「お待たせしました、昨日の友は今日の盟友!」
概要
CV:瀬戸麻沙美
第63回全国戦車道高校生大会にて、西住まほ率いる黒森峰女学園に殲滅されてしまった知波単学園の2年生。誕生日は12月8日。
学校名の元ネタでもある九七式中戦車チハ旧砲塔型に搭乗する。
初めてキャラクター公開された際は3年生と紹介されていたが、その後設定が変更され2年生となっている。
戦闘員の練度は折り紙付きだが指揮官の能力は最低という、どこぞの大日本帝国陸軍を彷彿とさせる戦績のために前隊長が更迭されたから…なのかは不明だが、全国大会後に隊長に就任した。
華やかで清々しい洗練された軍人タイプで、口調は誰に対しても丁寧、黒の長髪が麗しい美人さんでもあるが、人の話を最後まで聞かないうえに早合点するという知波単学園の生徒らしい欠点も備えている。
普段から乗馬用のスカートとロングブーツを愛用し、「ウラヌス」(ドラマCDでは、漢字にすると「裏野巣」と表記するとのこと)と名付けたバイクに乗っている。なお、彼女の元ネタとされる西竹一が乗馬でオリンピックメダルを取った時の愛馬の名もウラヌスである。
ちなみに、バイクの車種は、「ゴディエ・ジュヌー 1135R」。カワサキZ1000Jをベースにフランスのカスタムメーカーが手がけたロードゴーイングレーサー。
1985年当時の参考価格で240万円、現在ではプレミアも付き更に高騰…というかそもそも物が出てこないので買いたくても買えないレア車両(総生産台数約250台、国内で約20台)。
元ネタの馬のウラヌスがフランス産の馬なのでソレにかけたものと思われる。
TVアニメ本編には登場しなかったが、イベント「ハートフルタンクカーニバル」で配布されたパンフレットに設定がキャラデザインと共に登場し、BD/DVD第6巻特典の「エンカイ・ウォー」にて祝電を送った事が判明した。
ドラマCDでは、蝶野亜美のお悩み相談コーナーに、「ウラヌスLOVE」というペンネームで相談を寄せている。「先輩が突撃ばかりしていて困っている」という相談から察するに、早くから知波単の体質を問題視していた模様。
特に公式サイドから言及されているわけではないが、さっぱりとした言動と端整なキャラクターデザインから、イケメンキャラと見られることがある。
二次創作以外でも、『リボンの武者』や公式アンソロジーなど他媒体の作品においては、イケメンと呼ばれたり黄色い歓声が上がったりすることも。
なお、チームでは一人だけジャケットのデザインが異なっており、他のメンバーが詰襟で前をボタンで留めるタイプのものを着用しているのに対し、彼女のものは襟が開いており、前をファスナーで閉じるタイプになっている。
性格
自衛隊を彷彿とさせる威風堂々かつ礼儀正しい姿勢をしている。対戦相手への敬意も払っており、エキシビションマッチで共に戦った西住みほのことはかなり慕っている。
前述の通り知波単学園らしい突撃本能を持っているが、同時にそれを欠点と捉えている部分もあり、無謀な突撃をやめるよう提案した福田はるに対してもきちんと意見を汲み入れるなど、隊長としての風格はきちんと持ち合わせている。
「パンツァー・フォー」の意味を知らない(これは他の隊員も同様)ことで河嶋桃にすら呆れられていたことがあるが、これはパンツァー・フォー自体ドイツ語で、大洗女子と黒森峰ぐらいしか使ってないので仕方ないのかもしれない。
彼女自身は知波単の中では英語の読み書きがある程度出来る分、まだマシな部類であり、チーム内では「博識」で通っていたり、欧米圏の言葉がまるで駄目な他のメンバーに語呂合わせや当て字を使って単語を覚えさせようと苦心している様がドラマCDで描かれている。
戦車道のよこみちシリーズではあんこうチームをお月見パーティーに招待していたが、その際の会話の内容からかなりの天然キャラであることが窺える。
また、五十鈴華程顕著に描かれていないが、かなりの大食い&早食いでもあり、ドラマCDでは一瞬でおにぎり10個を食べる早業を見せている。
活躍
劇場版では、冒頭から始まった大洗エキシビションマッチで大洗女子学園とチームを組み、聖グロリアーナ女学院とプラウダ高校の混合チームと戦っていた。
ゴルフ場のバンカーに孤立していた聖グロのチャーチルとマチルダ3輌を大洗チームと共にジリジリと包囲していく。この際、大洗知波単チームはマチルダ2輌を撃破。その内の1両は知波単側の戦果だったが、このことに調子に乗った隊員たちが勝手に伝統(というよりも悪習)の突撃をしてしまう。絹代は当初はこれを制止するもすぐに「まあ、いいか」と自分も続き、止めようとしたみほに敬礼しながら突撃したが、あっさり自分以外が全滅、戦況を大きく覆してしまう。優勢だったのに、玉砕しに行ってどうする……
その後、大洗町役場の防衛線で大洗チームの面々と敵を迎え撃っていたが、「いつ突撃するのだろう?」と徐々に突撃願望が込み上がっていく。ナカジマの後退指示を無線の不調で聞き逃し、アヒルさんチームが口頭で「こ・う・た・い(後退)」と言ったのだがそれも聞こえず、口の動きを見て「と・つ・げ・き(突撃)」と解釈して突撃を敢行、ノンナのIS-2の前にあっさり玉砕する。
試合後は、勝手に動いてやられたことをみほに謝罪していた。みほはお世辞で「色々勉強になりました」と言われると、それを真に受けて「どこ辺りが勉強になりましたか?」と尋ねたためみほを困らせるが、「精神力とか」と応えるとそれに納得した模様。
余談だがこの劇場版時点では、彼女は紅茶を飲んだことが生涯で一度もない。どうやらエキシビションマッチでは、聖グロのライバルとしては不足と見られてしまったらしく、紅茶をプレゼントしてもらえなかったようだ。
大学選抜チーム戦では、チハ旧砲塔型に搭乗して参戦。だが、本来6両の割り当てのところを勘違いして22両も引き連れて現れたため、ダージリンに若干キレられてる。対人関係で感情を露わにするなどまず有り得ないダージリンだが、そんな彼女が半ギレした唯一の例がこのシーンである。
あさがお中隊の副隊長を務め、「203高地」の左翼を進行するが、アズミの中隊と交戦する(この時の「右翼に敵影無し」と報告した直後、三時(右)方向から攻撃されるミスはコメンタリーでも愛すべきバカ的に突っ込まれていた)。その際、みほから突撃しないようにと釘を刺されている。だが、劇場版ノベライズでは、通信後に「無理な突撃ってしたことないからなあ……」と発言。………えっ!?
敵の猛攻に苦戦を強いられ、自分は福田と共に無謀な突撃はしなかったものの、ここでも玉田たちが勝手に突撃した結果、返り討ちに遭って池田車と名倉車を失い、敵の突破を許してしまう。その後、偵察に出て敵の状況を報告。みほたちと合流した後は2両も失ったことを謝罪し、突撃に頼らない戦い方を考え始める。
大洗連合が遊園地跡に後退後は、西裏門の守備に就く。福田の意見具申を受け容れ、待ち伏せに徹し、侵攻して来たM26パーシングの履帯を破壊、撃破に貢献する。それ以降、何故か常にアヒルの風船を砲塔に取り付けた状態で行動するようになる。
野外音楽堂の包囲網突破後は、福田曰く「最強の助っ人」であるアヒルさんチームと合流し、ラーテ型のアスレチック施設でパーシング2両と交戦。巧みな連携で2輌を撃破することに成功する。
終盤、動き出した島田愛里寿と遭遇し、突撃するが細見・玉田が瞬く間に返り討ちにされ、西自身も立ち向かうもあっさり撃破される。
試合終了直後、みほ達が力を貸してくれた面々に礼を述べると、絹代も「こちらこそ、お礼を言わせていただきたいです!」と頭を下げ返していた。
EDでは、帰りの汽車の中で疲れ果てて眠る福田たちを見て「やれやれ」といった様子で苦笑していた。
『最終章』での活躍
『最終章』1話では、20年ぶりに開催される冬季無限軌道杯に向けて作戦会議を開き、皆の意見を募るのだが、福田を除く全員が相も変わらず突撃しか提案しないためにガックシしていた(中身も諺の一部を突撃に変えただけの物ばかりだった)。
大洗女子学園とBC自由学園の試合にはほかのメンバーとともに観戦に訪れる。
一回戦の相手であるコアラの森学園との試合では、福田が「たらし焼き」から得たヒントを駆使して見事一回戦突破を果たす。
二回戦は大洗女子学園とぶつかり、試合前の挨拶でみほに二回も共に戦えたことに感謝し、勝てないながらも全力で戦うと言ったことに対し、みほから諭されるように勝つつもりで全力で戦ってほしいと言われる。これに対し西は勝つことがみほへの恩返しと悟り、全力で勝利を目指す。
試合では自身がフラッグ車を担当し、それぞれの語尾に「突撃」を付けた多彩な戦術と密林の地の利を活かして大洗女子チームを翻弄して苦しませた。
だが、大洗女子側の罠に嵌まり、窪地に落下した際、各車が突撃を求める中、「前に進むだけが勝利の道ではない」と諫め、転進と言葉を濁さず、「勝利のための撤退」を宣言。完全に塞がれる前に迅速に窪地から脱出を果たす。
大洗女子チームに追われる立場となったが、大洗女子チームの要であるあんこうチームを倒して総崩れさせる作戦に出る。玉田達を散会させてあんこうチームに集中的に奇襲を行わせ、終盤には玉田達と合流して追跡し、密林を抜けた岩場でついにあんこうチームを仕留めることに成功。
しかし、そこであんこうチームを倒せば試合に勝利と心得違いを起こしてしまい、万歳三唱している隙を突かれて本命である敵フラッグ車のカメさんチームに強襲され、対応が間に合わず至近距離で砲撃されて敗北してしまう。
試合後は、大洗女子チームへの感謝の手紙をみんなに書かせていた。
その際、玉田から「感謝の"しゃ"の字は、写真の"しゃ"でよかったでありますか?」と尋ねられ、細見が「射撃の"しゃ"だ!」と答えていたが、肝心の西は「それも違っていないか?ちゃんと辞書をひけ」と窘めていた。………西も漢字がわからないのか?
準決勝では、福田、玉田、細見とともに大洗女子学園と継続高校の試合の観戦に訪れ、そこで同じく観戦に訪れていたアンツィオ高校のアンチョビ達からおすそ分けでイタリア料理を頂き、上品に箸を使って頂いていた。
あんこうチームが序盤で5輌のT-26を瞬く間に撃破したのには驚嘆したが、直後にヨウコの狙撃を受けて脱落したのにも驚愕していた。
あんこうチームを欠いた大洗女子チームがダム底の丘の上に陣取った際、彼女達が行動を始めたのを見て、玉田達が「突撃か!」と言って思わず賛同するが、直後に自分で否定する(しかも、アンチョビ達からも否定される)。
『リボンの武者』での活躍
「大鍋(カルドロン)」に参戦。入場の時に一触即発状態だったカチューシャとヤイカの間に福田を割って入らせ、その後絹代がさわやかに仲裁した。
一回戦で苫小牧メイプル学園と戦うことになり、福田の提案で用心棒をアヒルさんチームに頼もうとしたが、ビーチバレーに夢中になっている所為で無線に応答せず断念。代わりに大学選抜チーム戦で華々しい活躍をしたミカに直談判し、土下座してでも用心棒を頼み込む。ミカは頑なに了承しなかったが、炊き立ての美味しいご飯でアキとミッコを予め味方に付けていたため、ついにミカに用心棒を了承させることに成功。
試合では、突撃を逸る玉田達を制止し、敵の意図に気付いて独断で動く福田を信じるなど、指揮官らしい活躍を見せて試合に勝利する。
二回戦の24時間生存(サバイバル)戦では、カチューシャの「礼儀正しい少女たち」との同盟の「黄組」チームとなる。試合では、最初はカチューシャとノンナとともにバイクに乗って偵察をしていた。ちなみに乗っていたバイクは「ウラヌス」の前身にあたる「カワサキ Z1」。
その後、密かに他のチームとともにまほ達の「青組」チームを包囲するが、カチューシャの制止を聞かずに福田達とともに先行して吶喊し、殿軍を務めていたまほもとい「西住仮面」に一瞬で返り討ちに遭う。
余談
出身は東京都トップクラスの高地価である港区で、実家は純和風の庭付き一戸建て。
更に前述の通り希少車種の大型バイクを持っている事から、お嬢様キャラが多い本作の中で彼女も相当裕福な家系であることが窺える。
関連イラスト
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「あ痛ぁ~っ!すみません!敢闘及びませんでした~っ!」
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ガールズ&パンツァー 知波単学園 九七式中戦車 隊長組 強敵(とも)
福田はる 玉田環 細見静子 池田江美 名倉節子 寺本とみ子 浜田紀代 久保田りん 西原八十子 上西千代子 長谷川タツ 平井花子