M113
えむわんさーてぃーん
全長は約5m、重量約13t、量産車で採用された装甲はアルミ合金(5083防弾アルミ板、耐弾性はおおむね半分の厚さの防弾圧延鋼に相当、これにより以前の車両に比べ7割程度の重量となり、水上でもある程度浮遊するようになり、またC-130での空輸も可能)、エンジンは当初はガソリンエンジンであったが、1963年に民生品ディーゼルを採用(攻撃に対し爆発炎上しにくくなった)。乗員は2名+11名の兵員を同乗可能。
車体はシンプルな箱型で、前面が傾斜している。
採用したアルミ合金装甲は小銃弾や榴弾の弾片に耐える程度の物であり、RPG-7などの対戦車兵器、また地雷にも弱く、車内にいる乗員が一発で全滅するなど、全く防御力を発揮できなかった。
このため、各種の対策(ベトナムにおける米軍の対RPGネット、M113A1から床板の二縦構造化、)や追加装甲(M113A3やイスラエル軍の対RPG用空間装甲や、AIFVのラミネート装甲、イラクにおける米軍の籠型装甲など)が取り付けられることも多かった。
しかし元々「戦場タクシー」として前線まで兵を運ぶことが目的の車両であり、積極的に前に出て戦うことが前提では無いM113では、発展する対戦車兵器に対しての防御力は満足のいくものではなかった。
アメリカ軍はより防御力の高い、戦車に随伴し歩兵を輸送できる後継車としてM2ブラッドレーを採用したが、しかし高価であるため、他のM113使用国では採用されていない。多くのM113を装備するイスラエル軍では、より携帯式対戦車兵器に対する防御力の高い、旧型戦車を改造した各種歩兵戦闘車を採用、M113は後方勤務に回された。
しかし一方、FMC社による本車の発展型である歩兵戦闘車としてAIFV(オランダ、フィリピン、ベルギー、エジプト、トルコ)と、その独自改良型KIFV(韓国)も採用されており、一部の国ではライセンス生産も行われていた。
西側のNATO圏を中心にアメリカが支援した国や、ベトナムのようにそれらを多数鹵獲した国、さらには冷戦後に装備更新等により余剰となった中古車を購入する国もある。これは大量に製造されたため、整備や部品調達が容易であることもその一因である。
アメリカは第二次世界大戦の後半ごろから「比較的安全に不整地に兵士を輸送できる車両」というものを欲していた。前線から引きあげられた駆逐戦車M18ヘルキャット初期型を改修したM39多目的装甲車は、第二次大戦中に砲兵用トラクターとして生まれた物であったが、朝鮮戦争では前線での物資や弾薬、負傷者の輸送に活躍した。
また同じくM18の機関系を用いた、より本格的な兵士24人が搭乗可能な大型装甲兵員輸送車として、M44装甲車が採用された。しかしこの車両はその重さおよび大きさが運用の妨げになるとして、僅かに生産されたのみであり、特に運用はされなかった。
そこでアメリカ陸軍要求により「12名程度を乗車可能な車両」というものを開発した。1952年に作られたのはM75装甲兵員輸送車であった。1700両以上が採用されたこの車両自体には問題はなかったものの、特にコストが高いことなどにより別機種への更新が必要となった。
そして1953年に製造したのはM59装甲兵員輸送車であった。この車両は水陸両用となっており、徹底的なコストダウンによりエンジンも民生品2基を用い、さらに装甲も薄くなっていた。この車両は6000台以上が採用ものの、コストダウンしたところがすべて裏目となっており、M75よりも性能(特に速度)と信頼性が落ちる、という結果になってしまった。
アメリカ陸軍が1954年より開発を開始、FMC社が試作車両を作成し、1959年にT113E2と呼ばれるタイプの車両がM113として採用された。
さらにアメリカは1965年より歩兵戦闘車(歩兵輸送車に強力な火砲、およびある程度の装甲をつけた装軌装甲車、この種の車両は1950年代にイスパノ・スイザ社がラングHS.30歩兵戦闘車が開発するなど、ヨーロッパが先行していた)を試作していた。しかし、いくつかの車両はテストしたものの、アメリカ陸軍の仕様をパスすることができなかった(この中にはAIFV歩兵戦闘車のもととなったXM765が含まれる)。そのうち、ソビエト連邦がBMP-1を公開した。アメリカ陸軍はその性能にど肝を抜かれた。
1972年、海兵隊が使用していたAAV7をベースとした車両を製造、さらに改良して、2名用砲塔を搭載したものを試作、その後騎兵戦闘車も合流し、結局のところこれが1980年にM2ブラッドレー歩兵戦闘車およびM3 ブラッドレー騎兵戦闘車となった。
パキスタン軍の装甲車両として登場。モガディッシュの市街地に取り残されたレンジャー部隊とデルタフォースを救出する。
アメリカ大使館前に指揮車タイプのM577が停車している。
PS2「新コンバットチョロQ」に登場。
街中にたむろしている一般市民として登場。小型の旋回砲塔を搭載したタイプも登場している。
wikipediaのM113装甲兵員輸送車およびそのリンク先