校風
19世紀に来日したイタリア人商人が母国の文化を日本に伝えるために設立した歴史ある学校であり、学校そのものの本籍地が海の無い栃木県の為、静岡県の清水港を母港代わりに借りている。その為、静岡県や愛知県から越境入学している生徒が多い。
学園艦施設にはスペイン階段風階段、三神変形合体教会、トレヴィーノの泉など、いかにもイタリアっぽい建造物が揃う。
他にも日伊友好の記念として贈られたポンペイの巨大宮殿の石柱(本物)、パンテオン(イライラした時に思いっきり叫ぶ用、オペラ上演もやる)やコロッセオ(戦車道訓練場兼運動場兼舞台兼お祭り広場)もあり、街並みもローマのそれなため、学園長曰く「ローマよりもローマ」とのこと。観光客からの人気も高い。(が、地味なため生徒からの評判はイマイチ)
『リボンの武者』では、「中学生が進学したい高校NO.1」であることが判明する。
イタリア風の学校だけあって美食に関しては一切妥協せず、宴会の際には豪勢な料理が振舞われる。
屋台街での生徒による露店も活発で、ここでの売り上げを諸活動の経費に当てている。(しかし客側にとってはうれしい超お手頃価格故、利益率はあまり高くなく戦車のパーツ代になる額まで10年以上かかる気の長すぎる状況である)
前述のとおり愛知県出身者が多いからか、名物料理は名古屋市発祥の鉄板ナポリタンである。
ただし、名古屋では卵を下に敷くのに対し、アンツィオでは上にのせる。
なお、第6巻OVA「エンカイ・ウォー!」では、大洗が全国大会で優勝したお祝いにアンチョビの缶詰をたくさん贈っているが、後述する理由から全て半額セール品だった。
戦車道
学校そのものが財政難であること、そして保有車輌がすべてイタリア軍のものということにより、他の全国大会出場校と比べると基本的な戦力で劣る。
また、燃料不足で練習時間が少ない為に練度も伸びず、大会での勝率は芳しくない。
そうした事情から、アンツィオ高校の戦車道は衰退の一途を辿り、愛知県の学校からスカウトされたアンチョビが入学した当時は戦車道の履修者数は数えるほどしか残っていなかったが、アンチョビの尽力によって現在は履修者数が40名以上にまで増えた。
また、チーム全体での倹約と露店経営でコツコツと資金を稼ぎ、歴代の先輩たちが残してくれた貯金と合わせることで念願のP40型重戦車を購入、火力不足も幾分か改善されている。
しかし、アンチョビ達が苦労して手に入れたP40は『ドラマCD4・戦車女子特集します!』にて聖グロリアーナ女学院のダージリンが乱暴な操縦をしたせいで故障してしまい、修理が追いつかず「長期入院」に入っており、劇場版でチラッと映ったウェブニュースでは修理費の寄付を募っていることが報じられていた。
第63回全国戦車道高校生大会では1回戦でマジノ女学院を下し、2回戦で西住みほ率いる大洗女子学園と対戦する。
大洗女子学園の生徒会からは「ノリと勢いがあり、調子に乗られると手強い」と、某国を思わせる評価を受けていたが、TVアニメ本編では尺の都合で描写上秒殺されてしまった。
前半パートで煽った上での秒殺だった為、アンツィオ高校と隊長のアンチョビのネタ度が急上昇する結果となった。なお、他のライバル達と違いアンツィオ勢がOPのアニメーションにて華麗にスルーされていることからストーリー上大きく取り上げられることはないだろうと秒殺劇を予想できていた視聴者も少なからずいた模様。
が、奇跡は起こった。
ガールズ&パンツァーのファン感謝イベント「ハートフルタンクカーニバル」にて、OVA「これが本当のアンツィオ戦です!」の製作が決定した事が報告されると共に、OVAの内容が大洗女子学園VSアンツィオ高校戦である事が判明した。
やったねチョビ!
漫画版
OVA版登場決定以前にアンツィオ高校との試合は、コミックフラッパー連載の才谷屋龍一が描く漫画版ガールズ&パンツァーにて展開され、単行本2巻には「アンツィオは決して弱くない!」と言う監督水島努の推薦文がついた。
漫画版では、アンチョビの悪役度を上げる為にカルパッチョと言う副官キャラが才谷屋龍一にデザインされて登場している。アンチョビについては、勝利こそ全てと断言する勝利至上主義者的な側面が強く描かれ、かつて個人の判断でチームの努力を無にしたと西住みほを糾弾した。対戦時には、有利な地形に誘い込んでP40でスナイプ戦術で大洗女子学園を苦しめたが、漫画版ではアンツィオ戦が初陣だったルノーB1bisの防御力の前に敗れた。アンチョビは他校のリーダーと違い、対戦後に西住みほと友好を深めることはなく、勝利こそ第一との言い分を繰り返した。そして、勝利よりも仲間を優先すると言うみほに対し、仲間を想うが故にその努力を無にしない為に勝利を目指すことが責務という彼女なりの信念を告げて立ち去った。
OVA版
OVA版におけるアンチョビの性格は漫画版とは異なり、自分の思いに素直なアンツィオ高校の面々を苦労しながらもしっかりと部員をまとめ、サンダース大付属の隊長ケイのように陽気でサッパリとした性格に加えてアンツィオの生徒らしくノリと勢いがあり、そして面倒見の良い姉御肌の人物となっている。
また、アンツィオ全体の雰囲気も、試合後に大洗チームに食事を振る舞ったり、決勝戦では一番乗りで応援に駆けつけるなど、漫画版とは違い友好的なものとなっている。
ちなみに、OVA版では新キャラとしてカルパッチョの他にペパロニという新しいキャラが登場している。
試合では精巧に作った自軍戦車の看板を設置して相手に自分達の位置情報を誤認させ、注意を引き付けている間に包囲・殲滅する「マカロニ作戦」を展開するが、作戦を正しく理解していなかったペパロニたちが調子に乗って予備の分まで設置してしまったために作戦がバレてしまい、急いで戦力の集結を図るも間に合わず、各個撃破される形で敗北した。
試合後はその場で盛大に宴会を開いて大洗と親睦を深め、決勝戦では前日の夜に大洗の応援に駆け付けるのだが、まだ時間があるのをいいことに宴会を始めた結果、騒ぎ疲れて全員が試合終了後の夕方まで寝過ごしてしまった。
劇場版
設定はOVA版を引き継いでいる。大学選抜チームに数で劣っていた大洗女子学園の援軍として、CV33一両にアンチョビ・カルパッチョ・ペパロニが乗り込んで駆けつけた。CV33の小さな体躯を活かし、主にチーム全体のGPS役として奔走する。終盤の戦闘では、豆戦車ならではの活躍シーンも。やったね!
後日談となるOVA「愛里寿・ウォー!」にも登場。
どこで知ったのか大洗女子学園に体験入学しに来た島田愛里寿をスカウトするためにわざわざ屋台まで持参して大洗の学園艦に乗り込んでくる。だが、愛里寿がトマトやチーズ、オリーブオイルなどアンツィオ自慢のイタリア料理に欠かせない食材が悉く苦手だったためにスカウトを断念している。
最終章
20年ぶりに開催される冬季無限軌道杯に出場。
第1話では大洗女子学園とBC自由学園の試合を観戦しに訪れたようだが、またしても前夜祭で騒ぎ疲れて寝てしまった。大会決勝戦からは何も学ばなかったようだ。
劇場版で修理費の寄付を募っていたP40の修理が間に合ったようで、1回戦では市街地のステージでボンプル高校と戦い、勝利している。
2回戦では聖グロリアーナ女学院と運河が流れる市街地で対戦。火力の圧倒的な差から、オレンジペコに「手ごたえのない試合ですね」と言われるほど相手にならず、街を利用して背後を取る作戦を見せるものの、待ち伏せを受けて敢え無く全車輌を撃破されてあえなく敗退した。
戦果は(描写は無いが)クルセイダー1輌撃破と、クルセイダー2輌を川に落としたのみであった。
アバンティ!アンツィオ高校
梵辛氏によるスピンオフ作品。アンツィオ高校の面々が戦車道をしたり料理をしたり旅をしたり他校と色んな種目で戦ったりするギャグ漫画となっている。
制服
OVA版で初お披露目となったアンツィオ高校の制服は、イタリア軍研究家吉川和篤氏の提案で、第二次世界大戦時に実在したイタリアの準軍事組織「イタリア少女団」の制服をモチーフにしている。けしてイギリスの魔法学校ではない。なおアンチョビがつけているマントは実際にイタリア少女団の制服に採用されている。
保有車輌
(漫画版「ガールズ&パンツァー」のみ)
生徒
- カルパッチョ:副隊長。2年生。
- ペパロニ:副隊長。2年生。
- その他生徒:1年生。
コミカライズの『アバンティ!アンツィオ高校』で梵辛氏が制作側に許可を取って、設定画があるアンツィオ高校のモブ子に命名をした「リコッタ」「ロビオラ」「ボローニャ」がいる。
余談
- アンツィオ(Anzio)の名前の由来は、イタリア・ラツィオ州ローマ県の都市。第二次世界大戦期の激戦「アンツィオの戦い」の舞台として知られる。
- 第3巻OVA「スクールシップ・ウォー!」で登場した学園艦の外観はイタリア海軍の空母「アクイラ」と似たものだった。
- 本籍地に設定されている栃木県では、とちぎテレビ主催のイベント「とちてれ★アニメフェスタ!」にて、毎回様々なコラボ企画が行われている。