機体データ
型式番号 | RMS-106 |
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所属 | |
開発 |
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生産形態 | 量産機 |
全高 | 21.2m |
頭頂高 | 18.0m |
本体重量 | 38.7t |
全備重量 | 59.6t |
出力 | 1,428kW |
推力 | 64,800kg |
センサー有効半径 | 8,900m |
装甲材質 | チタン合金セラミック複合材 |
固定武装 |
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携行武装 |
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概要
地球連邦軍とアナハイム・エレクトロニクス社の共同開発によって誕生した汎用量産型モビルスーツ(MS)。
かのジオン公国軍の傑作量産機『ザクⅡ』直系の発展機であり、デラーズ紛争後にジムⅡと共に連邦軍の主力量産機として大量に配備された。
一年戦争と言う空前絶後の総力戦に辛くも勝利した連邦軍だったが、地上・宇宙共に余りにも甚大すぎる被害を受けたことによって戦後は軍縮を余儀なくされ、主力量産機も当初予定されていたRX-78の完全量産型ではなく戦争末期に開発されたジムの規格統合型が大量配備される事となった。しかし戦争終結後も地球上に残ったジオン残党軍の抵抗活動は激しく、水天の涙作戦やデラーズ紛争のように既存のジム系MSの性能だけでは戦力不足となるケースもしばしば発生した。
この事態に対応するべく連邦軍はガンダム開発計画で提携していたアナハイム社と共同で、これらジム系MSとは別規格の新型量産機の開発に着手。
ジオン公国から接収したMSの生産ラインを流用する方針で後期生産型ザクⅡをベースとする本機が開発される事となった。
なお、アナハイム社と共同開発する前に地球連邦軍が独自開発したハイザックの試作機が存在している。一応、ハイザック試作型の開発に難航し、アナハイム社に協力を申し込んだと見ることも出来なくは無いが、本機の設定では上記の通りの最初からアナハイム社との共同開発とされており、開発の時系列にあやふやな部分が見られる。
機体解説
ジオン軍の象徴たるザクⅡの意匠を色濃く持つ連邦軍の量産機と言う歪な存在である本機だが、技術的な相性の悪さや連邦内の癒着等に振り回された結果、その機体特性にも少なくない歪さを抱えてしまっている。
基本構造は先述の通りF2型を踏襲しており、動力系統は流体パルス方式と連邦由来のフィールド・モーター方式の併用型としているが、一定の成功を収めていたアクト・ザクと違ってこちらは機体稼動には問題無いレベルではあったものの、エネルギー経路の複雑化からジェネレーターの定格出力を発揮しきれないという不具合が発生。
メインジェネレーターにはタキム社製のものを採用。このメインジェネレーターの採用だが、本来はアナハイム社がジオンと縁の深いグラナダ工廠で開発していた専用品を搭載する予定であったが、連邦軍内の癒着によって変更されたと言う経緯があり、結果としてビームライフルとビームサーベルを同時に運用できないという問題が生じてしまっている。なお、タキム社製ジェネレーター自体はジムシリーズやRXシリーズにも採用された実績のある高性能な物である。連邦・ジオンの両方の技術が混在したハイブリッドマシンである本機とは相性が良くなかったのかは不明。なお、『Z』放送当時のプラモデルでは『装備質量比』の問題としている。
また、概要に述べたハイザックの試作機は、連邦軍が開発予算を惜しみなく投入していたからかタキム社製のメインジェネレーターでビームライフルとビームサーベルの同時運用が可能になっている。
その一方で、コックピットはアナハイム社製の全天周モニターとリニアシートを完備。バーニア系統は高機動型ザクⅡを参考にしており、技術更新によって構造材に当時最新の素材を採用したことで機体の軽量化にも成功しているため、推進剤の積載量が増加し有効稼働時間と機動力が増しており、操縦性もザクⅡ譲りで機体挙動が素直だったことから現場での評価は高かった。漫画『0083 REBELLION』でテストパイロットを務めたコウ・ウラキも上述の軽量化と操縦性を指摘した上で「悪くない仕上がり」と評価した他、Zガンダム劇中でもジェリド・メサからは「MK-Ⅱより使い易い」と評され、サラ・ザビアロフも上位機種であるマラサイから本機に乗り換えている。
バックパックはジムの接続規格を引き継ぎつつ、T3部隊におけるテスト運用との兼ね合いからゲルググのように換装による仕様変更を前提とした設計がなされており、この構造からジムⅡならびにジム・クゥエルやガンダムTR-1、後継機のマラサイとも規格が共有されたため、ティターンズ内ではジム改高機動型がアイザックのバックパックを装備したEWACジムやハイザック試作型がガンダムTR-1のバックパックを装備したうえで改修を受けた[ヴァナルガンド]、ハイザックキャノンのキャノンパックを装備したマラサイキャノンなどこれらが相互に互換性を持つ「トランスパックシステム」が形成されていくこととなった。
ガンダムMk-Ⅱのランドセルもジム・クゥエルをベースとしたヘイズル・ケルデルクに接続されると共に、ガンダムTR-1のバックパックへの換装の際にこのシステムに対する言及があることから規格に批准しているものと思われる。
また、ティターンズの装備を接収した火星のジオン残党軍「レジオン」における運用例になるが、脚部スラスターを取り払ったハイザックにマラサイのバックパックを装備したものが軽装型と称して運用されている。
対するアナハイム・エレクトロニクスの方でも「ジムⅢ計画」に関連してネモに鹵獲したガンダムMk-Ⅱのランドセルを装備できるよう設計されていることから、本機(というよりジム)のバックパックの接続規格はティターンズ、エゥーゴ問わずこの時期の量産型MSの共通規格として機能していたことが窺える。
先述のように運用面に大きな制約があったとはいえ、性能の陳腐化や技術力の停滞・機体の経年劣化等に悩まされていた連邦軍は、前述の操縦性や機動力の高さ、何よりザクⅡ譲りの生産性の高さに目をつけ、本機を主力機の1つとして量産する事を決定。ティターンズも後述の先行量産型のテスト結果を踏まえて、ジム・クゥエルの後継機種として採用している。
主力機として大量生産された事もあって第一次ネオ・ジオン抗争以降はエゥーゴ以外の多くの勢力で使用が確認されており、ティターンズ残党によって持ち込まれた機体がネオ・ジオン軍やジオン残党軍・宙賊などで運用され、連邦軍内に残存していた機体は抗争終結後にジオン共和国に払い下げられたり、サイド6の防衛隊の機体としてシナンジュ・スタインと交戦したり、新型機のアグレッサー用に残されたりと却って活躍の場を増やしている。
ただし、本機を主に運用していたティターンズの暴走と失墜、それによるティターンズ系列MSの風評被害などから、後継機の開発などは見送られている。また、グリプス戦役を境に地球連邦軍のMS開発・生産はアナハイムへの外注に完全に切り替えられており、それも影響したのではないかとされている。
武装
ヒート・ホーク
ザクシリーズが使用していた近接戦用の兵装。ブレード部分を加熱することで金属を溶断する威力を発揮する。
ザクの物と比べブレードがやや大型化した。
ビーム・ライフルを使用する場合、近接戦用の武装はこちらを使用する。
ビーム・サーベル
あらゆる物質を溶断できるビームの刀身を形成する近接格闘用兵装。一年戦争時はガンダムあるいはそれに連なるジム系MS、そして末期のジオン製MSの一部しか有していなかったが、この時期からMSの標準装備として普及し始めた。
出力は不明。リアスカートに1振マウントされる。
前述の通り、本兵装を使用する場合、射撃武装はザク・マシンガン改を使用することになる。
ザク・マシンガン改
本機の主兵装の1つ。ザク・マシンガンの改修型。口径120mm。
センサーを連邦規格に変更するなどのマイナーチェンジが行われており、威力等を改善している。
ビーム・ライフル
型式番号BR-87A。出力は2.2MW。
Eパック方式を使用した短銃身型のライフルで、マラサイなど他の機種の使用も可能。Eパックは増設型シールドの裏にマウントされる。
後付け設定の弊害でやや複雑なデザイン事情を持っているが、その辺りの説明はアクト・ザクの項目を参照。
ジム・ライフル
型式番号HWF GR・MR82-90mm。装弾数は30発。
ジム・カスタムやジム・クゥエルが使用したMS用実弾火器。形状や運用方法がアサルトライフルに近似しているためこの名称で呼ばれる。重巡洋艦アル・ギザ所属の第4MS小隊で使用が確認されている。
3連装ミサイル・ポッド
選択式のオプション兵装。
脚部に装備されていたザクⅡと異なり、サーベルのマウントラッチに専用の支持フレームを介することで腰部両脇に装備される。
シールド
ザクⅡと同じく右肩に装備される固定型と左腕のラッチに装備される増設型の2種類がある。増設型のシールドは本機以外にも転用可能で、マラサイやジム・ナイトシーカー、強行偵察型ザクの他に鹵獲品を百式が使用している。
メガ・ランチャー
下方に伸びるグリップで保持し頭上に構える独特な形状をした長距離狙撃用高出力メガ粒子砲。
ハイザックのジェネレーター出力の低さから二機一組での運用が基本となり、一機が砲手を担当し、もう一機が電源としての役割を担う。
バイザックTR-2[ビグウィグ]が試験していたロングレンジビームキャノンのデータが活用されており、二機一組での運用の他、ハイザックの胴体部をパッケージングしメガ・ランチャーに搭載する事で単機での運用も可能となっている。
専用武装ではないのでバーザムやマラサイなどによる運用も可能。
なお、エゥーゴの運用するメガ・バズーカ・ランチャーと異なりスラスターの類は付いておらず自力航行は不能。
トランスパックシステム
本機とジムⅡ系列で試験運用された武装換装システム。バックパックの接続規格を「トランスパック」で共通化しており、マラサイやガンダムTR-1[ヘイズル]にも対応している。
任務に応じたバックパックを交換し、仕様変更された派生型の展開が可能となった。
中距離支援バックパック
ハイザック・キャノンに装着されたトランスパック。後方支援用キャノン・パックとも呼ばれる
なお、キャノン砲そのものは(『AOZ』作中デザインの)ジム・キャノンの240mmロケット砲と同様のものが用いられている。
推力向上バックパック
ハイザック・カスタムに装着されたトランスパック。ジム・スナイパーⅢと共用している。
偵察任務バックパック
アイザックに装着されたトランスパック。EWACジムと共用しているが、レドームの頭部付近が接続式になっているEWACジムと異なり、こちらは一体型。
TR-1型バックパック
ガンダムTR-1[ヘイズル]と共用のトランスパック。上部のポッドに備え付けられたラッチを利用し、更なる機体の拡張を可能とする。
カラーリング
グリプス戦役では、地球連邦軍正規軍とその独立部隊ティターンズそれぞれで運用された。
地球連邦軍正規軍カラー
やや彩度の薄い青のカラーリングのハイザックが配備された(ただし、一部はドゴス・ギアにおいても配備されている)。
ティターンズカラー
ジオン残党軍に対する心理的効果を狙うためにザクⅡより鮮やかな緑色をしている。
ダカール基地に配備されていた機体は、ダカール制圧の際にネオ・ジオンに接収されてしまい、ジオン残党への威圧のためのそのカラーリングは、皮肉にもジオン残党によって本来の意味で使用されることになる。
また、ゼダンの門に配備された機体には、ハイザック・カスタムと同様に色合いをザクⅡに近いよもぎ色とし動力パイプを赤く染めたものも確認されている。
ティターンズの部隊カラー
ティターンズ正規のカラーリングであるダークブルーを基調に胴体を黒で染めたハイザックも存在する。
『A.O.Z Re-Boot』においては主にバリエーション機に採用されており、正規軍が用いる素のハイザックもこれらと同色という解釈が取られている。
ジオン共和国軍カラー
ジオン共和国軍はグリプス戦役当時、ティターンズの傘下に置かれていた。そのため同軍配属機もティターンズのジオン軍残党討伐隊のものと似た色となっているが、よく見ると肩部まで胴体と同じ深緑であることや指揮官機は旧公国軍の伝統に則りブレードアンテナがついているなど細部が異なる。
小説『機動戦士ガンダムUC』での独自設定では宇宙世紀0096年には連邦軍からの規定によって白無垢のカラーが制式カラーとなっており、ジオンカラーに塗り替えることは一切禁止されている。
パーソナルカスタム
ハイザック・サウスポー
型式番号RMS-106。
ムック『GUNDAM WARS PROJECT Ζ』に登場。
地球連邦軍で運用された、サウスポーのシステムを持つハイザックの左利きパイロット用パーソナルカスタム機。
基本的には連邦軍仕様のハイザックと同仕様だが、肩部装甲が左右逆に取り付けられている。
レッドショルダーカスタム
型式番号RMS-106。
ムック『HOW TO BUILD GUNDAM WORLD 3 MOBILE SUIT Ζ GUNDAM』に登場。
熟練パイロットによってカスタムされたハイザックの一例。
新たに大型バックパックを装備するとともに、白兵戦での取り回しを向上させるために脚部バーニア周りを撤廃。左肩のスパイクアーマーは赤く塗られ「レッドショルダー」の異名の由来となっている。
マリリン69
型式番号RMS-106/G3。
『HOW TO BUILD GUNDAM WORLD 3』に登場。
こちらもハイザックのパーソナルカスタム機で、レッドショルダーカスタムとタッグを組んで活動した。
白兵戦を想定してバックパックや脚部エンジンユニットに改修が加えられ、スパイク・アーマーはスパイク4本の鋳造製のものに換装されている他、携行火器も新型のものを装備している。
ケラウノス所属機
型式番号RMS-106。
『ADVANCE OF Ζ 刻に抗いし者』に登場。
アナハイム・エレクトロニクス社が反ティターンズ組織「ケラウノス」へ提供したハイザック。
主なパイロットはフォルカー・メルクス、ダニカ・マクガイア。
右肩のシールドはスパイクアーマーに換装され、白色に塗装されている他、胸部ダクトの廃止や冷却装置の増設など、作戦活動時間の延長を目的とした改修が行われた。また、バックパックのスラスターアームも一般的な量産型よりやや太めなものになっている。
武装携行武装として専用の155mmマシンガンランチャーを装備する。
戦いの中で2回頭部をセンサーを強化された試作品に交換する機会があり、それぞれ識別名を頭部ユニットの名称から引用しており、モノアイシールドがイフリートのように上に張り出している仕様を[アイリス]、ジム系のゴーグルタイプのセンサーに換装し動力パイプを廃しているものを[エピデンドルム]としている。
なお、[ワグテイル]や[ホワイトコーラル]といった他のケラウノス所属機と異なり、首から下に再改修が施されることは[ダンダチャクラ]に撃墜されるまでついぞ無かった。
バリエーション
ハイザック・ラーⅡ
型式番号RMS-106+FF-X39A(推定)。
メカニックデザイン企画『A.O.Z Re-Boot』に登場。
ドッキングするMSを選ばない強化GパーツFF-X39A[フルドドⅡ]の装着パターン例としてハイザックが取り上げられた。
両肩をショルダー・ユニットで挟み込んだうえで、股間部のジョイントをフルドドⅡの胴体ドラムフレームから伸びるサブアームもしくはベロウズフレームで掴むか、トランスパックに対応している本機のバックパックを[ヘイズル]の可動式ブースター・ポッド型へと換装しフルドドⅡの胴体ブーストポッドに接続することで、3点で固定される。
機体の形状により制限はあるものの、ドッキングした[フルドドⅡ]がハブになる事で機能向上装備の追加や大型武器の運用能力、大型兵器の運用能力の付加といった多機能性を持たせることが可能となる。
ハイザック試作型
型式番号RX-106。
『A.O.Z Re-Boot』に登場。
ハイザックのプロトタイプ。一年戦争後、地球連邦軍が独自に開発した機体で、この時点ではまだ開発にアナハイム社は関与していない。
ジェネレーター出力などの諸性能は量産機よりも高く、生産された機体の内の数機は、後述のハイザック飛行型の試作機やマリン・ハイザック(RX-106M)のベースになっている。
詳細はハイザック試作型を参照。
- マリン・ハイザック
型式番号RX-106MおよびARZ-106M。
漫画『A.O.Z Re-Boot ガンダム・インレ-くろうさぎのみた夢-』に登場。
上記ハイザック試作型を水中用に改造した試作機で、アクア・ハンブラビⅡとドッキングすることで更なる水中戦能力の向上が可能。
地球連邦軍では不採用に終わり名前はザク・マリンタイプの近代化改修機に引き継がれたが、後に火星でレジオンが量産した。
詳細はマリン・ハイザックを参照。
ハイザック先行量産型
型式番号YRMS-106。
小説『ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに』に登場。
ティターンズへの正式採用に向けた評価試験を行う為に配備された機体。
詳細はハイザック先行量産型を参照。
ハイザック・ブラックヘアーズ特殊任務仕様
型式番号YRMS-106。
上記ハイザック先行量産型に後のECOASに繋がると思われる装備群を装着するなどの改造を施したジャミトフ直属部隊仕様。
詳細はハイザック先行量産型を参照。
バイザックTR-2[ビグウィグ]
型式番号YRMS-106+BL-85X。
『ティターンズの旗のもとに』に登場。
上記ハイザック先行量産型の右肩部シールドとバックパックを取り外し、ロングレンジビームキャノンと巨大な脚部推進ユニットを接続した大火力主砲試験機。
詳細はバイザックTR-2[ビグウィグ]を参照。
ハイザック・カスタム
型式番号RMS-106CS。
TVアニメ『機動戦士Ζガンダム』に登場。
ハイザックを狙撃用モビルスーツとして改良した機体。なお、ジオン共和国の「風の会」は本機をザクの直系としている。
詳細はハイザック・カスタムを参照。
アイザック
型式番号RMS-119。
アニメ『機動戦士ガンダムΖΖ』及び『機動戦士ガンダムUC』に登場。
ハイザックを偵察用モビルスーツとして改良した機体。
詳細はアイザックを参照。
ハイザック・キャノン
型式番号RMS-106C。
『ティターンズの旗のもとに』に登場。
ハイザックの火力増強を目的として換装した機体。
詳細はハイザック・キャノンを参照。
アドバンスド・ハイザック
型式番号RMS-106。
『A.O.Z Re-Boot』に登場。
ガンダムTR-1[アドバンスド・ヘイズル]の試験で得られたデータを取り入れた強化仕様。
詳細はアドバンスド・ハイザックを参照。
ハイザック飛行型
型式番号RX-106EおよびARZ-106E。
小説『刻に抗いし者』および漫画『くろうさぎのみた夢』に登場。
上記アドバンスド・ハイザックに飛行用の装備を施した仕様で、試作型イカロス・ユニットを装着することで更なる空戦能力の向上が可能。
ティターンズでは上記ハイザック試作型を改造した試作機1機のみの生産で終わったが、後に火星でレジオンが少数量産した。
詳細はハイザック飛行型を参照。
ハイザック(レジオン鹵獲仕様)[通常型]
型式番号ARZ-106HZ。
『くろうさぎのみた夢』に登場。
火星ジオン残党軍「レジオン」が運用するハイザック。ティターンズから脱走した部隊が同組織に持ち込み、火星環境下での運用に則した改修を施した上で主力機として運用された他、火星のアルカディアプラントで新たに生産された機体も多く存在する。
型式番号はレジオンで運用されるにあたり更新され、機体のカラーリングも組織のシンボルカラーである赤と黒を基調とした物に変更されている。
ビーム兵器の複数運用ができなかった不具合が改善された他、バックパックには取り外されたスラスターアームに代わりトライブレードが左右に1基ずつ装備されている。
また、フルドドⅡやグランユニット等のTR強化パーツを装着しての運用も行われている。
ハイザック(レジオン鹵獲仕様)[軽装型]
型式番号ARZ-106HZ。
『くろうさぎのみた夢』に登場。
軽装型はレジオン総統アリシア・ザビの意向によって火星での飛行行動が禁止されている事から用意された機体であり、主に暴徒鎮圧や「ウサギ狩り」後の機体回収任務などに使用される。
脚部スラスターを取り外し、バックパックはマラサイのものに交換されている。
グラン-ザック
型式番号ARZ-106GZk。
『くろうさぎのみた夢』に登場。
ハイザックの下半身に飛行の代替手段であるホバー走行のための「グランユニット」を装備した形態。
このグランユニットはロゼット強化陸戦形態でテストされていたホバリング・スカート・ユニットの完成形で、バーザムやマラサイ、ガンダムTR-6等とも規格が共用化されている。
ローザック
型式番号ARZ-106。
『くろうさぎのみた夢』に登場。
レジオンの運用するハイザックの中で、老朽化して戦闘に適さなくなった機体を作業用に改修したもの。
詳細はローザックを参照。
ヘイズルヘッド
『くろうさぎのみた夢』に登場。
ティターンズ残党が火星での決起の際に市街地にてガンダムの存在を示すため、頭部をいくつか存在していたヘイズルのものに乗せ換えたハイザック。
ヘイズルとはバックパックのみならず首の接続規格も共有しているようで、設定自体は『ティターンズの旗のもとに』の時点でプロトタイプアッシマーTR-3[キハール]宇宙用において、モビルアーマー形態の機首左にレドームの代わりにヘイズルやハイザックの頭部を増加センサーとして搭載する構想という形で示唆されていた。
武装はジム・クゥエルと同じ曲面型シールドとジムライフル。
アクト・ハイザック
型式番号RMS-106AN。
ゲーム『機動戦士ガンダム U.C. ENGAGE』に登場。
ハイザックに可変MAの中距離支援やアクト・ザクと連携を目的とする改良を行った機体。マグネットコーティングが施すために内部の構造を刷新しており、ザクに対するアクト・ザクのようにハイザックの形をした別の機体とも言える。
武装はハイザックの基本装備に加え、中距離支援を目的としたハイパー・バズーカなどの実弾兵装を装備している。また、腰部にあったミサイルポッドは腕部に装着されている。
ホビー・ハイザック
型式番号RMS-116H。
映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』に登場。
用途廃止となりレジャー用ホビーMSとして民間に払い下げられたハイザック。
詳細はホビー・ハイザックを参照。
ハイザック(ルー・ラヴァータ仕様)
漫画『機動戦士ガンダムF90FF』に登場。
マフティー動乱の1年後に活動を開始した地球の不法居住者により構成されるテロ組織「ルー・ラヴァータ」によって運用されているハイザック。
頭部ヘルメットや右肩部シールドの形状などが、かつてマフティー・ナビーユ・エリンが運用していたMS「メッサー」の外見に寄せられている。
リビルド・ハイザック
漫画『機動戦士ガンダムF91プリクエル』に登場。
コスモ・バビロニア建国戦争期にサナリィがアグレッサーとして用いていた改修機。通称「リビザック」。
詳細はリビルド・ハイザックを参照。
関連機
ロゼット
型式番号RX-107。
『ティターンズの旗のもとに』に登場。
ハイザックを元にアナハイム社が開発した後継発展機。後述のマラサイの試作機にあたり、四肢やバックパックなどの接続規格をハイザックと共有しているため、パーツを混成したMSとして組み替えることも可能。
詳細はロゼットを参照。
マラサイ
型式番号RMS-108。
『Ζガンダム』に登場。
ロゼットの制式量産仕様である第2世代MS。トランスパック・システムによりバックパックの接続規格がハイザックと共有されているが、四肢の互換性については不明。
詳細はマラサイを参照。
ゼク・アイン
形式番号RMS-141。
「モデルグラフィックス」誌の雑誌企画『ガンダム・センチネル』に登場。
ザクⅡを参考に設計思想をもう一度採用することで、汎用性を取り戻し、新世代の汎用量産機を目指すというコンセプトで開発されていた次世代MS。
詳細はゼク・アインを参照。
ガンダムTR-6[ウーンドウォート]バイザックⅡ形態
型式番号RX-124BZ(ARZ-124HZ2)。
『ティターンズの旗のもとに』に設定のみ登場。
ハイザックなどの後継機として計画された、ガンダムTR-6の形態のひとつ。改定前の名称は「ガンダムTR-6[ハイザックⅡ]」。
脚部はマラサイの物を、腕部はハイザックの物をそのまま装着しているが、ジオン系MSの代替機というのが本機のコンセプトのため、ゼク・アインの腕部を採用しハイザックの部品が消え失せても呼称そのものに変化は無い。
詳細は機種統合計画を参照。
にせガンダムMk-II
型式番号RMS-178。
『SDV』に登場。
バーザム開発のための実験機として、ハイザックにガンダムMk-IIのデータをインプットしたもの。
元はにせガンダムの仲間として設定されたキャラクター。
G・ザック(グランド・ザック)
型式番号PCX-005。
雑誌上のパロディ企画『機動戦士Oガンダム 光のニュータイプ』に登場。
大型アタッチメント・パックを装備したハイザックの重武装強攻型。
宇宙空間での機動性はハイザックの1.5倍に達し、装甲材もガンダリウム合金に更新されている。
その性能が高く評価され、ティターンズなき後に新生エゥーゴ、スーパー・ジオンの二大陣営双方で主力機として用いられた。
ザクⅢ
型式番号AMX-011。
『機動戦士ガンダムΖΖ』に登場。
ネオ・ジオンが運用したザク系MS。
開発動機のひとつにハイザックの存在があり、連邦製のハイザックに反感を抱いたアクシズのジオン系技術者によって、「ザクの正当な後継機」として開発されたという。
詳細はザクⅢを参照。
立体物
ガンプラ
放送当時に1/144、1/100が発売(旧キット)。1/100にはジェリド・メサのミニフィギュアが付属。何れも緑主体のティターンズカラーでの発売。
当時発売されたキットの上腕部ケーブル部分は組みにくく、また立体整合性もあやしげなことから、後年発売のHGUC・MGでは処理や解釈が大幅に異なる。
また、放送当時発売の武器セットにはハイザック用のビームライフル、ビームサーベル、ヒートホーク、ミサイルポッドが付属している(成型色はグレー)。
1/144のHGUCでは緑主体のティターンズカラーの他、青主体の連邦軍カラーも発売。何れも武器はザク・マシンガン改とシールドのみ、MGではティターンズカラーのみ発売だが、各種武器が付属している。
一方、SD関係のガンプラはSDガンダム成立以前のひょうきんモビルスーツ時代のロボチェンマンやカワルドスーツのみであり、SDガンダムとしてはBB戦士や元祖SDガンダムでは発売されていない。
玩具・フィギュア等
ハイコンプリートモデルではティターンズカラー(緑)と、遅ればせながら「新約Z」上映時に連邦軍カラー(青)が発売。
ハイコンプリートモデルプログレッシヴでは、緑のティターンズカラーのみ発売だが、サラ・ザビアロフ投降時の白旗やヒルダ・ビダンが入れられたカプセル等の変化球が入った付属品がある。
モビルスーツインアクションでは、ティターンズカラーと連邦カラーが通常で発売。MG同様に各種武装が全種類付属という充実ぶりだった。
ガシャポン「SDガンダムフルカラーシリーズ」にラインナップ。マシンガンを構えた固定モデルとなっている。※現在、入手困難。
ROBOT魂では2024年に9月に発売。高い可動域、武装も一通り揃っているなどこれまでの立体物の中でも最高傑作とファンからの評価は高い。肩部の動力パイプに関してはHGUC、MGでは独自にアレンジされたのに対し、こちらは設定画を忠実に再現されている。
関連動画
関連イラスト
関連項目
原型機
後継主力量産機
関連機(ジオン純正)
宇宙世紀外シリーズ
ストライクダガー/105ダガー/ダガーL/ウィンダム、GN-XⅢ/アヘッド、ゲイレール/グレイズ/レギンレイズ︰ハイザックの系譜と言える腐敗した政府・正規軍の使うMS。ダガー系はジム・クゥエル、アヘッドはバーザムの系譜と言えなくもないが……。