ソビエトの最終兵器
IS-7は、第二次世界大戦直後の1946年から運用試験が進められた5人乗りのソ連製試作重戦車。
時のソ連最高指導者ヨシフ・スターリン(Iosif Stalin, IS)の名を冠する「ヨシフ・スターリン戦車」の7番目の車輌で、開発時の呼称はオブイェークト260。
車重68トンで最大250mm厚にもなる傾斜の多用された重装甲を備え、艦砲を原型とするS-70 130mm砲・船舶用エンジンを原型とするM-50Tディーゼルエンジン(最大1,050馬力)を搭載、最高速度は20トン級軽戦車と同等の60km/hと、1940年代後半の戦車としては異様に優秀な、1970年代の主力戦車にも対抗しうるほどの高性能を記録している。
しかし、駆動系を中心とする不具合が多発したこと、軍がより安価なT-54の大量調達へ方針を向けたこと、IS-7の車重がソビエトの列車輸送の限界重量(50~55トン程度)を超過してしまうことなどの原因により、1950年代に開発は中止された。