概要
複数のロボットが合体して全く新しいロボットに生まれ変わるのではなく、2号ロボやサポートメカが、主役ロボ(特にすでに合体によって構成されているような)の腕や足、頭部などに装着される強化パーツの形態に変形し、「主役ロボに武具を着せたような強化形態を合体の完成形とするもののこと」を言う。
強化パーツに変形する側のロボットが非常に複雑な変形ギミックを持つのが特徴であり、一度バラバラに分解されてから、強化パーツ形態に組みなおされるような変形を行うこともある(この際にいわゆる「余剰パーツ」が発生することもしばしばある)。ロボットによってはコアとなる1号ロボもバラバラになるケースもあり、さながらブロック玩具を思わせる複雑なギミックとなる場合もある。足につけられる強化パーツは、まさに「主役ロボに履かせる靴」のような見た目になることもあり、慣用句の「下駄を履かせる」とかけあわせて「下駄合体」と揶揄される。
このような形式の合体は、1988年放映の特撮作品『超獣戦隊ライブマン』に登場した『スーパーライブロボ』及び、同年放映のアニメ作品『トランスフォーマー 超神マスターフォース』に登場した『ゴッドジンライ』が最初に行ったとされる。2号ロボ側がパーツ状にバラバラになるギミックは、当時放送されていたアニメ『聖闘士星矢』の聖衣をヒントにしてそこからアイディアを得たとされる。
なお、1985年放映の『超獣機神ダンクーガ』では劇中で『ファイナルダンクーガ』に合体する予定であったが、諸々の事情から作中未登場であり、もし実際に登場していればこれがグレート合体の第一号となっていた可能性があると言われる。しかしこれは鳥に変形した新ロボットが背中に付くだけのものであり、上記のグレート合体には含まれないとも言われる(とはいえ、その形式のグレート合体を行うロボも後に登場しているため、その点については曖昧となっている)。
さらに遡れば『超攻速ガルビオン』で主役ロボと2号ロボが合体する予定だったが、打ち切りにより実現しなかった。ただし、これはロボ形態というよりもビークル形態時での合体だったという。のちにメガハウスから発売されたガルビオンにはそのギミックが搭載されているが、肝心の2号ロボである「ゼクター」が発売されず幻のギミックとなってしまった。もし発売された場合「スーパーガルビオン」という強化形態も再現される予定だった。
ロボに限定しなければ『亜空大作戦スラングル』の主役ロボとサポートメカ(ショルダーマイティ)が合体してパワーアップした「ハイパースラングル」があった。ただしこれはガンダムで言うGアーマー的運用に近いと言ってもいい。
1980年代中盤は、リアルロボットアニメにおける主役機のパワーアップイベント、つまり新型機や後継機への乗換えによる、新たな主役ロボの登場が確立した時期である。そういった作劇方法をスーパーロボットアニメに取り込むことにより、いわゆる『グレート合体』が誕生したと推測される。
しかしながら現代においては戦隊ロボ以外にはあまり見られないギミックとなっている。この理由は、玩具側の技術革新により可動個所の増加およびポーズの自由度が飛躍的に増えた半面、パーツの総数が多くなり、機構の開発難易度が跳ね上がったうえに合体後も可動とプロポーションを保つことが難しくなったためである。また、商品ごとに専用の設計にしなくてはならないなど開発コスト面での不利も多い。(リメイク玩具はともかく、完全新規開発は往年に比べるとかなり少なくなっている)。そのため後発の換装型であるマルチ合体に完全に押されている。
また、可動やプロポーションが要求されないスーパー戦隊においても、合体するロボットの数が増えるほど変形が複雑になり、なおかつ重量が増加し高価格になっていく問題点は、多くの商品を子供に売りたいメーカーとは折り合いが悪く、途中の強化でグレート合体しても、最終形態までグレート合体するロボットは減って出番が少なくなっており、純粋なグレート合体は鳴りを潜めてしまっている。とはいえ、マルチ合体の構造を応用したグレート合体など、少ないながらも生き残っているのが現状といえよう。
名前の由来
勇者シリーズの各作品では、番組後半に、このような合体方法で主役ロボが強化されることが多く、強化形態となった主役ロボットの名前が「グレ-ト○○○」(下記参考)とつけられることが多かったことから、ファンの間では「グレート合体」という名称が自然発生的に広まっていた。ただし、先述の通り「グレート合体」形式の登場自体は、勇者シリーズの誕生前である。
一方でスーパー戦隊シリーズでは、「スーパー○○○ロボ」といったネーミングが多いため、ファンの間では「スーパー合体」と呼ばれる事もある。
グレート合体ロボット
※準不順
トランスフォーマーシリーズ
最高総司令官ゴッドジンライ『トランスフォーマー 超神マスターフォース』
究極総司令官ビクトリーセイバー『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマーV』
最強司令官ゴッドファイヤーコンボイ『トランスフォーマーカーロボット』
超究極総司令官マグナジェットコンボイ『超ロボット生命体 トランスフォーマー マイクロン伝説』
総司令官ウイングコンボイ/総司令官オメガコンボイ『トランスフォーマー スーパーリンク』
高速機動総司令官ソニックコンボイ『トランスフォーマー ギャラクシーフォース』
ジェットパワーオプティマスプライム『トランスフォーマー/リベンジ』※1
勇者シリーズ
ダイレイザー『量子跳躍レイゼルバー』※1
夢装ガオガイガー『覇界王~ガオガイガー対ベターマン~』※1、3、4 (但し、有機体との融合)
夢装ガオガイゴー『同上』※1、3、4 (但し、有機体との融合)
エルドランシリーズ
パーフェクトダイテイオー『完全勝利ダイテイオー』※4、5
スーパー戦隊シリーズ
スーパーファイブロボ『地球戦隊ファイブマン』※4、5
スーパー無敵将軍『同上』
ウイングメガボイジャー『同上』
マックスビクトリーロボ(ブラックバージョン)『救急戦隊ゴーゴーファイブ』
タイムロボシャドウβ『同上』
天雷旋風神『忍風戦隊ハリケンジャー』※4、5
マックスリュウオー『爆竜戦隊アバレンジャー』※1、4
オオアバレンオー『同上』
サイダイゲキリントージャ『獣拳戦隊ゲキレンジャー』※1、4
キュータマジン『同上』
グッドクルカイザーVSX『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』※4
その他のロボット
ファイナルダンクーガ『超獣機神ダンクーガ』※1、6
アルティメットダンクーガ『同上』※6
ダンクーガマックスゴッド『獣装機攻ダンクーガノヴァ』※1、4
ガイキング・ザ・グレート『ガイキング LEGEND OF DAIKU-MARYU』※1、4
ボルテスⅦ『同上』
究極カンタムロボ『超電導カンタムロボ(クレヨンしんちゃん)』※1
勇気合体バーンブレイバーン『勇気爆発バーンブレイバーン』※5
グレートグランブレイバー『勇者超人グランブレイバー(迷い猫オーバーラン!)』※4
究極次元ロボグレートダイユーシャ『カードファイト!!ヴァンガード』※1
究極次元ロボグレートダイカイザー『同上』
ドラゴンガンガー『ゲキ・ガンガー3(機動戦艦ナデシコ)』※2、6
Gコンパチブルカイザー『スーパーロボット大戦OG』※1、2、4
ドットブラスライザー・ジーエクスト『ダンボール戦機ウォーズ』※2
シンカリオンE5×500『新幹線変形ロボ シンカリオン THE ANIMATION』※1、5
シンカリオンZ E5×ドクターイエロー『新幹線変形ロボ シンカリオンZ THE ANIMATION』
超機甲神Gガンジェネシス『SDガンダム外伝 機甲神伝説/ナイトガンダム物語』※1、5
リライジングガンダム『ガンダムビルドダイバーズRe:RISE』※1
キングショックガンダム『同上』※6
超合体超人フルパワーグリッドマン『SSSS.GRIDMAN』※3
超合体竜王カイゼルグリッドナイト『SSSS.DYNAZENON』※3、4
超竜王合体超人ローグカイゼルグリッドマン『グリッドマンユニバース』※3
超合体騎士フルパワーグリッドナイト『同上』※3、4
※1)1号ロボの強化合体ではあるが、合体の形式や作中の扱い等、概要の記載と異なる部分があり、グレート合体と呼べるか微妙なもの。
※2)サポートメカとの合体により強化形態ではあるが、合体の形式や作中の扱い等、概要の記載と異なる部分があり、グレート合体と呼べるか微妙なもの。
※3)合体の形式や作中の扱い等はグレート合体に当たるが、1号ロボ又は2号ロボが変身ヒーロー等のロボットではないパターン。
※4)合体の形式はグレート合体同様ではあるものの、2号ロボが敵もしくは当初は敵だったパターン。ただし互換性があるなど何らかの共通点がある。終始(または終盤まで)敵である場合は合体回数が数えるほどしかないのも共通点。
※6)本編では未登場だが設定では存在している形態。ただし後に他触媒で公式化されるケースもある。