機体説明
型式番号RGC-80。地球連邦軍の中距離支援用モビルスーツ。
『TV版 機動戦士ガンダム ストーリーブック(3)』にて「GM試作タイプ」の名称で掲載された画稿が初出で、『MSV』として統合されてコンテンツ展開される際に現在の設定になった経緯を持つ。
その名のとおり、連邦軍の主力機であるジムを砲撃戦用に改装した機体。ジムの系譜にある機体ではあるが、開発系譜上はガンキャノンの量産型にあたる。
元々、ガンキャノンの量産化プランはガンダムの量産化と別に進行しており、本来はガンキャノンの設計に若干の手直しを加える程度で量産する予定だったのだが、早期の前線配備を考慮し、先行していたジムの生産ラインを流用する形で設計を変更。部品の60%を流用することで、本機が開発された(なお予定されていたガンキャノンの量産も戦争末期に実現している)。
ジャブロー工廠にて48機が生産され(58機という説もあり)、全機が実戦参加しているという。ただ、宇宙にはより量産性に優れたボールがいたからか、ほとんどが地上で運用された。戦後まで残存した機体もあり、コクピット部分をリニア・シート方式へと換装するなどの近代化改修を受け、グリプス戦役で使用されていた。
生産数の少なさに関わらず塗装バリエーションが多く、一般塗装、北米戦線、アフリカ戦線、ホワイトディンゴ隊、レビル艦隊直掩部隊機、不死身の第四小隊、UC0087のジャブロー仕様(二種類存在)と多岐にわたっている。
武装
頭部60mmバルカン砲
こめかみに装備された近接防御火器。主に牽制等に用いられる。
肩部240mmロケット砲
右肩の切り欠き部分に取り付けられた本機の主兵装。ガンキャノンに採用されていたものの改良品で、主に発砲時の初速が強化されている。
バルザック式380mmロケットバズーカ
ハイパーバズーカと同口径のロケット式バズーカ。前述のロケット砲と共に本機の任務である中距離支援の要とも言える兵装。本機以外にもオーストラリア方面に配備されたジム・スナイパーⅡや第20機械化混成部隊に配備されたガンキャノン重装型タイプDが使用している。
ビームスプレーガン
ジムの主兵装である拳銃型ビーム兵器。本機は格闘兵装を持たないため、敵機に近接された場合は本兵装と前述のバルカンが基調な迎撃手段となる。
その他
媒体によってはジムと同様のラージシールドや陸戦型ガンダム・陸戦型ジムが使用する100mmマシンガン、ジムⅡ用のBR-S-85-C2ビームライフルなど、さまざまな武装を携行している。
関連動画
バリエーション
試作型ジム・キャノン/プロトタイプジム・キャノン
メカニックデザイン企画『MSV』に登場。
地球連邦軍がガンキャノンの量産型を開発するに当たってジムにガンキャノンの頭部やバックパック、2門の肩部キャノン砲を移植して製造された試作型支援用モビルスーツ。型式番号RGC-80-1。
この試作の結果、重量バランスや安定性などの問題点が洗い出され、ジム・キャノンの開発に繋がった。
元々設定は名前のみ、画稿もSDガンダムでデフォルメされた物しか存在していなかったが、『MSV-R』においてSDガンダムのそれを基準としたリアル頭身画稿と詳細な機体設定が与えられており、「プロトタイプジム・キャノン」という名称となっている。
ジム・キャノン 空間突撃仕様
メカニックデザイン企画『MSV-R』に登場。
一年戦争時に開発されたジム・キャノンを宇宙戦闘用に調整した機体。
地上での肩部ロケット砲発射時に重量として必要だった脚部の分割式増加装甲を外し、ジム・コマンドと同一のバーニアスラスターをランドセルおよび脚部に装備することで、戦闘時の姿勢制御能力と宇宙での機動性が向上した。オプション兵装だったバルザック式380mmロケットバズーカが当機の兵装として正式採用されている。
星一号作戦に参加するエースパイロット用としてレビル艦隊に5機前後が実戦配備された。また、ア・バオア・クー戦においてレビル艦の護衛任務にあたったサラミス級アイガーに所属する142MS小隊には、青を基調に塗装された本機が配備されたといわれる。
ジム・キャノン(ホワイトディンゴ仕様)
ゲーム『機動戦士ガンダム外伝 コロニーの落ちた地で…』に登場。
オーストラリア方面軍ホワイトディンゴ隊に配備された機体で、カラーリングが同隊のパーソナルカラーに変更されている他、ビームサーベルを装備し接近戦にもある程度対応できるよう改修が施されている。
ジム・キャノン[レッド・ヘッド]
TVアニメ『機動戦士Ζガンダム』12話に登場。
ジャブロー基地に配備されており、侵攻してきたエゥーゴのMS部隊と交戦した。
頭部、肩、胴体、スカート周り、脛部装甲、足がその名の通り赤く塗装されているのが特徴。右胸の排気口は黒、腕や腿は白だが、頭部も白い機体も登場する。
塗装以外の外観は通常の機体と変化ないが、ジムⅡのビームライフルを携行している。
なお、メカニックデザイン企画『A.O.Z Re-Boot』に記載された際にはデザイン面に大幅に手が加えられており、ジムD型を素体にセンサー類をジムⅡ相当に近代化改修、装備された240mmキャノン砲がトランスパックシステムの中距離支援ユニットに採用されたものと共通になっている。
不死身の第四小隊仕様
1985年放映のZガンダムに登場した機体の仕様は上記の通りだが、同年発売された1/144スケールのプラモデルの箱絵や組み立て説明書の塗装指示では、前腕と排気口周りが赤、首・襟周りが黄色になっている。
劇中と違うカラーリングとなっている理由は定かではないが、後年、不死身の第四小隊配属機にこの
塗装パターンが採用され、プラモデルやフィギュアでもそう設定付けされている。
ジム・キャノンⅡ
ジム・キャノンの後継機。型式番号RGC-83。
詳細はジム・キャノンⅡを参照。
立体物
プラモデルでは1/144スケールのいわゆる旧キットでMSV仕様とZガンダム仕様で発売されている。
前者は白系、後者は赤系の成型色となっており、説明書にはカラーバリエーションとして北米戦線仕様やアフリカ戦線仕様の塗装パターンも公開されており、デカールが付属。また、Z仕様はティターンズのマークも収録されている。
なお、Z仕様の箱絵では劇中同様ジムⅡのものと同型のビームライフルを携行しているが、キットには付属しておらず、再現するとしたらジムⅡのキットから流用し、フィットするよう改造が必要。カラーリングが劇中と少し異なるのは前述のとおり。
HGシリーズではMSD版空間突撃仕様がプレミアムバンダイ限定販売で発注された。後にMSD版空間突撃使用の色変えおよび武装追加で、レビル艦隊直掩部隊機が「ジム・キャノン(ロケット・バズーカ装備)」としてプレミアムバンダイ限定として発注された。
1/100スケールではMGがプレミアムバンダイ限定でMSV版と北米戦線版、ホワイトディンゴ版、レッド・ヘッド(不死身の第四小隊仕様と選択式)が発売。
食玩「GUNDAM CONVERGE」シリーズにラインナップ。※現在、入手困難
完成品トイ
ROBOT魂ではプレミアムバンダイ限定で通常版とアフリカ戦線仕様が発売された。アフリカ戦線仕様の商品化はこちらが初である。
関連イラスト
関連タグ
ジム・キャノンⅡ ガンキャノン ザクキャノン 量産型ガンキャノン
キャノン・イルフート…遠い未来の地球で発掘された類似機。