概要
デラーズ紛争終結後である宇宙世紀0084年に次世代MS開発の一環としてティターンズで開発された機体。
ジム改をベースにした新規装備の評価およびジムⅡのティターンズでの採用試験用機であり、各種センサー、スラスターをジムⅡ仕様へ変更して開発されている。
わずかなオプションの変更により、さまざまな形態をとることができ、ジム・スナイパーⅢもバリエーションのひとつである。
「近代化改修プランとしてのジム改の高機動バリエーション」という意味では、カラバが運用するジム改[ワグテイル]と同コンセプトだが、[ワグテイル]に用いられているパーツがジムⅢ開発の為に試作された物であるのに対し、こちらは既に連邦軍で採用が内定しているジムⅡの採用試験を行う目的で開発された機体であり、操作性は[ワグテイル]や、T3部隊が運用するガンダムTR-1[ヘイズル]等のTRシリーズと比較してマイルドである。
この機体の運用データなどを元にジムⅡはグリプスで製造が開始され、「RMS-179」の型式番号を得た上でティターンズに配備されている。
武装
基本武装はジムⅡの武装を参照。
ビーム・ライフル
BR-S-85系のビーム・ライフル。T3部隊で試験運用されているEパックを装備する為にサブグリップがEパック接続用のモジュールに換装されている。この為、エネルギー充填式であったBR-S-85と比べ、継戦能力に優れているが、左腕が損傷すると単機でのEパックの交換が不可能となるという欠点もある。
量産化の際には採用されなかった。
トランスパックシステム
ハイザック系列と本機で試験運用された武装換装システム。バックパックの接続規格を「トランスパック」で共通化しており、マラサイやガンダムTR-1[ヘイズル]にも対応している。
任務に応じたバックパックを交換し、仕様変更された派生型の展開が可能となった。
制式採用機のジムⅡにも同様のバリエーションが存在し、差異は右鎖骨部に開口されていた複合インテークダクトの埋め戻しの有無のみ。
中距離支援バックパック
ハイザック・キャノンと共用のトランスパック。後方支援用キャノン・パックとも呼ばれる。
なお、キャノン砲そのものは(『AOZ』作中デザインの)ジム・キャノンの240mmロケット砲と同様のものが用いられている。
隊内では後述のジム・スナイパーⅢを引き合いにした「ジム・キャノンⅢ」という非公式の呼称も存在したという。
推力向上バックパック
ハイザックと共用のトランスパック。本機ではバックパックの交換に加えて、ジム・スナイパーⅡのそれを改良した増設型バイザー・センサーを装着している。
装着した本機は狙撃仕様として扱われ、ジム・スナイパーⅢと呼ばれる。
偵察任務バックパック
アイザックと共用のトランスパック。バックパックの交換に加えて、右腕部に有線式山越えカメラを装着している。有線式山越えカメラは後のEWACネロにも採用されている。
装着した本機は偵察仕様として扱われ、EWACジムと呼ばれる。
TR-1型バックパック
ガンダムTR-1[ヘイズル]と共用のトランスパック。
バリエーション
ジムⅡ
本機の量産型。
なお、『AOZ』作中に登場するジムⅡは大河原邦夫氏のデザインを下敷きとした近藤和久氏のデザイン(『機動戦士Ζガンダム』版)に準拠したものではなく、カトキハジメ氏のデザイン(『センチネル0079』版)を下敷きとした本機に準拠したものであるが、本機で右鎖骨部に開口されていた複合インテークダクトは埋め戻された。