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CV:大塚周夫


人物像編集

ペガサス級強襲揚陸艦 アルビオンの艦長。ガンダム試作2号機追撃の指揮を執った地球連邦軍の将校。階級は大佐

一年戦争以前からの艦艇を操る生粋の船乗り。平時こそ沈着冷静だが、若干短気な一面を覗かせる。ガトーからは「連邦にしては真面目な軍人」と評されており、柔軟な思考と高い指揮能力を持つ。更に、部下の意見に耳を傾ける度量の広さと紳士的な態度を含む人格者であり、その事もあって部下に信頼されていた。終盤では退艦せずに残るニナに冗談を言うなど意外な一面も見られた。


オーストラリア・トリントン基地にてガンダム試作2号機の重力下テストと、同機に使用する核弾頭を受領の為に寄港するが、その際にアナベル・ガトーによって試作2号機を強奪され、のちにデラーズ紛争と呼ばれる戦乱に巻き込まれていく。

2号機奪還作戦を展開しながらも、ほとんど支援は与えられず、それどころか核攻撃阻止に動いていたワイアットの足を引っ張ってしまい、ついには2号機によるコンペイトウへの核攻撃を許してしまう。

そして、ガンダム開発計画の責任者としてアルビオンを支えていたジョン・コーウェンジャミトフ・ハイマンによって失脚させられ、孤立無援の状態に陥りながらも独断によってデラーズ・フリートのコロニー落としを阻止するべく奮闘。

しかし、連邦に寝返り友軍となったはずのシーマ艦隊を強襲、同士討ちを始めてしまう。おまえは一体、どっちの味方だ!

その独断からデラーズ紛争終結後、彼は軍事裁判にかけられ、極刑が下された。


評価編集

自身の決断が裏目に出ることが多く、ネット上では「無能」と称されることも多い人物である。


まず、核搭載機を受領している艦としては警備状況は「史上最悪」と言っても過言ではない。

二号機をプロテクトもなしに誰でも稼働できる状態にしておきながら、出入り口に検問もおかず連邦軍の制服さえ着ていれば誰でもはいれる状況というのは警備体制として盗んでくださいと言っているようなものであり。機体周辺に銃を持った警備員がつけておくだけでもガトーの乗り込みを阻止できたはず。

もう一人いれば一号機も簡単に奪える可能性があった。

軍においてドック入りしている時以外の船の警備は艦長の責任である。


オービルを逃して追跡するのも一見策略に見えるが、敵に自分たちが迫っていることを教えるようなものであり、脱出の時間稼ぎやアルビオンを待ち伏せして返り討ちにする選択肢を与えることとなっている。

奪った戦闘機で何をするのかもわからない、やけくそになってアルビオンに特攻する危険性もあった。

また逃したところでオービルの受け入れ先が自分たちのお目当ての試作2号機のところに行くとは限らないため確実性がなく、危険性が高く、成功したところで自分たちが不利になる策略となっている。結果論でも二号機を逃がしている上に、オサリバン等の他のスパイなどを知っているかもしれないオービルを逃がしている以上、大失敗である。

オービルがスパイだとわかっているのであれば、通信機器に仕掛けをして敵の居場所を特定した後に捕らえるようにする、捕えて尋問・条約違反だが核弾頭という事を考えると場合によっては拷問するなど逃がすよりもマシな方法はいくらでもあった。

そもそも、真っ先にジャブローに報告するのが普通である。相手が核である以上一大佐の独断で攻め込んでいい代物ではない。実際戦力不足で敗北しかけた。


ワイアットとシーマの密談の現場に遭遇し、これをぶち壊した結果、試作2号機による観艦式襲撃阻止の失敗に繋がっている。

これは一応は敵艦と接触している総旗艦を守ろうとしたためなのだが、「どう考えても裏がある現場に遭遇したにもかかわらず、それについて何も考えない」「バーミンガムに指示を仰いだり連携を取ろうとしたりせず、ミノフスキー粒子下でも有効な発光信号などがバーミンガムから一切ないにもかかわらず現場判断で勝手に突っ込んできた」と言う物で、あまりに無思慮としか言いようがない。特に後者が論外であり、指揮系統と言う物をあまりに軽んじている。

挙句の果てに、出撃したバニングも一切連絡を取ろうとしていないので、交渉の為に丸腰状態だったワイアットの立場からすれば本当にどうしようもない。

ワイアットから「バカめ、盛りおって……コーウェン麾下の艦らしいわ……バカが!」と密かに痛罵されているが、客観的に見ればその通りでしかない。



その後も、ラビアンローズでの待機命令を無視し、試作3号機を強奪。コロニー落とし阻止のためと言う目的はあるのだが、現場判断で許される行いを逸脱しており、ただの反逆行為でしかない。

そもそも上層部には上層部の考えがあるはずなのだが(実際にソーラ・システムⅡと言う対抗策を用意していた)、それを一切想定せず、自分自分の持っている情報だけで「自分達が違法行為を行わないとコロニー落としを阻止出来ない」と勝手に判断して出撃している。


さらに、連邦側に寝返ったシーマ艦隊への攻撃も、完全に私情でしかない。もちろん、アルビオン隊の人間は、恐らくその多くが味方面するシーマ艦隊を受け入れることなどできないだろうが、その感情を制するのが指揮官の仕事である

シーマがコウに告げた「お前は一体、どっちの味方だー!」と言う台詞も全くその通りであり、実際このせいシーマ艦隊はガトーの行動を妨害出来ず、コロニー落としの成就に一役買ってしまっている。


また劇中、バスクに対して「これでは軍閥政治ではないか!」と口にしているが、そういうシナプス自身がコーウェン閥に属して行動している。

そもそも「強奪された核装備モビルスーツの奪還」と言う重要な任務を他部隊と連携せずアルビオン単艦で行っている(そのために地上から宇宙に上がってすらいる)のは、コーウェンが他派閥を参加させなかったためである可能性が高い。ズブズブの軍閥政治である。

にもかかわらずそれに対する自覚が全くない事が窺え、政治的センスに関しても完全に欠如している。


これらを総括すると、アルビオン隊やシナプスの失態は「自己判断の過大評価」と「他者の判断の過小評価」が原因だと分かる。自分達がベストを尽くそうとする心がけ自体は構わないのだが、他人もベストを尽くそうとしていると言う考えが完全に抜け落ちている。その結果「自分達がベストを尽くすためなら、他人の邪魔をしても構わない」と言う極めて傲慢な行動をとってしまっている。

そのため視聴者側から見れば「心情はわかるがやっていることは自身の艦及び部隊の私物化でしかない」と言う評価を下さざるを得ない。


一方で、劇中では温厚で冷静沈着、かつ紳士的な人物としても描かれており、例えば荒野においてアルビオンが攻撃を受けた際、バニングは艦の高度を上げるべきと進言したが、シナプスは「ならん!ベイトとアデルを見捨てるわけにはいかない!」と一パイロットを慮る発言をしている。

ベテランMSパイロットが連邦にとって貴重な戦力であり、見捨てれば部隊の戦力がガタ落ちすることが目に見えているため、判断としては間違っていないが、その分艦を危険に晒す大きなリスクは犯しているのでなかなかの博打。それでも人命を優先する、人情味がある一方で非情には動けない指揮官と言う事が分かる。

また、デラーズ・フリートのスパイであるニック・オービルをあえて泳がせて敵の潜伏場所を炙り出そうとするなど、実戦では智将と言って差し支えない頭の回る人物である。その目論見事態は失敗したが、その逃走経路から正確な秘密基地を推察し、見事探り当てることに成功している。


これらを総合すると、モビルスーツ部隊を運用する一戦艦の艦長としては優秀だが、戦略的・政治的な視野は致命的に欠如していると言った評価になるだろうか。脚本に振り回された結果とは言えるかもしれないが、戦略面の無能は一貫しているので案外最初から意図した物なのかもしれない。


せめて阻止成功に寄与していれば「功罪相償う」となったかもしれないが、実際には劇中の彼の行動は「余計な事をしなければ星の屑作戦は成功しなかった可能性が高い」と言う結果になってしまっている。軍法会議による極刑も、残念ながらやむなしであろう。

一応コーウェンが失脚していなければ、その政治力による減刑も有り得たかもしれない……もちろんそれは、彼がバスクを批判した「軍閥政治」そのものではあるのだが。


なお、リメイク漫画である「0083 REBELLION」においては、

  • コーウェンの強引な核配備に乗り気でない様子を示す
  • 警備は連邦軍の規定通り(それはそれで連邦軍の規定に問題があるのだが…)
  • ワイアットの会談において状況を確認しようとする
  • 三号機受領は独断ではなくコーウェンの命令であり、強奪はしていない
  • シーマ艦隊との共闘に苦言を呈しながらも攻撃を行わない

など、ここまでに挙げられた問題点がほとんど改善されている。

最終的には原作と同じように極刑にはなってしまうが、「本来ならば降格で済むところコロニー落としの責任を押し付けられた」という形である事がはっきりと描かれており、「有能だが不運ゆえに非業の最期を遂げた艦長」と言う本来のイメージ通りの立場となった。

逆説的に、ここまで改善する必要があった原作のシナプスの無能さがはっきりと際立つ事にもなってしまったが……。




スパロボでは編集

いずれの作品においても、バニング大尉同様最後まで生存する。原作では登場しなかったブライト・ノアに対しても、立場が近いからか親身に接してくれるなど、原作以上に「人のいいおっさん」というイメージが強い。原作の失態がほとんど再現されない、と言うのも大きい。


とはいえ登場作品はわずかであり、『第3次スーパーロボット大戦』『第2次スーパーロボット大戦α』『第3次スーパーロボット大戦α』の3作品のみで、自軍で最後まで使えたのは『第2次α』だけ。

『第3次α』では序盤のみ登場し、あとはスポット参戦があるだけで復帰しないと微妙に不遇。


最近はガンダム0083自体が登場していないことや演じた大塚周夫氏は2015年に死去したため、今後は新規の収録は行われないと思われる(山田伝蔵アレーティアのように、別の役者か息子大塚明夫氏が演じる事となれば可能性はあるが)。


余談編集

本作でアナベル・ガトーを演じる大塚明夫は大塚周夫の実子であり、図らずも親子対決という事になった。


関連項目編集

機動戦士ガンダム0083

コウ・ウラキ ニナ・パープルトン チャック・キース 不死身の第4小隊

アルビオン

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