概要
高校戦車道界におけるお嬢様の筆頭といえば”ダー様”ことダージリン…というのはよくあるイメージである。
ところが、実は知波単学園の西絹代隊長も、『東京都港区出身』で、『庭付きの家があるらしい』うえに『バイクを所有している』など、何気にお嬢様であることが窺える設定を持っている。
そう考えればお嬢様同士…ということもできるのだが、絹代の知波単魂あふれる、あんまりにも朴訥とした性格のため、どこまでも瀟洒なダージリンとのやりとりはどうにもすっとぼけたものになってしまう。
しかし、アメリカの作家、アリス・ウォーカーに曰く――「戸惑えば戸惑うほど、それは愛しているということだ」――とのこと。そう、噛み合わないからこそ、相手をもっと知りたいと願うのは乙女の本分ではないだろうか。
喜劇的にユーモラスで、けれど素敵にロマンティックな戦車乙女の世界を魅せるのは、まさに彼女たちこそがなせる技である。
本編での関係性
何?「本編ではほとんど絡んでいない」?
「劇場版で22両連れて来た絹代にダージリンが半ギレになってたくらいしか接点ないじゃん」だと?
……細かいことを気にしていては満足に突撃も出来ない、と申し上げておこう。
乙女の恋路とは一に突撃、二に突撃、三、四が無くて五に吶喊なのである。
…と言うか、基本的にいかなる時でも優雅に振る舞っているダージリンが、絹代にだけはキレ気味になるというのは、もうそれだけで色々と妄想するには十分ではなかろうか。
アンソロジーでは朴訥かつ天然な絹代がダージリンの格言に対してあれこれ突っ込み、げんなりさせることもあった。
絹代はミカの哲学的な言に対しても突っ込み攻めにして、普段飄々としているミカはあとでアキに泣きついている。
『もっとらぶらぶ作戦です!』においては『ダージリンの部屋』において絹代以下知波単の面々がゲストに迎え入れられるが、「恋愛においても突撃主義か」とダージリンに問われて、絹代以下もじもじしていた。
余談
絹代さんのモデルとなった西竹一氏は男爵家出身の騎兵将校で、1932年のロス五輪では馬術障害飛越で金メダルに輝き、本人の人柄も長身の美男子で天真爛漫な快男児であったという。
当然と言うべきか、若い頃は数々の浮名を流すプレイボーイだったとか…