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アハト・アハト

あはとあはと

第二次世界大戦期のドイツ軍で運用された高射砲。本来の任務たる防空戦のほか、対戦車戦における活躍でも知られる。
目次 [非表示]

「アハトアハト………! そいつは素敵だ、大好きだ」

 ーモンティナ・マックス


解説編集

アハト・アハトは、第二次世界大戦期のドイツ軍が運用した8.8cm高射砲の通称。

該当するのはFlaK 18FlaK 36FlaK 37FlaK 41の4種。


原語のドイツ語表記は口径の8.8cmを意味する「Acht-Acht」で、英語圏の米英軍にも「Eighty-Eight」(エイティ・エイト)と呼ばれた。


ドイツ陸上戦力が展開したあらゆる戦域における防空を担い、またその高威力により対戦車・陣地攻撃にも活躍。

初期の攻勢から末期の防衛戦に至るまでドイツ軍を支え続けた。


タグとしては中黒を除いたアハトアハトも用いられる。


開発編集

戦間期、ワイマール共和政下のドイツでは、第一次世界大戦敗戦に伴い発効されたベルサイユ条約により、軍備に関連する事業に大きな制約が課せられていた。


...のだが、実際には巧妙な偽装工作、国外企業との提携により、戦車戦闘機、あるいはロケット弾とその発射機に至るまで、様々な「条約逃れ」の兵器開発が進められていた。


8.8cm高射砲の初期型「FlaK 18」もまた条約逃れのため、1920年代後半からドイツ企業クルップ社の影響下にあったスウェーデンのボフォース社にて開発された高射砲で、本来なら帝政時代の「1918年式」という意味を持つ制式呼称も偽装工作の一環だった。


開発にあたって求められたのは、機甲部隊に追従できるだけの機動力・展開力。

これは、一般的な大戦期の90mm級高射砲と比べて軽量なことや、ハーフトラックによる牽引のため車輪の取り付けが可能な十字形の砲座などの特徴として表れている。


運用・戦史編集

スペイン内戦編集

1936年、8.8cm高射砲はスペイン内戦に投入されたドイツ義勇軍「コンドル軍団」により用いられ、その長射程・高威力・高精度が活かされ、もっぱら対地戦闘で活躍。

以降のドイツ軍は、8.8cm高射砲を防空のみならず戦車やトーチカなどの重装甲目標への攻撃にも積極的に用いるようになった。


西方電撃戦 (1940)編集

怪物殺し

1940年6月、ドイツ軍は英仏連合軍相手に大規模な戦車戦を展開。

しかし、重装甲の施されたトーチカフランス軍B1bis重戦車イギリス軍マチルダII歩兵戦車に対し、火力不足のドイツ戦車では勝ち目が無かった。


そこで、ドイツ軍はこれらに対して8.8cm高射砲を使用。

その高威力は大いに発揮され、フランスの戦い全体で8.8cm高射砲が記録した戦果は連合軍戦車152両、トーチカ151基に達するという。


北アフリカ戦線 (1941-1943)編集

88

ロンメル率いるドイツアフリカ軍団によって使用された8.8cm高射砲は多くの戦地で活躍。

特に、英軍が1941年6月に発動したバトルアクス作戦中、8.8cm高射砲は90両以上の戦車を撃破し、英軍の攻勢計画を頓挫させる重要な役割を果たした。


また、1943年から投入された有名なティーガーI重戦車の搭載砲は、8.8cm高射砲を原型に開発された8.8cm戦車砲(KwK 36)だった。


東部戦線/独ソ戦 (1941-1945)編集

ドイツ戦車はフランス戦からほとんど改良されておらず、ソ連赤軍T-34中戦車KV-1KV-2重戦車に対して火力不足だった。

1942年に新型対戦車砲・戦車砲が実用化するまでの間、それらを正面から撃破できる8.8cm高射砲は極めて重要な兵器であり続けた。


ドイツ本土空襲 (1940-1945)編集

少なくとも、総生産数の約50%に相当する10,000門以上の8.8cm高射砲がドイツ本土に飛来する米英の爆撃機迎撃に用いられた。


レーダーから得られる詳細な敵機の方位・進行速度等を反映し、射撃管制を受けた防空陣地からの統制射撃は非常に強力で、ドイツ上空で撃墜された米軍機の半分以上を占める5,380機は高射砲(口径8.8cmの高射砲以外も含む)によるものだったという。


型式編集

  • FlaK 18

1933年に量産が開始された、ボフォース社製の7.5cm高射砲をベースとして口径を8.8cmへ拡大するなどの改設計が加えられた型。

砲身長4938mm(56口径)
使用弾薬88×571mm R弾
総生産数20,754門

  • FlaK 36

1939年に実用化した、Flak 18に運用面での改良を加えた型。砲性能は変わらない。

発射方向の切り替えを電源で行うことができ、砲身交換も容易となった。


  • FlaK 37

1942年に実用化した、対空戦向けに計器表示が改良された型。やはり砲性能は変わらない。

主に固定陣地での防空任務専用として配備された。


  • FlaK 41

1943年に実用化した、装薬量増加・砲身延長により有効射程の増大を図った型。

より大口径な128mm高射砲と同等の射程を発揮したものの、生産コスト増大のため少数生産に終わった。

砲身長6548mm(74口径)
使用弾薬88×855mm R弾
総生産数556門

余談編集

  • 「8.8cm高射砲による対地戦闘はロンメルが考案した」という俗説があるが、実際にはスペイン内戦の頃から野砲として使われている。
  • 8.8cm高射砲とティーガーが搭載する8.8cm戦車砲の砲弾には互換性が無い。
  • 地上部隊からも対戦車砲として非常に頼りにされていた。そのため「自分達の任務は対空戦闘だ」として撤退しようとする空軍の高射砲隊に、陸軍や武装親衛隊の指揮官が銃口を突きつけて「戦って英雄として死ぬか、逃亡者として銃殺されるか好きな方を選べ」「死ぬか勲章を貰うかどっちかだ」などと脅迫し、対戦車戦闘を強要した挙句多くの戦果を挙げて戦線崩壊を阻止したケースがいくつかある。


口径8.8cmの戦車砲を搭載した戦車・自走砲編集

KwK 36 L/56編集


KwK 43 L/71編集


Pak 43 L/71編集


登場作品編集

五十音ことはが言霊によりFlaK 36を召喚、使用する。


平賀才人が使用。


伊8のセリフに登場。




関連タグ編集

対空砲 高射砲

戦車 自走砲 駆逐戦車

ドイツ軍

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