曖昧さ回避
- 川内康範原作の特撮番組、並びに同時期に連載された漫画作品「愛の戦士レインボーマン」に主人公に敵対する形で登場する秘密結社。本項で解説。
- 漫画「行け!稲中卓球部」に登場する前野と井沢ひろみの2人が結成した悪の軍団の略称。詳しくはラブコメ死ね死ね団にて
- 1984年(昭和59年)結成のロックバンドで、正式名称は「大日本帝国初代新所沢愚連隊死ね死ね団」
概要
愛の戦士レインボーマンに登場する悪の組織。
日本人を『黄色い豚』と呼んで憎み、日本人抹殺を企てる組織として登場した。独自の主題歌「死ね死ね団のテーマ」を持つ。
この手の悪の組織としては珍しく日本だけを標的にしており、その目的も日本人の絶滅である。活動の動機としては漫画版において黄禍論によるものであると明言されている。
とはいえその計画のためには他人種の犠牲も厭わない節があり、マカオで掛け試合を行なっていたレスラーをキャッツアイの実験台にした上に用済みと見なせば白骨死体に変える、大国の要人の命を狙うなど悪辣。
構成員は一見日本人のようにも見えるが、「人間複写機」を用いて外国人犯罪者を日本人に整形して潜伏させるという手段を用いているので、元ヤクザだったレギュラー登場人物・ヤッパの鉄が「俺にそっくりな奴が悪事を働いてた!」と驚いた事もあった。
「死ね死ね団」というドストレートなネーミングなので、タケシの妹も最初は「なにそれ、マンガみたい」と笑い飛ばしていたが、これは「冗談のような名前なら、逆に誰も存在を信じず、活動しやすくなる」という意図を込めたもので、作戦行動は相当に凶悪。
任務に失敗した構成団員は、ミスターKによるスイッチ操作で処刑され、死体は消滅してしまう(この時には毎回BGMで、バッハの「トッカータとフーガニ短調」が重々しく流れる)。初期は証拠隠滅の意味もあったが、M作戦対策でレインボーマンが国会議事堂に直談判して、全国テレビ中継を行って以降は、日本中にも死ね死ね団の存在が認知されるようになった。
特撮シーンには「緯度0大作戦」の映像が流用されていて、α号と黒鮫号は死ね死ね団専用潜水艦として登場している。孤島に建造された海堡基地の爆発シーンもブラッドロック島そのまま。「東京がもしも爆破されたら!」のイメージ映像として「世界大戦争」のクライマックスシーンも登場。
ただし地底戦車モグラート、戦闘機ダッカー、サイボーグ回収ロケットといった本作オリジナル兵器も登場している。
怪人らしい構成員がいたり、現実的な作戦を展開するために一貫してシリアスな敵組織に思われるが、結局は個人団体でしかない為、妙にコミカルな所がある(後述)。
なおアニメ版ではこのような設定は流石に使えず、単なる宇宙人の侵略組織に変更された。
作戦方針
本作は13話毎(1クール毎)に死ね死ね団の活動方針が大きく変化する。DVD化の時、それぞれに副題が付けられた。
- 4話〜13話「キャッツアイ作戦」
マカオで結成式を行った後、日本に上陸。人間を発狂させる麻薬キャッツアイを日本人に飲ませていく。この結果、原因不明の自殺者が多発した。勿論こんな方法では団員がいくらいても足りないということで、最終的にダムに大量に投入という特撮ではお決まりのテロに走ったが、レインボーマンに阻止されキャッツアイは全て焼却処分。
レインボーマンをあの手この手でヨガの眠りまで追い詰める「レインボー作戦」に切り替えるも、結局失敗に終わった。
※1話〜3話には死ね死ね団は登場せず、ヤクザや悪徳プロモーターの嗾けたチンピラレスラーの撃退のためにレインボーマンの能力が披露された。
- 14話〜26話「M作戦」
今までレインボーマンに殺された団員324名の合同葬儀を行った後、活動再開。
新興宗教団体「御多福会」(女性幹部がお多福=オカメの面を被っている)を隠れ蓑にして、偽一万円札の札束を大量配布。これと平行して、殺人プロフェッショナルを招いてレインボーマンと戦わせた。作戦が進行していくと、紙幣が増えすぎてハイパーインフレが発生し、日本中が大混乱に陥った。偽札工場の爆破、一万円札の使用中止、レインボーマンの主張が全国テレビ放送され、日本政府による食料無料配給、レインボーマンによる海堡基地攻撃・爆破によって、ようやく事態が沈静化。
増刷に協力させられていた松前源吉は孫を人質に取られ、贖罪の為に偽札工場を爆破したはいいものの(レインボーマンに「名も知らぬ正義の人」と称えられた)、残された孫は第38話で死ね死ね団に殺されるという報われない最期を遂げてしまった。
- 27話〜39話「モグラート作戦」
基地が爆破されたので拠点を移動して活動再開。地底戦車モグラートを駆使して日本中で人工地震、人工津波を発生させる。更に親日家要人の暗殺、爆弾テロ活動によって、日本を危険な国に変えて、国際社会から孤立させようとする。最終的には新型爆弾で東京全てを爆破しようとしたが、勿論、失敗した。
- 40話〜最終回「サイボーグ作戦」
団員が次々とサイボーグ化手術を受け、レインボーマンを標的として総攻撃をかける。更には一瞬で人間をサイボーグ化させる薬品「ボーグα」が完成した為、タケシの周囲にいる人々が続々と刺客になっていく。私怨でタケシを狙うゴッドイグアナも現れて、三つ巴の戦いになる。
最終決戦でもミスターKは逃亡してしまい、レインボーマンの戦いは終わっていない。
主な団員
- ミスターK(演・平田昭彦)
秘密結社「死ね死ね団」のリーダー的人物。本名、国籍、経歴等は一切不明で白髪、黒い服に黒いサングラスという容姿の謎の男。
時折作中で日本人に変装することがあったが、その際は平田が素顔で演じている。大喜びで演じていたらしい。
死ね死ね団を立ち上げる程に日本(日本人)を憎む経緯は原作と漫画版で異なるが、どちらも「日本軍に家族を殺され、自身も虐げられたから」という点は共通している。原作では「家族を殺され、自身も虐待された」程度だったが、漫画版(小島利明版)ではかつて貿易会社の駐在員として来日したが、戦争の激化に伴い、日本軍にスパイ容疑をかけられて顔に大火傷を負わされただけでなく、妻子も殺害というむごい仕打ちを受けていた。
そうして日本を憎むあまりに日本が経済支配を目論んでいるのだと思い込み、死ね死ね団を結成したとされている。
なので彼の復讐には相応の根拠があり、やり過ぎとはいえ哀しき悪役といえる。
海堡基地の戦いで左手を失い、以後は鉤爪状の義手を付けるようになる。
ネーミング設定のネタは、原作者の川内康範の頭文字から取ったもの(Kawauchi)。脚本家らのギャグでプロットに書かれていたものが、川内に気付かれずにそのまま正式設定として通ってしまった。なお作中で一度「ミスターキチガイ」と呼ばれたことがある。
道化のようなゴムマスクを付けている。ピストルやボウガン、ニードルガンなどを使用する他、近接戦では投げナイフやサーベルも使用。
上記の葬式の際には全員遺影がこれだったので非常にシュールな光景になっていた。
- ダイアナ
古株の女性幹部で覆面団員たちを指揮している。
日本人を発狂させる麻薬「キャッツアイ」を大規模に配布したり、地底戦車モグラートの工場主任となったりした現場主義者。冷徹な性格のうえ、非常にヒステリックである。
終盤にはサイボーグとなってレインボーマンに戦いを挑むが、太陽の剣を浴びて倒された。
- ミッチー
序盤でミスターKの秘書的な役割をしていた女性団員。海堡基地決戦の後は登場しなくなったので、基地の爆発に巻き込まれたらしい。
- メイジャーアル、メイジャーブル、メイジャーチル
キャッツアイ作戦に携わった男性幹部。とはいえ、雑魚戦闘員と同一の服装・同一のマスクを付けているので、傍目からは見分けがつかない。レインボーマンによって悉く作戦を失敗され、落とし前の為にKに処刑された。
彼らの死後には葬式が行われたが、全員同じマスクを着けたままの遺影を使われたため、せっかく幹部に上り詰めたのに雑魚と一緒くたであった。
不甲斐なさをミスターKに咎められると「人手不足」だの「女隊員を増やして欲しい」と言い訳するなど妙にコミカルな所がある。
- キャシー
M作戦の頃から陣頭指揮を取っていた女性幹部。ダイアナと張り合う場面も多い。後にミスターKの命令で手術を受けて戦闘サイボーグ第1号となり、目からビーム等を駆使してレインボーマンと戦うが、ビームを反射されて敗れた。
- メイジャーボルト
これも雑魚戦闘員と同じ姿の男性幹部。偽札工場を管理していた。
- 御多福クイーン
M作戦の活動拠点である新興宗教団体「御多福会」の指揮者。和風の巫女装束に、お多福の仮面を付けていたが、仮面を外せば金髪碧眼の白人女性だった(見るからに外国人)。最後には証拠隠滅の為に高笑いしながら自爆する。
- 魔女イグアナ
アフリカ基地から派遣されてきた魔女で、7人の超能力者(殺人プロフェッショナル)のリーダー格。
「トムカ!」「カムト!」の叫びと共に魔法を駆使するなかなかの強敵であり、人間の血が好物で光に弱いという吸血鬼のような性質を持つ。使い魔として化け猫を使役している。
さしものレインボーマンも彼女との決戦ではとうとう体力の限界が来てヨガの眠りにまで追い詰められてしまうが、運よく朝日が登って来た為に辛勝する。
衣装も自分でコーディネートして、ノリノリで演じてる塩沢ときの怪演が本当にスゴイので、撮影しているスタッフの方もドン引きしていたとの事(塩沢とき:談)。
- フドラ
「F」の棺桶から出て来た、殺人プロフェッショナルの一番手。毒殺の専門家であり、洋館におびき寄せたタケシと対決。黒い顔に異様に見開いた右目が特徴。
猛毒針、毒鎌、毒虫の使役、エネルギーの吸引が可能な毒糸など毒殺の専門家と謳われるだけの実力を備えているが、せっかく毒を浴びせたダッシュ6には毒を取り除かれ、地面に引き摺り込まれるという末路を迎えた。こうかはばつぐんだ!!
- ガルマ
「G」の棺桶から出て来た殺人プロフェッショナル。人間ポンプという異名を持ち、口から放つ火炎放射ガルマファイヤー、溶解液放射ガルマブルーが武器。頭が悪く、レインボーマンの不動金縛りを受けて身体が動かなくなったまま放置されるという失態を二度も繰り返す。
レインボーマンにボウガンの矢を投げ付けられ、自分の吐いたガルマブルーとガルマファイヤーで死ぬという末路を辿った。
- ヘロデニア3世
殺人プロフェッショナル(H)。自身には大した戦闘力は無いが、「ヘドロン」というレインボーマンの術を尽く無効化し、対象を石化させる不定形生物を操る。
レインボーマンのレインボーフラッシュに敗れるが、しばらく戦い続けるなど意外にタフ。
- アイスリー
殺人プロフェッショナル(I)。雪女のような怪人で、角からの冷気放出と氷の剣で戦う。
星っ子という喋れない少女に化け、南朝貴族の隠れ里に潜入していた。
ダッシュ2の火炎の術を無効化したが、ダッシュ3の水冷砲の術で逆に凍らされそうになった。しかし、レインボーマンを凍らせて痛み分けに終わるというなかなかの戦果を残した。最期はダッシュ5のレインボーフラッシュで倒された。
- ジェノバード
殺人プロフェッショナル(J)。マントを使って滑空する空転ムササビ殺法で、空中からの攻撃を行う。
マントの麻酔ガス弾やナイフが武器で、森での先頭に優れるダッシュ4に翻弄されるなどやや間抜け。
分身の術を使って最後の決戦に望むが、ダッシュ7に本体を見抜かれ、遠当ての術で倒された。
- 電流人間エルパンダ
殺人プロフェッショナルの一人で、イグアナの息子で返事が「はい、ママ」であるなどマザコン気味。背中に背負ったバッテリーを使って、両手から電撃光線を放つ。弱点は川に落とされると漏電してしまう事。電撃能力のみならず、演じる大月ウルフの高笑いもスゴイ。
平田昭彦、塩沢とき、大月ウルフの怪演合戦に至ると、とんでもない状況になる。
最期はダッシュ1の脳天稲妻落としを食らってバッテリーがショートしたのか敗北する。
- オルガ
ミッチーの後任として第3クールから登場。初登場時はミスターKの娘に変装していた。バイクアクションを得意とする。終盤は仲間が続々と倒れて行く事に嘆き、自分自身にボーグαを打ち込んで、怪物化した自分にも絶望しながらレインボーマンと戦う。太陽フラッシュに敗れた。
- ロリータ
アフリカ基地から、黒人闘士パゴラと共に派遣されてきた女性幹部。殺人フルーレを使う女戦士でもある。パゴラがレインボーマンに倒された後も暫く日本で作戦に関わり、後にサイボーグとなって、サイボーグダイアナと共にレインボーマンと戦う。
- DAC(ダック)
Devil Armed Combat unit(悪魔武装戦隊)。レインボーマン対策として第3クールから登場した戦闘部隊で、現実的な戦闘服とマシンガンで装備を固めている強敵である。なんで最初からそうしないんだ。
- ドクターボーグ
アフリカ基地から来た科学者。九州のサイボーグ工場の責任者となる。戦時中に日本軍の軍医に妻を殺されたことから日本人に強い憎しみを抱いている。一定時間だけ人間をサイボーグ化する薬・ボーグαを開発した。遠当ての術に敗れた。
- ゴッドイグアナ
第4クールから登場する魔女イグアナの母でエルバンダの祖母。娘を蘇らせる為に私怨でレインボーマンを狙うが、むしろ死ね死ね団の刺客を妨害する形になってしまう。事実上の第三勢力である。
盲目であるために光属性の技が効かないバッドシスターやミイラのようなミイラシスターといった分身を使役できるが、ダメージがフィードバックするのが弱点で最期は太陽の剣に敗れた。
元来は塩沢ときの再登場が予定されていたが、スケジュールの都合で変更された。ここで代わりに演じた曽我町子が、後に魔女役者として開眼するキッカケとなったらしい。
- ドクロマン
作戦の邪魔になるゴッドイグアナを倒す為、ミスターKが雇ったブードゥーの妖術師だが、ゴッドイグアナからは散々にこき下ろされている(戦闘力が比ではないので当然か…)。ドクロの仮面を付けているが、なんで日本語なのかは不明。
ハエへの変身や電光を発する剣が主な武器だが、雷光の剣に敗れた。
- かまきり男
ミスターK自身がボーグαで作った昆虫怪人。ボーグαを打ち込まれた農夫の背中に偶然カマキリが乗っていたので、何かの反応があったのか「殺人サイボーグ・かまきり男」になってしまった。
外観は緑色の全身タイツで、両手で持ってる鎌が武器である。造形物には期待しないように。
太陽フラッシュを浴びて敗れた。
問題の死ね死ね団のテーマ
過激すぎる。
何かと炎上沙汰が起き、政治の話題による喧嘩や作品に対する行き過ぎた考察を行う人物が多い現代ではとても放送出来ないだろう……。
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死ね死ねブルース:死ね死ね団の歌とは似て非なる曲。こちらは愛川欽也の歌。