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ガンダム・キャリバーン

がんだむきゃりばーん

アニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』に登場するGUNDフォーマット採用機にしてGUND-ARMの一機。
目次 [非表示]

この記事はTVアニメ「機動戦士ガンダム水星の魔女」終盤の展開に関するネタバレが含まれています!ご注意ください!



































「ヴァナディース事変の際に議会連合が押収した機体がある……。〈化け物〉と言う名前を与えられたガンダムだ。」


機体データ編集

デザイナーJNTHED
型式番号X-EX01
全高18.2m
重量44.7t
パイロットスレッタ・マーキュリー
製造オックス・アース・コーポレーション
固定兵装
  • バリアブルロッドライフル
  • ビームサーベル
  • ???
  • 頭部バルカン

概要編集

定められたフィクションから、今——


「止めに来たんだよ、二人を!!!」


第21話において、グストン・パーチェベルメリア・ウィンストンの口からその存在が語られたGUND-ARM。「キャリバーン」の名を指して「化け物」と呼ばれている。

宇宙議会連合がヴァナディース事変の際に押収、極秘裏に保管していた機体で、その為かグストンとベルメリア以外にはヴァナディース機関の旧メンバーあるプロスペラ・マーキュリーもその存在を知っている。


その化け物たる所以は、他のGUND-ARMで導入されている「データストームのフィードバックを軽減するフィルター機能」を搭載していない点にある。

他の機体と同量のパーメットで通常よりも高いパーメットスコアの発揮・維持が可能だが、その分データストームの影響をもろに受けるというピーキーな仕様であり、この機体に搭乗するだけでも危険とされる曰く付きの代物である。


加えて、劇中ではクワイエット・ゼロが生み出すオーバーライド圏内での活動を可能にするためスコア5以上での運用を余儀なくされており、データストームに同調可能なエリクト・サマヤと遺伝的に同じ肉体を持つスレッタ・マーキュリーの耐性に期待が寄せられる事になる。

とはいえデータストームへの耐性を増強したパイロットでさえスコア4が限界である描写からもわかるように、常時スコア5をフィルター無しで運用するという前提自体が度を超えた無茶であり、キャリバーンの起動テストをクリアしてみせたスレッタでも実戦では激しく息を切らしながら操縦している。



開発の背景編集

キャリバーンは元々GUNDフォーマット技術の確立以前に、ヴァナディース機関ガンダム・ルブリス以外に制作された試作機群の内の一機であり、後にそのルブリス相手にコンペティションを争った。


GUNDフォーマットの健全性の確立を開発目的としていたルブリスに対して、キャリバーンはGUND-ARMの性能限界を追求するために機体パフォーマンスを最優先にした機体であり、結果パイロットの生命保護自体が二の次にされている。

このような設計方針は「GUND-ARM」の方向性自体が定まっていなかった当時においても既に問題視されていた模様で、安全性に対する懸念自体は残るが最低限の負荷で運用が可能なルブリスとの実用性の差は言うまでもない。


無論コンペティションには敗北し、以降は研究開発に関わる全記録を抹消の上、機体自体も厳重に封印されることとなった。


以上の情報は本編ではなく、公式サイトの機体データやガンプラの取扱説明書で明かされたものである。


この様に生命倫理の欠片も無い機体でありながらルブリスとのコンペティションに提出されたと言うことは即ち、オックス・アース・コーポレーション内に本機の実用化を目論む者がいたことになる。

またコンペティションの本命はあくまでルブリスであり、本機はルブリスに敗北する前提で用意された当て馬である可能性も否定出来ないが、真相は不明である。


もっとも、危険度に関してはルブリスも「キャリバーンに比べればマシ」ではあるものの、乗り続ければ命が危険であることには変わりないので、一部ファンからは「どっちもどっち」「俺なら両方不採用にする」などと叩かれているとか……。


外見編集

額の黒い2本のブレードアンテナと赤と黄色の差し色が入った純白のボディ、いわゆるロールアウトカラーに近い配色が特徴の機体。

そして機体の細部に目を凝らすと、



等々、オックス・アース・コーポレーションヴァナディース機関が開発に関わったモビルスーツの特徴が現れている。


武装編集

  • バリアブルロッドライフル

キャリバーン Calibarn

キャリバーンの主兵装。

機体の全高を超える長い砲身とライフル後部に接続された推進器クアドラ・スラスター」が特徴のビーム兵器。

腰溜めに構えた長砲身から放たれるビームはガンドノード数機を一撃で貫く程の威力を誇り、クアドラ・スラスターはX字に展開させる事で更に高い推力を発揮する事が可能。

キャリバーンは機体本体のスラスターと本装備を併用することでGUND-ARMの中でも屈指の高機動を実現しており、劇中ではスレッタの操縦技術もあって、複数の敵機やガンビットからの一斉射撃を悉く回避する活躍を見せている。

この装備が損傷した際には火力と機動力が大きく損なわれるであろう事は想像に難くないため、並のパイロットでは性能を十全に発揮する事は困難と思われる。


なお、本作に音響効果として参加している上野氏曰く「キャリバーンのビーム音は悪い流れ星みたいなイメージで作りました」との事。


  • ビームサーベル

エアリアルやルブリス同様バックパックに2本装備された格闘用兵装。

実戦出力時のビーム刃は薄青色。


  • 頭部バルカン

頭部に内蔵されたビームバルカン。

主に、接近戦を仕掛けてきた相手を迎撃する際に用いられる。


  • ハイマニューバモード

宇宙空間における姿勢制御特化形態。

爪先と踵を合わせ抵抗の少ない形状へと両足を変形させることで、空間戦闘時の姿勢制御の性能を向上させる。

一応通常時とは別の形態として扱われるが、足以外に変化は無く変形自体も簡易的である為、所謂可変MSとは異なる。強いて言うならGN-Z系やAGE-3オービタルの空間戦闘状態が近いか。


なお、第23話時点では、GUND-ARMの特徴であるはずのビット兵器が装備されていない。


活躍編集

  • 第21話

格納庫に保管された本機が登場。

プロスペラの説得が不可能と判断したグストンの口から存在が明かされ、クワイエット・ゼロ阻止のためスレッタ・マーキュリーへの譲渡が提案される。

スレッタ本人の承諾は得られたものの、上記の危険性ゆえにベルメリアと地球寮の面々は反対。結局エランも含めた彼らも同行することが決定した。


  • 第22話

エアリアル及びクワイエット・ゼロから展開されるデータストーム空間によるオーバーライド対策のために、パーメットスコア5以上で稼働させるための起動テストが行われ、スレッタはデータストームに苦しみながらも何とか起動に成功。

その後、ベネリットグループのフロント近くの宙域でデータストーム空間を展開するクワイエット・ゼロを停止すべく先発として出撃し、ライフルでガンドノードを蹴散らしながら前進。

データストーム空間内で、クワイエット・ゼロより抜け出したエアリアル=エリクトと邂逅する。


  • 第23話

エアリアルの猛攻を掻い潜りながら必死にエリクトを説得するスレッタ。しかしエリクトは頑なに応じようとせず、防戦一方となる。ただしこの時、乱入してきたガンドノード以外には攻撃しておらず、被弾も右肩の一か所のみに抑えていた。

その後、ミオリネ達が既の所でコードを入力しクワイエット・ゼロの停止に成功するのだが、それを待っていたかのように議会連合がL1惑星間レーザー送電システム「ILTS」を兵器として放つ。

ビームの光が止んだ後にスレッタが見たのは、クワイエット・ゼロとキャリバーンを庇い大破したエアリアルの無惨な姿だった…。


余談編集

名前の由来編集

本作はシェイクスピアの戯曲『テンペスト』を意識した要素が非常に多い。

キャリバーンもそのひとつであり、機体名の由来は作中に登場する魔女シコラクスが魔物との間に生んだ息子、島の怪物キャリバン(Caliban)。作中でキャリバーンが「化け物」と称されていることから、こちらはほぼ確定である。

キャリバンは当初は人語もわからない状態であり、魔女の母親を亡くしてからは、故郷を追放されて島にやって来た主人公・プロスペローに騙されて呪文を奪われ、奴隷同然に使役されていた。プロスペローに教えられた言葉で悪態をつき、後に彼の復讐劇に乗じて叛旗を翻す。

その役どころは、母・プロスペラへの依存から離れ、自らの意思でプロスペラとエリクトを止めようとする物語終盤のスレッタの状況と大いに符合する。


また、もう一つの由来として、騎士道物語『アーサー王伝説』に登場する聖剣エクスカリバーの異名(元の名前)、若しくはアーサー王が選定の岩より引き抜いたとされる「選定の剣」キャリバーンとのダブルミーニングではないか、と言う考察もある。

この場合はよりメジャーな名前である「カリバーン」のいわば表記ゆれに近い言葉となるが、原語の綴り自体はどちらも「Caliburn」なので意味するものは同じである。

Season1のOP『祝福』における「いつかその胸に秘めた 『刃』が鎖を断ち切るまで」という歌詞、Season2のOPタイトル『slash』などの要素もこれらの考察を補強している。


他にも少々強引だが、型番のEXと組み合わせれば「Excaliburn」となり、エクスカリバーに近い名前となる。

ちなみにアーサー王伝説はモーガン・ル・フェイを始めとする、九人の魔女が物語に密接に関わっている作品でもある。


キャリバンは『テンペスト』における悪役(憎まれ役)で、プロスペローへの叛乱は失敗してしまう上、その後のフォローも一切ないという不遇な扱いを受けている。そのため、“聖剣”のニュアンスを含む事で原典の未来を覆して欲しい、と言う願望が込められている、とする説もある。


その後『水星の魔女』作中ではキャリバーンの英字表記が「GUNDAM CALIBARN」と判明しており、怪物「Caliban」とも選定の剣「Caliburn」とも異なる。これが意味するところは今のところ明らかにされていない。


魔女の箒編集

ガンダムキャリバーン

キャリバーン自体にもスラスターは搭載されているものの、戦闘機動の大部分にはバリアブルロッドライフルに付随するブースターの推力を利用している。

ライフルを抱えて宇宙を駆ける姿は、まさしく「箒で空を駆ける魔女」そのもの。副題の『水星の魔女』を登場機体のコンセプトとして見事に回収する展開に舌を巻く視聴者が多く見受けられた。

また、前述のビームライフル音ともかけ「彗星ほうき星)の魔女」とのダブルミーニングを見出すファンもいる。


武装コンセプトの類似性からシリーズ過去作に登場するネオガンダムの「G-B.R.D」を連想する声がある他、その形状や位置付けから『ナイトウィザード』に登場する「ガンナーズブルーム」や、魔法で対戦車ライフルを操る『終末のイゼッタ』などの別作品を連想したとの意見も。


かつて、模型雑誌の企画でG-アルケインを魔女に見立て"バリアブルロッドライフルのような対艦ライフルを跨がせる"という作例があったが、富野監督に「アイデアが先に来て箒のように跨がせる理由がない(意訳)」と評されたエピソードがある。

…本機はまさに箒を持った魔女そのものであり、今の御大からどのような評価をされるのか。興味深いものである。



登場シーン編集

22話での「キャリバーンの航跡が流れ星のように光り、その後機体が接近してきてからコクピット内のパイロットが映る」というシーンはこれまでのガンダムシリーズでたびたび登場しているものであり、具体的には

などが挙げられる。

このため22話の放送時はこれらのシーンに似ているという声や、キャリバーン出撃のBGMをガンダムUCの「RE I:AM」に置き換えたMADなどが投稿されていた。


スレッタの技量編集

スレッタのMS操縦技術や射撃技能については『ゆりかごの星』で既に語られているが、アニメ本編では主役機エアリアルの特殊性等を理由に、スレッタ自身のMSパイロットとしての能力に疑念を抱く視聴者もごく一部存在していた模様。

しかしスレッタの駆るキャリバーンは、高スコアによる負荷をものともせず無数の射線を掻い潜りながら次々とガンドノードを撃墜する神業を披露しており、エースの風格を改めて印象付ける事となった。

特にエアリアルと対峙して以降は(双方加減している節があるにせよ)猛追をかけるエスカッシャンから超機動で逃げ回りながら迎撃もこなしており、望まぬ形とはいえパイロットとしての本領を如何なく発揮している。


エアリアルとの性能差編集

作中では上記の様なスレッタの高い技量を加味しても「21年前の状態のままほぼ無改修」であるキャリバーンと、「同じく21年前の試作機が最新技術による大改修を施され誕生した最強のガンダム」であるエアリアル改修型とがほぼ五分と言う珍事が発生している。


これについては先述の通り「安全性を犠牲に機体性能を高めた結果」であり、要するにロボットアニメにおいて「お約束」とも言える「最新機以上のスペックを誇るがコストや操作性の問題、もしくは重大な致死レベルの欠陥を抱える旧型試作機」である。


ただ本編では双方共に殺し合いが目的ではないためか手加減をしながら戦っており、キャリバーンとエアリアルが手加減抜きで1対1の戦いを行った場合どうなるかは未知数である。


因みにカードダスではエアリアル改修型のHP値が800に対して、キャリバーンは900と、キャリバーンの方が強いという扱いとなっている。



遅れてやって来た「主役機」編集

シュバルゼッテとは違い、初登場まで事前情報が一切ない、悪く言えば「ぽっと出」と見られかねない登場でありながら、いきなり主人公の終盤の乗機となるのはシリーズでも異例となる。

また、歴代の後継機はそれまで乗ってきた機体のバージョンアップ並びに発展系の新型か強化形態だったのに対し、キャリバーンは旧式で、アップグレードを続けてきたエアリアルよりも性能が明確に優れているとはいえず、別系統の技術が使用されているのも大きな特徴。

しかし、第23話でお披露目となった最終バージョンのOPではエアリアルの戦闘シーンがキャリバーンの活躍シーンに差し替えられており(スレッタの顔もキャリバーン搭乗時のデータストームの発光が描かれた物に変更)おり、名実ともに主人公機として扱われている

更にアニメ情報誌「月刊ニュータイプ」の2023年8月号の表紙はスレッタとミオリネ、そして同誌2022年11月号のエアリアルと対になる構図で描かれたキャリバーンが飾っており、本編外に於いてもこの認識は変わらない様である。

外部作品への出演編集

ガンダムブレイカー4編集

発売後の無料アップデートで追加。アーケードゲームであるアーセナルベースには登場しているが、ガンダムシリーズの家庭用ゲームソフトとしては本作が初登場となり、プレイヤー自身で操作が可能なゲームとしても初となる。一般発売の通常版とプレバン限定のパーメットスコアファイブ版が実装。

今作では何とラクス・クラインが製作した』というネタを引っ提げてやって来た。


その性能は言ってしまえば最強。その要因は今作初披露のガンビット。照射タイプのオールレンジ攻撃であり、一発一発は普通だがビット自体の総数が多いので総合火力が他のビット系より段違いに高い。同じタイプの武装でフェネクスのアームドアーマーDEがあるがそれよりビットの総数で勝っている



立体物編集

ガンプラ編集

2023年7月15日発売、価格は2,200円とこれまでの一般発売のHG水星の魔女キットの中でも最も高額。


ガンヴォルヴァのHG発売と同時期に発表された「新商品B」は当初「エアリアルの最終形態」「ラスボスの機体」等様々な推測がなされ、その後本機の登場によりキャリバーン説が有力となっていったが、最終回の放送終了までキットの全貌はおろかそもそもどの機体なのかすら明らかにされず、同時期にガンドノードと言った新機体の本編登場もありさまざまな推測を呼んでいた。(ちなみに誤解されやすいが、シュバルゼッテは6月→7月と発売延期こそしたものの2022年12月末時点でガンプラ発売予定の発表があった。)


…それもそのはず、これは最終話で見せたとある装備と能力を放送まで伏せておく為の措置で、最終話放送後のTVCMおよびTwitterにおける情報解禁が初お披露目となった。


バリアブルロッドライフルやビームサーベルと言った武装一式も無論揃っている。

また、武装が巨大な点やハイマニューバモードを再現する為にランナーレスの簡易スタンドが付属する。


ちなみにこれは余談だが、本機のデザインと本キットの監修を手掛けたJNTHED氏曰く、ディティールはアニメの3倍となっている事が、同氏のTwitter上の発言で明らかになっている。


???「通常の3倍か…」 ……大佐はお帰りください。


ROBOT魂編集

ROBOT魂ver.A.N.I.M.E.シリーズにてプレミアムバンダイ限定品として登場。

2024年1月発送予定、価格9,900円(送料抜き)。


付属品は概ねHGキャリバーンに準ずるが、そのスタイルは更にアニメに準拠したものとなっている。


関連動画編集


関連タグ編集

機動戦士ガンダム水星の魔女

スレッタ・マーキュリー


GUND-ARM編集













































































『始めよう、スレッタ・マーキュリー』


……はい!



魔女の祝福/最終話における活躍編集


  • GUND-ARMの起こした奇跡

スレッタは大破したエアリアルを抱えたキャリバーンを駆りGUND-ARM.inc陣営と合流。エリクト生存の可能性に賭けてクワイエット・ゼロへ突入する。

対面したプロスペラから「クワイエット・ゼロに接続すればエリクトは目を覚ます」とエアリアルの引き渡しを促されるも、スレッタはこれを拒否。

エアリアルでは無くキャリバーンによるクワイエット・ゼロとのリンクを試みるも、その膨大なデータストームはスレッタの体に甚大なダメージを与えていく。



「…また、困ってる?」



しかし突如データストーム空間内に現れたエラン・ケレスの写し身、すなわち強化人士4号に導かれて危機を脱し、エアリアル再起動と共にエリクトも目を覚ました。

ILTSの第二射を察知したスレッタはそれを阻止すべく、エリクト達に協力を仰ぐため飛び出した宇宙空間にて彼女と対話。



「スレッタはおバカだね」

「自分で選べるのに、居場所があるのに」


『……君はそれでも、いいの?』



そう問いかけたエリクト達に対し、スレッタはキャリバーンの手を差し伸べながら力強く答えてみせる。



私、欲張りだから……お母さんともみんなとも


やりたいこと、いっぱいあるから!



様々な人々との出会いを経て成長したスレッタを前に、エリクトは優しく微笑みその選択を受け入れ、エアリアルのエスカッシャンをキャリバーンに託す。

【仕事絵】ガンダム・キャリバーン[最終決戦時]

それによりキャリバーンのパーメットスコアはスコア8を超え、キャリバーンのシェルユニットとブレードアンテナが虹色の輝きを放ち始めた


更にキャリバーンの放つデータストームにシュバルゼッテファラクトが共鳴し無人で起動。

こうして集結したエアリアル、ファラクト、シュバルゼッテ、そしてキャリバーンの4機が展開した極大データストーム空間はILTSのシステムをオーバーライドし、その発射シーケンスを強制停止してみせた。


更にその空間はソフィノレア、果てはナディムカルド博士と言ったデータストームの先で待つ死者の姿を具現化する効果を持ち、プロスペラはその中で再会したナディムやエリクトらに諭され、自らを解放する事となった。


人と人との心を繋ぐ、まさしく魔法、或いは奇跡とも言うべき類の現象を起こしてみせた4機のGUND-ARMだったがその代償は大きく、キャリバーンは他3機およびクワイエット・ゼロと共にパーメット粒子へと機体を変換、分解され跡形もなく消滅。

そしてその中心にいたスレッタも生還こそ果たすもデータストームによる身体へのダメージは深刻であり、運動機能に重い障害が残ってしまった。


しかしキャリバーンは消滅の寸前、消えゆくエアリアルへ手を伸ばしたスレッタの想いに応えるかのようにその機体からエリクトの意識をサルベージし、スレッタの所持していたホッツさんのキーホルダーへ移し替えることで彼女を救っていた。

またスレッタに残った障害も、過去に廃人化したGUND-ARMの被験者らやプロスペラの受けたデータストーム汚染の様な永続的な物ではないようで、長い時間をかけながらではあるが徐々に回復。

事件から3年後の時点では松葉杖を要しながらも介護無しで動ける様になっている。


人の命を貪り尽くす恐ろしい怪物の名を与えられたGUND-ARMは、20年以上もの時を経てめぐりあった少女の命を喰らいながらも共に戦い、最期はその願いを叶え消えていったのである。


それは呪いを断ち切り祝福された未来を切り拓く、紛れもない「ガンダム」の姿であった。



  • 立体物(ネタバレ)
  • ガンプラ

HGキャリバーンには、スコア8超越時の状態を再現するための特殊なインモールド成型パーツ(SNSではかつて武者頑駄無系に使われていた輝羅鋼の技術の応用と推測されている)、および白色成形されたガンダム・エアリアル(改修型)と同形状のエスカッシャンが付属する。

これにより、アニメ本編では実現しなかったエスカッシャンとバリアブルロッドライフルの同時装備なども実現可能となっている。


その際キャリバーンのブレードアンテナも虹色になっていたこと、およびキット化の際にブレードアンテナがシェルユニットと同じランナーに収まっていた事から、キャリバーンのブレードアンテナもシェルユニットと思われる。


そして本キットにもエアリアル同様謎の赤目再現用シールが付属しているが、結局これが何なのかが明かされることはついに無かった。


なお、本キットにはスコア5状態再現用のパーツ類は付属していなかったが、後日プレミアムバンダイ限定でシェルユニットパーツとホイルシールが置き換わったスコア5バージョンが発売された。(フルカラーパッケージ、成形色変更無し)


  • ROBOT魂

シェルユニット交換用クリアパーツは黒、虹色、赤色の三種付属。


  • SNS上での反応

キャリバーン初出時に特に騒がれた話題だが「もしキャリバーンがスパロボに参戦した際、エアリアルからの乗り換えイベントはどうするのか」とエアリアルの扱いを含めて議論が為されることがある。

これはキャリバーンはスレッタが乗る事になるまで劇中で殆ど語られなかった上にデータストームという重大な問題を抱えているため、後継機として扱いにくい立ち位置と考えられていた為。エアリアルが1話から通して「家族」という特別な扱いをされてきたため視聴者にとっても思い入れが強くなりやすかったのも大きい。

さらに初期状態では武装のシンプルさも相まって使用感がガラリと変わってしまいそうという点も合わせて「最終決戦後に隠し機体として両方とも残す手段を用意するのでは?」という可能性が考えられた。

ただし最終話の展開も踏まえると

  1. 機体消失イベントはカットしようと思えばカットできる
  2. データストームの問題は生き残ったエリクトが同乗する事で解消可能(なんならエリクトのサブパイロット化さえあり得る)
  3. 最終的にエスカッシャンが戻る事で武装構成はほぼエアリアルと同じに出来る(バルカン、サーベル、ライフル射撃(高出力版込み)、エスカッシャンによるビット攻撃など)
  4. 近年のスパロボでは機体が消失する場合でも改造段階引き継ぎなどの措置も取られている

など、キャリバーン単独でも解決は難しくないと思われる。

実際、最終決戦で機体喪失や後遺症等が起きる作品でもスパロボでは該当シナリオ終了後に過剰に引き摺らずに解消、ないしイベントそのものが無くなる等の対応は珍しくない


  • 4つの機体の由来

発射を止めた4機の機体はGUND-ARMだからというだけではなく、Something Fourと呼ばれる欧米の慣習が由来という説がある。

これは、結婚式において花嫁が身につけると幸せになると言われているもので、なにかひとつ(Something)に続く形で『古いもの(old)』『新しいもの(new)』『借りたもの(borrowed)』『青いもの(blue)』の4つで構成されており、それぞれが

  • 『古いもの』=キャリバーン
  • 『新しいもの』=シュバルゼッテ
  • 『借りたもの』=ファラクト
  • 『青いもの』=エアリアル

に対応している。



  • その他

上記の登場シーンや、最終回で人智を超えた奇跡を起こしたことから、ユニコーンガンダムを連想する人も多い(他にも機体色、パイロットへの負担など)。

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