概要
「宇宙を守れ!トランスフォーム!」
CV:楠大典/英:ゲイリー・チョーク
『ギャラクシーフォース』におけるサイバトロン軍総司令官。消防車に変形する。放水銃やラダーがどう贔屓目に見ても武器にしか見えず、ヤケに物騒な風貌だが決して軍用車両ではない。
スキャン元の消防車はラダーが一本だけだったのだが、スキャン時にスーパーモードの武装を当てはめたことで増えてしまった様子。
2019年現在、日本においてコンボイの名を冠する最後の司令官。また、他の作品と違って部下には「総司令官」と呼ばれている。
装備・能力
ビークルモードのウイングを展開した飛行形態フライトモードにも変形可能。山火事が発生し、湖で給水、鎮火したエピソードもある。
消防車の車体前部がギャラクシーコンボイとなり、後部パーツは固定砲台、強化形態であるスーパーモード用のパーツとなる。
通常時は『ビーストウォーズ』のビーストコンボイのように口周りが露出しているが、合体時には旧来のコンボイのようなマスクが展開する。
それまでのコンボイで定番となっていた「合体」はしっかり受け継がれており、ライガージャックが腕として合体する事でライガーコンボイ(英名:サベージクローモード)に、ソニックボンバーが背部に合体するとソニックコンボイ(英名:ソニックウイングモード)が完成する。合体ではないが、メガロコンボイのメガロアックスを借りて放つ必殺技もある。
合体時のシークエンスは『勇者シリーズ』さながらの格好良さ。勇者パースを披露するのはもちろん、終盤でのマスターガルバトロンとの決戦では、(やや分かりづらいが)マスク割れまでリスペクトされている。
なお、歴代総司令官では意外と珍しい「追加装備や他のTFとの合体無しで自力で飛行可能な司令官」であり、『マイクロン三部作』の2人(2形態+1人)の中では唯一。ビークルモードでも翼を展開して飛行可能なので、本作でも数少ないサイバトロンの航空戦力でもある。だが、前2作品を思えば飛行可能なサイバトロン側のキャラクターは多い。
司令官の証マトリクスも持っているが、今作では何なのか特に語られていない。作中ではもっぱらベクタープライムが開いたゲートをそのエネルギーで広げる目的で使用されている。彼が召喚するフォースチップに影響を与えているらしいが詳細は不明。
必殺技
代名詞的存在であるギャラクシーキャノンを筆頭に意外と多くの技・イグニッションを持っている。
リンクアップすると何かしら独自の必殺技を使うのも特徴。
ギャラクシーキャノン
お馴染みスーパーモード時に装備されるキャノン砲。腕の下に展開され逆さまに握る変わった持ち方で扱う。
両腕のギャラクシーキャノン本体と脚のサブキャノンの合計4門で構成されている。
高火力はもちろんのこと、イグニッションすることで向かって右側砲身が拡張されギャラクシーキャノン・フルバーストが発射でき、より凄まじい威力でどんな相手も撃退する。
また普段の形態でもユニットまるごとを砲台として使用可能で、ギャラクシーコンボイ以外のメンバーもこの砲台ならばギャラクシーキャノンを撃てる(バックパックが使用)。
向かって左側のキャノンは先端部が小型の銃になり彼の手持ち武器になる。
ライガーグランドブレイク
ライガーコンボイ時に使用できるイグニッション技。
ライガージャックのプラティナムクローを展開し緑色のオーラを纏ったあと相手に突撃しパンチを見舞う。
純粋に威力が高く合体した時にはほぼ毎回使用されている。
ソニックダブルインパクト
ソニックコンボイ時に使用できる必殺技。
フラップソード二刀流で突撃し、一撃目で相手の姿勢を崩してから二撃目で叩き斬る。
イグニッションしていないにもかかわらずそれらと同等かそれ以上の攻撃力を持つ。
ギャラクシーキャリバー
同じくソニックコンボイが使用できるイグニッション技。
ソニックボンバーが使うものと共通。
背部ユニットを砲撃モードへ展開させ、右手に力を込めた後若干姿勢を前に倒して真紅の光線を放つ。
ギャラクシーギガクラッシュ
メガロコンボイからメガロアックスを借りることで発動するイグニッション技。
刃先を展開後、その質量と攻撃力を持ってメガロアックスを振り下ろし叩き潰す。
あのマスターガルバトロンにさえ大ダメージを与えられるかなり強力な大技だが、メガロアックス自体かなり重たいため、ギャラクシーコンボイが万全でないと持つことさえ大変。
人物像
仲間に対して厳しくも優しく見守っており、仲間からの信頼も厚いが、自分の立場について悩む一面も(ベクタープライムに殴り飛ばされたが)。G1コンボイやファイヤーコンボイ程ではないが天然なので、冗談を真に受けてしまう一面もある(第8話)。敵に対しては度々容赦せず、リンクアップもしくはフォースチップイグニッションで返り討ちにしている。
当初は「他の惑星には極力干渉しない」という方針を掲げ、プラネットフォースの探索に向かう部下にも現地住人との接触を禁じていたが、現地住人と交流して友情を結び大きな成果を挙げていくのを見て、考えを改めた。
マスターガルバトロンに勝利した後はドレッドロックをサイバトロン軍総司令官代理と宇宙連合の議長に就任させて、「私にいい考えがある」こと新スペースブリッジ計画では建設隊のリーダーとして旅立った。本編終了から10年後となるエピローグのラストシーンで、コビーとローリの結婚式に出席しているが、大きさが大きさなだけに写真には頭部しか映っていない。
玩具
アニメ放送中に「GC-01 ギャラクシーコンボイ」として発売。後述する多彩なギミックやプロポーションに優れた一品となっている。日本では同年にカラーリングを変更したギャラクシーコンボイとソニックボンバー、そして鹵獲したランブルを改造したコビー仕様ランブルをセットにした「EX-02 高速機動総司令官 ソニックコンボイ」がトイザらス限定で発売されている。
『ギャラクシーフォース』の玩具の特徴はフォースチップを使ったギミック。スーパーモードのバックパックにあるスロットにチップを挿入すると、バックパック右側のローラーキャノンからスプリング発射可能な2基のミサイルランチャーが展開し、左側のギャラクシーロックレーザーから砲身が開いて「ギャラクシーブラストレーザー」となる。更にチップ挿入前とは発射音が変化する。スーパーモード時のマスク装着ギミックや、胸部内に格納された着脱可能なマトリクス等も再現されている。
その出来栄えは足首が回らない等の欠点もありながら、劇中通りの変形合体を完全再現できている。変形前後のプロポーションも抜群、フォースチップ関連のギミックや、マスクオン形態へのワンタッチ変形、他のTFとの合体ギミックなど充実している。
満足度の高い要素が揃ったこの玩具は、ファンの間ではファイヤーコンボイやビッグコンボイなどと並ぶ傑作玩具との呼び声も高い。
その完成度の高さ故か、その後のリメイクはハイブリッドスタイル(ほぼ同じギミックを備えたサイズ縮小版)以外は全く出ておらず、マスターピース化希望の投票からも落選してしまう(ちなみに一位はスターセイバー)など、人気キャラでありながら玩具展開的には長らく不遇の時代を過ごした。
トランスフォーマーシージ
『ギャラクシーフォース』の終了から十数年の時を経てハズブロより展開された『ウォーフォーサイバトロントリロジー』の三部作のうちセイバートロン星における戦いを描いた『トランスフォーマーシージ』のキャラクターかつ同シリーズのウルトラマグナスのリデコアイテムとして商品化された。
ただし、厳密にはギャラクシーコンボイ自身のリメイクではなく、こちらは『ギャラクシーアップグレードオプティマスプライム』という名称であり、「オプティマスプライムがアーマーを装着してギャラクシーコンボイのような容姿になった姿」というコンセプトのため、あくまでギャラクシーコンボイとは別人である。そのため所謂「中の人」は最新のIDW版オプティマスに準拠したデザインとなっていて顔は通常のコンボイ顔で、ギャラクシーコンボイとの共通点もごく一部に留まり、スーパーモードも下半身が色以外はリデコ元のウルトラマグナスと同じなため、当時品そのままを完全再現とまでは至っていない。
とはいえ、ビークルモードはフライトモードへの変形は不可能ながらもギャラクシーコンボイのデザイン、特にスーパーモードは概ね再現されているため、旧来のギャラクシーコンボイと見立てて遊ぶには不足はない。
余談
- 担当声優の楠大典氏は『カーロボット』にて、悪のコンボイであるブラックコンボイを演じており、ギャラクシーコンボイの役が決定した時は非常に喜んだとか。
- 漫画版を描いた岩本佳浩先生のイメージは「美味しいところを持っていく中々の策士」とのこと。アニメ版と比べてクールで闘志の熱いリーダーとして描かれ、スーパーモードにならずともマスターメガトロンをパンチ一撃で倒している猛者。
- 海外版『Transformers Cybertron』では、『マイクロン伝説』のコンボイ(アルマダコンボイ)、『スーパーリンク』のグランドコンボイは三部作を通じて同一人物という設定だが、日本語版は(大人の事情で)この設定に準じていない。