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雪の進軍

ゆきのしんぐん

永井建子が作詞・作曲した軍歌。映画「八甲田山」の劇中歌として知られる。
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概要編集

作者の永井建子が、明治28年1月に大山巖の征清第二軍に軍楽隊員として従軍した際の体験を元にした楽曲。


現場の劣悪な環境に対する兵士の愚痴の様な歌詞、特に四番の歌詞は上層部批判ともいえる内容で、軍歌でありながら厭戦歌と言う不思議な楽曲となっている。

そのため、日中戦争時には士気低下につながるとして、歌詞の最後の「どうせ生かして還さぬ積り」が「どうせ生きては還らぬ積り」と比較的勇壮な内容に変更された。当時収録されたレコードでは四番のみ削除されているものもある。

なお太平洋戦争時には歌唱そのものが建前上禁止とされた。


八甲田雪中行軍遭難事件を題材とした新田次郎の小説を元にした映画「八甲田山」において、雪中行軍中の部隊の面々が歌う劇中歌として使用された。


漫画『究極超人あ~る』では冬の東北の山中に撮影に行った際にあ~るが歌っており、さんごにツッコまれている。


また、TVアニメ「ガールズ&パンツァー」第9話において雪中偵察に出た秋山優花里エルヴィンが歌うシーンが挿入され、第5巻OVA「スノー・ウォー」ではつなぎあわせると四番まで二人が歌っている構成となっていた。

台詞扱いでありサウンドトラックには収録されていなかったが、ファンディスクの特典CDに収録される事となった(編曲:石川智久)。「ディープパンツァーCD」収録の物はあんこうチームの5人、「ハートフル・タンク・ディスク」収録の物は秋山優花里&エルヴィンが歌唱している。

ちなみに軍事考証の鈴木貴昭はオリジナル版の歌詞を書いて出したが、収録時に改訂版に変更されていたとの事。

劇場版では知波単学園のテーマとしてインスト版が使用されていたが、劇場版の時間軸が夏だったこともあって違和感があり、時間軸が冬の最終章でも雪の戦いというシチュエーションにならなかったこともあって使用されていない。


著作権編集

著作権はすでに消滅している。

またJASRACの信託も非対応となっている。


つまり、日本国内においては歌詞を書いたり楽曲を演奏しても著作権料は発生しない。


歌詞編集


一番

雪の進軍氷を踏んで どれが河やら道さえ知れず

馬は斃(たお)れる捨ててもおけず ここは何処(いずく)ぞ皆敵の国

ままよ大胆一服やれば 頼み少なや煙草が二本


二番

焼かぬ乾魚(ひもの)に半煮(はんに)え飯に なまじ生命(いのち)のあるそのうちは

こらえ切れない寒さの焚火 煙(けむ)いはずだよ生木が燻(いぶ)る

渋い顔して功名噺(ばなし) 「すい」というのは梅干一つ


三番

着の身着のまま気楽な臥所(ふしど) 背囊枕に外套かぶりゃ

背(せな)の温(ぬく)みで雪解けかかる 夜具の黍殻(きびがら)しっぽり濡れて

結びかねたる露営の夢を 月は冷たく顔覗き込む


四番

命捧げて出てきた身ゆえ 死ぬる覚悟で吶喊(とっかん)すれど

武運拙(つたな)く討死にせねば 義理にからめた恤兵真綿(じゅっぺいまわた)

そろりそろりと頸(くび)締めかかる どうせ生かして還さぬ積り


改変後四番

命捧げて出てきた身ゆえ 死ぬる覚悟で吶喊(とっかん)すれど

武運拙(つたな)く討死にせねば 義理にからめた恤兵真綿(じゅっぺいまわた)

そろりそろりと頸(くび)締めかかる どうせ生きては還らぬ積り


冬の妖怪へ・・・エルヴィンは八甲田山カワイイ



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