概要
U.C.0088の地球連邦軍が所有している量産型モビルスーツ「ネロ」に偵察用装備を施した偵察型モビルスーツ。「EWAC」とは Early Warning And Control (早期警戒・管制)の略で、基地や母艦の防衛のために様々なセンサーを積んで敵の行動に関する情報を早期に獲得し、自軍兵力を展開させるための管制を行うことが主任務となる機体であり、地球連邦軍においてはアイザックに次いで用意された偵察用MSである。
従来のMSと異なり、機体操作をするための操縦士(パイロット)と敵機・周囲の索敵をする索敵手(オペレーター)が乗り込む複座式となっている。これは、パイロットとオペレーターを分けることでオペレーターが操縦に煩わされずに警戒任務に専念できるというメリットを鑑みてのものである。その反面、基本的に自衛用の武装を持たないため、敵機の攻撃に対しては回避・逃走行動しか行えない。
大きな特徴は、肩から頭部にかけて一体化されたような巨大なEWACユニットで、レーダーアンテナとマルチセンサーを内蔵する。また、ディスクレドームや情報収集用の腕部有線式山越えカメラ、胸部無人偵察機なども装備されており、索敵のみに特化したMSとなっている。
収集した情報はデジタル処理され、レーザー通信と電波通信を併用して母艦のCIC(コンバット・インフォメーション・センター:戦闘情報室)にリアルタイム送信されるため、本機体は母艦を中心としたEWACシステムの「目」として艦隊全体に索敵情報をもたらすのが主な役割となる。ミノフスキー粒子の濃度が濃い宙域など、母艦との通信が不可能な宙域の偵察を行う場合には、背部データポッドに情報を記録して射出し、母艦に回収させる形で情報を収集することもある。また、任務の性質上、作戦行動時間は非常に長く、大型のプロペラントタンクが装備されている他、同じく連邦製偵察機であるアイザックとの共通パーツも多い。
連邦軍における艦隊運用の要を担う重要なMSであり、後に機体形状や運用概念を継承したEWACジェガンが登場していることからも、その重要度を窺い知ることができる。
劇中での活躍
『ガンダムセンチネル』において、反乱したニューディサイズが立て籠もったペズン要塞の強行偵察の為にジムⅢを囮とする形で情報を収集していたが、逃走時にトッシュ・クレイらに発見され、データポッド射出直後に撃破された。彼らが命を賭して射ち出したデータポッドは、4つのうち1つだけがペガサスⅢに回収された。
立体物
アクションフィギュアシリーズ「ロボット魂」シリーズにラインナップ。