カタログスペック
頭頂高 | 18.0m |
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本体重量 | 47.0t |
ジェネレーター出力 | 1,390kW |
装甲材質 | チタン系合金 |
スラスター総推力 | 68,000kg |
センサー有効半径 | 7,300m |
機体説明
型式番号はRGM-79SC
地球連邦軍の量産型MSであるジム(前期生産型)をエース用に改修して総合性能を向上させた機体で、そのスペックはRX-78 ガンダムに匹敵すると言われる。
名称こそ「スナイパー」の名を冠しているが、狙撃特化の機体ではなく狙撃性能を有した汎用機としての運用を目的としている。そもそも「スナイパー」という名前自体、ガード・インターセプト共々ラグビーから取られた用語で狙撃手を意味するものではない。
詳細設定
以前より一部のA級パイロットは前期生産型ジムの性能に満足せず上層部に改修の要望を出していたが、ソロモン陥落後に改善プランの許可が下り、ジム・ライトアーマーと並行して改修作業が進行した。
SC型は登場者の要望に沿って個別にチューンされており、仕様にはバラつきがあった。どの程度共通するかは不明だが、予備の熱核反応炉を増設、腰部に追加で冷却装置をマウントし、バックパックや脚部にスラスターを増設したフランシス・バックマイヤー機に近い仕様が約半数を占めた(特に重装備にされた彼のSC型に倣ったという逸話がある)。
総生産数は50数機程度だが、その多くがア・バオア・クー攻防戦に参戦、勝利に貢献している。また、残存した機体の一部は各部を更新の上、グリプス戦役でも運用された。
一年戦争期にSC型に数えられたガード及びインターセプトは、戦後改めて名称と型番が割り振られている。
別系統機ではあるが、本機の設計思想をジム・コマンドに反映した「ジム・スナイパーⅡ」(SP型)が存在する。ジムコマンドの根本であるD型系が早期に開発された事もあって完成・投入はSC型よりも早かったとされる。
「MSV」のバックマイヤー中尉の他にも、一年戦争当で撃墜数トップを記録したテネス・A・ユング少佐(初出:戦略戦術大図鑑)は本機とジム・コマンドを愛機としていた。
「俺ら連邦愚連隊」では陸軍のコルテス中尉が本機を駆り、ネメシス隊所属のホーク・ロイザー大尉の駆るジム後期型に格闘戦を挑み互角に渡り合っている。パイロット次第で相当なポテンシャルを見せられる本機の柔軟性の高さを物語った。
装備
- 増設冷却器
腰部等、外部に露出する所にも取り付けられている。多少無理をしても安定して稼働できるようにするための当機の要。
- バイザー
頭部に増設された可動式のバイザー。後継機は狙撃用にサイトセンサーを内蔵しているが、現段階では格闘戦時にカメラアイを保護する用途で下ろすため、センサーの類は装備しておらずバイザー中央部は中空。
- BR-M79-L3 R-4型ビームライフル
ボウワ社が開発したビームライフル。長い銃身とセンサースコープを備え、狙撃に向いている。スプレーガンのBR-M79C-1型と同じフレーム構造を持つ。
- BR-S-85-L L-3ビーム・スナイパー・ライフル
同じくボウワ社製のビームライフル。ジムⅡのBR-S-85-C2型ビームライフルと照準系等が同じだが、収束率はこちらの方が40%高く命中精度も優れる。
- BR-M79C-1 ビームスプレーガン
ご存知、ジムの標準装備。脛側面に懸架している。
- ビームサーベル
バックパックは丸ごと推進器にしたため、前腕部にホルダーが付けられている。ユニコーンガンダムのビームトンファーのようにそのままビーム刃を発振する事も可能。
形状もボックスタイプのものからビームサーベルそのものが接続され用途によっては外して剣戟のように使用できるものが存在。取付位置も左前腕部や右前腕部など差異が見受けられる(後述)。
- シールド
地球連邦軍MSが装備する六角形の形状のもの(連邦軍の十字エンブレムの有無の差異あり)から陸戦型ガンダム及び陸戦型ジムと同じ形状のが使用されていることもある。
- ハイパー・バズーカ
主に対艦、対拠点攻撃に使用する実体弾兵器。ガンダムやノーマルGMが装備してたのと同型。
バリエーション/専用機
メカニックデザイン企画『MSV』に登場。機体説明でも挙げられた重装備型。
R4型ビームライフルに加え、ビームスプレーガンの銃身を上下二連装にして連射性を上げたダブルビームガン、ハイパーバズーカ、ビームハンドガン、ガンダム型シールドを追加。
ビームサーベルはボックスタイプに換装し右前腕に固定、取り回しを捨てて即応性に特化した。
カトキハジメ氏によるリファインが施されたデザイン。
ジム改をベースにしつつバイザーがジム・スナイパーⅢ同様にスコープシールド付きのものとなり、左腕にショートシールドを携行している。なお、スレイヴ・レイスの頭部は本機の顔面をそっくり陸戦型ガンダムに差し替えたような形状をしているが、関連性は不明。
デザイン経緯が特異で、『超劇場版ケロロ軍曹』において架空のMGの箱絵として初登場し、『GUNDAM FIX FIGURATION』において立体化。ガンダム作品には『機動戦士ガンダムバトルオペレーション』や『A.O.Z Re-Boot』などに登場しているが、ブランド名であるところの『MG Ver. Ka』としては実際に発売されたことが無いため、当項目における呼称もある種便宜上のものと言える。
- シモダ小隊機
メカニックデザイン企画『MSV-R』に登場。
地球連邦宇宙軍第3艦隊所属、シモダ小隊がア・バオア・クー攻防戦にて使用した現地改修機。原型機以上に推進系統を強化した他、陸戦型ジム等が使用していた6連装ミサイルランチャーを4連装に改造し背面に装備している。
- 宇宙海賊シュテンドウジ所属機
小説『機動戦士ガンダム ブレイジングシャドウ』に登場。
武器商人のニーゼ・ゲルバンから購入したもので、乗りこなせるものがおらず格納庫で埃をかぶっていたが、ジオン軍残党の襲撃の際にカイン・ラグナートが搭乗した。武装はオリジナルのR-7ビームライフルの他に、ベース機と同様の物を装備している。
- ジャブロー防衛隊仕様
TVアニメ『機動戦士Ζガンダム』に登場。
ジャブローに侵攻してきたエゥーゴを迎撃した旧式MS群の一機。ゴーグルが青い他カーキグリーンだった塗装がダークグリーンに改められている。携行武装はジムⅡと規格を共用化したL-3ビーム・スナイパー・ライフル。
関連動画
- GBG所属機
『機動戦士ガンダムF90FF』に登場。不法居住者による傭兵集団GBGが使用している機体。ディル・ライダーが搭乗した。
立体物
ガンプラ
1/144スケールの旧キットとして『MSV』版と『機動戦士Zガンダム』版が発売。
パッケージ、付属デカール、成型色が異なり、前者はオフホワイト、後者は緑色となっている。
2017年11月に1/100スケールのMGとして一般販売。ジム(さらに遡ればガンダムVer. 2.0)をベースに設定追加で様々な武装が追加され、フランシス・バックマイヤー機を再現できる。ほぼ同時にプレミアムバンダイ限定でテネス・A・ユング機も発売、こちらにはL-3スナイパービームライフルが追加されている。
更に2018年にはプレミアムバンダイ限定で1/144スケールでHG THE ORIGIN MSDが発売されている。こちらは狙撃型ビームライフルとビームスプレーガン・ビームサーベルのみ付属。また2019年にはミサイルランチャー装備のシモダ小隊機仕様の物が発売された。
フィギュア
食玩『GUNDAM CONVERGE』シリーズにラインナップ。※現在、入手困難
ガンプラに関する余談
ビームサーベルに関しては旧キットでは左前腕部にボックスビームサーベルユニットが接続されているが、MG以降は右前腕部接続とされている(MSD版は左前腕部にも接続可能だが、ボックスタイプのビームサーベルユニットではない)。恐らく、シールド装備が影響していると思われるが、旧キットボックスアートの時点ではZ版の頃からボックスビームサーベルユニットが右腕装着(左腕に装着されていない)となっているものの、説明書掲載のイラスト(彩色アニメデザイン画)では左腕装着で描かれており、詳細は不明。
その他完成品
『GUNDAM FIX FIGURATION』および『ROBOT魂.Ver.ANIME』にて商品化されている。
前者はリアルタイプカラーガンダムとの選択式。ボックスビームサーベルは右前腕となっている。
ROBOT魂は魂Web限定品。アニメ寄りのアレンジがなされている。シールドは六角形でガンダムの色違いとなっている。ボックスビームサーベルユニットは右腕取付のケースが多いが左腕にも可能。なお、別売りの連邦軍武器セットでシモダ小隊機が再現可能となっている。
また、後に『機動戦士Ζガンダム』のジャブロー防衛隊仕様も予約開始されている。