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イスラエル建国と周辺国との対立編集

西アジアのユダヤ人国家・イスラエルは国家として存続するには軍事力は不可欠なものであった。それというのも周りをアラブ人国家に囲まれ敵だらけの国だったからである。


そんなイスラエルは建国時、あの手この手でその後起こるであろう独立戦争に備え武器を調達していた。アメリカ製の戦車M4シャーマンもそのひとつで、ヨーロッパやアメリカから購入し、独立戦争から戦い続けたが、時代は冷戦真っ只中、東西の対立は激しく、米英ソはそれぞれ中東の友好国に兵器を供与していった。イスラエルもM4シャーマンやM46などを供与されていたが、エジプトシリアにはより強力なT-54戦車が供与されており、このままでは戦車戦が不利となると感じたイスラエル国防軍はM4シャーマンの強化に乗り出した。


M50スーパーシャーマン編集

第一弾として投入されたのが、フランスのAMX-13軽戦車に搭載されたCN-75-50 75mm砲を搭載したM50である。この75mm砲はドイツのV号戦車パンターに搭載されたKwK42 70口径75mm砲をベースとした61口径の長砲身砲であり、同じ75mmでもかつてのM4が搭載したM3 37.5口径75mm砲とは段違いの破壊力を誇った。

1956年の第2次中東戦争では、M50とエジプト軍が装備する「AMX-13の砲塔をつけたM4」との戦車戦という一風変わった戦いが行われることになった。


M51スーパーシャーマン編集

1960年代アラブ諸国にT-54等の供与が始まったことで、M50でも不足すると考えたイスラエル軍は、さらなる武装強化を図ることとした。

それはフランス軍最新鋭のAMX-30戦車の主砲、CN-105-F1 56口径105mm砲の短縮型(44口径砲)への換装を行うことであった。

大口径化を図った理由は成形炸薬弾の使用が前提にあったためである。成形炸薬弾は理論上口径が大きいほうがより威力が増すので、砲身長にこだわらなくていい利点があった。

第4次中東戦争まで戦い続けたが、メルカバの配備が進むにしたがって、退役または派生型(後述)への改装が行われた。


派生型編集

M50 155mm自走榴弾砲

フランス製M50 155mm榴弾砲を搭載した自走砲。


ソルタムL33 155mm自走榴弾砲

自国製のソルタム社製M68 155mm榴弾砲を搭載した自走砲。M50との違いは、射程の延伸と密閉式の戦闘室化。


マクマト 160mm自走迫撃砲

ソルタム社製M66 160mm迫撃砲を搭載した自走砲。


MAR-240

エジプト軍などから鹵獲したソ連製BM-24 240mm36連装ロケットランチャーを搭載した自走ロケット砲。


MAR-290

自国製の290㎜4連装ロケットランチャーを搭載した自走ロケット砲。


キルション

アメリカ製のAGM-45シュライク対レーダーミサイルを搭載した自走対空ミサイル車。


関連タグ編集

イスラエル M4シャーマン 中東戦争

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