「怒る!」
メタルダーとはメタルヒーローシリーズ『超人機メタルダー』の主人公にして剣流星の本当の姿である。
データ
メタルダーは人間と同じような思考ができる「自省回路」を持っている。これはメタルダーに内蔵されているもう一つのコンピューター「戦闘回路」と対を成すもので、メタルダーの心の成長によって自省回路がレベルアップすると釣り合いを保つため戦闘回路もレベルアップするようになっている。分かりやすく言えば、メタルダーは心が強くなると同時に戦闘力も強くなるのである。そのため、戦闘能力のみを追求する形で心が伴わない強化は不可能であり、一種の安全装置の側面を持っている。
また、銃や刀剣類などの武器は持っておらず、己の五体を武器にしている。超重力エネルギーを利用したG(グラビティ)キックや高速でスピンしながら両手でパンチを叩き込むメタルボンバーなど数々の技を持つが、中でも代表的なのが腕にエネルギーの刃を作り出して高速で振動させ、対象物を一刀両断する必殺技・レーザーアームである。
初期はエネルギーの刃を小指から肘にかけて発生させていたが、後の回ではエネルギーを前腕部全体に纏うようになった。また、第7話では両腕にレーザーアームを発生させ、連携攻撃を仕掛けるタグ兄弟と渡り合うシーンも見られた。第17話からは発動時に「レーザーアーム!」と叫ぶようになり、エフェクトも大幅に変更されている。この変化は心の成長によるものといえるだろう。
ボディは感情で性質が変化するといわれる特殊合金サイコメタル製で、動力源には古賀博士が発見した超重力エネルギーKOGA-Xを使用。ベルトの超重力制御装置でエネルギーをコントロールし、流星の姿の制御やメタルダーへの瞬転を司っている。
この装置が損傷すると超重力エネルギーKOGA-Xが暴走を起こし、地球を吹き飛ばしかねない程の大爆発を起こしてしまう(超重力エネルギーは一種のブラックホールを封じ込めたものと言われているため、万一暴走すると地球を消滅させてしまう危険性がある)が、終盤でのゴッドネロスと戦いの最中に超重力制御装置を損傷したメタルダーは八荒に装置の破壊を頼み、その願いを聞き届けた八荒はクールギンの剣を装置に突き立てて破壊、超重力エネルギーは消滅した。メタルダーは自らの能力と流星の姿を引き換えに地球の破壊を防いだのである。
これだけの超技術のかたまりだが、基本設計どころか、第二次世界大戦中、それも太平洋戦争中に完成している。
そもそも、戦後直後にアメリカで開発された初期コンピューターの代表格であり、世界初のコンピューターと見なされることが多いENIACですら、未だ情報処理などに真空管を使用していたような代物にもかかわらず、超重力エネルギーどころかマイクロチップなどの制御システム、電子頭脳でさえ、オーパーツも同然な高性能の電子回路が搭載されているほか、サイコメタルなどの使用素材や、これら超技術の出所は作中でも明かされておらず、現在に至るまで東映公式からもこれについて回答はなく、依然詳細不明であるが……(そういう意味ではネロス帝国の技術も怪しいといえるのだが)。
古賀博士は何故かこの技術を平和利用に応用しなかったが、オーバーテクノロジーの塊ともいえるメタルダーの技術を公にしてしまうと世間の混乱を招くだけでなく、日本そのものの技術を危険視されてしまう可能性があるため隠蔽したのではないかといわれている。
声は剣流星の形態とは別人のような声を発する。声を担当した飯田道郎は作品の終盤で桐原剛造の昔の姿であり古賀博士の旧知の人物・村木国夫役で顔を見せている。この点からメタルダーの肉声は村木のそれをサンプリングした可能性もありゆるが、これもまた真相は東映公式からの回答もなく、依然詳細不明。そして八荒に超重力制御装置を破壊されてからは、肉声が剣流星のそれに変化した。なぜそうなったのか、これもまた依然詳細不明。
活動拠点は「シルバーカークス」と呼ばれる旧日本軍大本営跡地下にある秘密基地で、ここにメタルチャージャーやサイドファントムを格納しているが、終盤で機甲軍団に破壊されてしまった。
容姿
赤い左半身と青い右半身のメタリックな質感のロボットで、右半身は機械や回路が剥き出しとなっている。アシンメトリーなデザインと自省回路の設定は『人造人間キカイダー』のオマージュである。
キカイダーが「人間とは一体何か?善と悪とは何か?」というテーマを追い求めたヒーローであったのに対し、メタルダーは「己とは一体何であるのか?生きるとは何か?」というテーマを追求したヒーローであると言えよう。
その他の能力・技
記憶能力
図書館で本を読み込む事で太平洋戦争から1980年代までの歴史を瞬時に学習したり、サッカーのビデオを見ただけでコーチ役を務められるようになるなど、人間を超える優れたラーニング能力を持つ。忍者をラーニングした際には分身の術という4人に分身する技を使えるようになっていたりとある意味でメタルダーのポテンシャルをどこまでも引き上げる最大の武器の一つと言えよう。
聴覚
ネオサイクルサウンドの機能により、電波や音波の発信のほか、動物達と意思疎通を行ったり、マルチイヤーの働きにより、1km先の1デシベルの音も聞き分けてしまう。
視覚
エレクトロアイという視覚機関の働きにより、1.5km離れた場所のゴルフボールなどの遠方の物体やX線に紫外線といった不可視光線を視認出来る他、サーモグラフィー機能も備えている。
嗅覚
人間と遜色ない優れた嗅覚を有し、細かな匂いの違いも嗅ぎ分けられる。
アイアンクロー
指に備わった爪で、壁面や崖を登る際に活躍する。
真空吸着装置
足の裏に備わった機関。キカイダーのエアークラフトとは異なり、空は飛べない代わりにどんなにきつい斜面でも楽々登る事が出来る。
メタルクラッシュ
岩石も簡単に砕くメタルダーの握力。
Gキック
超重力を込めたキック。
メタルボンバー/スクリューボンバー
両腕を突き出し、敵に回転しながら突っ込む。
早い話がゼロワンドライバー。
メタルトルネード
ドリルのように錐揉み回転し、両足蹴りを叩き込む。
メタルホーネット
回転しながら手刀を浴びせる技。
プラズマパンチ
敵を放り投げ、落下してきた敵にジャンプパンチを浴びせる。
メタルソード
おそらくレーザーアームの派生技。こちらは敵を水平に切り裂く。
ヘッドクラッシュ
頭部にレーザーシールドを形成して敵に頭突きを浴びせる。劇中では未使用。
バリア
EDなどで使用した能力で、バリアを形成して敵の攻撃を防ぐ。
マシーン
サイドファントム
スペック
全高 | 882mm |
---|---|
全長 | 2450mm |
全幅 | 1497mm |
車両重量 | 240kg |
最高速度 | 時速900km(地上)/マッハ3(空中) |
キカイダーでいうサイドマシーン、キカイダー01でいうダブルマシーンに相当するサイドカー型マシーン。飛行能力を持ち、メイン車両とサイド部分の切り離しが可能。
人間にも操縦が出来、八荒が運転した事も。
メタルチャージャー
スペック
全高 | 2060mm |
---|---|
全長 | 2450mm |
全幅 | 3044mm |
車両重量 | 1200kg |
最高速度 | 時速700km(地上)/マッハ2.5(空中) |
剣流星の姿で常用車として用いられる。普段は6代目マツダ・ファミリア3ドアハッチバックの形状を取っている。これも現用車をモデルにしたわけではなさそうである(外見のみ戦後に設計されたという説がある)。前期は1300FF、後期は4WDで、劇中の一般人には4WDの呼称が使われていた。
超重力エンジンで稼働し、ウイングを展開する事で飛行が可能である。後部には簡易的な修理セッションがあり、非常時にはここでメンテナンスを行う。