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IS-2

いーえーすどぅばぁ

IS-2(ロシア語:ИС-2、ウクライナ語:ЙС-2、英語・ドイツ語・ポーランド語:JS-2)とは、第二次世界大戦末期に活躍したソ連軍の重戦車。
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目指すは『猛獣狩り』!

1943年初頭、ソビエトでは新型戦車の開発が行われていた。

契機となったのは1941年末期のティーガーⅠ実戦投入であり、鹵獲されたティーガーⅠの驚異的な性能を目の当たりにした赤軍首脳部は強い危機感を覚えた。なぜなら、ソ連軍の主力だったT-34中戦車やKV-1重戦車の76mm砲の通常弾ではゼロ距離からでも正面装甲を貫徹できなかったのである。

『あの重戦車に対抗できる戦車を!』

その意見に応えて採用されたのが85mm砲を装備するIS-1(IS-85)重戦車である。
だが、IS-1の85mm砲は当時の主力となっていたT-34/85にも搭載される事や、ティーガーⅠの有効射程外から撃破できない事から、生産開始15日目に武装強化が図られた。

すごく、大きいです(口径的な意味で)

IS-2の新型砲の候補には2種類の強力な砲が提案された。
B-34 100mm艦載砲から発展したS-34 100mm戦車砲と、軍団司令部直属の砲兵隊に配備されていたA-19 122mmカノン砲から発展したD25-T 122mm戦車砲である。ただし、S-34は戦車砲として全くの新型なので弾薬の供給に不安があった。対照的にD25-Tは性能が少し下だが、既に配備されている野砲と弾薬が共通で、85mm砲搭載予定だった砲架に「ポン付け」できる利点があった。最終的にD25-T 122mm砲が選ばれ、IS-2(IS-122)には122mm砲が搭載された。

D-25(A-19)は1937年にソビエト連邦が開発した火砲である。
主砲口径122mm、砲身長48.5口径(5917mm=5.9m)、最大射程20400m、砲弾重量25kgの分離装薬式砲弾を使用している。その威力はパンターの傾斜した80mm厚の正面装甲を距離600~700mで貫徹し、ティーガーⅠの直立した100mmの正面装甲を1500mで貫通可能で、側面装甲なら2000m先から装甲を破壊できた。
距離/貫徹力は、550m/152mm、1000m/142mm、1500m/133mm、2000m/122mmである。砲弾重量が25kgと大きいので距離が離れても威力の減衰が少なく、貫通できなくも弾量効果とホプキンソン効果で叩き割るように装甲板を破壊し、乗員を殺傷する事が出来た。(特にパンターでは多く見られた。)

また、制式化後は搭載される砲にちなんでそれぞれ「IS-85」「IS-122」と呼称されたが、「名称で性能がバレてしまう」という理由により、早々に「IS-1」「IS-2」へと変更される。
しかし、見た目からしてドイツ軍にはバレバレで、ドイツ戦車エースのオットー・カリウスが戦後インタビューで『JS(ヨット・エス)-122』と呼んでいたことを明らかにしている。

しかも、搭載砲弾数は28発と少ないため戦闘の継続力が低い点が問題で、前線では不評であった。

さらに凶悪になった防御力

生産は1943年12月から始まっており、翌年2月から実戦に投入された。
IS-1から強化された防御力はまさに鉄壁で、対峙したドイツ軍に大きな衝撃を与えた。
当初、主砲防楯は85mm砲用のままで幅が狭かったが、耐久性や照準器の位置など使い易さに問題があったため、まもなく幅広の新型に変更された。また砲塔上のペリスコープも、イギリス製のコピーであるMK-4に変更され、操作性と視認性の向上を図っている。
IS-2の砲塔装甲:防楯は100~160mm、前面/側面90mm 車体:前面装甲100~120mm、側面90mm、後面60mm、車体前面装甲の傾斜は60度、車体下部も30度の傾斜と90mmの装甲に覆われており、並みの対戦車砲では正面から貫徹することは不可能に近かった。
ただし、初期型のIS-2はKV重戦車以来の開閉できる操縦士用直視型バイザーブロック(覗き窓)に攻撃を受け撃破される事例が多く、後期型(1944年型)では車体前面の傾斜角を変更した固定バイザーにすることで防御力を増していた。だが、熟練したドイツ戦車兵は『わざと砲塔の防盾下部に当て、跳ね返った砲弾で車体天井を貫通させる』という高等技術を披露する者もいた。

狩人の初陣

IS-2は対戦車戦よりも陣地突破などに投入されることが多かった。
元々野戦砲だったD25-Tの榴弾は非常に強力なので歩兵支援戦闘や市街戦で威力を存分に披露することになった。1944年4月には、弱点であった車体前面の装甲形状を変えた「後期型」が登場すると、ますます動くトーチカのようになっていった。(また、後期型を「IS-2m」と呼称さる事があるが、これは戦後に西側の研究者が勝手につけた名称である。)

また、操縦性はティーガーより劣るとソ連側、ドイツ側の双方から報告されている。
これは不整地を突破するために重量削減を重点的に行われた結果であり、ティーガーⅠよりも11tも軽い46t以内に収めると言う要求設計が原因だった。おまけに85mm砲塔搭載予定だった砲塔に大型の122mm砲を搭載したので乗員は劣悪な車内環境で戦闘を強いられる結果となり、重量25kgの分離装薬式砲弾を装填する作業も困難を極めた。

この様にIS-2は様々な欠陥を抱えていたが、殆どのドイツ戦車兵たちはその存在を恐れた。
IS-2には必ずT-34や随伴の歩兵が付属するため、下手に手を出すとソ連戦車部隊に翻弄された挙句に特大級の122mm砲弾をブチ込まれるからである。また、対戦車戦闘よりも対歩兵戦闘に活躍しているので、損害の6割以上は歩兵の対戦車携帯兵器『パンツァーファウスト』によるものが多く、敵戦車に撃破されたと言う事例は比較的に少ない方だった。

戦後のスターリン

戦後も改良が続けられ、「IS-2M」へと発展した。これはエンジンを換装し、砲塔上部のキューポラに12.7mm機銃が追加するなどした型である。戦中はチェコポーランド、戦後は中国キューバ北朝鮮に供給されたが、中東に供給されることはなかった。

IS-2はその後、IS-3T-10へと発展したが、主力戦車は中戦車のT-34から発展したT-54が担うことになり、「重戦車」というカテゴリーは廃れる事となった。

性能諸元

全 長 :9.90m
車体長 :6.77m
全 幅 :3.09m
全 高 :2.73m
重 量 :46t
懸架方式:トーションバー方式
最高速度:37km/h
行動距離:240km
主 砲 :D25-T 48.5口径122mm砲
副武装 :12.7mmDShk 機銃×1、7.62mmDT 機銃×2
装 甲 :(砲塔)防楯100-160mm 前面/側面90mm
      (車体)前面100-120mm 側面90mm 後面60mm
発動機 :V-2-IS液冷V型12気筒ディーゼル 513馬力/2000rpm
乗 員 :4名

関連タグ

重戦車 KV-1 KV-2 KV-85 IS-1 IS-3

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