概要
IS-2、IS-3、IS-4といった第二次世界大戦型重戦車の後継戦車、オブイェークト730として開発された。
新技術の導入をあえて避け、性能はそのままに、将来性を考慮した余裕ある戦車として開発されたため、IS系重戦車と比べて大型化され車内容積に余裕が出来、乗員の実用性が向上している。
1950年に試験運用が行われた結果、IS-8重戦車として制式化されたが、エンジンの開発遅延で生産が遅れることになり、生産開始は1952年末まで遅れることになった。さらに翌53年にヨシフ・スターリン書記長が死去し、後継となったニキータ・フルシチョフによってスターリンの功績を否定する「非スターリン化」政策がおこなわれた結果、IS-8もT-10(重戦車10型)に改称されることになった。
最終的には1,500両ほどが量産されたが、戦車砲と対戦車ミサイルの性能向上によって「重戦車」自体の存在意義が失われていったことで、実戦は1968年のチェコ動乱のみで他国に輸出されることもなく、最終的に1993年に退役している。