曖昧さ回避
2.の解説
開発元はドイツ。現実世界のレオパルト2的な立ち位置にあり、各国において運用される。
王虎の牙に豹の俊足
ヤークトパンター(Jagdpanther:狩豹)は、第二次世界大戦期のドイツ製駆逐戦車。
パンター中戦車の車体を流用、大型化して長砲身8.8cm砲を搭載した車輌で、原型譲りの良好な機動力に加え、WW2最強のティーガーII重戦車と同等の火力を有した。
しかし、実際の運用では設計上の欠点や初期不良が悪影響を及ぼしたほか、量産体制が確立できずに数も揃わず、活躍の機会は限られた。
なお、V号駆逐戦車(Jagdpanzer V)という呼称も知られるが、これは戦中にはあまり用いられなかった。
また、プラモデルのパッケージ呼称としてハンティングパンサー(日本模型)やロンメル戦車(田宮模型)などといったものも存在し、日本語圏で時々ヤークトパンターを指して用いられるが、これらは史実で実際に用いられたものではない点に注意。
開発
ナースホルン | パンター |
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当時のドイツ軍において最強格の対戦車砲・PaK 43(71口径8.8cm砲)は大型で車載しづらく、III号戦車やIV号戦車といった旧式戦車の小柄な車体に搭載した場合、上面や後面に装甲の無い設計を強いられた。(ナースホルンを参照)
装甲が部分的であっても無い場合に、その兵器は至近距離の着弾・爆発に弱くなるため、戦場において好ましい兵器とはならない...。
一方、PaK 43の実用化よりも前となる1941年末から全周装甲化されたPaK 43搭載車の開発が進められていたが、1942年に従来戦車より大型の新型・V号戦車パンター実用化に目途が立ち、これはPaK 43搭載型駆逐戦車の原型に適すると評された。
結果、1942年後半から1943年にかけてパンターを基にした設計が進められることとなり、1943年10月に実物大モックアップがドイツ総統の御前にて披露された後、試作車が完成。
11月ごろから量産が開始された。
性能
前方に限定旋回方式で搭載された長砲身8.8cm砲は通常の徹甲弾でも最大200mm厚以上の装甲板を射貫でき、中戦車のM4シャーマンやT-34/85なら約3,000m、重戦車のIS-2ですら2,300mの射距離で撃破可能だった。
また、原型のパンターと同様に車体前面80mm厚の傾斜装甲は実質150mm厚程度の優れた防御力を発揮。これを正面から貫ける連合軍の火砲はごく少数に限られている。機動力もパンターに準じる優れたものだった。
ただし、生産に際して当時のドイツ軍戦車隊で主力を務めるパンターの生産ラインを割かねばならないという問題点があり、実際に終戦までの生産数は400輌程度に終わっている。
また、明確な欠点としては駆動系の耐用時間が短いことがあった。
原型のパンターと比べて砲搭載位置の関係で重心が前方に移動したことや、砲塔がなく照準に際して頻繁に方向転換することなどが原因で駆動系にかかる負担が過大となってしまい、短い移動でも頻繁に故障を発生したという。
登場作品
映画
- バンド・オブ・ブラザース
- 初期型が登場。撮影に使用されたのはT-55を改造した車両。
特撮
アニメ
- ガールズ&パンツァー劇場版
- 大学選抜チームの顔見せシーンで1カットのみ登場。
- ガールズ&パンツァー最終章
- TV版から引き続き黒森峰女学園の戦車として登場。
- 第4話ではフラッグ車を務めた。
マンガ
- ガールズ&パンツァー リトルアーミーII
- 黒森峰女学園とベルウォール学園の保有車輌として登場。
- 黒森峰女学園とベルウォール学園との試合では、ベルウォール学園側のヤークトパンターに迷彩塗装が施された。
ゲーム
- コンバットチョロQ
- コンバットチョロQ:「ヤクトパンサー」表記。作戦25「嵐の強行突破」で交戦する。後半で交戦する戦車ということもあって通常のパンターよりは強力だが、ヤークトティーガーが何度も登場しているのに対しやや地味な扱い。
- 新コンバットチョロQ:「ザンブニール攻防戦」に登場。クリアすると使用可能になる。こちらも同時期に入手できるパンターよりは積載量も装甲も大きいが、後半に現れるF型やパンターIIには劣る。クルップ社が計画した12.8cm砲搭載案も登場。「パンタークルップ」と呼称されている。同じく「ザンブニール攻防戦」で交戦するが、入手可能なステージは「炸裂!フレイルの恐怖」。いずれも自走砲専用「H」カテゴリーと車体機関銃タイプ「B」カテゴリーの武装を装備できる。
- ドイツTier7駆逐戦車として登場。12.8cm砲搭載案も「Jagdpanter II」として登場している。(上画像の戦車)
- 12.8cm砲搭載案が本作の呼称に倣って「ヤークトパンターII」と呼ばれることは多い。
- War Thunder
- ドイツランク4駆逐戦車として登場。