CV:堀川りょう
人物
年齢は19歳。ナイメーヘン士官学校卒業。
ニンジンが大の苦手で、山盛りのニンジンに頭を悩ませる様をチャック・キースにからかわれるなど、幼さの残る一面もあるが、ニナ・パープルトン曰く「乗るモビルスーツの性能を限界まで引き出せる」「戦局の未来予測の精度が高い」という特技を持っている。
当時の最新型MSであるガンダム試作1号機、連邦軍でも類を見ない特殊機であるガンダム試作3号機を短期間で乗りこなし、多大な戦果を挙げた事からも、その天賦の才をうかがい知る事が出来る。
また、本人も一年戦争中にMSに大きく興味を持ったことから(趣味の一環として)研究心を持つようになり、MSに関する様々な知識を持つモビルスーツオタクと言える人物でもあり、初見でガンダム試作2号機が核装備を前提とした機体である事と、1号機がコア・ブロックシステム搭載機である事を見抜いている。
ライバルであるアナベル・ガトーとは、同じ女性に好意をもった上に、初対面ではGPシリーズを目の前にして意気投合する、戦闘時に説教されて納得してしまうなど気が合う部分も多い。
なお、ガンダムシリーズのアニメ作品に於いて物語開始時点で軍属となっている主人公はコウが初のケースとなる。
劇中での活躍
士官学校卒業後、オーストラリア・トリントン基地に配属されテストパイロットとなる。
トリントンにペガサス級強襲揚陸艦アルビオンが来航した際にガンダム試作2号機の強奪現場にい合わせ、残されていたガンダム試作1号機に飛び乗り、2号機を強奪したガトーの行く手を阻もうとする。
しかしガトーの足元にも及ばず、軽くあしらわれた上に未熟と罵られて逃亡を許してしまう。
それ以降、「アルビオン」の正規クルーとなり、2号機の追撃に参加する。
初戦以来の敗北からガトーに大きな敵愾心を燃やし、いつかリベンジする事を胸に作戦に参加していくが、ガトーと同じく歴戦のパイロットであるシーマ・ガラハウにも敗北し、ガンダム1号機のパイロットとしての自信を喪失しはじめる。
またニナとの関係にも悩んだことなども重なり、コウは「アルビオン」を降りて月面都市フォン・ブラウン市を彷徨い元ジオン軍の隻腕のパイロット、ケリィ・レズナーと出会う。
ケリィは、愛機ヴァル・ヴァロを改修してパイロットとして復帰する事を期しており、それを手助けする事を通じてのケリィとのやり取り、そして敵として戦場で再会したケリィとの決闘が、コウにMSパイロットとしての再起を促す事になる。
またサウス・バニングの死が、コウを人間的にも成長もさせていく(この時、戦時階級として中尉に昇進)。
しかし戦局はデラーズ・フリート優位に進み、更に連邦とシーマ艦隊との極秘会談を潰したために軍上層部はアルビオンを忌避し始める。
コンペイトウへの核攻撃が行われた後、連邦軍の艦隊を核弾頭で焼き払ったガトーにガンダム試作1号機フルバーニアンで一騎打ちを挑む。
雪辱を果たすべく猛攻をかけ、ガトーの2号機を大破させるが、同時にフルバーニアンも大破し2号機奪還という作戦自体も失敗に終わる。
その後、更なるデラーズ追撃のため、アナハイム・エレクトロニクス社の保有するドック船「ラビアンローズ」に最新鋭のガンダム試作3号機の受領に向かうが、ナカッハ・ナカトらによる待機命令によって妨害される。
コウたちはそれを無視して3号機を受領。
デラーズのコロニー落とし「星の屑作戦」を阻止するため3号機を駆り、ガトー分艦隊旗艦ペール・ギュントなど多数の戦艦、敵機を殲滅。しかし並のパイロットでは扱いかねる特殊機の3号機で戦い続ける代償として、彼は肉体的、精神的に追い詰められ、補給のために一時的に帰還した際にはコックピット内で薬物を自ら注射する場面も見られた。
そして、その激戦の中で自らが所属する連邦軍の腐敗にも直面し、衝撃と怒りを覚える。
「星の屑作戦」最終局面に於いてコロニーが地球に迫る中、そのコロニー内に落下の最終調整を行うため侵入したガトー、それを追跡してきたコウ、そして彼の想い人であると同時にかつてのガトーの恋人であるニナの三者が、直接対面する事になる。
この中で、ガトーを銃撃しようとするコウに、ニナは銃口を向ける。
そのニナの真意は明らかでないものの、彼にショックを与えるには十分であった。
ガトーの仕上げによってコロニーの落下は不可避となり、もはやコウには再び3号機に乗り込み、ガトーのノイエ・ジールと最後の決着に挑む他なくなった。
未熟な新兵にすぎなかった物語初頭から、たび重なるデラーズ・フリートとの戦いで飛躍的な成長を遂げていたが、次第に銃撃を受け、負傷した状態のガトーに追いつめられていく。
その両者の激突を飲み込む様に、連邦軍が敵味方が入り乱れる中になりふり構わず発射したソーラ・システムⅡが直撃し、3号機は大破(ステイメンは無傷)。
コウはステイメンのコクピットの中で気絶し、ガトーは彼に手を下す事なく去っていく。
ガトーがノイエ・ジールで特攻をかけた事でもはや宿敵との決着が叶わないことを知り、絶叫を上げながら宇宙空間の暗闇にビームライフルを撃った(小説版では、戦場を混迷に陥れ、自分とガトーに向けソーラーシステムを起動させたバスク・オムの座乗艦に向け届かぬ銃撃をしている)。
デラーズ紛争後、ガンダム試作3号機の無断使用の罪状により軍事裁判にかけられるも、裁判では紛争中に感じた連邦軍の体制に対する疑問から黙秘を貫き、一年の懲役刑を言い渡される。
しかしその翌年、軍上層部によりコロニー落下等の真相の隠蔽と共に、ガンダム開発計画が「無かったこと(登録抹消)」とされ、GPシリーズが登録抹消されるに伴い罪状が消滅、釈放された。
その後は再び少尉として北米オークリー基地に赴任しニナと再会を果たし、物語はそこで終わる。
その後の彼の消息は不明。
なお、映画版ではこのシーン自体が無く、テロップで罪状消滅のみが示され、以降の彼については描かれる事なく物語は終わっている。
一説では、その後のグリプス戦役にてティターンズやエゥーゴに所属した(ティターンズのやり方に嫌気が差し離反という説もある)とされ、罪状と共に消滅した戦果を揶揄され「幻の撃墜王」と呼ばれていたというが、定かではない。
ゲーム『Gジェネレーション』シリーズでは「幻の撃墜王」という固有アビリティを持ち、巨大MS、MA搭乗時に機体能力を大幅アップさせるという、巨大兵器のスペシャリストとでも言う存在になっている。
因みにクロスドライブでニケアルートを選ぶと、かつての仲間だったベルナルド・モンシア、チャップ・アデル、アルファ・A・ベイトが敵として登場する。その際、メモリアルセッションをクリアして事前に仲間にしておくと、特殊会話が発生する。
スーパーロボット大戦
初登場は第3次で、実はアムロ、カミーユ、ジュドー、シーブックらに次ぐシリーズの古参キャラ。同期にはクリスがいる。
旧シリーズでは徹底したNT至上主義があったため、上述された天賦の才が能力値に反映されず、最後まで戦うにはプレイヤーの愛を必要としていた。
だが、α以降は能力や精神コマンドの構成に修正が入り、「幻の撃墜王」の名に恥じない強キャラとなった。
スパクロでは、原作終了後の設定で期間限定参戦。
2019年11月のイベント「宇宙に揺らぐ陽炎」で復刻参戦した際には、登録抹消されたはずの試作3号機や直属の上司となったヤザン・ゲーブルと共に、因縁の地・ソロモンを占拠したポセイダル・ザンスカール連合軍に戦いを挑む。
SDガンダム外伝
第4作『機甲神伝説』にて登場。
アルビオン王国の王子であり、原作とは逆にバニングと不死身の第4小隊が家臣である。(となると国王はシナプスなのだろうか…)
先駆けて第3作から出ていたダバード女王ニナとは相思相愛の婚約者同士。よかった。
余談
第一話と最終話の画像が思いっきり別人レベルとなっており、twitterで投稿されたウラキ少尉で学ぶ、新入社員の1年というネタ画像が大いに話題になった。
搭乗機体
RX-78GP01 ガンダム試作1号機(ゼフィランサス)
RX-78GP01-Fb ガンダム試作1号機(フルバーニアン)
RX-78GP03 ガンダム試作3号機(デンドロビウム)
RX-78GP03S ガンダム試作3号機(ステイメン)
MS-06F2 ザクⅡF2型(連邦軍仕様)
関連項目
シン・アスカ(機動戦士ガンダムSEEDDESTINY)←アナザーガンダムで似たような扱いを受けた主人公(こちらも第1話時点で軍属)