概要
大元は1970年代に爆発的にヒットしたチョロQの派生シリーズ『コンバットチョロQ』。戦車や軍用車両をモチーフにしたチョロQで、装軌車両の場合は車体部分に履帯が造形され、車体底面にタイヤが突き出た造形になっていた。
2005年には陸上自衛隊とのコラボチョロQ「チョロQワールドファイティングビークル」が発売され、これも広義のコンバットチョロQとみることもある。
PS版ゲームはシリーズ展開が終わって久しい1999年に発売。それだけならただ「おもちゃを題材にしたゲーム」になるはずであったが…
特徴
チョロQシリーズとしてはMSX版以来のアクションゲーム。ちなみにMSX版にも敵キャラとして攻撃してくる「コンバットチョロQ」が登場していた。
ゲーム内容はいたってシンプルでミッションをクリアして報酬をもらい、その報酬でパーツを買い新しいミッションに挑む、というもの。しかし戦車に詳しい人なら分かるが出てくる戦車のほとんどは実在した戦車なのだ。しかもこの手のゲームにありがちな名前が同じなだけのベツモノというわけでもなかった。形態・性能・挙動までほぼ忠実に再現したのだ。雑魚敵戦車でさえ詳しい人が見たらすぐにわかるぐらいに(※)。そしてこれらの戦車一つ一つにわからない人でもわかりやすい解説がついており、多くの子供にミリタリー趣味への道を歩ませた。そして驚くなかれ、ゲーム内で忠実に再現された戦車はゲーム内で使用可能だったのだ。恐るべしタカラ、恐るべしバーンハウスエフェクト(開発元)。
※ とはいえゲームの都合上序盤のステージに登場する軽戦車などは実際よりもスペックが低く設定されている。史実では快速を発揮したBT-5やクロムウェルが鈍足だったり、その重装甲でドイツ軍も苦戦を強いられたマチルダ2やシャールB1が紙耐久だったり。
また、作戦中になんの前触れもなく裏切るステルス君や、息抜きのレース面なのにレースをする気が一切ないガン待ちタンク達など、ネタというべきなのか語り草も多い。
ちなみにBGM担当は佐藤天平氏。魔界戦記ディスガイアなどのBGMを手掛けている人である。
その質の高さゆえか、今は入手困難なゲームでありこのゲームの攻略wikiに「今作の入手は限りなく不可能」とまで書かれるほど。
今作の評価の高さからシリーズも独自に発展し、『新コンバットチョロQ』(PS2)、『コンバットチョロQ アドバンス大作戦』(GBA)が発売されたりしている。
オリジナルタンク
そしてこの作品のもう一つの魅力はオリジナル戦車であろう。当時話題になっていた火星探査車や前述のステルス君のほかにも、
どう見ても恐竜戦車なタンクがいたり、
どこかで見たタンクがいたり、
子供の心にトラウマを刻むタンクがいたりオリジナルもやたら濃い。
また、ボスタンクも個性豊かな面々が揃っている。ビーム砲やパラシュート爆弾は序の口で、巨大化弾や凍結弾、自律戦車爆弾にオールレンジ攻撃、さらには極太の波動砲となんでもありの装備でプレイヤーを待ち受けている。メイン画像のBTX-1ヌムは画面を上下反転させるというメタ的な能力を持つ。
ちなみに
このゲームで一番のトラウマ的存在に前述の変種第2号のほかに某戦車アニメでも大暴れした超重戦車を挙げる人も多い。