プレイステーション2で発売されたチョロQシリーズのゲームとしては『チョロQHG2』に続いて3作目に相当する。ジャンルはアクションゲーム。
『コンバットチョロQ』の続編的作品である。
概要
前作『コンバットチョロQ』と同じく、ミッションをクリアして得た報酬をもとにパーツを購入、戦車を強化して新しいミッションに挑む。
しかし前作ではパーツを装備すると外観も大幅に変化するカスタムタンクという要素を採用していたのに対し、本作ではレースゲームのシリーズと同じく実在の戦車をカスタムパーツで強化するというシステムになっている。
もちろん各戦車の性能に合わせて以下の制限が課せられている。
重量制限
前作とは違い重量をオーバーすると出撃できないということは無くなったが、スピードが大幅に低下する。
装甲
ちなみに装甲も戦車ごとに異なる数値が当てられており、概ね史実の性能に合わせられている。装甲強化パーツで強化可能。
武器カテゴリー
主砲および副武装には武器カテゴリーが存在。それぞれのカテゴリーに対応した戦車でなければ装備できない。
- 「H」:ヘビータンク(自走砲専用)。固定戦闘室型の戦車のみ装備できる。
- 「T」:ターレットガン(同軸機関銃)。砲塔に主砲のほか機関銃を装備している戦車のみ装備できる。
- 「B」:ボディガン(車体機関銃)。車体に機関銃を装備している戦車のみ装備できる。
飛行パーツ・水上パーツ
メイン画像にも描かれているように本作ではタンクを飛行させたり水上を航行させることもできる。飛行パーツは燃料の制限があり、燃料が切れると再チャージが完了するまで使用できなくなる。
街の探索
前作と同年に発売された『チョロQワンダフォー!』の反響もあってか本作には街中を探索する要素が追加されている。
ミッションによって敵国に占領された都市を解放すると、都市の探索が可能となりパーツショップやバトルアリーナといった施設が利用可能となる。
珍しいことに街中にいるチョロQとの会話は接触するだけではなく○ボタンを押す必要がある。
街の住民のタンクは使用不可の非武装車両がほとんどだが、こちらもM113やブレンガンキャリア、M5トラクターなど実在の軍用車両を模している。
ルート分岐
本作では珍しいことにルート分岐が発生し、街を解放した順序次第で交戦する敵が変化する。ボスキャラがヘリか四脚戦車かの二択だったり、Qシュタイン本土決戦で爆撃機と戦うか強化戦車と戦うかを選ぶ形になる。
また最終ステージも特定のステージをクリアした場合に限り友軍が援護してくれる。
ストーリー
鋼鉄世界キュワール。
この世界には複数の大陸国家が存在し、息づいていた。
CQ歴210年8月
最強の軍事力を誇るQシュタイン帝国が突如の宣戦布告、そして隣国への侵攻を開始した。
強大な軍隊に加え電撃作戦の決行によって、周囲の国は反撃の準備を整える間もなく、次々と陥落していった。
Qシュタイン帝国は侵略地域の拡大を続け、海を隔てた西の大国、プロトンにまで迫りつつあった。
プロトン王国は軍事力こそQシュタインに劣るが、統制力・生産力が高くQシュタインの宣戦布告にいち早く対応を始めていた。
CQ歴210年11月
ついにQシュタイン上陸部隊が侵攻し、両大国の戦いが始まる。
Qシュタインの大部隊に対し、プロトンは軍隊、民間のレジスタンス部隊をもって応戦する。
両国の力は均衡、膠着状態が続き、長期戦の様相を見せていた。
CQ歴211年3月
プロトンは必死の抵抗もむなしく、Qシュタインの軍備力の前に徐々に戦力を失い、次第に後退していった。
本土の8割を失ってまでも希望を失わずに戦い続ける兵士達。
この戦いに、勝利はあるのだろうか・・・
(本編オープニングより)
登場キャラクター
ブリーフィングなどがストーリー仕立てになったため、敵味方共にキャラクターが多く登場している。
プロトン王国
- 主人公
本作の主役で、プロトン王国の兵士。
階級は特に定められていないが、ロドスシルト少佐から単独で厳しい作戦の遂行を依頼される、ある程度の独断専行が認められている節があるなど並の兵士ではないようだ。
ゲーム開始時に以下の戦車から選択可能。選択しなかった場合の入手順に記載。
スチュアート | II号自走砲マーダーII | II号戦車F型 | II号榴弾砲バイソンII |
III号戦車E型 | マチルダII | I号戦車A型 | M4シャーマン |
T-34/A | M15/42 | M18ヘルキャット | ソミュアS35 |
九七式中戦車チハ改 | KV-1C重戦車 | T-34/76 | クルセイダーMk1 |
- ロドスシルト少佐(M1エイブラムス)
恐らく主人公の直接の上官に相当するプロトン王国陸軍の少佐。リベージュダースの最終防衛線での戦闘に辛くも勝利し、反攻作戦の指揮を執る。
- ミーンテース隊長(LVTP7)
民間のレジスタンス部隊を率いる隊長。正規軍と協力し、共に祖国解放に挑む。
- ビスカイト中将(チーフテンMk5)
プロトン王国軍の将官だが、ストーリー開始時点ではQシュタイン軍に捕らえられている。
レジスタンス部隊と主人公の活躍によって助けられてからは反攻作戦の指揮を執る。
- プロトン国王(M24チャーフィー)
プロトン王国の国王。首都バチェリット郊外の森林に身を隠していたが、Qシュタイン帝国軍に居場所を発見され窮地に陥る。
ニビリア共和国
- ボアン大尉(メルカバMk3)
プロトン王国と同盟を結んだ第3国・ニビリア共和国陸軍の大尉。Qシュタイン本土決戦でロドスシルト少佐と共に指揮を執る。
- ニビリア国王(シャーマン・ファイアフライ)
ニビリア共和国の国王。Qシュタイン帝国の脅威にさらされていた国をプロトン王国軍に助けられたことから同盟を結ぶ。
Qシュタイン帝国
- ボルナソス大佐(ブルムベア)
Qシュタイン帝国軍の大佐。プロトン王国侵攻部隊の前線指揮官であり、最終防衛線までプロトン王国を追い詰めた。
最初のステージから隠し武器バウンドボムを装備しておりこちらを寄せ付けない強敵。
- ゴルヒチン大尉(ティーガーII・ポルシェ砲塔型)
Qシュタイン帝国軍の狙撃手。一撃必殺の強力な主砲超ロングバスターを装備しており、正面から近づくのは危険。
- ドニゲッテル少将(シュトゥルムティーガー)
Qシュタイン帝国軍プロトン王国侵攻部隊の総指揮官。港町ザンブニールを拠点にしている。
四連装のロケットランチャーを装備し、遠くからでも攻撃してくる。
- ユゴス少佐(ルクレール)
プロトン王国北部に潜伏していたQシュタイン帝国軍小隊を率いる。ザンブニール戦で戦力が消耗したプロトン軍を強襲するべく南下を図る。
長射程のミサイルを装備しているほか、こちらに気付くと戦域からの離脱を図る。
- ボルゾル元帥(ヤークトティーガー)
Qシュタイン帝国本土の都市マグスコピックを守る精鋭部隊「ボルゾル徹甲部隊」の指揮官。
指揮下のタンクを含め強力なサブウェポンを装備している。
ボスキャラ
本作では実在戦車のボスキャラは2台しかおらず、残りは架空兵器になっている。
- ラクレイス軍曹
どことなくMi-24ハインドに似たコックピットを持つヘリコプター。工業都市ナルドニックの解放を目指す主人公に対し、秘密兵器に擬装したアガートキャリアーを陽動として発進させ、単独で追跡した主人公を仕留めようと襲い掛かる。
操縦席下部のガトリング砲、機体両側面のコンテナからのブラストドラムとピラーを放つ強敵。
- ヘテロ
ナルドニックから発進したアガートキャリアーに積載されていた秘密兵器の正体。ルート次第ではホンモノであり、やはり郊外で主人公に襲い掛かる。
ホバーの付いた4脚で浮遊するホバータンクであり、正面にある主砲スパイラルショットと上部の腕から放つエレクトリックレーザーが武器。
弱点はホバーの付いた脚部で、攻撃を与えるとバランスを崩して一時的に動きが鈍くなる。
- トレニオス少尉(AMX-10RC)
プロトン王国北部のキエロク洞窟に秘密基地を構えていたQシュタイン帝国の軍事技官(?)。装輪式らしい圧倒的なスピードでこちらを翻弄する。
純粋なタンク型の唯一のボスキャラ。
- バルダイル
Qシュタイン帝国の秘密兵器である地雷除去戦車。本来は地雷除去用の装備である巨大なフレイルを使って主人公を吹き飛ばそうとする。
エンジン冷却のために一時的に停止するが、その際も排気口から竜巻を発生させる。
出現時には空から降って来る、なぜか周囲に電磁バリアのリングを発生させる、ストーリーの本筋に特に絡んでこないなど何かと不気味なボスキャラ。
- スキシーバ大将
Qシュタイン帝国沿岸を守る巨大戦艦。三連装の主砲やVLSからのミサイル、高角砲などを装備している。
フェーズドアレイレーダーを備えた巨大な艦橋が弱点だが、一定以上ダメージを与えるとここからCIWSが出現。驚異的な威力を誇る。
前部甲板には重力波を発生させてこちらを引き寄せるグラビトンシステムを装備していること、兵装の配置がどう見ても水上戦闘に適していないところなど、甲板上での白兵戦を前提にした艦である可能性がある。
- カルセオリア
Qシュタイン帝国がプロトン本土を強襲するために開発した巨大巡航爆撃機。尾翼の無い全翼機を彷彿とさせるフォルムで胴体上部に旋回機銃が搭載されている。
主人公は試作品の飛行パーツCQクラフターを装備して追跡する。
旋回機銃のほかに胴体上部から空中機雷を放って攻撃する。
弱点は翼にある四基のエンジン。
- ナルマルガム中将(ミーネンロイマー)
Qシュタイン帝国の最終防衛ラインを守る地雷除去戦車。車体はあらゆる攻撃を寄せ付けないほど頑丈で、プロトン王国軍の先遣隊を全滅させてしまった。
地雷除去用の巨大な車輪でこちらを押しつぶすほか、砲塔の機関銃、車体後部の発射機からの氷塊弾、そして強力な迫撃砲を搭載する。
- Qシュタイン皇帝
本作のラスボスであるQシュタイン帝国の皇帝。最初は前作のラスボスT-35を思わせる多砲塔戦車の姿をしている。この状態でも七基の副砲と強力なロケット砲を放つ主砲が目を引く。
撃破すると半球体型の車体に三連装主砲を備えた砲塔、さらに車体下部に八つのツメとそれぞれに砲塔を備える姿に変形する。
さらにこの第2形態を撃破すると無数の瓦礫が積みあがった不気味な姿へと変貌する。顔のようになった最上部の巨大な歯車が弱点だが、そこを攻撃するためにはコードのようになっている胴体を攻撃する必要がある。
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パンツァーリート:ラスボス戦のBGMが酷似している。