解説
第二次世界大戦期に各国で開発された、歩兵の支援を主任務とする自走砲の一種。
対応する外国語はドイツ語の「Sturmgeschütz」、英語の「Assault gun」など。
開発
ドイツのIII号突撃砲 | ソ連のSU-122 |
第一次世界大戦期、歩兵部隊の突撃を成功させるカギとなったのが砲兵部隊の野砲による支援だったが、重い野砲を馬や人力で運びつつ歩兵に追従することは困難で、戦術上の難点となった。
一次大戦後の戦間期、これを解決する策として機械技術を応用し、歩兵の突撃に追従できる機動力を持たせた野砲という発想が誕生。
これに基づき、1930年代末のドイツではIII号戦車から砲塔を撤去、車体前部に短砲身75mm砲を搭載した「III号突撃砲」が開発され、1940年に実用化した。
また、1940年代のアメリカでは105mm榴弾砲搭載のT19 HMCハーフトラックが、ソ連では122mm榴弾砲搭載のSU-122自走砲が、それぞれの最も初期に実用化した突撃砲となった。
運用
長砲身の対戦車砲を搭載するIII号突撃砲 | アメリカのM4(105) |
当初、ドイツの突撃砲は開発の意図通り、砲兵部隊に配備されていた。
しかし、生産能力で連合国に劣り、戦車不足のドイツは敵戦車に対抗できる火力・防御力を発揮できる上に小型軽量で、旧式戦車の流用により容易に生産できる突撃砲を一挙に増産、戦車部隊への配備も開始。
結果、突撃砲はドイツ戦車部隊の主力の一角となり、終戦までに最も多く生産されたドイツの装甲戦闘車両もまた突撃砲となった。
また、イタリアやハンガリーなど、他の枢軸国の突撃砲もドイツのそれと似たような境遇を辿っている。
一方、比較的生産能力に余裕のあるアメリカやソ連などの連合国は突撃砲を対戦車戦闘に転用していない。
戦後は主力戦車の普及により衰退した…のだが、ウクライナ侵攻において突如出現した「亀戦車」は、ある意味現代の突撃砲と言えなくもない。
主な突撃砲
ドイツ
アメリカ
- M4(105)⇒M4シャーマンの105mm榴弾砲搭載型
イタリア
フィンランド
ハンガリー
ソ連
関連タグ
↑使用出来るシャシーとして登場する。