでの大質量となると軌道変更の際の推進材の消費が膨大なものになるのだが、本機は大気圏上層部の大気を利用した慣熟航行によって、その消費を押さえた軌道変更を可能としている(ただし、クレイがサイドに向けた“「貴様が慣熟航宙を提案してくれたお蔭だな」”発言から、運良く本機でもその運用が行えただけの可能性も否定できない)。
また、中心線から上下に機体の分離が可能となっている。その状態の機体は「ゾアン」(それぞれ「ゾアンⅠ」「ゾアンⅡ」)と呼ばれる。
巨大な機体後方のユニットは単体での航行・大気圏再突入が可能となっている他、頭部がコックピットと脱出ポッドを兼ねている。
欠陥
本機には重大な欠陥が存在し、いずれも解決には至らなかった。
まず、大型メガ粒子砲(メガ・カノン)を連射する際、エネルギーチャージや冷却系にトラブルが発生する。具体的には大型メガ粒子砲の発射に必要な電力が過多に陥り、結果コンデンサーがパンクして大型メガ粒子砲に電力が逆流してしまう。
また、機体構造上の問題もあり、こちらは大型メガ粒子砲がメイン・エンジンに挟まれている上、メイン・エンジン前方に推進材タンクが設置されている仕様から、大型メガ粒子砲を射つ毎に推進材が熱せられ、自爆の可能性が高まると、最低限の安全性からも逸脱している深刻なもの。
大型メガ粒子砲に関連するトラブルが続出した為に計画は見送られ、結局大気を利用した軌道変更の実験をした後に、欠陥機として廃棄処分が決まった。
その他
雑誌『モデルグラフィックス』の連載時には登場しなかったものの、別冊化の際に新たにデザインされ、本編に登場している。「ゾディ・アック」の名前は黄道十二宮に由来しており、史実における宮古湾海戦で活躍した軍艦「回天丸」をモチーフにしていると考えられる。
サイコミュ系の導入も検討されており、ファンネルを搭載する案もあったが、廃棄処分が決まったために廃案となっている。ニューディサイズではファンネル用のスペースに大型ミサイルを搭載している。
譲渡された際に、機体のエンブレムやカラーリングを塗り替える余裕が無かったため、ニューディサイズのエンブレムや濃紺のカラーは採用されておらず、建造したネオ・ジオン軍の物そのままとなっている。
武装
大型メガ粒子砲(メガ・カノン)
胴体中央部に搭載された巨大なメガ粒子砲。合体状態では機首部が大きく上下に分割し、内面に備されたIフィールドジェネレーターにより、正確に目標に誘導される。威力はコロニーレーザーを除けば最強クラスである。それ故に、本機はモビルアーマーの成りをした巨大なメガ粒子砲そのものである。
有線式ビーム・クロー
機体の後部に搭載された4基のビーム・クロー。格闘戦形態へ移行した際に使用し、準サイコミュ技術を用いた有線式の攻撃端末として射出し、オールレンジ攻撃が出来る。「ガンダムセンチネル」では搭載箇所が不明だったビーム・カノンとビーム・サーベルだが、Gジェネレーションシリーズではこのビーム・クローの機能として搭載されている。しかし、後の作品ではビームサーベルのみオミットされている。
劇中での活躍
ペズンの反乱終盤にネオ・ジオン軍からニューディサイズへ表向きの協力として譲渡された。当時のネオ・ジオン軍は地球連邦軍との宣戦布告前であり、地球連邦軍同士の内乱を傍観する立場を採っていたのである。
この際にゾディ・アックの欠陥を彼等に告げずに譲渡ているが、小説の記述によると“欠陥機の譲渡は嫌がらせではなく、戦力に余裕のないネオ・ジオンにはそれぐらいしか渡せるものがなかった事情”があった。
もっとも、この艦隊のトップのトワニング提督は、ジオン没落の原因とも見られるキシリア派(同派閥は敵味方問わず、非道な行いをする軍人が大半を占める)であり、劇中でも袂を分かったニューディサイズを「所詮は連邦」と吐き棄てている為、体よく欠陥兵器の厄介払いをしたかっただけの可能性も棄て切れないが……。
譲渡後にα任務部隊との戦闘が行われた。
トッシュ・クレイがゾアンⅠ、ファスト・サイドがゾアンⅡに搭乗。トッシュの立案によりこの機体自体を質量爆弾として、連邦軍総司令部を爆撃する作戦(小型のコロニー落とし)に使用するべく実戦運用される。この時、少しでも破壊力を高める為、大型ミサイルが実装された。
大気利用による軌道変更に成功するが、ゾアンⅠとゾアンⅡに分離し挟撃しようとした際に、ゾアンⅡは大型メガ粒子砲のチャージ時間を短縮する為、開戦と同時にエンジンの出力を常に上げ続けていたため、上記の構造上の欠陥に纏わるトラブルが一斉に発生し自爆してしまった。
残るゾアンⅠも質量弾としての軌道に乗せるのには成功したものの、地球連邦軍α任務部隊のSガンダムによって、ニューディサイズ残党を収容した艦船と共に撃破されている。
機体バリエーション
ゾディ・アック量産型
ゲーム『SDガンダム Gジェネレーション』シリーズに登場する架空の兵器。
ゾディ・アックの発展量産型で、ベース機の抱えていた数々の欠点を改良した上で、生産性を重視して機体をコンパクト化している。
大型メガ粒子砲の威力こそ初期型に劣るものの信頼性は飛躍的に向上しており、大気圏突入能力等も健在。本機もビームサーベルによる近接格闘が可能とされているが、設定のみでユニットの武装としては用意されていない。
当時のネオ・ジオン技術陣は、準サイコミュ搭載MSの設計に追われており、本機の開発は設計段階で打ち切られたとされる。コストパフォーマンスに優れたMAとして、地球侵攻作戦の主力部隊へ配備する予定であったとされる。
関連タグ
ザクレロ:同じく『欠陥品』の烙印を押されたMA。