ヨシフ・スターリン戦車の完成形
IS-4は、第二次世界大戦直後の1946年に実用化した4人乗りのソ連製重戦車。
時のソ連最高指導者ヨシフ・スターリン(Iosif Stalin, IS)の名を冠する「ヨシフ・スターリン戦車」の4番目の車輌で、開発時の呼称はオブイェークト701。
戦中の1944年夏には最初の試作車「0号車」が完成していたが、新型砲の搭載試験や防御力増大の試み、そして信頼性確保の難航に伴い、実用化は戦後まで遅れた。
大戦中にドイツで開発されたあらゆる戦車砲・対戦車砲に耐える当時最強クラスの防御力と、D-25T 122mm砲による優れた火力を有した。
一方、60トンにも達する車重のために機動力や信頼性は劣悪で、生産費用もソ連陸軍の主力を務めるT-54中戦車と比べて倍以上にまで膨れ上がっていた。
1951年、改良型としてIS-4Mの仕様が完成。追加生産のほか、既に配備済みの217輌に改修を加えてIS-4Mとすることで信頼性の改善が図られたが、既存の問題は完全に解決されなかった。
加えて、後継のIS-8(T-10)実用化の目途がついたこともあり、ソ連陸軍は同年中にIS-4の調達を打ち切り。
最終的な総生産数は250輌程度と少数に終わり、他国へ輸出されることも無いまま1970年代に退役した。