概要
開発
M2軽戦車シリーズの最終型であるM2A4をベースに、装甲の強化に伴う重量増加に対応するため接地式誘導輪が採用されており、車体の上部構造も若干延長されている。しかし、ベースとなったM2そのままのリベット接合や車体両側に搭載された固定機銃など古くさい部分も残されていた。
1940年7月に制式採用となったものの、製造メーカーであるアメリカン・カー・アンド・フ ァンダリー社ではM2A4の製造が続いていたため当車の生産開始は翌年3月からとなっている。
実戦
1941年7月からイギリス軍の手により北アフリカ戦線へ投入され、その軽快さと高信頼性から優秀な偵察車両として高い評価を得ており、翌年投入されたビルマ戦線では日本軍の九五式軽戦車部隊を壊滅させるなどの活躍を示している。
しかし、スチュアートの活躍はここまでで、搭乗員よほどダメダメだったのか、旧式であるはずの九七式中戦車の姿をみた瞬間、なんの損害も与えることもなく後退したり、挙げ句には九七式中戦車による榴弾の猛打によって撃破された車両も少なくないという始末であった。(日本兵の回想が一人歩きをしているせいで勘違いをされやすいが、実はスチュアートが九七式中戦車を戦闘中に直接撃破したことはない)。
巷に流れるイメージとは異なり、英軍側の運の悪さもあるが、スチュアートによる戦車戦の戦績は意外とよろしくなかったりする。
いずれにせよ、ビルマ戦線では圧倒的な兵力差により英軍はラングーンから撤退する羽目になり、日本軍は無傷で捕獲した少数の当車両を鹵獲兵器として使用している(ちなみに当時の日本軍ではアメリカ製の車両は信頼性が高いため、手に入ったら隠すこともせず大々的に歓迎されるのが当たり前だったらしい)。
日本軍に運用されたスチュアートは登坂力の低い九七式中戦車を牽引したり、相打ちに近い形でM3中戦車を撃破するなどの活躍を見せたことから、(誰が言ったか知らないが)「日本軍が実戦投入した最強の戦車は鹵獲したスチュアート」というジョークも産んだ。
1942年中期になって、新設計の車体に水冷式ガソリンエンジンを搭載するM5軽戦車が製造されるようになると、米軍では次第に第一線から引き上げられ、1943年には完全に第一線装備から外された。なお英連邦軍や自由フランス軍などでは、M5に準じた車体形状の新型・M3A3が引き続き配備されている。
ソ連にもレンドリース供与されたが、なぜかガソリンエンジン型であり運用上の問題が生じたとされている。
なお各タイプに付けられているスチュアートI~Vの名称は英軍での呼称であるが、最初にスチュアートと名付けられたのは米国から最初に供与されたM2A4軽戦車であった。
登場作品
アメリカ軍の戦車として登場。
M3A1軽戦車が登場。
BD特典OVA「ウォーター・ウォー!」のイメージとして登場。
劇場版では西絹代が「聖グロから白旗なんてスチュアート以来だ!」と発する場面があるが、知波単学園・聖グロリアーナ女学院ともに設定上はM3軽戦車を保有しており、彼女の発言がスチュアートで撃破したことを意味するのかスチュアートを撃破したことを意味するのかは不明。前者の場合は前述のジョークを意識したネタと思われる。
PS2「新コンバットチョロQ」に登場。「スチュアート」表記。
初期選択可能だが「反撃の烽火」クリアでも使用可能となる。
オープニングムービーで奮戦するプロトン軍兵士としての登場が印象深いが、本編ではステージ中には登場せず街中に駐留しているプロトン軍兵士として登場している。
同軸機関銃タイプ「T」カテゴリーと車体機関銃タイプ「B」カテゴリーの武装を装備できる。