「次、KP033 ハムレット・レーコ スタート。」
「LP029 オルタ・シューバッカ 合格。」
データ
デザイナー | 海老川兼武 |
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型式番号 | MSJ-121 |
頭頂高 | 16.2m |
重量 | 59.3t |
パイロット |
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製造 | ブリオン社 |
携行武装 |
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オプション装備 |
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腕部選択装備 |
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概要
ブリオン社で製造されているモビルスーツ(MS)で、白系統のカラーリングが特徴。
アスティカシア高等専門学園では教習用のモビルスーツとして多数運用されている。
解説
MSとして
ゴーグル状のカメラアイを持つ半球状の大きめな頭部が特徴。
マニピュレーターの基本仕様は簡易的な三本指となっているが、デダラスと呼ばれるマルチツールシステムが採用されている。
このデダラスによってマニピュレーターを外し前腕部に各機能に特化した同規格のブロックユニットを組み替えることが可能で、ハンドグリップにも対応した携行装備を前腕に取りつけることができる。
劇中ではハンガーに用意された4連装ミサイルランチャーに換装している。
これ以外にも火器はガトリングバレル、工具系はサーキュラーソーやハンマードリルなどが用意されている。
その他の武装は携行できるサブマシンガン型のビームガンと警棒型のサーベルスティック、コンバットナイフ、左腕のシールド。
本機デザインの海老川兼武によれば、フロントスカートは昇降時やメンテナンス時の足場になり、補助用の手すりも備わっている。
頭部は交換が容易で転倒から復帰できない際にパージする緊急脱出用ハッチも兼ね、コクピットハッチ横にも非常用の開閉スイッチが備わっている。
シールドのグレーの部分はゴム製。
余分な要素を削ぎ落した設計で操縦性、整備性、拡張性に優れ、基礎的な知識があれば改造も容易。
また、ブリオン社によって毎年改良されマイナーチェンジが繰り返されており、外見こそ変わらないものの初期量産型と最新量産型では性能が大きく違うとの事。
学園教材として
前述の特性もあってアスティカシア高等専門学園では学内訓練用のモビルスーツとして推奨され生徒が最も慣れ親しんだモビルスーツと呼ばれる程にブリオン寮に限らず多数運用されている。
なお、あくまで推奨機との設定だけで本機がどこまで必須か、支給やレンタルは可能なのかは不明。
少なくとも下記チュチュ専用機の設定や劇中描写から他の生徒のMS同様、導入は学園ではなく寮(および推薦会社)やパイロット側で負担しメンテンナンスも生徒が行う様子。
明らかに本機のデダラスを前提とした実習が見られエアリアルのみ持ち込んだスレッタも使用しているが出所は描写されていない。
個人がカスタマイズしたデミトレーナーでも、カリキュラムは受けられるようだ。
訓練用であり劇中では確認できないが、学園の決闘にも対応したスタッフアンテナもある。
胸部ハッチは公式サイトで紹介されている機体や第4話でどの寮にも所属していない、スレッタが搭乗した機体は赤で劇中に登場するのもほとんどが赤だが、第4話や第13話では紫、水色、黄色、ピンクが登場し計5色となっている(ガンプラに付属しているシールも5色)。
寮(社)ごとの一応のイメージカラーと被る色もあるが寮に合わせているかは不明(基本カラーらしき赤はジェターク寮のイメージカラーらしい赤と被るが第8話のオッズ表は異なっており、またブリオン社にはブリオン寮がある)。
バリエーション
形式番号 | MSJ-105CC |
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全高 | 17.4m |
重量 | 63.5t |
パイロット | チュアチュリー・パンランチ |
改修 | 地球寮 |
デミトレーナー チュチュ専用機
最初期モデルのデミトレーナーをニカ・ナナウラがレストアしたチュアチュリー・パンランチ専用機。
パイロットからの愛称はデミトレ(なお、彼女以外もデミトレーナーに対して用いる〔作中で〕一般的な愛称かは不明)。
型式番号がロールアウト年に対応すると仮定すると、大多数が1年前にロールアウトしたモデルなのに対し本機は16年前にロールアウトしたモデルがベースという事になる。
カラーリングも緑掛かった現行型と比べ、経年劣化を思わせる黄ばんだ風味となっている。
レストア機のためか、一部の装甲が外されているが、下腿部の回転式スラスターやバックパックなど加速性能の向上が図られている(デミギャリソンと同形状だが後述のように出所は不明)。
その代わり、激しい急加速と急制動を繰り返す機体となったため耐G訓練を受けているパイロットでも扱いが難しい機体となった。
武器は既存の大型火器を本機用にカスタマイズしたバックパックと直結し股間部で保持するロングバレルスナイパーライフルで、左肩に小型のシールドが装備されている。
頭部ユニットもビームライフルに最適化した独立タイプのセンサーに変更。
またビームバルカンも内蔵している。
戦闘時には退くことを嫌うチュチュとしては不本意ながら、現状の最善の選択として他に劣る機体性能を覆しうる機動力を活かした一撃離脱戦法をとる。
劇中の活躍
GUND-ARM Inc.(地球寮)とグラスレーの団体戦にて遂に決闘で用いられるが、この時は機体本来の一撃離脱戦法でなく狙撃による後方支援の役目とされた。しかし狙撃手である事から僚機かつ専門外の人員で運用されたザウォートを差し置いてミカエリスに執拗に攻撃され破損した腕部を振りかざし抵抗するも、目前で敵方のイリーシャ・プラノが駆る僚機ベギルペンデに“無力化”されてしまう。
※細部は異なるものの、悪足掻きは下記のイラストのように描かれた。
その後、“無力化”された事とエアリアルが一騎当千の活躍を見せていた事により、注視が薄れたところでティルとミオリネ立案の作戦によって一応戦闘に参加出来ていた本機は「撃墜」されながらも稼働可能なザウォートに支えられ、ライフルの銃身を融解させながらも性能どころか年式も圧倒的に開きのあるミカエリスを討ち取った。
余談であるが、ライフルによる殴打に成功していた場合、銃身が歪んでいたか反撃で破壊され地球寮の敗北が濃厚だったと思われる。
ランブルリング参加の際には旧式のデミトレーナーの部品で修理し、武装をガトリングに変更した状態で参戦。
塗装が間に合っていないのか、修復箇所の色は灰色となっている。
同じ会社のエアリアル、ファラクトとチームを組む形で戦い、ファラクトに擦り付けられたサビーナ・ファルディンのハインドリーと交戦するも、チュチュの中でプラント・クエタでの事件が無意識の内にトラウマになっていたことからまともに応戦できなかった。
テロリストの機体が出現した際には咄嗟にコクピットへの直撃は避けたものの一撃で左肩のシールドを損失。
無人機の攻撃で左腕も破損し、チュチュが逆上しかけるも、先に行動不能になっていたラウダ・ニールを身を挺して庇っていたフェルシー・ロロの救援要請で我に返り、彼らのディランザを護衛した。
事件後は地球寮にテロ関与の疑いをかけられたことでエアリアル共々接収されてしまったが、嫌疑が晴れた後は返却された。
しかし、その後ルブリス・ソーンによる再度の襲撃によって、地球寮の格納庫ごと破壊されてしまった。
デミトレーナー YOASOBIコラボVer.
主題歌を担当するYOASOBIとのコラボ仕様として、OPテーマ「祝福」完全生産限定盤CD特典に収録されたガンプラであると同時に、作中で実在する機体として登場。
紫色を基調に水色とピンク色のデザインが施されており、肩にはそれぞれ「夜」「遊」と文字が入っている。
……カラーリング的に完全にコレであるが。
作中では兵器以外のMSに可能性を見出すため、音楽などの様々な形で表現を行う「YOASOBI社」が独自の塗装を施したこととなっている。
ガンダム作品内ではミーア・キャンベルが舞台装置として用いたザクウォーリアに近しい立ち位置だが、あちらがザフトの戦意高揚を兼ねた軍属のMSであるのに対し、こちらは企業が主導しているため政治的意図を含んでいるものではないと思われる。
劇中の活躍
コラボキャラでありながらアニメ本編にも登場し、ベネリットグループ内のインキュベーションパーティーに展示されていた。
デミギャリソン
デミトレーナーの実戦仕様。詳細はリンク先に譲る。
デミバーディング
デミシリーズの新型とされる機体。
外見はチュチュ専用機に酷似しており、背部に大型のバックパックを装着している。
武器はビームライフルとビームサーベル。
ガンプラ
2022年11月5日にHG1/144スケールでチュチュ専用機が先行して発売予定。値段は1540円(消費税10%込み)。
2022年12月にHG1/144スケールで一般機が1320円(消費税込み)で、デミトレーナー用拡張パーツがHG対応で880円(消費税込み)でそれぞれ発売予定。
そして2023年8月にプレミアムバンダイでHG1/144スケールデミギャリソンが発売される事が全校集会の展示で発表された、価格は2420円(消費税込み)。
11月9日に発売されるOPテーマのYOASOBIの「祝福」の完全生産限定版に特別バージョンが付属する。
こちらにはネオンをイメージしたステッカーもつく。
ステッカーにはガンダム・エアリアル用のものも同封されており、入手したエアリアルの決闘記録に興味を抱いた同社が独自に外見にアレンジを施したデータとされている。
外部作品において
機動戦士ガンダムVS.シリーズ
デミトレーナー チュチュ専用機が機動戦士ガンダムEXTREME VS.2 OVER BOOSTにてガンダム・エアリアルのアシストとして参戦。
ライフル連射とライフル殴打でエアリアルをアシストする。
余談
- 機体名の「デミ」は半分・部分的を意味する「demi」と思われ、意訳するなら「モドキ」「~のようなもの」と取る事が出来る。
- マルチツールデバイス「デダラス」の命名元はギリシャ神話の工人「Daedalus」(ダイダロス)の英語読みと思われる。
- 商品化予定の『メカぐるみ』ではチュチュが専用機モチーフなのだが、メカニック科のニカもなぜか現行型モチーフで選出されている。
同じく非戦闘員で経営戦略科のミオリネもモビルクラフトモチーフとなっているが、彼女の場合は搭乗し活躍する(?)シーンが存在している。
関連タグ
- ジェターク寮 / ペイル寮 / グラスレー寮
- ブリオン寮
- 地球寮
- スレッタ・マーキュリー:現行型(MSJ-121)に搭乗。
- ニカ・ナナウラ:パイロット科ではないため基本搭乗しないはずだが、先述した通り『メカぐるみ』では現行型が彼女のモチーフとなっている。
- チュアチュリー・パンランチ:初期型(MSJ-105CC)に搭乗。