解説
第二次世界大戦期のドイツ軍重戦車で、原語表記はPanzerkampfwagen VI。
「VI号戦車」の制式呼称が与えられた車輌は3種あるが、いずれもティーガーと名付けられており、一般的には「ティーガーI」「ポルシェティーガー」「ティーガーII」として区別される。
特に、ティーガーIはその顕著な活躍から世界的に広く知られており、現代に至るまで各所で戦車の代表格といった扱いを受けている。
ティーガーI
詳細はティーガーⅠを参照。
1942年に東部戦線と北アフリカ戦線で実戦投入され、連合軍戦車を強力な8.8cm砲と10cm厚の重装甲で圧倒。
連合軍将兵にとって最も恐るべき存在のひとつとして数えられ、また以降の米英ソにおける戦車開発の方針にも多大な影響を与えつつ、終戦まで活躍した。
表記揺れ
ポルシェティーガー
詳細はポルシェティーガーを参照。
第三帝国屈指の天才技術者フェルディナント・ポルシェ博士率いるポルシェ社によって計画されたティーガーIで、特に問題がなければ採用されるはずだった。
しかし、先進的であるものの、大型・大重量かつ複雑なハイブリッド駆動方式(エンジンで発電・モーターで駆動)を採用した結果、ポルシェティーガーの信頼性や機動力、不整地走破性はあまりにも劣悪となってしまい、改良に手間取るうちに不採用となった。
表記揺れ
ティーガーII
詳細はティーガーⅡを参照。
ティーガーIの後継車輌で、1944年実戦投入。
当時最強格の戦車で、ティーガーIを上回る絶大な火力・防御力で連合軍戦車を圧倒したが、約70トンもの車重のため機動力は劣悪だった。
また、既に連合軍が陸空で戦略的な優勢を確立していた大戦末期、その高性能が万全に発揮される機会は限られた。