概要
「勝負の世界では勝つことが正義だ。その正義を守るためにはフェアプレーでなければならない。それが、俺の殺しの美学だ」(第5話)
「俺はメタルダーという最高の友を得た。メタルダーは俺にとってただ1人の友だ。もうこの世に思い残すこと何もない。処刑するなら早くしろ」(第33話)
CV:森篤夫
ネロス帝国戦闘ロボット軍団の暴魂で、大型のライフル銃を武器とする孤高のガンマンロボット。ゴルゴ13のようなヒットマンを目指して開発された暗殺用ロボットであり、独特の執念深さで獲物を追い詰める。
「勝利こそが全て」という信条を持っているが、あくまで正々堂々の戦いを望んでおり、卑劣な手段は決して使わず、他人が使うのも許さない。”暗殺”という汚れ仕事を請け負った反動なのか「どうせ戦うからにはクリーンな勝負をしたい」という思いをずっと抱いており、メタルダーと対峙した際も彼が武器を持っていないことを理由に自ら武器を手放してまでフェアな戦いを挑んだ。そのある種気高さすら感じさせるフェアプレー精神にはメタルダーも感心しており、彼と友誼を持つ契機になった。その一方で同じ戦闘ロボット軍団でありながら卑怯で姑息な手段を使うクロスランダーに対しては「薄汚いドブネズミ」と扱き下ろしており、幾度となく衝突を繰り返している。
一度はメタルダーとの一騎打ちに敗れ、軍団の掟により処刑されそうになるも、戦いへの未練が断ち切れずに脱走。裏切り者として帝国総出の追撃に遭い傷つき倒れるが、メタルダーにシルバーカークスへと匿われて修理を受けた後、再戦を約束して去っていった。
その後は放浪の旅を続け、ネロス帝国の非道な振る舞いとそれに立ち向かうメタルダーに何度か遭遇する内に共闘するようになり、いつしかメタルダーのかけがえのない友となっていった。
だが、第37話にてメタルダーがドランガーを倒し、機甲軍団を壊滅させた直後に背後からクールギンの不意打ちを受け致命傷を負い、メタルダーの名を何度も呟きながら遂に機能停止。遺品となったライフル銃は彼の墓標ともなり、その墓には「最愛の友ここに眠る」のプレートが供えられた。
余談
『B-CLUB』掲載の會川昇執筆の短編小説『狼達の宴』ではクロスランダーとの因縁となった出来事が描かれている。
また、クロスランダー配下のデデモスとゴブリットがトップガンダーの余剰パーツで生産された試作機である事が明かされている。
後に発刊されたメタルヒーローシリーズの怪人デザイン画集『奇怪千蛮』では表紙を飾る大役に抜擢された。『メタルダー』自体が怪人側からのドラマ性も重視する作風であり、その中でも特に重要な役割を演じた一体としての選定だったのだろう。