カタログスペック(ガンダムTR-1[ヘイズル])
トライ・シールド・ブースター装着時
頭頂高 | 18.1m |
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本体重量 | 42.1t |
全備重量 | 65.4t |
ジェネレーター出力 | 1,420kw |
装甲材質 | チタン合金セラミック複合材(一部ルナチタニウム合金) |
スラスター総推力 | 不明 |
概要
宇宙世紀0084年、ティターンズがMSの最新技術を評価する為、コンペイトウ(旧ソロモン)工廠にて製作したTR計画第一段階の実験機である。このため、型式番号RX-121の上二桁[12]はコンペイトウでの開発を、三桁目の[1]は開発番号を、そのまま意味している。
インレのコアMS開発のためのテストベッド機として、機体各所に設けられたラッチに様々な増加装備を施し機体特性を変化させる「万能化換装システム」の技術実証を行った。
ジム・クゥエルの改修機ではあるが「ガンダム」として型式登録され、ガンダムの名前に相応しい性能を持つ(ヘイズル改でガンダムになったとする資料も)。
『A.O.Z Re-Boot』では「ガンダムの定義」を投げ掛ける存在とも言われ、その疑問に対して自身の活躍を以てガンダムであることを証明した機体と評価されている。
機体解説
ジム・クゥエルをベースに、一年戦争における連邦軍の象徴であるガンダムが戦場に与える心理的影響、さらにはその存在自体が戦局に与える効果を検証するべく頭部はガンダムを模した頭部ユニットを採用。
ジム・クゥエルがベース機となったのは、ティターンズ専用機として広く配備されており、メンテナンス時のパーツ互換性と信頼性が高いため。同時に、既存の量産機をベースとする事で開発期間の大幅な短縮に繋がっている。
そのため第1世代MSにカテゴライズされるが、万能化換装システムの恩恵により装備次第では次世代MSに追随できる程度には高い拡張性を有する。
当初は1号機(RX-121/RX-121-1)と2号機(RX-121-2)の2機のみでテスト運用がされていたが、グリプス戦役の後半からは強化仕様が少数量産され実戦配備されている。それぞれが膨大な数の装備バリエーションを有しており、換装によってあらゆる任務に対応する。
TR計画関連機共通の特徴としてマニピュレーターの指先に通称「マニキュア」と呼ばれる赤い塗装が施されたセンサーを搭載している他、本機はパーツ換装を主眼に置いた改修が行われており、脚部、肩部のアクチュエータの強化、脚部熱核ロケットエンジン、オプション増設式のバックパックによって装備追加に伴う重量増・機動力低下に対応した。ただし胸部補助アクチュエータ・ユニットを増設した鎖骨部はジム・クゥエルでは複合インテーク・ダクトが開口されていた部位だったため、排熱効率は低下してしまっている。
また、ガンダムヘッド自体もセンサー系が強化されており、頭頂部センサーは高機動形態での視界確保を目的に、上方にもライン状にセンサーが張り巡らされている。ただし、センサー増設の関係から、60mmバルカン砲はオミットされた。
宇宙世紀0084年当時において、ガンダムタイプに匹敵する高性能機として完成したヘイズルだが、機体特性、操作性が大きく異なっており、ピーキーな機体性能を遺憾なく発揮する為には高度な操作技術を要する。
当初はテスト機という事もあり不安定な部分(胸部追加装甲を施した際の重量バランスの変化に対応できない等)があったが、試験データの蓄積や機体改修を進めた結果、次第に信頼性が向上していった。
主なパイロットは1号機はウェス・マーフィー、2号機はエリアルド・ハンター。
技術的な側面では、脚部構造やアドバンスド・ヘイズル用ソールユニットなどがバーザムの、シールド・ブースターなどはギャプランの開発に影響を与えている他、ハイザック飛行型にも本機のデータやパーツが転用された。
名前の由来はイギリスの児童文学『ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち』の主人公であるサンドルフォードの巣穴出身のうさぎの若者「ヘイズル」から。
なお本機に限らず、TR計画機のコードネームは『ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち』に由来する。
エンブレムは飛行帽を被った青い兎の横顔だが、これは1号機のものであり仕様によって適宜変わるため都度説明する。
武装
連邦系モビルスーツの標準装備となるビームの刃を持つ格闘兵装。
本機唯一の固定武装としてバックパックに一基装備されている。
- XBR-M84a ビームライフル
ブラッシュ社製。Eパックを試験的に採用したビーム・ライフル。
ヘイズルはジム・スナイパーⅢと組んだ小隊において前衛に就くことを想定しており、近接戦闘での取り回しの良いショートバレルタイプを使用する。また、エネルギー消費が激しい連射モードに対応するためEパックは二基繋げた物を使用し、最初のリロードアクションはホルダーに手を伸ばさずとも上下をひっくり返すだけで動作が完了するよう工夫されている。
なお、予備のEパックはサイドスカートや前腕部のラッチに接続されたホルダーを介して左右から挟み込むような形で保持される。また、ホルダーはEパックを取り外した後も一種の追加装甲として機能する。
ヒート・ブレードを有するロング・バレルとストックを装着する事でロング・ブレード・ライフルとなるなど、いくつかのオプションが用意されており、ジム・スナイパーⅢのロングバレルタイプなど様々な仕様の物がテスト運用され、さらに改良された物がガンダムMk-Ⅱにも採用されることになった。
加えて本装備自体も相当数が生産され、コンペイトウに配備されていたジム・クゥエルなどに装備された他、宇宙世紀0094年時には闇市場に流れたガブスレイが使用したともされる。宇宙世紀0116年にはバージムC2型がロング・ヒート・ブレードを取り付けたものを装備していた。
- シールド
ジム・コマンドから使われ始めた曲面タイプのシールドで、ジム・クゥエルから引き続き用いられている装備。
実験兵装ではないため下記シールドブースターの供給が間に合っていない時に装備されることが多い。
- シールド・ブースター
本機を象徴するテスト装備の一つ。
シールドに22,000kgの出力を有するスラスターとプロペラントタンクの機能を持たせた装備。
出撃の際に強襲時にブースターとして使用し、戦闘時にそのままシールドとして用いることで重量面での無駄を減らしている。これまで用いられてきたシュツルム・ブースターは、戦闘時に投棄していたが、投棄後の回収が困難であった。このシールド・ブースターは製造コストは高くなるものの、被弾による損傷が無い限り再利用が可能という利点がある。
推進剤は難燃性のものが使用されており、被弾時の誘爆の危険性を低減している。
シールド表面の中央部にはラッチが存在しているため拡張兵装が装備可能で、ラフスケッチではここに2列14連装までミサイルを収めていることが確認できる縦長の箱状のマイクロミサイルポッドを装着しており、後に『Re-Boot』においてガンダムTR-S[エルアライラー]の装備として正式に描き下ろされている。
また、ミサイル等の実弾兵器を着弾前に破壊するためにラッチの代わりに10門の拡散ビーム砲を備えた「強化型シールド・ブースター」も存在しているが、拡散ビーム砲はプロペラントタンクのスペースを圧迫して装備されているため燃焼時間は落ちてしまっている。
その他アドバンスド・ガルバルディβへの装着が計画されていたモデルとして6門の拡散ビーム砲とミサイルポッド、そして後述のコンポジット・シールド・ブースターへ流用されると思わしきIフィールド・ジェネレーターらしき装備を3種を備えたもの、ガンダムTR-S[ヘイズル・フレア]ではTR-S用強化パーツであるフレアユニットのブースターを装着したものも確認された。
- コンポジット・シールド・ブースター
本来はガンダムTR-6用の武装だが、ガンダムTR-1も携行が可能。
シールド・ブースターの発展装備で、ロング・ブレード・ライフルやIフィールド・ジェネレーターといった機能も付加された。
また、底面が4本爪のクローに変形し、ラッチとの接続部となっているベロウズ・フレーム(ある程度の伸縮が可能な蛇腹状の関節を持つアーム)から先を射出して有線遠隔攻撃が可能、敵機を捕縛したままゼロ距離でビームを叩きつけることもできる。
オプション装備
- フォールディンググリップ
胸部補助アクチュエータ・ユニットの多目的スペースに装着可能なオプション装備。
シールド・ブースター2基を両腕に装備した高機動形態の時に採用される。
高速機動時にマニピュレーターでこれを掴むことにより腕部にかかる負荷を分散する効果がある。
なお、高速機動時は両手が塞がってしまうためこの状態での射撃には後述のフレキシブル・ビーム・ライフル・ユニットに頼る必要がある。
また、フルドド(後述)に付属している胸部装甲ユニットを装着する際のジョイントにもなっている。
- 多目的ランチャー
胸部補助アクチュエータ・ユニットの多目的スペースに装着可能なオプション装備。
非使用時の外観はフォールディンググリップとほぼ変わらないが、展開時に真ん中で折れ断面が2連装の発射口となる。グレネード弾やスモーク弾などを計4発装填可能。
高機動形態時のフォールディンググリップとの選択装備であり、高機動形態への換装を想定していない2号機はこれが基本装備として採用されている。
- バルカン・ポッド・システム
ヘイズルの頭部には固定武装が存在していないが、ガンダムMk-Ⅱと規格を共有しているためガンダムMk-Ⅱの頭部外装式バルカン・ポッドを装備可能。
なお、頭部周辺のクリアランスを圧迫してしまうため、装着が可能なのは鎖骨部補助アクチュエータ・ユニットを装備していないアーリー・ヘイズルやヘイズル・ケルデルクなどの派生機に限られる。
- チョバムアーマー
ガンダムNT-1のそれと同じ外装式の複合装甲。ただし装備される部位は胸部と腰部のみに限られる。
特にリアスカート部分には6基の小型スラスターが内蔵されているため機動力強化のため1号機にも用いられており、ヘイズル改以降のモデルでは標準装備となっている。
- 脚底部補助スラスター・ユニット
アドバンスド・ヘイズル以降のモデルに装備されるようになった、足にハイヒールパンプスのように外装して取り付ける補助スラスター。
かかと部分にノズルが付いており、下方に噴射することで加速の補助や着艦時の減速などに用いられる。
- 高性能光学センサー・ユニット
V字アンテナを折り畳み前頭部に装備されるセンサー・ユニット。これを装備するとデュアルアイは隠れる。
センサーの内容はジム・スナイパーⅢと同様の光学センサーやサイトセンサーだが、下部カバーを展開するとモノアイが露出、長距離狙撃用のスナイパーモードとなる。
- 対シュトゥッツァー用ワイヤーカッターユニット
ジオン残党軍に大敗を喫した経験から開発された、胸部ラッチに取り付けるV字状の大型カッター。
これによりシュトゥッツァーと呼ばれるジオン残党MSの標準装備であるウインチユニットに絡め取られてもワイヤーを切断して突破することができる。
なおこの手の装備はドイツ国防軍空軍がJu88やHe111などの双発軽爆撃機に装着していた対阻塞気球用のケーブルカッターなど、旧世紀にも類例を見ることができる。
バックパック用オプション
ジム・クゥエルのものから換装された本機の大型のバックパック上部のソケットには様々なオプションを接続できるように設計されており、これを介して様々な推進機の実験を行っていた。
なお、メインスラスターノズルはジム・クゥエルから変わっていない。
連邦のジム規格のためトランスパックシステムに対応しており、TR-1型のバックパックだけでなく任務特化型のバックパックに換装する事で機体の仕様変更を行ったり、逆にハイザックやマラサイなど規格に準拠した後発機に本機のバックパックを取り付けることで本機と同様の強化を施す素地を整えることが可能。
- 可動式ブースターポッド
バックパックにアームを介して接続されたエンジンポッド。
それ自体がアームにより稼働するためベクタードノズルやAMBAC肢としても機能する。
内部にはTR計画の中で設計された新型のジェネレーターを内蔵しており、また、大気圏内では前部のシャッターを開くことでエアインテークが露出し、熱核ロケットエンジンから熱核ジェットエンジンへ燃焼方式の切り替えが可能。
上部にはマウント・ラッチが存在し、シールド・ブースターやその発展型となるブースト・ポッド(後述)、フルドド(後述)などを接続可能。
- トライ・ブースター・ユニット
シールド・ブースター以外の機動力強化オプションの一つとして設計された強襲戦用のバックパックユニット。
左右に配置された2基の可動式ユニバーサル・スラスター・ポッドと、後部の大容量プロペラントタンクを兼ねたテール状シュツルム・ブースターで構成される高機動型装備であり、バックパックの可動フレームによって推力を自在に変更可能となっている他、それ自体がAMBAC作動肢としても機能する。
一方で他のバックパック用ユニットと異なりラッチが存在しないため拡張性に乏しく、またその長大さから機体の重心バランスが大きく崩れてしまうため、扱いは難しい。
また、装甲と独立した自由度の高いスラスター・ポッドの可動フレームのデータは、ムーバブルフレームの開発に活かされている。
- マルチ・コネクター・ポッド
可動式ブースターポッドに代わる形で装備されるターミナルユニット。高機動型ガルバルディβで試験が予定されていた装備を流用したもので、左右のラッチに可動式ユニバーサル・スラスター・ポッドやシールド・ブースターを接続でき、中央上方にはゼク・アインなどの使用するプロペラント・タンク、後部にはフルドドを接続可能。
また、この装備はバックパック本体共々ハイザック飛行型にも流用されており、後部に接続された飛行用の大型フレキシブル・ブースターもまたトライ・ブースター・ユニットの技術を転用したもの。
- 試作型高機動ブースターポッド
主に高機動型ガルバルディβで試験されていた1枚のウイング状のブースターポッド。可動式ブースターポッドと同様にTR式新型ジェネレーターを内蔵し前部にインテークシャッターがある。
左右のラッチはハイザックキャノンの実体弾式キャノン砲やミサイルポッド、ゼク・アイン第二種兵装のビームスマートガンやレドームなど主に火力強化系のオプションの装備を想定しているが、装甲を取り外しマルチ・コネクター・ポッドに似た強化ラッチを上から被せるように挟み込むことでシールド・ブースターを2枚接続可能。なお、この強化ラッチの中央にプロペラントタンクやフルドドを接続するためのラッチは無い。
- マルチ・トランスパックシステム
プリムローズのピリオドモデルではトランスパックシステムだけでなく未対応の機体のバックパックに対応したマルチ・トランスパックシステムになっており、他MSのバックパックをベロウズ・フレームを介して掴んで接続する事が可能。
ジムⅡの3種類のバックパック(EWAC装備、キャノン装備、ハイザック装備)へ換装する事で代替機として運用されている。
股間部マルチ・ウェポン・ラッチ用増加装備
ヘイズル改以降のモデルの股間部には開閉式のマウントラッチが増設されており、そこに接続するための様々な増加装備が開発されている。
- サブ・アームユニット
ユニット自体は通常は無骨なフロントスカートといった容貌だが、展開する事で第三・第四の腕となる。
3本指の簡易なマニピュレーターではあるがEパックや武装の換装などの基本動作はあらかじめ設定したプログラムによって行うことが出来る。さらにビームライフル、ビームサーベルなど各種武装を使用できるが、メインアームと切り替えて操作するため、サブアーム使用中はメインアームが使用不可となる。この欠点は後述のフルドドとドッキングすることにより増員されたフルドド側のパイロットに操作を任せるという力業で解決可能。
FCS(火器管制)が複雑になることからパイロットに多大な負担がかかり、広く用いられることはなかった。
このため、機体制御の補助に用いているバイオセンサーの恩恵かメインマニピュレーターと同時に操作可能なジ・Oの隠し腕とは系統的に異なる装備である事が窺える。
- フレキシブル・ビーム・ライフル・ユニット
主に高機動形態など両腕が塞がった形態を想定して開発されたビーム・ライフル専用のサブアーム。非使用時はビーム・ライフルを横向きに構える形で折り畳まれ、胸部ラッチも併用し2点で固定されている。
名前の通り自由自在に可動し、高機動形態で高速機動している状態でも射撃が可能。
- 姿勢制御ユニット
前方に噴射する2基と横方向に噴射する計4基のアポジモーターを追加する増加フロントスカート。
これにより宇宙空間でより細やかな動きが可能になる。
- サブ・アームユニットⅡ
ガンダムTR-6[ウーンドウォート]の胸部[プリムローズⅡ]と腕部をそのまま接続した豪快な装備。
サブアームはMSの腕をそのまま使用している為、機構は以前のサブ・アームユニットより複雑化しているが、これを操ることができるのはプリムローズⅡ側に搭載されている高度な管制システム「BUNNyS」の恩恵と思われる。
- ブースト・ポッド
ガンダムTR-6と共に開発された可動式ブースターポッドの発展装備。TR-1の可動式ブースターポッドに重ねて接続したりマルチ・ウェポン・ラッチにも接続することも可能。
本機ではハイ・メガ・キャノンを内蔵しマルチ・コネクター・ポッドとしての機能も兼ねる角張った形状のものが装備される。そのため可動式ブースターポッド側に接続されるものはドラムフレームを介してガンダムTR-6の股間部サブアームなどの拡張オプションを接続することも可能。
イカロス・ユニット
全身に纏うタイプの大気圏内飛行用装備。
揚力と推力で飛行する試作プランと推力のみによって滞空する実戦配備仕様の2種類が存在する。
詳細はヘイズル改の同項目を参照。
FF-X29A Gパーツ[フルドド]
Gファイターのコンセプトを受け継いだ宇宙戦闘機にしてヘイズル改用の試作支援ユニット。なお、エゥーゴのGディフェンサーのような戦闘中のドッキングは想定されていない。
後述の完成形である[フルドドⅡ]と区別するために「試作フルドド」と呼称されることもあるほか、本機が2機合体したMA形態[フルドド・ラー]のデータは後にハンブラビのMA形態の開発に活かされたことから、このMA形態は後付けでTR-ハンブラビと呼ばれることもある。
名前の由来は『ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち』における人間の乗り物を指すうさぎ言語「フルドド」より。エンブレムは太極図のように絡み合った2羽の兎の頭で、先述の合体機構を表現している。
これがヘイズル改やヘイズル・アウスラなどのブースター・ポッドもしくはマルチ・コネクター・ポッドにドッキングすることで「ヘイズル・ラー」、同様にハイゼンスレイにドッキングすることで「ハイゼンスレイ・ラー」と呼称されるようになる。「ラー」はうさぎ言語で「王」を意味する接尾語。
更にこれらとは別に、もう1機がマルチ・ウェポン・ラッチにドッキングすることで名前の後に「第二形態」と付く強化型になることが可能。
両翼のウイング・ユニットをフルドドⅡのショルダー・ユニットに換装する事でGファイターⅡとなり、この状態でヘイズルとドッキングする事で(ヘイズル・アウスラの)第4種兵装の一部となる。
メッサーラの背部ブースターを接続することで[フルドド・ホイスト]となる。
- コクピット・ブロック
胴体を構成するコクピット。
多数のラッチを有しており、ここがヘイズルのブースター・ポッドやマルチ・コネクター・ポッド、股間部マルチ・ウェポン・ラッチなどに接続され、さらにここを起点としてウイング・ユニット以外にも様々な可変モビルアーマーのパーツなど増加オプションを取り付けることが可能となっている。
- スラスター・ウイング・ユニット
左翼。ジェネレーターを内蔵したスラスターで特筆した機能は持たないが、この構造がハンブラビのバインダーの設計に繋がっているとされるほか、ウイングとしての形状を捨てたフルドドⅡにおいては本ユニットから発展した汎用部品「ウイング・バインダー」を両脇ショルダーユニットのドラムフレーム側面に接続することでAMBAC作動肢としての機能を補えるようになっている。
- クロー・ウイング・ユニット
右翼。後部に折り畳まれたベロウズ・フレームによりフレキシブルな可動が可能で、前部はビーム発振器を収めたクローとなっている。
このクロー内部のビーム発振器はビーム・サーベルとビーム・キャノンの使い分けが可能で、後述のロング・ヒート・ブレードを噛ませることで射撃制度の底上げが可能。
- ロング・ヒート・ブレード
胴体下部に装備されている、刃を加熱して破壊力を持たせるタイプの近接武装。
本武装はビーム射撃兵装の延長バレルという側面も持っており、これをXBR-M84aビーム・ライフルやクロー・ウイング・ユニットに接続することで射撃制度の向上した「ロング・ブレード・ライフル」として扱うことができる。
とはいえヒート・ブレードはロングバレルにそのまま取り付けられただけで敵機を切り裂くといった攻撃には向いておらず、銃身をぶつけバレルとしての寿命を縮めてしまうため、基本的に緊急用の兵装といった趣である。
先述のコンポジット・シールド・ブースターに付随する改良型のものは銃身そのものを薄く成形することで対象を切断しやすくする解決が図られている。
- ノーズ・センサー・ユニット
機首部分に存在する、縁にモノアイレールを張り巡らせたブレード状のセンサー。後方にもレールが回っているため縦方向の視界はビーム砲や接続ラッチが存在する下部を除いた360度近くを把握可能。
ヘイズルにドッキングする際は基本的にコクピット・ブロックを介して背部に接続されるが、ギャプランの増加ブースターを接続した「クルーザー巡行形態」時はコクピット・ブロックと共に股間部に接続され前方視界を拡張することもある。
腕部に直接装備することも可能で、その際はシールド・ブースター2枚を並列に接続し防御面積を拡大するための拡張ラッチとして振る舞う。また、この状態で接続部に「ウインチ・ユニット」というパーツを介することで、有線遠隔攻撃兵装「ウインチ・シールド」となる。
- 胸部装甲ユニット
その名の通り、ヘイズルにドッキングする際に胸部装甲となる装甲板。
中央部と両脇部分に3分割されており、中央部装甲はコクピットハッチを覆うような形で胸部ラッチに取り付けられ、両脇部分の長方形に近い形状のシンプルな装甲版は中央部装甲版の左右ラッチと鎖骨部フォールディンググリップの2点で固定される。
フルドドに接続されている時は中央部装甲がノーズ・センサー・ユニット下部、両脇部装甲版はそれぞれウイング・ユニットの先端に接続されている。
MP-X86 モビルポッド[プリムローズ]
ガンダムTR-1の生還性を高めるために開発された、胸部ブロック兼用の緊急脱出ポッド。本機を搭載したガンダムTR-1は[ヘイズル・アウスラ]と呼ばれる。
その性質はコア・ファイターに似るが戦闘中の合体などは考慮されておらず、脱出時には頭部・腕部・腰部がパージされる。
本機はTR計画の完成形であるガンダムTR-6と共通の規格が用いられており、ガンダムTR-6用の強化パーツの一部はヘイズル・アウスラにも取り付けることが可能となったため、ガンダムTR-6[アドバンスド・ウーンドウォート]が開発された際には同時に後述のガンダムTR-1[ハイゼンスレイ]が開発される要因になった。
ヘイズル用の各バックパックの換装やフルドドを装着する事でGスカイやコアブースターのような支援戦闘機としても運用可能。T3部隊では専ら後方にも推進可能なヘイズル用のバックパックを用いていたため問題にならなかったが、トランスパックシステムの研究をしていたブラックヘアーズでは推力が下方に固定されているその他MSバックパックの接続も計画しており、プリムローズ本体後方に接続ジョイントとなるベロウズ・フレームを挟みバックパックそのものを持ち上げることで解決を図っている。
量産型ヘイズル・アウスラのプリムローズは機首の下部に単装バルカン砲を装備したピリオドモデルとなり、単体でもある程度の自衛能力を有するようになった。
- ウインチ・キャノン
プリムローズの拡張兵装として用意された開放バレル型のメガ粒子砲。
ウインチ・シールドを発展させた兵装で、ウインチ・ユニットは基部との一体型になった。
マニピュレーターでは掴まず、胸部脇の拡張ラッチから伸びるサブアームで支持する形で装備される。
- ミサイルポッド・バインダー
こちらもプリムローズの拡張兵装で、ウインチ・キャノン同様に胸部脇の拡張ラッチに装備される。
12発のマイクロミサイルを内蔵した2連装ミサイルランチャーで、上部の開口部から発射されて下から次弾が装填される。
また、下部はチャフ・ディスペンサーとなっている。
FF-X39A [フルドドⅡ]
フルドドの完成形でありガンダムTR-6の一形態として開発されているが、フルドドのウイング・ユニットの進化系にあたる2基の「ショルダー・ユニット」(スラスター・ショルダー・ユニットとクロー・ショルダー・ユニット)とそれに付随する「マルチ・アーム・ユニット」のみ先行してガンダムTR-1に実装された。
フルドドⅡはプロトタイプアッシマーTR-3[キハール]などでテストされていた非常に拡張性の高いラッチ「ドラムフレーム」を搭載しており、ドラムフレームを介する事でオプション装備を更に外装する事ができ、単なるオプションパーツとしてのみならず拡張装備用のプラットホームとしても機能する。
このショルダー・ユニットとドッキングしたガンダムTR-1は「ヘイズル・ラーⅡ」または「ハイゼンスレイ・ラーⅡ」と呼ばれ、試作フルドド同様に腰部に2対目のショルダー・ユニットをドッキングすることで第二形態になることも可能。
フルドドⅡは肩部装甲や股間を物理的にホールドすることであらゆるMSに装着可能になったが、TR-1やTR-6は同じ「万能化換装システム」に批准した設計のため、バックパックの可動式ブースター・ポッドとフルドドⅡ側のブースト・ポッドを繋いだより強固な接続が可能になっている。しかしグリプス戦役中は胴体の生産が間に合わなかったためか欠けた胴体を試作フルドドで補っており、背部ショルダー・ユニットは試作フルドドのコクピット・ブロックを介してブースター・ポッドもしくはマルチ・コネクター・ポッドに接続する形となっている。
可変モビルアーマーのユニット
ティターンズは尖った性能の可変モビルアーマー(TMA)を数多く開発しており、TR-1でもそのポテンシャルを活かすべくTMAのオプションないし一部が流用されることがある。
主にフルドドやフルドドⅡを介して接続される。
- 大型ブースターユニット、腕部クロー
メッサーラの背部ブースターと、グレネードランチャーを内蔵した腕部外装式の近接兵装。
大型ブースターユニットはヘイズル・ラーⅡのショルダー・ユニットと同様にフルドドのウイング・ユニットを換装する形で装備される。
木星圏のような高重力環境下での機動を想定しており、これらを装備した形態は名前の後に「ホイスト」と付く。
この形態は元々は公募企画『ヘイズル強化計画コンペ』において藤岡建機賞を受賞したプラモデル作例がベースとなっていて、当時は胸部増加装甲もメッサーラの物が被せられるような形状となっていたが、正式にAOZに組み込まれるにあたって「ヘイズル・ラーの派生形態」という設定になった。
『A.O.Z Re-Boot』単行本の設定集に収録された際はヘイズル改とフルドドが「高機動型ブースター装備」の名で装着しており実際に運用されたかなどの設定は無かったが、その後Web連載においてヘイズルと同じくジム・クゥエルを祖とする兄弟機ヘイズル・ケルデルクに装備され「ケルデルク・ホイスト」の名で試験されていたと設定された。
なおこの換装形態をフルドド単体で運用する際も同様に「フルドド・ホイスト」と改称されており、新たにノーズ・センサー・ユニット左右にオプションタイプの小型ドラムフレームが装着されている。
- 増加ブースターユニット
ギャプランが大推力による弾道飛行を行う際に装備するブースター。
出撃時や一撃離脱など爆発的な加速力が求められる際に用いられる。
ヘイズル・ラーのコクピット・ブロックやハイゼンスレイ・ラーⅡの背部ブースト・ポッドに付随するドラムフレームなどを介して接続され、これを装備した形態は「クルーザー巡航形態」と呼ばれる。
このクルーザー巡行形態は画稿では持てるだけの火器を搭載しておりヘイズル・ラーでは腰部クロー・ウイング・ユニット2基にロング・ヒート・ブレードを装備した第二形態、ハイゼンスレイ・ラーⅡでは腰部ショルダー・ユニット2基にもマルチ・アーム・ユニットを接続したうえで4基すべてにウインチ・キャノンを装備、右肩ショルダー・ユニットのドラムフレームにはバイザックTR-2のビグウィグキャノンまで接続した第二形態となっている。
- ギガンティック・アーム・ユニット
サイコガンダムの腕部。肩から先をそのまま用いており、フルドドⅡのショルダー・ユニットに接続される。
これを装備した形態は「ギガンティック・アーム・ユニット装備」と呼ばれる。
実践投入こそされなかったが、そのコンセプトはサイコ・ギャプランの遠隔操作対応型大型バインダーと統合され、ガンダムTR-S[エルアライラー]のフレア・ユニットに発展したり、ガンダムTR-6の[クインリィ]フルアーマー形態や[ウーンドウォート]サイコ・ガンダムⅡギガンティック・アーム・ユニット形態といったサイコガンダムMk-Ⅱの四肢を用いた換装形態に応用されるなどといった形で受け継がれていくことになる。
バリエーション
「万能化換装システム」により多数のオプションを組み合わせて様々な領域に対応するスタイルを取っているため形態が非常に多い。
何のオプションも装備していない素体として見た場合、時系列を無視し1号機・2号機などもまとめて改修の進行具合順に並べても
- ジム・クゥエル
- アーリー・ヘイズル(ガンダムヘッドに換装)
- ヘイズル2号機アーリー・タイプ(胸部補助アクチュエータ・ユニット増設、新型バックパックに換装)
- ヘイズル2号機(頭頂部メインカメラを強化センサーに換装)
- ヘイズル1号機(ジム・クゥエル由来の後頭部ロッドアンテナをオミット、脚部に熱核ロケットエンジン、足首に強化アクチュエータを増設)
- ヘイズル改/アドバンスド・ヘイズル(コクピット・ハッチ上部に多目的ラッチ、股間部にマルチ・ウェポン・ラッチを増設)
- ヘイズル・アウスラ(胸部をプリムローズに、肩部をラッチ付きの強化型に換装)
- ハイゼンスレイ(側頭部装甲・肩部・上腕部をガンダムTR-6と共通の強化パーツに換装、胸部も同様にハイ・メガ・キャノンユニットを装着)
といった具合になる。
RX-121 ガンダムTR-1[ヘイズル]
エンブレムはゴーグル付きの帽子をかぶった兎の横顔。
強襲形態
メイン画像。両前腕部ラッチにシールド・ブースターを装着しビーム・ライフルを2挺装備した形態。ヘイズルのオプション形態の中では最も一般的なものであり、攻守共にバランスが取れた形態である。
フルアーマー仕様
被弾した装甲を容易に交換出来る高いメンテナンス性を実現する為、ガンダムNT-1と同系のチョバムアーマーを装備した状態。
ヘイズル自体がジム・クゥエルをベースとして各種強化パーツを換装している為、機動力維持の目的もあるがそれまでのフルアーマーと比較し、増加装甲として着脱可能なのは胸部及び腹部とフロントスカート部のみとなっている。
一応この形態が標準装備となってはいるが、機体重量や慣性モーメントの変化、可動範囲の制限などデメリットも多く、テストパイロットであったウェス・マーフィーからは不評であった。またビーム兵器が一般化しつつある時代背景においてその必要性を疑問視する声もあったが、技術的サポートに乏しく実弾兵装が主体となっているジオン残党軍相手には有用で、後に原型機のジム・クゥエルにも運用データがフィードバックされ装備のひとつになっている。
高機動仕様
両腕部のラッチに加えブースターポッドのラッチにも一枚、合計三枚のシールド・ブースター(トライ・シールド・ブースター)を装着した形態。
推力方向を一方向に集約する事でモビルアーマー級の加速力を発揮する事ができ、この発想が後の可変モビルスーツ・可変モビルアーマーへと繋がっていく事になる。
なお、胸部補助アクチュエーター・ユニットの多目的スペースにはフォールディング・グリップが設置されており、これを展開し保持することで両腕部を固定し肩関節への負荷を低減し安定した巡航を行う事が可能。ただし巡行中は両手が塞がるため武器を使用することができない。
最終形態
高機動形態にフルアーマー・タイプのチョバム・アーマーを装着した形態。
ビーム・ライフルも強襲形態同様に2挺持っており、この段階で開発されている装備のてんこ盛りとも言える形態。
RX-121-1 ガンダムTR-1[ヘイズル改]
頭頂高 | 18.1m |
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本体重量 | 41.5t |
全備重量 | 63.0t |
ジェネレーター出力 | 1,420kw(+390kW) |
装甲材質 | チタン合金セラミック複合材(一部ルナチタニウム合金) |
スラスター総推力 | 114,480kg |
ジオン残党軍の「シュトゥッツァー・シリーズ」との戦闘で大破したヘイズルを、コンペトウに配備されていたジム・クゥエルやアレキサンドリア級宇宙巡洋艦アスワンに搭載されていた予備パーツ等を用いて改修を行った機体。
型式番号がRX-121からRX-121-1に更新されているが、これは本機の改修に先立って改装された2号機(後述)にRX-121-2の型式番号が付与されたことに伴っての事である。
機体形状に大きく変更が加えられている訳ではないが、コックピットがリニアシート・全天周囲モニターに換装されている。
加えて、これまでの実働データや開発ノウハウをフィードバックし、部材の再構成による軽量化やOSのバージョンアップ、スラスター推力の増強が行われ、総合性能が向上している。
なお、ヘイズルのオプション兵装は初期プランの実験をほぼ完了していたが、この改修によって実験プランは大幅に見直され、胸部コクピット・ハッチに増設された多目的ラッチと股間部に増設されたマルチ・ウェポン・ラッチによってそれまで以上の様々な形態をとることが可能となった。
カラーリングは改修期間が短かったということもあって一定期間は大部分の装甲の地色を晒したライトグレーの状態で運用されていた。後のグリプス戦役勃発に合わせ実戦配備が決定すると、ジム・クゥエル同様の本格的なティターンズ正規カラーへと塗り変えられている。
T3部隊結成時から長らくウェス・マーフィー隊長の愛機として戦ってきたが、[ファイバー]配備に伴い、エリアルド・ハンターへと譲られた。
その後宇宙世紀0087年8月に勃発したロサ・ギガンティア攻略戦の中で小隊と因縁の深いガブリエル・ゾラが駆るリック・ディアスと激突し、互いに中破のダメージを被る激戦を演じた。
その後エリアルドは[フライルー]2号機に乗り換えており、以降の本機の足取りは不明。
胸部ラッチの増設により胸部形状が変わったためフルアーマー・タイプや最終形態への換装は不可能になったが、高機動形態は残っており股間部マルチ・ウェポン・ラッチにサブ・アーム・ユニットあるいはフレキシブル・ビーム・ライフル・ユニットを接続することで巡行時における武装の取り回しの問題も解決した。
またイカロス・ユニットやフルドドなどヘイズル改用の増加オプションもいくつか新たに開発されている。イカロス・ユニットに関しては下記を、フルドドについては上記オプション装備の当該項目と併せて後述の「ヘイズル・ラー」を参照。
ガンダムTR-1[ヘイズル改]イカロス・ユニット試作プラン
可変機のMS形態の滞空時間が十分ではなかったことから、サブフライトシステムや可変機構に頼ることの無いMS単体での重力下における飛行を検証すべく開発された仕様。
アッシマーやギャプランと違い変形が不要なためMS形態のまま携行する武装で戦闘に移行することができる。
背部と臀部に推進機に搭載し、両肩と股間部にTRジェネレーター内蔵式の巨大なメインスラスター、足底部に増設するサブスラスター内蔵の展開式ランディング・ギアを装着している。
背部を前方推進用の専用バックパックに交換するにあたって、頭部のすぐ後ろにもう1基V字アンテナの無いヘイズルの頭部のようなセンサーが増設されているのも特徴。
推進力の他に滑空時に水平展開する肩部のウイングバインダーで発生する揚力を併用する飛行コンセプトを採用していたが、MS形態のままでは空力性能が著しく低く、十分な機動性が得られないと判断され再設計が行われた。
一方で、ハイザック飛行型用に調整された仕様は変更前のコンセプトが流用されている。
ガンダムTR-1[ヘイズル改]イカロス・ユニット装備
再設計後は肩部、股間部、臀部というメインスラスターの配置こそ変わらないものの、ウイングバインダーは可動式スタビライザーに換装され、足底部ランディング・ギアも撤去された。
バックパックもヘイズル共通の物に差し戻されシールド・ブースターを装着したことにより、揚力に頼らず推力のみで機体を滞空させる装備となった。
この装備の試験データが後のバイアランの開発に役立てられている。
宇宙世紀0087年6月、ロゼット強化陸戦形態と共にギャプランTR-5[ファイバー]の随伴機としてその複合防御バインダーに搭載されカラバのカムチャッカ基地を強襲、ガブリエル・ゾラの駆る鹵獲アッシマーとも空中戦を繰り広げ僚機との連携でこれらを退けている。
RX-121-2 ガンダムTR-1[ヘイズル2号機]
頭頂高 | 18.1m |
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本体重量 | 42.7t |
全備重量 | 65.4t |
ジェネレーター出力 | 1,420kw |
装甲材質 | チタン合金セラミック複合材(一部ルナチタニウム合金) |
スラスター総推力 | 不明 |
元々本機は「アーリー・ヘイズル」と呼ばれ母艦アスワンにストックされていたヘイズルの補修・交換用パーツを組み立てて造り上げられた予備機だった。エンブレムはバニーガールの獣人がこちらに尻を向けたもの。(元々は高機動型ガルバルディβのエンブレム)
当初こそ、頭部がガンダムヘッドであること以外はジム・クゥエルとほぼ同一の機体であったが、エリアルド・ハンターの搭乗機であるジム改高機動型の中破を機に、新たに彼の乗機としてかねてより試験予定であった試作型バックパック「トライ・ブースター・ユニット」を装着する等の改修が施された。これに伴い軍のデータベースに再登録が行われ、RX-121-2の型式番号が与えられている。
その他試験前にパイロット諸共エゥーゴへ離反し失われた高機動型ガルバルディβで試験予定だった「マルチ・コネクター・ポッド」の試験も請け負うことになり、そこにシールド・ブースターを2枚取り付けた「ダブルブースター」あるいは「高機動仕様」と呼ばれる形態の試験も行われた。
その他1号機のチョバムアーマーはウェス・マーフィーから不評を買った末に機動性の高い2号機が標準装備としてテストすることとなった。
2号機として再登録された当初は頭頂部メインカメラもガンダムなどと同仕様の「アーリー・タイプ」と呼ばれる仕様だったが、後にヘイズル1号機と同様のライン状のセンサーに改められている。
RX-121-2A ガンダムTR-1[アドバンスド・ヘイズル]
頭頂高 | 18.8m |
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本体重量 | 39.5t |
全備重量 | 78.6t |
ジェネレーター出力 | 1,420kw |
装甲材質 | チタン合金セラミック複合材(一部ルナチタニウム合金) |
スラスター総推力 | 不明 |
宇宙世紀0087年のグリプス戦役勃発後、T3部隊の本格的実戦部隊への再編成に合わせ、[ヘイズル2号機]を[ヘイズル改]と同等の仕様へ改造したうえで、グナーに持ち逃げされた高機動型ガルバルディβで試験予定だったコンセプトを継承した増加パーツを装着した形態。
実戦配備カラーに塗装されたヘイズル改1号機との差異は襟と胸部多目的ラッチ、スカートの塗装が青くなっている点とマルチ・コネクター・ポッドを装備したバックパック(1号機は襟が黄色く胸部ラッチとスカートが黒いほか、可動式ブースター・ポッドを装備)。
更にサブ・アーム・ユニットや高性能光学センサー・ユニット、脚底部補助スラスター・ユニットが追加で装備されている。
エンブレムは耳が悪魔に翼になった紫色の兎が、その翼で身を包み赤いトライデントを真横に構えた正面構図。右翼には包帯が巻かれている。
スペック上は第二世代MSに対抗可能な機体に仕上がったが、やはり操作性がピーキーかつ煩雑な「じゃじゃ馬」のため、オードリーが搭乗しての模擬戦では、フルドドを相手に撃墜判定を許す結果となってしまった。
ただしこの「既存機の高性能化改修」というコンセプトはハイザックやマラサイなどにも影響を与えたようで、それぞれ本機のバックパックを転用するなどの改修が施された「アドバンスド・ハイザック」、「アドバンスド・マラサイ」等が開発されている。
RX-121-1+FF-X29A ガンダムTR-1[ヘイズル・ラー]
ヘイズル改あるいはアドバンスド・ヘイズルにフルドドを装着した形態。画稿では再塗装前のヘイズル改が素体となっているが、作中で装着しているのは2号機のため型式番号はRX-121-2+FF-X29Aになるものと思われる。
合体後のヘイズル改の火力、機動性、防御力の全てを向上させ、総合的なスペックはムーバブルフレームを標準採用した第二世代MSにも匹敵するレベルにまで達する。
また、ヘイズル・ラーにアドバンスド・ヘイズルのオプションパーツ一式を装着した形態を[ヘイズル・ラー]フルアーマー形態と呼ぶ。
宇宙世紀0087年6月、テスト直前にエゥーゴのジムⅡと接敵したことでいきなりの実戦投入となったが、非対称形状・スラスター配置が災いして、加速をかけると左上方に意図しないモーメントがかかってしまう、劣悪なバランスであることが判明。辛くも撃退した後はすぐさま[ヘイズル・ラー]第二形態への装備変更と調整が開始された。
RX-121-1+FF-X29A×2 ガンダムTR-1[ヘイズル・ラー]第2形態
[ヘイズル・ラー]に搭乗したオードリーの意見を取り入れ、慎重な重心計算のもとに採られた形態。画稿では再塗装後のヘイズル改が素体となっているが、ヘイズル・ラー同様に作中では2号機が装着する。
二機のフルドドをヘイズル改に同時合体させ、ブースターポッドには二基のスラスター・ウィング・ユニット、腰部には二基のクロー・ウィング・ユニットを装着。形状的にも左右対称となり、各バランスが整った。このため、本形態となってようやく『実戦運用に耐える』[ヘイズル・ラー]が完成したと言える。しかしながら、大推力で崩れたモーメントを、更に推力を追加して力ずくで制御した結果、MS本来の運動性が失われてしまった(整備スタッフ曰く「とてもMSと呼べる代物ではなくなった」)。
モビルアーマーと割り切って運用すれば直線加速力、航続距離共に充分なスペックを有するため、一撃離脱戦法に秀でる。
ガンダムTR-1[ヘイズル・ラー](キャノン形態)
第1形態のブースターポッドのウィング・ユニットを両方ともロング・ヒート・ブレードを接続したクロー・ウィング・ユニットを装着した中距離支援形態。
スナイパー装備
アドバンスド・ヘイズルのオプションパーツ一式を装着の他にフルドドのロング・ブレード・ライフルを携行した狙撃仕様。画稿では再塗装前のヘイズル改が素体となっており、背部オプションが可動式ブースター・ポッドのため背負っているシールド・ブースターは1枚となっている。
光学センサーユニットの性能とロング・ブレード・ライフルの射程が遺憾なく発揮される形態。
戦いの激化する宇宙世紀0087年8月、エゥーゴのロサ・ギガンティア攻略という実戦部隊としての任務が与えられたT3部隊でヘイズル改、フライルーと共に出撃することになるが、ネモ・カノンの狙撃を受けて中破してしまう。
RX-121-2P ガンダムTR-1[ヘイズル・アウスラ]
先の戦いで中破したアドバンスド・ヘイズルを修理すると共に、胸部を緊急脱出用モビルポッド[プリムローズ]に換装した仕様。
「アウスラ」はうさぎ言語で「上士」を意味する言葉。なおTR計画に名称を引用されたうさぎの中でアウスラはビグウィグとラブスカトルのみである。エンブレムはプレゼント箱に乗った長大な耳を持つ一頭身の白兎。
バックパックオプションは初期に装備していたトライ・ブースター・ユニットに戻っている。
TR-1の次世代量産機化計画によって開発された機体でもあり、ガンダムTR-S[ヘイズル・フレア]の試作機的立ち位置の機体であるが、ガンダムTR-Sの開発計画がガンダムTR-6に発展する形で流れたため、TR-6が量産されるまでの暫定措置として少数が量産(後述)された。
また、同じくTR-6量産までの繋ぎとして配備されたバーザムはムーバブルフレームを採用したTR-Sの簡易量産型にあたり、後継モビルポッドのプリムローズⅡやムーバブルフレーム、ドラムフレームを搭載しており、TR-1より完成型のTR-SならびにTR-6に近づいた機体構成になっている。
プリムローズの優れた拡張性により[ヘイズル2号機]の汎用性は大幅に向上し、胸部両脇に拡張ラッチを装備することでウインチ・キャノンとミサイルポッド・バインダーを装備することが可能となった。
また、これら装備の増加と共に肩部装甲はジム・クゥエルのものからオプションラッチを搭載した小ぶりのものに変更されている。この構造はTR-SやTR-6にも受け継がれている他、再設計前にあたる本機の肩部もTR-6がバーザムⅡ形態を取る際に増加装甲と小型スラスターを増設したうえで用いられている。
宇宙世紀0088年2月のグリプス2争奪戦へと投入。パイロットのカール・マツバラを守りきった後、エゥーゴへの技術漏洩を防ぐため、プリムローズ分離の後にパイロット自身の手で自爆処分された。
各種兵装
A.O.Z Re-Bootの2巻収録設定資料にて設定されたヘイズル・アウスラの各形態。
後述のFGの接続を逆輸入しており、ウインチ・キャノンを接続したサブアームの取り付け位置が背中側から胸側に再設定されている。
- 第1種兵装
右側拡張ラッチにウィンチ・キャノン、左側拡張ラッチにミサイルポッド・バインダーを装着し、バックパックにはシールド・ブースターを一基装着した形態。
- 第2種兵装
両側の拡張ラッチにミサイルポッド・バインダーを装着し、バックパックにはシールド・ブースターを二基装着した形態。
- 第3種兵装
両側の拡張ラッチにウインチ・キャノンを装着し、バックパックにはトライ・ブースター・ユニットを装着した形態。
- フルアーマー形態
第1種から第3種までの兵装の混成形態で、ウインチ・キャノンとミサイルポッド・バインダーを各一つ装着し、バックパックにはトライ・ブースター・ユニットを装着した形態。
当初から設定されていた画稿を上記A.O.Z Re-Bootにおけるウインチ・キャノンの設定改変に併せリファインしたもの。
- 第4種兵装
両側の拡張ラッチにミサイルポッド・バインダーを装着し、バックパックに[試作フルドド]のコクピット・ブロックを介して[フルドドⅡ]のショルダー・ユニットやウィンチ・キャノンを装着した形態。
後述の[ヘイズル・アウスラ・ラーⅡ]に至る過渡期の形態とも言えるが、胸部左右にオプションを装備していない本形態の上半身のみの画稿も[ヘイズル・ラーⅡ]や[ヘイズル・アウスラ・ラーⅡ]と呼称されている資料もある。
- ギガンティック・アーム・ユニット装備
第4種兵装にサイコガンダムの腕部を接続し高性能光学センサー・ユニットを撤去した形態。
エンブレムは耳が屈強な腕になった兎のキョンシーの正面構図。
この腕部は管制が複雑になるためマニピュレーターとしての用途は想定しておらず、純粋な5連装ビーム砲として火力強化を図っている。
- スナイパー仕様
ヘイズル改スナイパー装備の肩部装甲をヘイズル・アウスラのオプションラッチ付きのものに交換しており、プリムローズを搭載していないがアウスラの一形態とされている。
マニピュレーターと肩部ラッチの2点でロング・ブレード・ライフルを保持するようになったので安定性が向上している。
次世代量産型試作機
ヘイズル・アウスラの量産検討仕様。
プリムローズの主翼部から拡張ラッチが撤去されているため、ウインチ・キャノンとミサイルポッド・バインダーは装備できない。
マルチ・コネクター・ポッドを搭載したバックパックとなっており、ビーム・ライフルとシールドはガンダムMk-Ⅱのものを採用している。
次世代量産機
ヘイズル・アウスラの正規配備仕様。
MS時の外観はダークブルーの実戦配備カラーになった以外の差異は無いが、プリムローズが機首の下部に単装バルカン砲を装備したピリオドモデルとなったため、本機そのものも[ヘイズル・アウスラ]ピリオドモデルという別名を持つ。なお、2号機のプリムローズにも最終決戦仕様として同様の改修が加えられた。
ケルデルク・アウスラの試験データを統合したことで、ジムⅡの後継機としてヘイズル以外のバックパックへの換装も考慮されており、ジム改高機動型で試験されジムⅡ用に量産されていた3種類のバックパック(EWAC装備、キャノン装備、ハイザック装備)は本機にも転用可能。
ゼダンの門方面には曲面型シールドとXBR-M84aビームライフルを携行した機体の配備が確認されている。
RX-121-2P+FF-X39A×2(推定) ガンダムTR-1[ヘイズル・ラーⅡ]
[ヘイズル・アウスラ]に[フルドドⅡ]の「クロー・ショルダー・ユニット」と「スラスター・ショルダー・ユニット」をそれぞれ2基装着した、ヘイズル・ラー第二形態の発展型に相当する形態。
第4種兵装と異なりガンダムTR-6の完成を前提とした形態となっているようで、試作フルドドのコクピット・ブロックが担っていた可動式ブースター・ポッドとショルダー・ユニットの接続はマルチ・コネクター・ポッドタイプのブースト・ポッドが担っており、その後ろにはドラムフレームを介しTR-6の股間サブアームが伸びる。
胸部左右には拡張ラッチではなくマルチ・アーム・ユニットが配され、両腕にコンポジット・シールド・ブースターを携えている。
股間はサブ・アームユニットからブーストポッドに換装されており、その左右にクロー・ショルダー・ユニットが据え付けられている。
RX-121-2P+ARZ-124HBⅡM ガンダムTR-1[ヘイズル・アウスラ・ラーⅡ・アクア]
ヘイズル・アウスラに[フルドドⅡ]から派生したMA、ガンダムTR-6[アクア・ハンブラビⅡ]を水中用強化Gパーツとして装着した形態。当初は『くろうさぎのみた夢』の単行本に「アクア・ヘイズル」として文字設定だけが記載されていた。
ガンダムTR-1とTR-6は共に「万能化換装システム」に則って設計されているため、肩部や股間をホールドする通常の合体ではなく、バックパックの可動式ブースター・ポッドのラッチを介しての合体を行う。
また、バックパックはプリムローズと共用のため当然プリムローズにも装着可能で、水中戦に対応したモビルポッド「アクア・プリムローズ」となるが、股間に接続されていたハイドロジェット式ブーストポッドまではプリムローズ側には移設できない模様。
アクア・ハンブラビⅡは既存のMSに水中活動機能を付加するGパーツであり、本機を装着したMSによるアクア・ジムからの機種転換が予定されていたが、ティターンズ崩壊に伴いその計画も頓挫した。
RX-121-3C ガンダムTR-1[ハイゼンスレイ]
ガンダムTR-6から得られたデータをフィードバックさせたTR-1の最終強化形態であり、型式番号の3Cは最後の強化プランという意味。
名前の由来は『ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち』に登場するウーンドウォートの支配体制に批判的なエフラファ村の雌うさぎの1羽ハイゼンスレイから。ハイゼンスレイはうさぎ言語で光る・露の・毛、つまり露のように光り輝く毛皮という意味である。
可動式ブースター・ポッドを装備したヘイズル・アウスラを素体に、ガンダムTR-6[アドバンスド・ウーンドウォート]ハイゼンスレイⅡ形態の上半身であるトップファイター[ストローベリー]を構成している部材の内、ガンダムTR-6の素体部分を除いた部分であるビーム・キャノンと腕部カバーとウエポンベイが一体化した肩部、胸部ハイメガ粒子砲ユニット、ブースト・ポッドを組み込んでいる。これはヘイズル・アウスラの[プリムローズ]と、TR-6の[プリムローズⅡ]には互換性があるために可能だった。
頭部装甲もヘルメットがアドバンスド・ウーンドウォートと共通のフライルーに似た直線的な新型のものに変更され、これにより上半身はほぼ一新されている。
肩部ウエポンベイに接続されているコンテナにはガトリングガン、ミサイルポッド、有線遠隔兵器等を内蔵することが可能。
股間部マルチ・ウェポン・ラッチにはウーンドウォートの上半身をサブアームユニットⅡとして装備している。そのため本形態はストローベリーの内ドラムフレームと頭部素体を除いたほぼ全ての部材が組み込んである、
武装にはコンポジット・シールド・ブースターを1枚携行する。
ハイゼンスレイⅡと同時期に開発がスタートしたが、ハイゼンスレイⅡが完成した時点でグリプス戦役は最終局面に突入しており、実機が製作されることは無かったとされる。
RX-121-3C+FF-X39A×2 ガンダムTR-1[ハイゼンスレイ・ラーⅡ]
上記ハイゼンスレイに[フルドドⅡ]を装着した形態。[ヘイズル・ラーⅡ]同様にヘイズル・ラー第二形態の発展型であると同時に、こちらはガンダムTR-6[アドバンスド・ウーンドウォート・ラーⅡ]ハイゼンスレイⅡ形態のTR-1版と言える機体でもある。
慣例に従うと第二形態と付く筈だが、呼称されない場合が殆ど。
フルドドⅡの装着方式はヘイズル・ラーⅡ変わらないが、アドバンスド・ウーンドウォートの肩部装甲にはショルダー・ユニット専用のジョイントがあるため、接続はより強固になっていると思われる。股間のサブ・アームユニットⅡもブースト・ポッドへと変更されているが、本形態独自の変更箇所として頭部アンテナがV字のブレードアンテナから六翼の女神をあしらった形状のものに変更された(TR-6では感応波を効率よく送受信する「サイコ・ブレード」という名前でこの形状のアンテナが用いられているが、本機にサイコミュが搭載されているかは不明)。
コンポジット・シールド・ブースターは2基装備する。
ガンダムTR-6[アドバンスド・ウーンドウォート]と同様にフルドドⅡを介することでファイバーⅡやダンディライアンⅡ、果てはインレのコアユニットとして運用する計画も存在したがTR-6の完成に伴いコアユニットの役目はそちらに譲った。
…筈だったのだが、コミカライズ版の『ティターンズの旗のもとに』ではラーⅡ形態のヘイズル・アウスラが応急措置としてファイバーⅡとドッキングし実戦投入された。
RX-122 ヘイズル・ケルデルク
アーリー・ヘイズルにガンダムMk-ⅡやG-4計画関連機の部材を組み込んだ、ガンダムMk-Ⅱの量産に向けたデータ収集用の試験機。
詳細はジム・クゥエルを参照
RX-123 ガンダムTR-S[ヘイズル・フレア]
第1世代モビルスーツのジム・クゥエルを設計の大元としているヘイズル・アウスラを、ムーバブルフレームを全面採用した第2世代モビルスーツとして再設計した後継機。ガンダムTR-6[ウーンドウォート]の設計ベースにあたるMS。
詳細はガンダムTR-Sを参照。
ヘイズル・チーフテン
『ガンダムビルドファイターズ』の外伝漫画『ガンダムビルドファイターズA』に登場するガンプラ。
イギリスのガンプラファイターであるアーロン・アッカーソンが、[アドバンスド・ヘイズル]をベースに[フライルー・ラーⅡ]をミキシングする形でビルドしたガンプラで、全体的なスタイリングはハイゼンスレイ・ラーⅡに似る。
ヘイズルベースなのはアーロンが「ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち」のファンであった為。カラーリングはスコットランドの国旗をイメージした紅白のツートンとなっている。
全身にバーニアが増設されており、機動力が向上している他、フルドドⅡは射撃に特化したビームキャノンと格闘用打突武器に改造されており、格闘戦では左肩のフルドドⅡをパージして左腕に装着。また、奥の手としてシールドブースターにビームクローを搭載した「スーパーシールドブースター」を装備する。
RX-124 ガンダムTR-1[ヘイズルアレニエ]
『ガンダムビルドファイターズ』の外伝模型企画『ガンダムビルドファイターズD』に登場するガンプラ。何故か型番が後継機のガンダムTR-6と同一。
フランスにいる素性不明のメイジン候補「XX」によりビルドされたガンプラで、イギリスに同じヘイズル使いの親友がいると上記アーロンとの関係性が示唆されている。
本体の[アドバンスド・ヘイズル]は黒とオレンジのツートンに塗装されている以外ほぼ手を加えられていない代わりに、5枚のシールド・ブースターとバイアラン・カスタムの腕4本を組み合わせた巨大なユニットとの連携を前提としており、背面に合体することでアレニエ(フランス語で「蜘蛛」の意)の名の通り8本の腕を有する異形なシルエットとなる。
また、このユニットはフルドドのように分解して8本腕以外にも様々な組み合わせで装着が可能となっている。
外部作品での扱い
機動戦士Ζガンダム A New Translation
映画『機動戦士Ζガンダム A New Translation Ⅲ 星の鼓動は愛』に実戦配備カラーのヘイズル改が後ろ姿の1カットのみ登場した。
ただし後に『A.O.Z Re-Boot』おいてヘイズル・アウスラ次世代量産機がゼダンの門に配備されたという設定が追加されたされたため、現在では描写されたヘイズルは改ではなくアウスラのピリオドモデルということなっており、登場カットの止め絵で描かれたポーズをオマージュしたうえで肩部装甲をジム・クゥエルの物から差し替えたイラストが新たに描き下ろされている。
ガンダムビルドファイターズ
本編14話にて第4ピリオドの的射ち競技にて、白のヘイズル改らしきガンプラが登場。
上記のように外伝のガンダムビルドファイターズAにヘイズル・チーフテンが、ガンダムビルドファイターズDにヘイズルアレニエが登場。
新約SDガンダム外伝 救世騎士伝承
「もう一つの聖杯」編にて戦乙女ガンダムヘイズルとして登場。
ガンダムMk-2兄弟の孫娘となっており、
変身能力を持つルーンシフター族という種族で、原典のヘイズルが様々な形態を持つのと同様にヘイズルアウスラ ギガンティックアーム形態をモチーフとしたギガントアーマメントが登場している。
立体化
外伝作品の機体ながらプラモデルなどの立体化には比較的恵まれている。
雑誌付録
電撃ホビーマガジン連載中に1/200のヘイズル改とヘイズル2号機が特別号ではあるが当時としては珍しいプラキットが付録として立体化されていた。ただし単色成型。
2020年10月には1/400のバイザックTR-2[ビグウィグ]、プロトタイプアッシマーTR-3[キハール]宇宙用とともにプレミアムバンダイで再生産。時代に合わせてパーツ接合部の強度を向上させるためにKPS成形に変更されている。
また、1/144用のパーツとして2006年2月号にはフルドドが、2007年1月号にはプリムローズが単色成型のFG(付録グレード)として立体化されていた。
FGのフルドドは可動面や彩色など後述のHGUC版に見劣りするところが多いが、アドバンスド・ヘイズルのマルチ・コネクター・ポッドに本キットとギャプラン用ブースターをそれぞれ接続させることができるジョイントパーツが付いている。
FGのプリムローズは脇の下を通るサブアームが再現できず、設定画とは異なる胸部前方でしかウインチキャノンをマウントできなかった。また、ボーナスパーツとしてヘイズル系キットに規格を合わせられたチョバムアーマーが収録されていた。
HGUC
一般流通製品
- ガンダムTR-1[ヘイズル改]
- ガンダムTR-1[アドバンスド・ヘイズル]
- ガンダムTR-1[ヘイズル2号機]アーリータイプ
- ジム・クゥエル
これらは一般の模型店やプラモデルを扱っている量販店で購入可能。ただし、初期に生産された製品は関節ランナーがABS樹脂なので塗装する際は注意が必要。
2019年頃から再生産されている製品からは関節ランナーがKPSとなっている。(下記のプレバン再販版と青バンダイ(BANDAI SPIRITS)ロゴのもの)が、念のためパッケージとランナーをよく見ることをお勧めする(素材の項目にABSと書かれていたら初期製品)。
キット間で手首パーツの内訳が異なっており、右の銃持ち手と表情付きサーベル持ち手、左の開き手が共通で、アドバンスド・ヘイズルには左右のシンプルな穴開き握り手(フォールディンググリップ保持用)、ジム・クゥエルには左銃持ち手が追加されている。
なお、ヘイズル1号機の初期型を再現するには複数キット(最低でもヘイズル改+ヘイズル2号機)のミキシングビルドと塗装が必須。
プレミアムバンダイ限定製品
- ガンダムTR-1[ヘイズル改]+ガンダムTR-6用拡張パーツ
- ガンダムTR-1[アドバンスド・ヘイズル]+ガンダムTR-6用拡張パーツ
2019年2月に予約開始。
上記一般流通版にウーンドウォートに装着して換装形態を再現できるパーツを追加したもの。関節は一般再販版に先駆けてKPSになっている。テトロンシールは水転写式デカールに変更されている。ただし、パッケージはプレミアムバンダイ限定ということもあってかモノクロタイプである。
- Gパーツ[フルドド]
- Gパーツ[フルドド](実戦配備カラー)
2019年2月に予約開始。
上記のFGとは異なる完全新規造形で一部色分けされている。2機合体のMA形態にすることは勿論、へイズル系キットと組み合わせることでヘイズル・ラー第2形態までを再現可能。
- 緊急脱出ポッド[プリムローズ]
2019年5月に予約開始。
こちらも上記FGとは異なり一部色分け済みの完全新規造形となっている。
複数購入や上記製品と組み合わせることで各種兵装やヘイズル・アウスラを再現可能となっている。
サブアームが脇の下を通った旧画稿のヘイズル・アウスラを再現するための胸部右側拡張ラッチは、拡張ラッチを丸ごと差し替えることで再現可能になっているが、左側に同様の差し換えパーツは存在しない。(そもそもRe-Bootで取り付け位置が再設定されるまで左側にウインチ・キャノンを装備した画稿は無かったと言われたらそれまでの話ではあるが)
肩部にロング・ブレード・ライフルのストックを接続するために、無理なく握れるよう下向きにスナップの付いた右銃持ち手が付属する。
色は白色のテスト仕様。
- ガンダムTR-1[ハイゼンスレイ]
2020年3月に予約開始。
上記プリムローズとヘイズルのパーツをベースに、上半身がほぼ新規造形となっているほか、股関節がボールジョイントから三重ロール軸になり可動範囲が向上し、それに伴い大腿部の合わせ目も消えた。一方でそれと引き換えに大腿部付け根の円盤状のディテールが消失しており、画稿の再現性という点では以前より劣ってしまっている。ただし旧来の股関節も余剰パーツとして残っているため今まで通りボールジョイントの股関節で組むことも可能。
コンポジット・シールド・ブースターはロング・ヒート・ブレードがハイゼンスレイⅡのものより延長されているが、クローの差し換え展開やリード線による有線遠隔攻撃ギミックの再現などはオミットされている。
サブ・アーム・ユニットⅡも折り畳み状態で固定されているダミーのため、動かすにはウーンドウォートとのミキシングが必要。
アドバンスド・ヘイズルのものとは別の新規造形の左右穴開き握り手が付属する。プリムローズのスナップ付き銃握り手も付属するが余剰扱い。
色は白色のテスト仕様。
- ガンダムTR-1[ハイゼンスレイ・ラーⅡ]
2020年7月に予約開始。
上記ハイゼンスレイにフルドドⅡ×2が付属し、ドラムフレームや腰部ブーストポッド、それらを接続するジョイントパーツ、女神を象ったアンテナなどが新規造形となっている。
色は実戦配備仕様。
- ガンダムTR-1[ヘイズル・アウスラ]次世代量産機(実戦配備カラー)
2020年9月に予約開始。
アドバンスド・ヘイズルに黒く成形色変更されたプリムローズを加えた製品。
アドバンスド・ヘイズル自体も高性能光学センサー・ユニットなどそれまで白色だったパーツがティターンズブルーになっており本体から白色部分が消失しているなどの違いがある。
実戦配備カラーのガンダムTR-6用拡張パーツが付属。
- クルーザーモード用ブースター拡張セット
2020年10月に予約開始。
ギャプランブースターと取付用ジョイントのセットで、正規配備仕様とテストカラーの2種類があるが、付属するジョイントは同一。
TR-1ハイゼンスレイ(ならびにラーⅡ)、TR-1ヘイズル・ラー第二形態、TR-6ハイゼンスレイⅡ(ならびにラー)に対応。
ブースター自体はHGUC 1/144ギャプランのブースターと同じもので、ギャプランの本体のランナーについている翼の部分のみ単独用に新規ランナーとなっている(造形自体に変更は無い)。
- ガンダムTR-1[ヘイズル・アウスラ]ギガンティック・アーム・ユニット装備
2022年2月に予約開始。
白く成形色変更されたアドバンスド・ヘイズルにプリムローズとフルドドⅡ、そして新規造形により色分けと可動範囲が向上したサイコガンダムの腕部(変形機構はオミット)を加えた製品。仕様の再現のためフルドドと2機目のプリムローズのランナーが付属するが、どちらも一部ランナーが欠けておりそのまま組み立てることは不可能なパーツとなっている。
また、既存の製品によるミキシングで本形態を作る際に強度が不安視されていたフルドドのコクピット・ブロックも、ウイング・バインダー基部のスイング可動をオミットした新規造形となった(スイング機構のある旧来のパーツも付属するが、ウイング・ユニットが組めないためそちらを使う利点はほぼ無い)。
MG
MGではプレミアムバンダイ限定で製品化され、一部(主に関節部)にガンダムMk-Ⅱver.2.0からの流用部品があるが、ほぼ新規造形である。
残念ながらマニピュレータ部は流用部品の為、特徴的なマニキュアの形状は再現されておらず、Mk-Ⅱと同型の指先全体を赤く塗るようになっている。
ラインナップはヘイズル改のロールアウトカラーと実戦配備カラー(ティターンズ色)、そしてアドバンスド・ヘイズル(実戦配備カラー)。高機動形態再現の為のシールドブースター×2のセットも発売。
その後、2018年にはフルドド(白色とティターンズブルー)も立体化された。
このため、MGでもヘイズル・ラー第2形態まで再現可能となった。(この場合必要なキットはヘイズル改+アドバンスド・ヘイズル+フルドド×2)
2019年6月にはヘイズル2号機アーリータイプ、ヘイズル予備機、ジム・クゥエルがコンパチ仕様で同じくプレバン限定でMG化。トライ・ブースター・ユニットの新規造形が注目されるが、本体の造形的には実質ジム・クゥエルVer2.0といえるものになっている。
2020年8月にはロールアウトカラーのヘイズル・アウスラの受注が開始、フルアーマー形態となっているがプリムローズ(バックパックは含まず)等の拡張パーツのみでの購入も可能なため、他のヘイズルのパーツと組み合わせる事で第4種兵装以外の再現が可能。「ティターンズの旗のもとに」からとなっているが、MS形態でのウィンチキャノンの取り付けが「Re-Boot」仕様となっている。拡張パーツにはアウスラを再現するパーツだけでなく、テストカラーのアドバンスド・ヘイズルを組む為の頭部パーツも含まれている。
強化型シールド・ブースターは現在に至ってもMG化はしていない。
MS in Action!!
このシリーズでは初代ヘイズルとヘイズル改が製品化されている。
色分けは設定どおりで、追加パーツ(シールドブースターやチョパムアーマーなど)も付属する。
しかし、現在では入手するのは難しい。
モビルスーツアンサンブル
ガシャポンのシリーズ。
SD体系ではあるが、換装などは忠実に再現しており、03ではテストカラーのヘイズル改フルドドが収録されており、武器セットにはアドバンスド・ヘイズルへのパーツとフルドド装備時のパーツが含まれている。
21ではテストカラーのヘイズル・アウスラが収録、武器セットには航空機形態のプリムローズと各種装備が含まれているので第4種兵装以外への換装が可能。
プレバン仕様のEX03は実戦配備カラーのヘイズル改に加えてフルドド及びオプションパーツがセットとなっており、ヘイズル・ラー クルーザー形態まで再現可能。また、カプセル販売分用のテストカラーのブースターも付属。
EX23ではヘイズル・アウスラのテストカラーをベースに第4種兵装にギガンティック・アーム・ユニットを装着した仕様となっている。
Gフレーム
食玩のシリーズ。
一般販売分では09にテストカラーのヘイズル改が収録。
プレバンではオプションパーツとしてテストカラーのフルドドとアドバンスド・ヘイズルのパーツのセットが発売。また、ヘイズル改実戦配備カラーも予定されており、オプションとしてアドバンスド・ヘイズルのパーツと実戦配備カラーのフルドドが付属。
新シリーズとなったFAでは04にジム・クゥエルとのコンパチでジム・クゥエル[ヘイズル・ヘッド]が収録。
METAL ROBOT魂
<SIDE MS> で[ヘイズル改]とオプションパーツのセットがプレバン限定で2022年3月発送。
付属するオプションはサブ・アーム・ユニットとシールドブースターが3枚で、通常形態の他にサブ・アーム・ユニット装備と高機動仕様が再現可能。
フルドドは2機セットで、アドバンスド・ヘイズルに換装するパーツとのセットとなっており、2022年9月発送。
ダイカストフレームはTR-6での換装を考慮しておらず、追って発売されたTR-6で換装パーツとして使う事は不可能。
指先のマニキュアはMG同様に指先全体が赤く塗られたものとなっている。
2023年9月には実戦配備カラーの[ヘイズル改]とオプションパーツのセットが受注開始され、2024年4月発送。
2024年5月には超合金シリーズ50周年記念イベント「CHOGOKIN 50th Anniversary Exhibition」にて[ハイゼンスレイ]が参考出品され、同年6月に受注開始。
次世代(?)ジェネレーター
カタログ値の通り、ジェネレーター出力はクゥエルと同値である。
なおヘイズルを含めたTR計画機は次世代ジェネレーターを搭載しているという設定がある。
デザイナーの藤岡建機氏が公開した設定画によると、この次世代ジェネレーターの中心には、氏の出世作であるメダロットのメダルが据えられている。
関連項目
- TRシリーズ
- ガンダムTR-1[ヘイズル]…万能化換装システム試験機
- バイザックTR-2[ビグウィグ]…インレの大火力主砲試験機
- プロトタイプアッシマーTR-3[キハール]…ドラムフレーム式可変機構試験機
- ロゼットTR-4[ダンディライアン]…インレの大気圏突入試験機
- ギャプランTR-5[ファイバー]…インレの護衛機搭載ならびに超音速侵攻試験機
- ガンダムTR-S[ヘイズル・フレア]…TR-1の万能化換装システムを基礎にムーバブルフレームとドラムフレーム式可変機構を盛り込み発展させたTR-6直接の原型機
- ガンダムTR-6[ウーンドウォート]…ガンダムTR-Sに機種統合計画を盛り込んだ完成形にしてインレのコアユニット
- インレ…大気圏突入機能を持ち護衛機と大火力主砲を伴う超音速侵攻を目論んだ戦略兵器
- その他の関連機
- 水中型ガンダム、ストライカー・カスタム:基はジム。
- マスクコマンダー:ハンブラビとのドッキング、ガンダム顔の上からモノアイマスクの装着等の共通点がある。