機体データ
型式番号 | MS-06K |
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所属 | ジオン公国軍、地球連邦軍・ハリオ隊、旧ジオン公国軍残党・カークス隊 |
製 | ジオン公国軍キャリフォルニアベース |
生産形態 | 試作機(量産機との異説あり) |
全高 | 18.4m |
本体重量 | 59.1t |
全備重量 | 83.2t |
出力 | 976kW |
推力 | 41,000kg |
センサー有効半径 | 4,400m |
装甲材質 | 超硬スチール合金 |
固定武装 | 180mmキャノン砲/120mmガトリングガン(選択式)、2連装スモークディスチャージャー |
追加武装・携行武装 | 2連ロケット弾ポッド『ビッグガン』2基(ガトリングガン装備時は1基のみ)、脚部3連装ミサイルポッド、ザクマシンガン、ザクバズーカ、ヒートホーク |
概要
陸戦型のJ型から派生したバリエーションの一つで、MS-06J-12の型式番号が割り当てられたとする資料も存在する。
初出は、『MSV』の企画が始動するより以前に刊行されたムック『劇場版 機動戦士ガンダム アニメグラフブック』より水中用ザク、砂漠用装甲強化型ザクと共に「対空砲装備型ザク」として発表された画稿。および、ムック『ガンダムセンチュリー』で文字設定が示された「MS-06K」。
キット発売前にスクラッチ作例が発表され、漫画『プラモ狂四郎』に登場していた。
『MSV』展開時に『ガンダムセンチュリー』の記述にある「K型」と同じものと解釈され編入された経緯がある(そのため、背部のデザインは当初存在せず、実質的に作例モデラーの立体創作物をアレンジしたものとなる)。
主な外見的特徴として背部に装備された巨大なキャノン砲と独特の改修を受けた頭部が挙げられる。キャノン砲のデザインは当初「対空用」とされていたため1980年代当時現用の対空砲をモチーフとしている。一方、08小隊のものは大戦期のアハト・アハト88mm砲をモチーフとしている。砲の調達、もしくは現地改修において差異があったとも推定される。
モノアイレールは全周囲式に拡張されたほか、頭頂部にガンダムのメインカメラと似た配置のサブカメラも装備している。
頸部ダクトは上方まで開口され縦方向のフィンとなり、動力パイプが廃されている。
脚部はグフのノウハウを生かした補助バーニアが装備されており、前腕部のアウトラインもグフに近いものとなっている。
また胸部にもダクトが増設されている。
アンテナは通常は頭頂部やや後ろ寄りに1本だが、サブカメラを挟むように前頭部に2本ある機体も存在し、ラビットタイプと呼ばれた。
元は地球連邦軍の航空機に対抗するためにキャリフォルニアベースで開発された対空用MSであるが、重量バランスの問題が解決せず開発計画は凍結されていた。
しかしキャリフォルニアベースに連邦の中・長距離支援用MSの情報がもたらされ、それに触発され開発を再開、中・長距離支援を運用の主軸としたMSとして完成し、ドムの量産に平行して少数が生産された。
運用は主に遮蔽物を利用した間接照準射撃だが、場合によっては直接照準射撃も行う事があった。
砲撃武装がランドセルに集約されていて、ランドセルが弾薬格納庫となっていたため、弾丸補充には他のMSの手を借りなければならず、運用に不便な点があった(自動装填装置を有しているとの異説もある)他、やや機体バランスが悪く、ザクよりも運動性は低下している。
また、180mmキャノン砲の代わりに本来の用途である対空用武装の120mmガトリングガンを装備したタイプがMSV-Rで設定された。
MSでの集団戦を想定した独自の携行火器として2連装ロケット弾ポッド『ビッグ・ガン』を2基持つが、ランドセル下部から伸びる支持用のジョイントアームはガトリングガンの給弾ベルトと接続部を共有しており、こちらを装備した場合は右側にビッグ・ガンを携行することは不可能。
支援機故に携帯武器は通常携行しないが、ザクマシンガン他、ザク用の各種武装は流用可能である。
カラーリングとして当初は北米・西アジア戦を想定してデザート・イエローが生産されたが、後にダークグレー系のロージビリティ迷彩へと変更された。
試作機が9機開発され、後に現地改修型を含めて相当数が実戦投入された。主にキャリフォルニアベースに配置された他、東南アジア戦線でコジマ大隊所属の08小隊が下半身を廃し専ら固定砲台として運用されているザクキャノンと交戦したという記録が残されている。
一年戦争後、残存した機体が地球連邦軍に接収されグリプス戦役で実戦配備された他、ラプラス戦争におけるジオン残党軍のトリントン基地襲撃時に投入された機体が確認されている。
関連動画
バリエーション
連邦軍仕様
ランドセルに宇宙に対応した改修を施し、リニアシート・全天周モニターに変更するなどの近代化改修が行われ、機体のカラーリングは青と紫にリペイントされている。(ただし、空間戦バックパックの画稿は現在に至るまで存在せず形状は不明のままである。)
ジオン残党仕様
ドダイYSから空挺降下する為の空中制動用スラスター付きパラシュートパックが装着されており、着地後にパージすることが可能。
ザク・ハーフキャノン
型式番号MS-06JKもしくはMS-06CK。
ザクⅡにオプション化したザクキャノンの武装を搭載した機体。
詳しくは当該項目参照。
ザクタンク(キャノン砲仕様)
型式番号MS-06V
アーケードゲーム戦場の絆と連動したメカニックデザイン企画ハーモニー・オブ・ガンダムで新たに設定された機体。
ザクキャノンのランドセルを装備したザクタンクで、森林伐採用のザクタンクであるグリーンマカクにも対応している。
ザク・キャノン テストタイプ
型式番号YMS-06K
機動戦士ガンダムTHEORIGIN MSDにて新たに設定されたザクキャノンの前身とも言える機体で、膝から下が通常のザクⅡと同様のものとなっている。
THE ORIGINにおいては重量バランスなどの問題が解決せず、このテストタイプから開発が進展することはなかったとされる。
MSVに文字設定のみ存在した計画が凍結された対空用MSが元ネタと思われ、後にMSDでもMSVに準拠した設定のザクキャノンが追加されている。(MSVにおいてザクキャノンの開発を後押ししたガンキャノンとジオン公国軍の接触はTHE ORIGINでは一年戦争開戦より前となっておりジオン側はこれに圧勝しているが、この時系列の改変とザクキャノン開発の進捗との因果関係は現在のところ不明。)
ガンプラ
旧キットでは1/144スケールがMSV版とZ版が、1/100スケールがMSV版で発売されている。
マスターグレードはザクⅡVer.2.0をベースにしており、通常版が一般販売、過去にプレミアムバンダイ限定でUC版とイアン・グレーデン機が発売されていた。また、Zガンダム版(連邦軍仕様)がガンダムベース限定で2023年11月25日から発売。但し、前述の通り空間戦バックパックの詳細が不明なため、バックパックは陸戦仕様のままである。
ハイグレードではHG THE ORIGIN MSDにてザクハーフキャノンが一般販売、プレミアムバンダイ限定で過去にザクキャノンテストタイプ、ザクキャノンがそれぞれ発売されていた。
MSDではイアン・グレーデンの存在については特に言及されていないが、ザクキャノンの配色やマーキングは彼の搭乗機のそれと酷似したものとなっている。
ザクキャノン及びテストタイプの腕の形状はMSDにおけるプロトタイプグフに合わせてか丸みを帯びた形状になっている。また、ザクキャノンの脚部は同じくカトキハジメ氏がデザイン監修を務めたUCのものに近く、膝関節を一部覆うようふくらはぎの装甲が延長されている。
関連イラスト
関連項目
MSV MSV-R MSD 機動戦士Zガンダム 機動戦士ガンダム第08MS小隊 機動戦士ガンダムUC
キャノンザク:ザクキャノンの表記ゆれや誤植…ではなく機動戦士ガンダムTHEORIGINに登場したザクⅡの体にガンキャノンの頭とジェネレーターを載せてビームライフルだけは使えるようになった一発ネタ機体。