概要
宇宙世紀作品に登場する構造技術で、名前の通りドラム状の形状をしている。
複数層のディスク状のフレームとその中核に据えられた駆動用の動力コアユニットで構成されており、このディスクを回転させることで付属するラッチの角度を自由に調節することができる他、可動部でありながらその単純で堅牢な構造から重量物の懸架にも適している。
MSの骨格などを成すムーバブルフレームとの併用も問題なく可能で、胴体にドラムフレーム、四肢にムーバブルフレームという構造はドラムフレームを採用したモビルスーツにおいてはポピュラー。
また、増設オプション化された物はフレキシブルな可動域とある程度の伸縮性を持つ「ベロウズフレーム」と組み合わせることで「マルチ可動フレーム」として極めて自由度の高い増加装備の接続が可能となる。
宇宙世紀の黎明期より用いられている回転機構で、その使い勝手の良さから「宇宙世紀の万能軸受け」という二つ名を持っている。
そのルーツは旧世紀のベアリング、更には「軸受け」のルーツである古代エジプトのころにまで遡ることが可能。
黎明期のコロニー建造で活躍したキャトルなどの360度回転するアームを持つモビルワーカーに始まり、一年戦争末期から戦後数年においてはオッゴやガンダム試作0号機が武装プラットフォームとして採用、グリプス戦役以降からはアッシマーの胴体部やガザCの肩部など重量負荷のかかる部位の変形機構にも組み込まれていくようになった。特にこの時期にティターンズで発動した「TR計画」においては基幹技術として頻繁に用いられている。
ちなみに火星のアルカディアプラントはドラムフレームの一大シェアブランドで、火星で採れる特殊な鉱石を用いたドラムフレームは特に強固に製造することができ、かつては火星のサイドA『アルカディアシティ』の自治独立の一端を担うほどの生産力を誇っていた。また、一年戦争終結後のジオンマーズ支配下においてはガザAやリーベン・ヴォルフのパーツとして使用される程度に収まり、戦乱の影響もあって一時的に技術が衰退したが、0089年にジオンマーズを追い落として火星を支配しているレジオンはアルカディアプラントでの生産を再開し、バーザムやガンダムTR-6などの生産に用いるのみならず、国民までをも動員して輸出産業の財源にすることを目論んでいた。
メタ的な概要
『ADVANCE OF Ζ』シリーズのメカニックデザインを務めた藤岡建機氏により考案された構造。
ガンプラ等で多用されるポリキャップと軸による組み換えが可能な接続構造にSF的説得力を持たせるために編み出されたもので、その類のジョイント構造は作中設定的にはドラムフレームが用いられている部位とも言える解釈になっている。
主な採用機
- キャトル(腕部)
- オッゴ(腕部・スラスター基部・両脇武装プラットフォーム兼用)
- ガザシリーズ(腕部)
- ガ・ゾウム(腕部、背骨)
- ガンダム試作0号機(背部武装プラットフォーム)
- アドバンスド・ガルバルディβ(バックパック)
- アッシマー(背骨)
- ロゼットTR-4[ダンディライアン](背部大気圏突入用バインダー基部)
- ギャプランTR-5[ファイバー]およびサイコ・ギャプラン(腕部バインダー基部)
- ガンダムTR-S[ヘイズル・フレア]およびバーザム(背骨、背部増設武装プラットフォーム)
- ガンダムTR-6[ウーンドウォート](背骨、強化Gパーツ[フルドドⅡ]基部)
- ドーベン・ウルフおよびリーベン・ヴォルフ(腹部)※形状からガンダムMk-Ⅴまで遡れるものと思われる
- ズサ(ズサブースター両脇ミサイルポッド基部)
- ティグリスⅡ(四脚股関節部)※形状からティグリスまで遡れるものと思われる
- サンドージュ(腕部)
- ブルッケング(腰部アインラッド接続部)