解説
3kmの距離から敵戦車を撃破できる戦闘車両を望む前線からの声に答え、ティーガーIIをベース(車体が延長されているため、厳密には同一の車体ではない)にして開発された55口径12.8cm砲搭載の重突撃砲(後に駆逐戦車に分類)。
主砲の12.8cm砲は計画中の超重戦車マウスに搭載予定のものであり、当時のあらゆる連合軍戦車を遠距離から撃破可能だった。
距離1000mで傾斜角60度の200㎜装甲板を貫通させる性能を持ち、家屋の反対側にいたM4シャーマンを家屋もろとも打ち抜いて撃破した記録もある。
砲塔前面の装甲厚は250mmにもおよび、これを貫通可能な連合軍火砲は存在しなかった。
まさしく第二次世界大戦最強の戦闘車両であるが、70tを超える大重量により機動性は劣悪で(ただし残っている記録フィルムだと舗装路面では結構軽快に走っている)、さらに大戦末期の乗員の練度不足および士気の低下、燃料の欠乏によりその性能を十分に発揮したとは言えなかった。
固定戦闘室のため主砲の可動域を超える範囲に照準を合わせるときは巨大な車体を左右に方向転換させる必要があり、走行系統に多大な負荷がかかった。
また全長8mもある長大で重い砲身はトラベリングクランプによる固定なしでは走行時に砲身が大きく揺動し、短距離の移動でも砲架のギアが傷んだ。それによる照準誤差が生じて砲が使えなくなる問題も発生した。
肝心のトラベリングクランプも車体正面に設けられており、解除の際は乗員が身を危険にさらして外に出る必要がある。
生産数には諸説あり、82両完成、もしくは48両完成、部隊への輸送記録では100両を超えているとも言われている。
生産の多くはヘンシェル社で行われたが、初期はポルシェ社で行われており、足回りがポルシェティーガー及びエレファントと同じ縦置き式トーションバーサスペンションとなっており、ヘンシェル社の横置き式トーションバーサスペンションと異なっている。
横置き式より製造が容易でコストもヘンシェル社の半分となったが、耐久性が低く時速15km以下では振動が酷かったという。
12.8cm砲の不足から、ティーガーⅡと同じ71口径8.8cm砲を搭載した車両も少数が製作された。
ちなみに、戦車撃破王として知られるオットー・カリウス(Otto Carius)が敗戦前に最後に指揮していた駆逐戦車中隊が配備していた車両としても知られる。
登場作品
初代PS「コンバットチョロQ」とPS2「新コンバットチョロQ」に登場。「コンバットチョロQ」では「ヤクトタイガー」表記。
「コンバットチョロQ」では作戦18「氷点下の挑戦」ほか中盤に登場。そこそこ長めの射程と高火力を誇るが、本作では戦後戦車も登場するため比較的地味。
「新コンバットチョロQ」では「ボルゾル徹甲部隊」で精鋭部隊を率いるボルゾル元帥として登場。プレイヤーは「ボルゾル徹甲部隊」をクリアすると使用可能となる。
主砲に拡散ミサイル弾、副武装にロケットランチャーを装備し、指揮下の61式戦車、74式戦車、90式戦車と共に襲い掛かる。遮蔽物の無い滑走路の戦闘ということもあって苦戦は必至。ルート分岐で回避も可能なことが救いか。
自走砲専用「H」カテゴリーと車体機関銃タイプ「B」カテゴリーの武装を装備できる。
決勝戦の黒森峰女学園が運用している。サンドイエロー塗装が主流の黒森峰では唯一のオキサイドレッドが特徴。
重厚な装甲で山頂に陣取る大洗女子チームの砲撃を悉く弾いていた。
市街地で背後から来るウサギさんチームを待ち伏せする。ウサギさんチームに間一髪で回避されるが、向い合ったまま追いかける。
しかし、ウサギさんチームは逆に詰めて来たことで狙うことが出来ず、そのまま河川まで誘導されウサギさんチームが横に回避する前に撃破するが、勢い余ってそのまま河川に転落し、主砲をへし折り走行不能になる。
テレビシリーズに引き続き黒森峰女学園が運用しているが、多数いる重駆逐戦車の1両といった扱いであまり目立った活躍は見せられなかった。
- それいけ!ロシア女子戦車小隊
主人公達が放棄されたヤークトティーガーを鹵獲する。
最後は砲弾が尽き、戦車が撃破されたことで放棄する。