虎狩りの英雄
シャーマン・ファイアフライ(Sherman Firefly)は、第二次世界大戦期のアメリカ製M4中戦車、通称M4シャーマンにイギリス製の17ポンド砲を搭載した仕様で、総生産数は約2,000輌。
イギリスで改装を受け、本国や英連邦諸国の各国軍で運用されたことから、イギリス戦車に分類される。
強力なドイツ戦車のティーガーI重戦車やパンター中戦車を正面から確実に撃破可能という、西側連合軍の戦車としてはトップクラスの対戦車火力を有した。
実際に、有名なドイツ戦車エースのミハエル・ヴィットマンが搭乗するティーガーIを撃破したのは本車とされる。
特徴
シャーマン・ファイアフライの搭載するイギリス製60口径76.2mm砲、通称17ポンド砲は、当時最高クラスの射貫能力を有する強力な戦車砲。
WW2最強格の独ティーガーII重戦車すら正面から撃破し得る、圧倒的な砲火力を発揮した。
弾種 | 砲口初速 | 射貫装甲厚/距離(装甲傾斜角30度) |
---|---|---|
徹甲弾(AP) | 884m/s | 161mm/100m, 115mm/1,000m, 79mm/2,000m |
被帽付徹甲弾(APC) | 884m/s | 140mm/100m, 119mm/1,000m, 99mm/2,000m |
装弾筒付徹甲弾(APDS) | 1284m/s | 221mm/100m, 185mm/1,000m, 151mm/2,000m |
※:APDSは装弾筒の分離が安定せず、長距離射撃時の射撃精度が低かった。
結果、ドイツ軍はこの長砲身シャーマンを最大級の脅威とみなし、優先的な撃破を試みたともされる。
ちなみに、英語で蛍を意味するファイアフライという名前は、17ポンド砲発射時のマズルフラッシュや爆風が強烈過ぎたことに由来するもの。
その強烈さたるや、数分間持続するほどの大規模な砂煙を発生させる、照準器越しに砲口方面を覗く砲手の目を眩ませるといった、次弾照準に際しての致命的な問題を引き起こすほどだった。
なお、ファイアフライの火力以外の性能は原型のM4シャーマンとほぼ同等。
事実上のドイツ主力たるIV号戦車、III号突撃砲、PaK40対戦車砲が相手なら戦闘距離で十分な防御力を発揮し、また機動力は優秀なものだった。
登場作品
実車が少なくとも1両登場しているが、大部分が105mm榴弾砲搭載型にダミー砲身を差し込んだ改造車。
- ガールズ&パンツァーシリーズ
サンダース大学付属高校が保有する戦車としてM4A4ベースのVCが登場。
副隊長のナオミが砲手を務める。
- コンバットチョロQシリーズ
初代PS「コンバットチョロQ」とPS2「新コンバットチョロQ」に登場。
いずれもM4A1ベースのIIC。
イギリスの中戦車として登場。
課金車両としてミハエル・ヴィットマン搭乗車を撃破したとされるカナダ軍第4機甲師団仕様も登場している。
イギリスの中戦車として登場。
ヴィットマン搭乗車を撃破したとされるジョー・イーキンス搭乗車仕様も限定発売された。
イギリスの戦車として登場。
ゲームシステムの都合上APDSの弱点が再現されておらず、非常に強力な戦車となっている。