ゲームボーイアドバンスから発売されたチョロQのゲームとしては『チョロQアドバンス』に続いて2作目となる。
ジャンルはシミュレーションゲーム。
概要
『コンバットチョロQ』を題しているが過去作品のようなアクションゲームではなく、戦略シミュレーションゲームとなっている。
六角形のマス(ヘクス)で仕切られたマップ上に配置されたユニット「Qタンク」たちを動かし、攻撃・防御などの指示を出して交戦する。
チョロQシリーズおなじみのパーツカスタマイズ要素もあるが戦略シミュレーションということもあってやや異なる趣となっている。
パーツ
基本的なパーツとしては攻撃力を司る「砲塔パーツ」と防御・移動力を司る「車体パーツ」に二分される。
火力の高い砲塔パーツは強力だが重量がかさみ、移動力に優れる車体パーツは防御に不安があるなど一長一短。初代『コンバットチョロQ』同様車体の積載量をオーバーすると出撃できなくなる。
このほかに防御力を強化する、特定の攻撃を無効化するなどの効果を持つ「シールド」、球数制限があるが特殊効果を有する「サブウェポン」、命中率や回避率を補正したり装備したタンクのHPを回復させる「オプション」などのパーツがある。
フォーメーション
作戦中に自チームのタンクが特定の陣形を組むとカットイン演出と共にフォーメーションが使用可能となる。フォーメーションは1回の作戦中に1回しか使用できないが、敵タンクのHPを半分にしたり自チームのタンクのHPを回復したりと強力な効果を得られる。
性格
ストーリーパートでの選択肢や作戦中の行動などによってQタンクたちの感情パラメータが変動する。パラメータが一定値になると特定の性格が設定され、命中率や回避率などに補正がかかる。
ストーリー
遥か昔か、それとも遠い未来か。「チキュウ」という星の名を忘れてしまった時代……
星を開拓し文明を築き上げた機械生命体Qたちの中には、武器を取りQタンクとなったものがいた。
そのQタンクが率いる巨大軍事国家Qシュタイン帝国が突如として全世界に宣戦を布告。強大な力を持って世界を支配し始めた。
それに対抗するため拮抗するクリーク王国、ゲール共和国、ヴァイナー連邦の3つの大国は連合軍を結成。両者の力は拮抗し大戦は長期化。国土は荒れ果て街道にはゲリラが跳梁跋扈するようになった。
そんな中、立身出世を夢見て傭兵に志願したQタローは、ひょんなことから大戦を終わらせえる強力な戦略兵器をQシュタイン帝国が開発したことを知る。
出世のチャンスを感じたQタローは、この戦略兵器の謎を探るため道中で出会った仲間たちと大冒険を繰り広げる。
登場キャラクター
いわゆるシミュレーションRPG調となっており多彩なキャラクターが登場する。カッコ内は各キャラクターの初期装備のモデルとなった車種であり、作中でも車種を名乗る場面があるが、当然砲塔パーツ・車体パーツを換装すればその車種とは似ても似つかない姿になってしまう。
メインキャラクター
超兵器の謎を探るため世界を駆け巡る7台のQタンクたち。
ゲーム開始時のネームエントリーでチーム名をつけることができるが、作中で呼称されることはない。
- Qタロー(シャーマンM4)
立身出世を夢見て傭兵に志願したQタンク。後先考えずに行動する無鉄砲な性格だが、その思い切りの良さが事態を打開することも。
主人公ということもあってストーリー中での感情パラメータを上下する選択肢が多い。
- シュタイナー(ティガーⅡ)
大戦初期にQシュタイン帝国に滅ぼされてしまったパンツァー王国の元ナイト。
プライドが高くQタローとは何かといがみ合っていたが、内にはQタロー同様熱い心を秘めており選択肢次第ではQタローに発破をかけることも。
ただ初期装備が序盤の戦場と致命的に相性が悪い。
- 鉄ジイ(チャーチルMkⅣ)
かつて連合軍で軍事教官を務めたベテランQタンク。エリートだったこともあってQタローからは憧れの的だが当人(当車?)は正規軍時代にあまりいい思い出はない様子。
ストーリー後半での新要素のチュートリアルを担当する。
- ヴォドカ(T-35重戦車)
鉄ジイの正規軍時代の腹心の部下。頑固一徹な性格で敵前逃亡した上官をボコボコにしたことから軍を離れた。
名も無き小さな村で隠居生活を送っていたが、ゲリラに捕らえられたところを再会した鉄ジイたちに助けられたことから旅に同行する。
- ジュウベエ(95式軽戦車)
己の力のみを信じて技の鍛錬と悟りの境地を目指して放浪の旅をしていたQタンク。クリーク王国の大都市ヴァーレンで横暴を働くQタンクに反抗していたところにQタローたちと出会い、成り行きで旅に同行する。
- アラモード(ルノーFT17)
自由を愛するさすらいのQタンク。フランス語交じりの芝居がかった口調が特徴のキザ野郎で、当初はQタローたちの旅にも同行しなかった。
しかしヴァーレンでピンチに陥ったQタローたちを助けてからは旅に同行する。
ゲール共和国にコルメスという友達がいる。
- メタロ・ペサンテ(P40重戦車)
クリーク王国の農村ヴァルトに住む力持ちの青年。
気は優しくて力持ちを地で行く性格で、ややのんびりした節がある。
村がゲリラの大群に襲撃された際にQタローたちと共闘し、村の周囲のゲリラを壊滅させたのを機に旅に同行する。
クリーク王国
中盤の舞台となる大国。国土の中央部に広大な谷があり、そこを境に農村地と都市部が分断されている。
- ブリテン(クルセイダー)
Qタローが敗色濃厚の戦場で出会ったクリーク王国軍のQタンク。
Qシュタイン帝国が開発したという戦略兵器の情報を掴むために行動しており、Qタローは彼の任務を代行することになる。
ミッション01の任務は傷ついた彼を救出するという内容で、一応応戦してくれるものの運が悪いと集中砲火を受けて撃破されてしまい作戦失敗になることも。
- ライヒ(チャーチル歩兵戦車)
クリーク王国の大都市ヴァーレンで軍事産業を営む大富豪。街の事実上支配者であり彼の部下は街で横暴を振るっている。
どうやらブリテンが探しているQタンクについて何か知っているようだが…
車体はチャーチル歩兵戦車のそれだが砲塔は専用のピンポイントガンを装備している。一撃必殺のクラッシュ効果があるため射線に入るのは危険。
- シュラム
ブリテンが探しているクリーク王国の有力なQタンク。Qシュタイン帝国が開発したという戦略兵器の情報を掴んでおり、連合軍がそれぞれ探し回っている様子。
T-35を思わせる多砲塔「多重砲X」にオリジナルデザインの車体「ウルティマ・ワン」を組み合わせたオリジナルデザインの戦車。
- ヴァルトの村長(オチキス)
クリークの東部に位置する農村ヴァルトの村長。村が何度となくゲリラの襲撃に遭って悩まされている。
車体はオチキス軽戦車のそれだが砲塔はBT戦車のものになっている。
- ゲリラ(シャーマンM4ほか)
脱走兵や元傭兵たちが寄り集まった山賊の総称。街道に拠点を構えて追いはぎまがいのことをしている。
何故か正規軍レベルの強力な装備を有しているものや、連合軍の指揮下にあると思われるものもいるが…
ユニットとしての「ゲリラ」はM4シャーマンの車体・砲塔でミサイルポッドを装備している。
- ライヒの部下(シャーマンM4)
ライヒの私設軍隊に属するQタンク。街で横暴を振るい市民を苦しめている。
ユニットとしてはM4シャーマンの車体・砲塔でミラーシールドあるいはスチールシールドで防御を強化している。ミラーシールドを装備したユニットは7連装ナパームを装備している。
ゲール共和国
中盤からやや後半の舞台となる大国。作中では荒野と港町メーアしか登場しないため影は薄いが、クリーク王国に匹敵する軍事力を有する様子。
オチキスが主力戦車。
- コルメス(オチキス)
港町メーアに住むQタンク。アラモードの旧友でQタローたちに海を渡るための船の情報を教えてくれる。
ヴァイナー連邦
クリーク王国、ゲール共和国に匹敵する大国という設定だが、作中でQタローたちが立ち寄らないこともあって影が薄い。QタローたちはQシュタイン帝国に進出した部隊に出会うがすでに壊滅状態に陥っていると3大国の中でもかなり不憫な扱いを受けている。
KV-2重戦車が主力戦車。
Qシュタイン帝国
過去作品の敵国と同じ名前だが、パンターが主力戦車であることを除けば特に共通点はない。
戦争を終わらせるほどの強大な超兵器を開発したとされており、連合3国がそれぞれ情報を集めている様子。
- エリートタンク(Ⅴ号戦車パンター)
Qシュタイン帝国軍の将校。帝国領を進むQタローたちの前に現れ軍に勧誘してくる。
ユニットとしては「エリートタンク」から「エリートタンクⅧ」までの8種が登場。いずれもパンターの車体・砲塔で異なる装備を有するが、「エリートタンクⅣ」と「エリートタンクⅤ」は砲塔がそれぞれロケット砲と15.2センチ砲になっているのでパンターとは異なる外観になっている。
- 街の住民(オチキス)
Qタローたちが情報を集めようとしたQシュタイン帝国領の街の住民。突然スパイ嫌疑をかけられてQシュタイン軍の攻撃を受ける。
登場するステージはこの街の住民たちを街の外に逃がすという内容。
車体はオチキスのそれだが砲塔は特二式内火艇のものになっている。
ボスキャラ
本作ではボスステージでは作戦開始演出が異なるほか専用のBGMが流れる。
- ファントム
ライヒの率いる軍事産業が開発した自律兵器。一つ目と先端が球体になった二本のツノが特徴的な空飛ぶ円盤のような姿をしており、一目見たQタローは相手にならないと高をくくっていた。
しかしその実態は相手の姿をそっくりそのままコピーするという強敵。コピーした後はユニット名も「タローQ」、「イナーシュタ」とQタローたちの名前をもじった名前に変化する。
ファントムを全滅させるかQタローたちのうち誰かがゴールに到達すればクリアだが、逆にファントムにこちらのゴールに到達されると作戦失敗となる。
- ヴァルトのガーディアン
ヴァルト村の山奥にある放棄されたQシュタイン軍施設に眠るQタンク型の自律兵器。メタロ・ペサンテも存在は知っており幽霊と恐れていた。
撃破も可能だが通常のQタンクよりはるかに頑丈。マップの四隅にあるスイッチを押して機能停止させるのが正攻法。
- トレイントレイン
ゲール共和国領内に展開するQシュタイン軍の列車砲。列車砲と銘打っているが実際には直接照準でこちらを狙ってくるため装甲列車に近い。
本作のボスキャラでは初の非タンク型で、後部車両に搭載された連装砲塔から長射程の攻撃を放ってくる。撃破するには機関車を破壊する必要がある。
- ザ・ソーサー
Qシュタイン軍が開発した移動要塞。円盤形の機体に6基の砲塔が搭載され、飛行してこちらを踏みつぶそうとしてくる。
- メイルシュトルム
Qシュタイン軍が開発した巨大兵器。先行していたヴァイナー連邦軍を壊滅させてしまった。
アリジゴクのように地中に潜む巨大な要塞で、ドリルを回転させてこちらを引き寄せてくる他ミサイルで攻撃してくる。接近すればもちろんドリルで攻撃してくる。
- グランドトータス
Qシュタイン軍が開発した要塞。司令塔のトータスヘッド1基、砲塔を備えるトータスハンド・フット各2基、より強力な武装を有するトータステイル1基で構成。ヘッドだけを破壊しても撃破はできないため、逆に武装を有するヘッド以外のパーツから破壊しないと苦戦は必至。
- セキュリティシステム
Qシュタイン軍が戦略兵器を隠した秘密基地ダイバーン島の警備システム。6基のレーザー砲台に守られた3基のコアで構成されており、アクティブなコアを破壊すればシステムは停止する。
しかし3ターンに1回レーザー砲の射程圏内にまでQタローたちを引き寄せてくる。
- ガーディアンシステム
ダイバーン島の最深部に位置する最終警備システム。ミサイル砲台4基と巨大なレーザー砲台3基に守られており、コアユニット自体も電撃を放って攻撃してくる。
無機質な要塞のラスボスだが強力な攻撃はまさにラスボスの貫禄。
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ワールドタンクミュージアム:初回限定版には第505重戦車大隊の部隊章が描かれたティーガーⅡが付属していた。