オリジナル・エラン
ほんもののえらんけれす
オリジナル・エランとは、アニメ「機動戦士ガンダム水星の魔女」の登場人物エラン・ケレスの本人とされる人物に対する視聴者からの呼称の一つ。公式での(暫定的な)呼称は『エラン本人』または『エラン(オリジナル)』。一部では強化人士との区別の際、尊大な態度から「エラン様」とも呼ばれている。
これまで「エラン・ケレス」と呼ばれていた人物は、彼そっくりに整形した強化人士であり、彼の身代わりとして功績を挙げてきた。
そのため、一部の視聴者は劇中序盤で活躍した“エラン=『強化人士4号』(以降から4号で表記)”と区別するために、大元のエランをオリジナルとしてこの呼称としている。
本記事およびピクシブ百科事典では、特に断りがない限り本人物をオリジナル・エランと呼称する。
一人称は「俺」。
4号と比べると饒舌だが、尊大な振る舞いが目立ち、彼の態度は強い選民思想をうかがわせる(彼女に評させるなら「クソスペーシアン」)。
どのような地位や契約をペイル社に与えられているのか、実年齢が幾つなのかは今のところ明かされていない(もっとも、影武者とはいえ入学出来ている以上“思春期以上、20代以下”と考えられる)が、少なくともベルメリア・ウィンストンよりは社内の地位は上。
現時点では御三家の御曹司と対面しておらず(ミオリネに関しては後述)、彼らとはどのような関係かも明かされていない。
久々に再会した4号がスレッタと〈決闘〉するにあたり慰問と称し労いつつ、成果を上げれば強化人士の任から解き改めて身分を用意するという『ご褒美』を用意するなど、一応は彼の働きを評価している(と思われる)。
だが、ファラクトが呪いのMSであることにもかかわらず『ご褒美』に興味を示さない様子を見て対価を求めない事に対し疑問を浮かべるなど、一般的な感性を持ち合わせているようにも感じられる。
「よう俺」と語りかけるなど、自らと同じ顔の人間が活動している現状に嫌悪感はない模様。
4号と違って空気を読んだ上での言動が採れると同時に、学園在籍時の状況も把握し、学園関係者に出会っても卒なくやり過ごすだけのコミュニケーション能力も持つと、仮にも企業に携わる身故の優れた役者。
関係者であるが同社のCEO達と異なり、『ガンダム』への認識は『世間一般の通説』に準じていると思われる。
だが、遂に後任者の調整が完了すると、ニューゲンが「あなたと同じ性格の悪さですよ」と卑劣漢である事を選定理由と返答した。明らかに嫌味でしかないが、オリジナルは意外にも憤慨する様子を見せなかった。
ちなみに脚本上では選定理由に対して「ひどいな…」と返答している台詞があったが、尺の都合なのかカットされたと花江夏樹氏が「機動戦士ガンダム 水星の魔女~アスティカシア高等専門学園 ペイル寮ラジオ~」(第35回)で言及していた。
登場後長期に渡って出番があまりなく、素性も全く明らかではなかった時期がある。
後から登場したエラン・ケレス(強化人士5号)が公式ホームページのキャラクター紹介欄に載った後も、彼については掲載されていなかった。エラン・ケレスの紹介文もそのままである。
1クール目放送終了後に発売された雑誌(ガンダムエース3月号)ではペイル社の謎の1つとして『オリジナルのエランがどういう立場にいるのかも謎のままだ』とされていたほど。
そんな彼の素性だが、season2となった18話でようやく解説された。
5号曰く、ペイル社は「ペイル・グレード」という独自のAIによって自社のトップに相応しい人物を策定し、指名する。
そのAIによって選ばれたトップグレードの存在が、このエラン・ケレスという人物である。
その際に表示された能力評価がほとんどがSS(最大値)と言う非常に優秀な人材。
ただ、優れているのはあくまで経営者としての能力であり、MSパイロットとしての能力は平均以下(C評価。棒グラフ部分を見る限り、全くない訳ではないようだが)であった。
もちろん、本来は経営者が優れたモビルスーツパイロットである必要は全くないので、何の問題もなかったのだが……折り悪く、アスティカシア学園で「決闘の勝者で最も優秀な生徒がホルダーとなり、ミオリネを娶ってベネリットグループの総帥となる」と言うホルダー制度が実施される事となり、更には競い合う事となる生徒が何の運命の巡り合わせか強豪揃いであった。
そこでペイル社は、「パイロット能力に優れ、決闘に勝てるエラン」として、自社で開発中のガンダム・ファラクトのテストも兼ねて強化人士を影武者に利用し、アスティカシアに送り込んだのである。
シャディクとペイルが組んだことで強化人士の正体も教えたのか、19話などではシャディクとともに地球で起こった惨状を観ていた。
また、ミオリネの交渉がうまくいかないことも予測していたのか「俺の言うとおりになったけど、どうするのこれ?」と悪趣味な笑いを浮かべながらニューゲンと会話するなど、表舞台には出てこないこともあり傍観者気分の彼だったが、シャディクが捕縛されペイルがベネリットを裏切ると、だんだんと不満を抱えた表情を見せるようになる。
- 2022年11月24日18時に公式Twitterに表情集が公開された。
その身分にあるまじき油断しきった寝顔に注目が集まっている。
- 第8話では第7話に登場しなかったグエルと入れ替わるように登場しておらず、演者の花江もぼかした表現で触れている。
- 影武者と容姿が似てるのは彼らの整形によるものだが、彼メインのイラストは4号や5号と一緒のものが多くまだ出番が少ないわりには他作品のように双子、三つ子に近い人気もそれなりに有るようだ。
強化人士達といっしょ
- ニューゲン / カル / ネボラ / ゴルネリ
- ベルメリア・ウィンストン:強化人士の調整者。
- 強化人士4号:以前までの影武者。
- 強化人士5号:現時点の影武者。
- ガンダム・ファラクト:本来、乗機になるはずだったが、結局乗ることはなかった。
この様に、表舞台に立つことがなく出番の少なかったオリジナル・エランだったが、自分がペイル社の歯車、もっと言えばペイル・グレードやCEO4人傀儡同然の現状況に不満が出始めたのか、ベネリットを裏切った4人を冷めた目で傍観しているなど、次第に彼女らについていけなくなっているような様子が見られていく。
そして最終回、議会連合の侵攻の大義名分を失わせるためにベネリットの解体をミオリネが発表。資産が売却されていることに狼狽するCEOを尻目に、ヘッドハンティングされたからとさっさと彼女たちの元から去って行った。
この際「ペイルグレードの下じゃ飼い殺しだからさ」と告げており、これまでのペイル社の活動(強化人士計画など)には関わっていなかった(というより本人の意思に関係なく関わらせてもらえなかった)事が示唆されている。
最後まで5号に関わる事はなかったが、お互いにさして興味も無かったのだろう。
Thanks for everything(今までありがとう)
I'm sick of all of you and I'm quitting Peil(あんたたちにはうんざりだ。俺はペイルを辞める)
Best Wishes(お幸せに)
(提出した辞表の文面)
3年後のエピローグでは、セセリア・ドートと共にグエル・ジェタークと商談を行っている姿が確認できる。
状況からしておそらく、前もってブリオン社から誘いを受けており、ペイル社と袂を別つためにも応じたと推測されている。
相変わらず傲岸不遜な物言いではあったが、アスティカシア学園の存続やジェターク社社員の再就職斡旋に手を貸していたらしい。
最後まで生存、それもそれなりに成功しているという勝ち組なラストを迎えた彼だったが、あのままペイル社に居続ければすべてを失うはずだったので、ちゃんと状況を見極め立ち回った結果でもある。
そもそもヘッドハントされたとはいえ、ほぼ身一つで引き抜かれたにもかかわらず3年間で多数の事業を成功させている辺り、優れた能力と言う触れ込みに全く偽りは無かった、と言えるだろう。対して、ここまでの能力を持っていながらそれを発揮する機会が一向に来なかったペイルは彼にとって窮屈な環境であったとも言える。
- 第22話ではオリジナルのエランだけ椅子を用意してもらえてなかったシーンが視聴者の笑いを誘ったが、最終回の顛末を見るとオリジナル・エランの行動は「ペイル社にいいように使われ椅子さえ用意してもらえなかったので、自分で座る椅子を用意するためにペイル社を見限った」などと評されている。
コメント
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