解説
それまではエンジンの信頼性に悩まされていたが、このクロムウェルになってようやく信頼性に足るロールス・ロイス製ミーティアエンジンが搭載されるようになった。
このエンジンにより、「第二次世界大戦中最速の戦車」と言われるほどの快速ぶりを誇った。
ミーティアエンジンは構造が複雑であるため搭載には時間がかかり、それまでの間にクルセイダーと同じリバティーエンジンを搭載したキャバリエ巡航戦車、さらにキャバリエで問題となった変速機・サスペンションを改良したセントー巡航戦車も開発された。このうちセントーはミーティアエンジンに換装すればクロムウェルに編入できる仕様となっていた。
当初は6ポンド砲を装備していたが、Mk.IVからは75mm砲が装備されるようになった。
フランスに進攻するまでイギリス戦車の中で最も重要な戦車であった。
ノルマンディー上陸作戦後のヴィレル・ボカージュの戦いにおいて、ドイツ戦車エースのミハエル・ヴィットマンが指揮するティーガーI1両に、クロムウェル一個大隊の15両が全滅させられたエピソードは有名だが、これはドイツ軍により士気高揚のために捏造されたものである。実際には一連の戦闘で撃破された戦車は4両(うち2両がクロムウェル)であり、戦車以外の装甲車両、さらには非武装・非装甲の輸送車や牽引車を破壊したものを含めて「戦車撃破」と誇張したものであった。
(ヴィレル・ボカージュの戦い全体でヴィットマン車単独で戦車12両撃破(うち5両がクロムウェル)とする資料もある)
余談
ファイナルファンタジー7には、上記のクロムウェル戦車がモデルになった、クロムウェルというモンスターが登場している。
ファイナルファンタジーシリーズでも珍しい、戦車型のモンスターである。
登場作品
イギリス軍戦車として登場。
初代PS「コンバットチョロQ」とPS2「新コンバットチョロQ」に登場。
「コンバットチョロQ」では作戦4「近すぎた橋」と作戦6「最前線の荒野」に登場。快速で知られる戦車だが本作ではなんと直前のステージに出てきたクルセイダーよりも遅いという不遇な扱い。
PS2「新コンバットチョロQ」では「白銀世界の侵入者」に友軍タンクとして登場。
しかし移動速度が遅く開始地点からの移動に時間がかかり、結局単独でクリアする場合がほとんど。
同軸機関銃タイプ「T」カテゴリーの武装と車体機関銃タイプ「B」カテゴリーの武装を装備できる。
ステージ中には登場しないがセントー巡航戦車も登場している。戦車図鑑でのスペックデータの記述は通常型だが解説とグラフィックはノルマンディー上陸作戦でのMk.IVCS型がモデルとなっており、砲塔に目盛りが描かれている。同軸機関銃タイプ「T」カテゴリーの武装を装備できる。