概要
三段甲板時代の「赤城」に似た学園艦に所在する高校。外観は第3巻OVA「スクールシップ・ウォー」の学園艦勢揃いシーンにて確認できる。
名目上の寄港地は千葉港だが、学園艦のサイズ上東京湾には入れないため浦賀水道に入る前に投錨し、連絡船に乗り換えていかなければならない。それが面倒ということで、投錨地に近い館山や銚子港も予備寄港地となっている。
学園の所在地は千葉県習志野市であり、創立当初の名は「千葉県立短期大学付属高校(略して「千葉短高」)」。その後大学との関係が切れた際、「知恵の波を単身渡れるような進取の精神に溢れる学生になるように」との意味を込めて現在の名前に改称したらしい……こらそこ、「知恵の波」の部分で首傾げないように。
TVアニメ本編では、第63回全国戦車道高校生全国大会の抽選会にその名が登場し、1回戦で西住まほ率いる優勝候補の筆頭・黒森峰女学園と当たってしまい、ドイツ猛獣軍団の圧倒的火力の前に為す術なく蹂躙されて敗れた様子が1カットで描写されたのみだった。
主力戦車は学校名の通り九七式中戦車チハで、リアルメタルダーな隊員がいたりするわけでもない為、戦力的に決して恵まれているとは言えないものの、試合の組み合わせの妙により全国大会ベスト4に輝いた実績もあるらしい。
勇猛果敢な人物揃いのためチームの士気は高いのだが、同時に猪突猛進で堪え性の無い者が多く、更に知波単魂の名のもとに「突撃して潔く散る」という考え方が浸透している影響で、時には各自で勝手な判断を下して突撃に走ってしまうという悪癖がある。
この突撃癖は前述のベスト4に進出した時の戦術が全車両による一斉突撃戦法だったことに由来しており、当初はそれなりに戦果を挙げていたらしいが、次第にどの学校にも対策をとられるようになってしまい、現在の「出たら負け」という状況が出来上がった、とのこと。実際に劇場版では指揮官の命令や制止を無視して無謀な突撃を敢行しては悉く返り討ちにされるなど散々な目に遭っていた。
第63回大会後は、以前より突撃一辺倒に凝り固まったチームの現状を疑問視する西絹代が隊長に就任したことに加えて、大洗エキシビションマッチや大学選抜チーム戦を経たことでチームの意識は少しずつだが変わりつつある……。
車両数は最低でも24輌も保有しており、(大半が旧式のチハとはいえ)金銭面に関しては恵まれているが、ドラマCDでは精神統一の訓練を兼ねて食事は質素なものになっており、食事に銀シャリやみそ汁、漬物が朝食に出ただけで豪勢と大げさに喜んでいた。
日本の戦車では戦力的に他校に著しく劣るはずなのだが、黒森峰女学園との試合で、優れた技量と敢闘精神でもって、西住まほを包囲して追い詰めながらも、最後の最後で無念の燃料切れで殲滅されたらしい。
劇場版のノベライズでは、エキシビションマッチに選ばれた理由がエキシビションマッチに参加できるのが優勝校とベスト4まで進んだ2校、そして準優勝校の一回戦の相手校であり、優勝校の大洗女子学園と組むことがルールであったためと判明する。
ドラマCD5では、知波単の日常が描かれており厳しくも規律正しい生活を送っている。また、知波単の生徒はほぼ全員外来語が苦手であることが判明する。
『もっとらぶらぶ作戦です!』においては、猪突猛進かつ脳筋な一面が強調されており、無人島に漂着したときには後先考えず狩猟採集を行い資源不足になりかけ、福田はるが強引に西絹代から統率権を取り上げたことでしのいだことも。
一方で恋愛においてはどうしようもなく奥手で、徹子の部屋ならぬ『ダージリンの部屋』においてダージリンから「恋愛でも突撃一辺倒なのか」と問われたときには皆もじもじしていた(福田はわけがわからないらしく首をかしげていた)。
彼女たちがメイン回のサブタイトルは『~であります!』で統一されている。
なお、ハートフルタンクカーニバルのパンフレットで初お目見えした「西絹代」は、第63回大会後に隊長に昇格した人物。第63回大会で黒森峰に敗れた際の隊長は、キャラクター原案の島田フミカネによれば「一応考えてあった」とのこと。そして、名前は「辻つつじ」(本編の辻さんとの関係は不明)。
保有車両
諸外国製の旧式軽戦車等も保有しているとされる。また劇場版で移動の際には鉄道連隊K2形蒸気機関車に牽引される列車を使用している(学校の保有のようだが、戦車道チームの所有か輸送部隊が別に存在し、そちらの所属なのかは不明)。
生徒
『最終章』第3話にて、全員の本名が判明する。
隊長
副隊長
隊員
九五式軽戦車
九五式軽戦車の車長。
九五式軽戦車の操縦手。
九五式軽戦車の砲手。
玉田小隊(新チハ小隊)
新チハの車長。
新チハの車長。
細見小隊(旧チハ小隊)
細見車の通信手。
旧チハの車長。
旧チハの車長。
特二式内火艇
『最終章』から登場。カミ車の車長。
『最終章』から登場。カミ車の車長。
その他
※先代隊長。
聖グロリアーナ女学院先代隊長のアールグレイ同様、島田フミカネ氏の妄想の描き下ろしであるため非公式であったが、スピンオフ『プラウダ戦記』に登場した。
最終章
ここからは重要なネタバレが含まれます。
チームの意識は少しずつだが変わりつつあると思ったが、『最終章』第1話での「冬季無限軌道杯」に向けた作戦会議でも相変わらず突撃一辺倒であり、その道はまだまだ険しかった模様。しかし、大洗女子学園とBC自由学園の試合後に大洗を訪れた福田がアヒルさんチームとの何気ない会話をヒントに「同じ突撃でも違う味付け」をコンセプトとして、「足踏み突撃(停止射)」「さよなら突撃(距離をとる)」「遠隔突撃(少し離れたところからの間接的な突撃)」「のんびり突撃(躍進射)」「ごきげんよう突撃(移動射撃をせず、一気に距離を詰めて攻撃)」といった、多種多様の突撃を考案。
これらの突撃によって今まで生かせていなかった練度の高さを存分に発揮できるようになり、無限軌道杯第1回戦でコアラの森学園に勝利し、2回戦で大洗女子学園と対戦する。
試合会場はジャングルの中で行われ、これらの突撃により高地を目指す大洗女子側を翻弄し、開始早々にサメさんチームを撃破する。大洗女子が高地を諦め、池を背にして陣を敷くと、その池の中からワニのバルーンで偽装したカミ車による奇襲を皮切りに、本隊とカミ車(上西車)による挟撃態勢を敷く。さらにアヒルのバルーンで偽装したもう1輌のカミ車(西原車)の伏撃により、カモさんチームを撃破する。その後、フラッグ車への火力の集中で盾として前に出たレオポンさんチームの履帯を破壊し擱座させ、玉田小隊(新チハ小隊)に「ごきげんよう突撃」を敢行させる。この突撃で浜田車を撃破されるが、レオポンさんチームを撃破する。しかし、大洗女子側の策略で大洗女子チームを追撃中、夕方の雨で泥濘地と化していた窪地に全車が落ちてしまい、絶体絶命の状況に陥ってしまう。
玉田をはじめ各車が突撃許可を求める中、ここで絹代が初めて「我々は変わらなければならない」と、「勝利のための撤退」を宣言し、脱出を図った。幸い、大洗の包囲網が完成する前だったため脱出は成功し、態勢の立て直しを図ることになる。
大洗女子チームに追われる立場になるが、次の作戦として大洗女子の要である西住みほのあんこうチームを率先して倒し、総崩れさせる作戦に出る。散開してあんこうチームに集中的に奇襲を仕掛けつつ、他の敵車輌を各個撃破して徐々に減らしていき、ついに絹代と玉田が連携してあんこうチームの撃破に成功する。しかし、あんこうチームに執着するあまり、この時点で試合に勝ったと福田以外の全員が心得違いをしてしまい、一同が浮かれて万歳三唱していたところを隠れていた大洗女子チームのフラッグ車・カメさんチームに強襲され、至近距離から絹代のフラッグ車を仕留められ敗退した。
結果的に敗北したが、突撃に頼らない戦術と地の利を最大限に活かし、最後まで勝利に執心した精神で全国大会優勝校の大洗女子チームにあと一歩まで追い詰めたのは大戦果であり、彼女達の今後に期待出来るものとなった。
その後、準決勝の大洗女子学園と継続高校との試合に西達が観戦に訪れ、隣で同じく観戦に来ていたアンツィオ高校のアンチョビ達にイタリア料理をおすそ分けしてもらい、そのお礼として塩むすびをおすそ分けしている。
余談
本編だけでもネームドキャラクターが13名おり、これは主人公勢である大洗女子学園を除けば最多人数である。更に全員がフルネームを与えられている点からも、ライバル校の中では破格の厚遇を受けていると言える(大洗女子学園ですら本名が判明していないチームがある)。