機体データ
型式番号 | MS-06D |
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所属 | ジオン公国軍・スカラベ部隊、同カラカル部隊、同ピンクパンサー部隊、同ガリボルディ隊(後期生産型)、地球連邦軍、旧ジオン公国軍残党 |
製 | ジオン公国軍キャリフォルニアベース |
生産形態 | 量産機 |
頭頂高 | 17.5m |
本体重量 | 48.8t |
全備重量 | 79.4t |
出力 | 976kW |
推力 | 42,900kg |
装甲材質 | 超硬スチール合金 |
武装 | M-120ASザクマシンガン、ヒートホーク、腰部クラッカーポッド/2連装ミサイルポッド(選択式)、左腕部ラッツリバー3連装ミサイルポッド |
概要
型式番号MS-06D。砂漠での活動用に装甲と推進力、防塵性能などの強化が図られたザクⅡ。
初出は『MSV』の企画が始動するより以前に刊行されたムック『劇場版 機動戦士ガンダム アニメグラフブック』にて、湿地帯戦用ザク、対空砲装備型ザク、水中用ザクと共に「砂漠用装甲強化型ザク」として発表された画稿。
一年戦争時、地球に侵攻したジオン軍は陸戦型ザクⅡをベースに改良を加える事で、いくつかの局地対応機種を開発していった。
主に固定武装を強化したモビルスーツ(MS)はグフとして開発が進められており、地球侵攻部隊から最も要請が強かったアフリカ戦線用として熱帯・砂漠戦仕様に特化する形で本機は開発された。
開発はキャリフォルニアベースにおいて、ザクⅡをベースにこの実戦データを反映させて進められた。
機体の軽量化と出力の強化と一部装甲の強化と共に地上での冷却力の向上のためバックパックには大型の冷却装置が増設されている。
また、広大なサバンナや砂漠地帯での移動力向上のため腰部と脚部に補助推進装置が設置されている。
関節部には防塵用のシーリングが施されている。
頭部にはグフに先行する形で通信用アンテナが標準装備された。
これには砂塵やスコールなどの環境での使用を考慮した三角錐状のマルチブレードアンテナ(シングルアンテナ)と、長短2種類(等長のタイプも確認されている)のロッドアンテナを側頭部に設置したもの(ダブルアンテナ)がある。
固定武装は左前腕部の増加装甲に装着されるラッツリバー3連装ミサイルポッド。
また、作戦に応じて腰部両側のマウントラッチにラッツリバーP-3 2連装ミサイルポッド及び2基のクラッカーを内蔵するSA-712クラッカーポッドを装着することができる。
更に頭部にはバルカン砲と思われる開口部が2ヶ所確認でき、更のその奥にはガトリング式機関砲の銃口と同様の配置の穴が見られるが、その詳細は明らかになっていない。なお、一部ゲームでは実際にバルカン砲として使用されている。
携行武装として120mmマシンガン(型式番号:M-120AS)を用いる。これはザクⅡ用に開発されたもの(型式番号:ZMC38III M-120A1)を改修したものでスコープを廃止し、バレルやストックが短いものとなっており、軽量化により保持性が向上している。
これらの武装はこれまでの実戦データが反映されており、陸戦型ザクⅡのものより実戦向きなものとなっている。
G92組立式砲座は分解した状態で4機で搬送し、目的地において10分程度で組み立てることが可能となっている。
一年戦争中期頃から実戦配備が行われ、全機がアフリカ戦線に投入されており、配備数の少なかったドムに代わり、主力機として活躍した。
またデザートタイプには後期生産型が存在し、ランドセルのラジエーターユニットが小型化し上方にまとめられ、余裕のできた下部にはスラスターが増設されている。
前期にはシングルタイプ、ダブルタイプそれぞれ43機ずつ、後期にはシングルタイプのみが28機、計114機が生産された。
戦後は連邦に接収され、キラービー隊にてジム・キャノンと共に運用されていた。
ジム・キャノンと同じくジャブローに配備されていたが、アニメ『機動戦士Ζガンダム』劇中には登場しなかった。
劇中での活躍
映像作品では、アニメ『機動戦士ガンダムUC』でジオン軍残党の機体が砂漠に不時着したガランシェールを引き上げる際にザクタンクと共に一瞬画面に映ったのみに留まる。
漫画『『袖付き』の機付長は詩詠う』では、『UC』本編でガランシェール艦載機のギラ・ズールが大量に担いでいた武装は、この残党が提供した物とされている。
バリエーション
ディザート・ザク
型式番号MS-06D。
アニメ『機動戦士ガンダムΖΖ』に登場。
一年戦争後も抵抗活動を続けたジオン軍残党が、ザク・デザートタイプをベースに地球連邦軍基地から奪った資材で改修した機体。映像作品での露出はこちらの方が圧倒的に多い。
ロンメル部隊以外が使用する機体はレプリカという設定も存在する。
詳細はディザート・ザクを参照。
デザートザク(ロンメルカスタム)
型式番号MS-06DRC。
メカニックデザイン企画『ΖΖ-MSV』に登場。
ロンメル部隊を率いるデザート・ロンメル中佐が、ドワッジ改に乗り換える以前に専用機として用いていた機体。
砂漠戦向けのザクⅡのカスタムモデルであり、キャリフォルニアベースで開発された改造キットを用いて現地改修によって製作された機体とも言われるが、ベース機はザク・デザートタイプ、ディザート・ザク、陸戦型ザクⅡなど諸説あり、機体各部の形状もD型よりはC型・F型・J型などに似通っている。
専用武装としてロングレンジ・ライフルを携行する他、右肩のシールドはシールド・クローに換装されている。
ザク・デザートタイプ改
型式番号MS-06DX。
漫画『ガンダムEXA VS』に登場。
「GAデータ」内で確認されたザク・デザートタイプの改修機。
胸部装甲がプロトタイプドムに近い形状になっている他、頭部の左側動力パイプはフィルターに交換、空間的余裕ができた左後頭部にはバルカン砲の増加弾倉と思しき箱型の部品が挿入されている。
右肩部シールドやランドセルに各種センサーが追加され、シールド側のセンサーの直下には3連装スモーク・ディスチャージャーが装備されている。
武装面では、左腕部には3連装ミサイルポッドに代わりリニアガンがマウントされ、ギガンの120mm機関砲を携行式に改造したと思われる4銃身のガトリング砲を装備している。
イクス・トリムをパイロットとして、ラプラス事変時のトリントン基地襲撃において史実には存在しない別働隊の一翼を担っている。
ガンプラ
1/144スケールの旧キットが一般販売。過去にHG THE ORIGIN MSDでスカラベ部隊仕様とカラカル部隊のダブルアンテナ仕様がプレミアムバンダイ限定で発売されていた。
両方ともデザートタイプ特有の武装は揃っているが、旧キットにはヒートホークが付属していない。
HGは基本的な構造は他のTHE ORIGINのジオン系キット同様シャア専用ザクⅡのものを踏襲しているが、モノアイがブグやアクト・ザク同様に首の動きと連動して動くようになっている。
カラカル部隊仕様の迷彩塗装は「センスと根気と熱意で」とビルダーに丸投げされていたHGUCジュアッグ(Ver.MSV)と異なり水転写式デカールが付属するため、再現の敷居はいくらか下がった。