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M26パーシング

えむとぅえんてぃしっくすぱーしんぐ

第二次世界大戦末期から冷戦初期のアメリカ陸軍で運用された重戦車、もしくは中戦車。強力なドイツ戦車に対抗できる高性能を有し、戦後は次世代型戦車の原型となった。
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西側連合軍の最強戦車編集

 第二次世界大戦末期の1945年に実戦投入された重戦車で、開発当初の型番は『T26E3』。戦後は中戦車に再制定されている。


 ティーガーIパンターといった強力なドイツ戦車と対等以上の性能を有し、WW2の西側連合軍が保有した戦車としては最強だった。(1輌だけ例外はあったが)

 また、戦後朝鮮戦争での投入を経つつ1950年代まで運用されたほか、戦後アメリカで長きに渡って主力を務めるパットン戦車の原型ともなった。


 なお、愛称の「パーシング」(Pershing)は、第一次世界大戦中の欧州に派遣されたアメリカ外征軍総司令官のジョン・パーシングに由来するもの。

 この愛称はアメリカ製戦車としては初めてアメリカ陸軍により公式に定められたもので、それまでの戦車に与えられていたシャーマンスチュアートグラントといった呼び名は、供与先のイギリス陸軍が勝手に命名していた。


実戦投入に至るまで編集

(※:開発史についてはT26を参照)


 後にM26パーシングとなるT26E3の原型『T26E1』は、1944年6月のノルマンディー上陸作戦の前には本格的な量産・配備の目処が立っていた。


 しかし、アイゼンハワー連合国軍最高司令官ジョージ・パットン将軍、ひいては米陸軍の総指揮を担うAGF(Army Ground Force:陸軍地上軍)により、

ドイツ戦車への対策は従来のM4中戦車で十分

大型かつ重量級のT26を欧州まで船舶輸送すると他の物資・兵器の輸送量が圧迫され非効率的

 ...といった判断が下され、T26E1の実戦投入は見送られてしまう。


 その結果、防御力不足のM4中戦車を主力として連合軍の最前線を張ったアメリカの戦車隊は、T26E1なら対抗できたはずの強力なドイツ戦車を前に数多の犠牲を強いられた。

 だが、その間にもT26の配備は政治的理由で遅延。だが、バルジの戦いでのM4中戦車の性能的不利ぶりがセンセーショナルに報じられ、軍のスキャンダルに発展。狼狽した軍部は結局、兵器局長の提案をわーった、わーったよ!俺達が悪うございましたよ!と言わんばかりの態度でようやく容認したが、そのT26が『T26E3』として実戦投入されたのは、終戦も間際の1945年に入ってからだった。


運用・戦史編集

  • 第二次世界大戦
ドイツ軍 ティーガー1Panther
ティーガーIパンター

 大戦末期の1945年1月、20輌のT26E3が欧州へ到着し、最前線を担う第3機甲師団と第9機甲師団へ配備された。


 以降、ドイツ本土にてT26E3はティーガーIやIV号戦車などを相手に幾度かの戦車戦を記録したが、特筆すべきは第3機甲師団のT26E3『イーグル7』号が3月6日にケルンで展開したパンターとの接近戦。

 ケルン大聖堂前の広場を目指していたM4中戦車が突如撃破されたことを受け、現場からの救援要請を受けて駆け付けたイーグル7は、交差点に出た直後にパンターと至近で遭遇。

 イーグル7は即座にパンターの車体側面へ3撃を加え、これを撃破した。


 なお、このケルンにおける戦車戦は珍しいことに映像記録されており、「Cologne Tank Battle」「Cologne Tank Duel」「Cologne Panther」という風に検索すれば、これを閲覧することができる。

 ただし、そこに捉えられているのは本当の戦場残酷なシーンに耐性が無い場合は注意が必要となるだろう。


 同じ3月、T26E3は『M26パーシング』として制式化された。


  • 朝鮮戦争

 第二次世界大戦の終結後、日本に駐留していた米陸軍は、朝鮮戦争の勃発に伴い放置されていた少数のM26を修理。北朝鮮軍相手の戦闘に投入したが、整備不足のため早期に故障してしまった。

 また、その後は数百輌が米本土から直送されたが、機動力不足のため朝鮮半島の山岳地帯での運用には適さないことが明らかとなった。


 ただ、戦闘能力では北朝鮮軍や中国義勇軍の装備するソ連T-34/85を圧倒

 前任のM4A3E8や後継のM46と共に、戦争全期に渡る戦車戦での優勢を確立した。


型式編集

  • T26:T26E5まで続く一連の試作戦車、およびその初期型。
  • T26E3 / M26:基本型。
  • M26 T99:砲塔の左右側面にT34カリオペと似た44連装ロケットランチャーを装備する型。試作のみ。
  • M26E1:高初速90mm砲を搭載する戦後型。試作のみ。
  • M26A1:新型90mm砲を搭載する1948年の型。採用され、通常のM26もこの仕様に改変される場合があった。
  • M26E2 / T40:新型90mm砲や改良された駆動系、高出力エンジンを搭載する1948年の型。M46パットンとして制式採用された。

登場作品編集

アニメ編集

 大学選抜チームの主力として登場。

 副隊長のメグミアズミルミの搭乗車ともなっている。


ゲーム編集

 アメリカの戦車として登場。

 「bis」では日本本土決戦を扱ったステージ「串良」で、プレイヤーの三式中戦車の前に強敵として立ちはだかる。

 アメリカのほか、戦後に供与を受けたイタリア、フランスの戦車として登場。

 アメリカの戦車として登場。

 擬人化キャラクター(DOLLS)として登場。


関連タグ編集

戦車 アメリカ

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