「また、私らしくないことを言ってしまった」
CV:井上純一
概要
『ビーストウォーズネオ』におけるコンボイ。新兵部隊の隊長である。
前作のライオコンボイと違い雄々しい姿をしている。ビーストモードは緑色の目をしたマンモス。
かつては「ワンマンズアーミー」と呼ばれる傭兵だった。その実力をベクターシグマとサイバトロンの上層部(グレートコンボイ)に買われ、新兵の隊長に任命される。
ぶっきらぼうで慣れ合いを嫌うが、根は仲間思いで後述の任務を経て本人の考え方も変化していく。基本的に砕けた口調だが、ライオコンボイの前では敬語で話している。
人物像
これまでの歴代コンボイたちとは逸脱した存在であり、孤独を好み他人をあまり信用せず、仲間を作らないアウトローな性格。その性格のためか当初は隊長としての職務に乗り気ではなかった。だが、訓練生である仲間たちと共に戦いを終わらせる内に隊長としての友情の大切さを学んでいった。そういった心境の変化のためか、各話の最後に訓練生に一つ教えを説き「また私らしくないことを言ってしまった」と呟くのがお約束となっている。すなわちツンデレ隊長。
時々ベクターシグマとの交信によっても「自分らしくないこと」を言うことがあるが、このときはベクターシグマが彼の身体を借りて喋っているため、本当に「私らしくないこと」を言っていることになる。
アニメでは、訓練生の教習を終えた後、再び、ワンマンズアーミーに戻った。
なお、本作における「コンボイ」は名前であると共にサイバトロン軍の役職名のような扱いとなっており、彼の上官としてグレートコンボイなる人物らが登場する他、漫画版最終回では教え子たちが一軍の指揮官としてコンボイになった姿が描かれている。
戦闘能力
ワンマンズアーミーの名は伊達ではなく、第1話にしてデストロンの基地へ単身で乗り込み、そのまま陥落させるほどの実力を持ち、彼が出てきた場合は大抵サイバトロンの勝利が確定する事が多い。第12話においては(作戦開始前にあらかじめ危険だと断りつつ、)的確な指示を出して作戦を成功させている。
歴代『ビーストウォーズ』のコンボイの例に漏れず重武装であり、主武装のビッグキャノンをはじめ、マンモストンファーやマンモスハーケン等の数々の武装を装備している。
更にビッグキャノンはマトリクスを収める事でマトリクスバスターとなり、威力が倍増する。また、ビーストモードの鼻先からはマンモスダイナマイトと呼ばれる超振動波を発生させる事が可能。
玩具
それまでの『ビーストウォーズ』で培われたノウハウの集大成的なものとなっており、ロボットモードの広い可動と豊富な搭載ギミックを実現している。
ビーストモードの耳を後ろに引くと牙が上下に可動し、頭頂部のレバーを引くとマンモスの鼻が上がるギミックがある。ロボットモードの胸部にはシリーズで初めて取り外し可能なマトリクスが収められている。
ビッグキャノンにはスプリングギミックを内蔵、脚部のマンモスハーケンは同じくスプリングの力で発射可能。
完成度の高い玩具である一方、マンモス形態を形作るパーツが外装に集中している変形機構(通称ガワ変形)となっている為、調整が難しく変形難易度は高い。
国内ではいくつかのリカラーが発売され、アニメカラー準拠のアンコール版も発売されたが例によって腕の組み間違いがあるなどあまり良い評価を得られなかった。
ネオ放送20周年を記念で当時品のカラーで復刻、さらに新規造形のマトリクスバスターとNAVIが付属する決定版と言える商品が発売された。
後に海外ではリカラー商品が幾つかハズブロより発売。
国内ビーストウォーズのトランスフォーマーの中でも再販率が高く、その人気がうかがえる。
派生キャラクター
ブラックビッグコンボイ
玩具オリジナルキャラクター。
ビッグコンボイの影武者としてベクターシグマに生み出された存在であり、ビッグコンボイへの忠誠を胸に秘めて戦う戦士。
所謂ロボット物の玩具にありがちなブラックバージョンであり、1999年にトイザらス限定品として発売された。
「黒いコンボイ」としての地位を確立したブラックコンボイよりも先に登場した為、そのカラーリングは同じ黒基調でも胸のキャノピーが黒い半透明、差し色も青竹色ではなく豪華な金色だったりと異なっている。
ブルービッグコンボイ
トランスフォーマーレジェンズやその他作品に登場したキャラクター。一人称は「私」。
元々は懸賞品であったビッグコンボイブルーバージョンをベースにしている。
本シリーズには2人登場するが、相互の関係性は不明。
プライマスヴァンガードの『偉大なる司令官』〈ビッグコンボイ〉
ビッグコンボイ達のいる宇宙の前の宇宙に存在したプライマス直属の部隊『プライマスヴァンガード』を率いる司令官。
「αマトリクス」を胸に納め「マトリクスソード」とビッグキャノンを振るって宇宙の平和を守っていた。
しかし未来からの来訪者と共に未来から来た脅威と戦う最中、メンバーの1人ストラクサスの仕掛けた悪性プログラムにより暴走。仲間を手に掛けない為にマトリクスソードで自らを貫いて使命に殉じた。
この戦いによりプライマスヴァンガードは壊滅、残ったであろうメンバーも散り散りになってしまう。
その後はマトリクスソードにスパークが取り込まれたのか残留思念として存在し、ストラクサス一派からマトリクスソードを奪還した「銃士マグナコンボイ」の前に現れる。そして自身のスパークから生まれたクローンである「コンボバット」の護衛と育成を彼に命じた。
同時にマトリクスソードもマグナコンボイへと受け継がれ、後にストラクサスを討つ力となった。
なおこの世界には彼の管轄の"青の星"の他にも"赤の星"、"緑の星"、"白の星"、"黄色の星"、"黒の星"、"紫の星"が存在し、その星を治める7人の戦士達は総じて「司令官〈コンボイ〉」と呼ばれ慕われていた(つまり「コンボイ司令官」と名乗るとはこの世界では「司令官司令官」という意味になってしまう)。
そしてブルービッグコンボイの光がマグナコンボイとコンボバットへ受け継がれたのと同様に、他の6人の司令官達の光もまた受け継がれた。
英雄の偉大なる父
G1時空のビースト戦士であり、ビッグコンボイの父親。
サイバトロンの上級司令官にのみ与えられる「コンボイ」の称号を持ちながらも当時のコンボイ達のあり方に否定的であり、コンボイ達による評議会にも出席していなかった。
彼自身はコンボイを「人々の為に戦って初めてなれる物」と認識しており、過去のガルバトロンらによる反乱の様な対立を起こさない為にも一部のコンボイによる統治ではなく、サイバトロンとデストロンが手を取り合って共存して行くことを望んでいた。
その後も息子とともに最前線で戦い続けたが、アンゴルモアエネルギーを狙う謎の軍団と交戦し、辛くも撃破するも自身も瀕死の重傷を負う。左腕を失くした息子ビッグジュニアに、自身の左腕と、「コンボイ」のあり方、そして自身の名を託して死亡した。
この様に既に故人であるキャラクターであり尚且つ詳細が明らかになっていないためかテックスペックは全てデータが無く、肩書きもただの「司令官」となっている。
ネメシスプライム(ユニバース版)
トランスフォーマーユニバースに登場した海外オリジナルキャラクター。
何れかの世界に於けるプライムがユニクロンに囚われ、数千年間の凄惨な拷問の末に身も心も破壊され尽くされた後、オプティマスプライム(G1コンボイ)の複製として蘇らされた存在。
……G1コンボイをコピーした筈なのに何故別人のビッグコンボイと同型になったかについては突っ込んではいけない(和製TF時空においてユニクロンを滅ぼしたのは彼なので、その当て付けとも考えられるが)。
このようにユニクロンの眷属とも言える存在であり、胸にはユニクロンの弱点であるマトリクスの力を打ち消す「デッドマトリクス」を収納している。
その目は一応赤の様だが、玩具やアメコミでは点灯していないかのような黒一色となっており、心が壊されていることを強調している。
因みに彼の登場したアメコミ「バランシングアクト」は、オメガプライムことゴッドファイヤーコンボイが不完全体とは言えユニクロンをボコボコにする衝撃的なシーンがある事でも有名(またこの世界観に於けるファイヤーコンボイは女性であり更に衝撃的)。
玩具は金色をアクセントカラーとした黒一色であったブラックビッグコンボイとはまた違ったタイプのブラックバージョンとも言え、日本でもジャスコ限定品として発売された。
ウルトラマンモス
海外オリジナルキャラクター。
2013年にハズブロの会員制サイト・Transformers Collectors Club(TCC)にて限定販売された。
マンモスの外皮は水色に白のグラデーション塗装、ロボット本体は白を基調にマスクや肩、胸を水色、大腿部や胴体、ビッグキャノンを赤にリカラーした所謂ウルトラマグナスカラーであり、実際にウルトラマグナスがマンモスをスキャンして変化した戦士とされる。
但し白一色であることが多いコンボイ型のウルトラマグナスにしては珍しく、白ベースながらも強化アーマー装着後のウルトラマグナスを元にした色も加わっている。
かのシャッタードグラスにも同じくビースト戦士となったプロール、アイアンハイド、シルバーボルト(G1)、グリムロックらと共に登場し、SGウルトラマグナスと交戦している。
その他媒体でのビッグコンボイ
漫画版
今木商事が描いた同名の漫画版では本作オリジナルの形で誕生経緯が描かれた。
元は極寒の惑星に住むマンモスのビッグであり、動物たちのリーダーとしても活動。恐竜軍団の乱暴ぶりに頭を悩ませながらも平穏な日々を過ごしていたが極寒の惑星に降ってきた神の石(アンゴルモアカプセル)の力で自身と恐竜軍団は進化し、言葉も話せるようになるが恐竜軍団は機械の力も身に付けて殺戮を行うようになってしまう。
さらに恐竜軍団はアンゴルモアカプセルの爆発に巻き込まれたことが元でマグマトロン部隊に進化。マグマトロンの放ったアンゴルモア光線で自身とタイムスリップしてきたライオコンボイは瀕死の重傷を負い、ライオコンボイが最後の力を振り絞ってのマトリクスの継承でビッグはビッグコンボイに転生するという衝撃的な主役交代が描かれた。
ビッグ時代の記憶がないためにアニメ版以上に荒っぽく、一人称も「俺」のままで新兵教育をサボっての昼寝とやさぐれ気味ではあるがビッグ時代同様に仲間思いな面はある為、なんやかんやで新兵たちを助け、成長を促す。コラーダの故郷でもあるコブラ型彗星ヨルムンガンドでの戦いでブレイクを助けるために唯一信じていたビッグキャノンを手放した際には自身の心境の変化に戸惑う姿を見せた。
ユニクロンと対峙した際に記憶を取り戻すも極寒の惑星での出来事は偶然ではなく、ユニクロンが意図的に行ったもので自身もマグマトロン部隊同様に利用されていただけだったことも知り、自身の人生を狂わせた元凶であるユニクロンをマグマトロンの形見のマグマブレードと自身のアンゴルモアエネルギーで打ち破る。しかし、ユニクロンの本体に寄生され、新たなユニクロンにされかけたことから、マトリクスを使っての自爆を決意。生徒たちに別れではなく、感謝の言葉を告げた後、自身もろともユニクロンを消滅させた。
その後、宇宙の神とも呼べる存在・時と空間を統べる者の手で別の宇宙で元のマンモスのビッグに転生。ビッグコンボイであった頃の記憶は失っているとのことがコンボイに昇進した生徒たちの敬礼を見届けた際、ビッグコンボイの「お前らにしちゃ、上出来だ…」というぶっきらぼうながらも温かみのある声が聞こえた為、もしかしたら、ビッグコンボイの記憶は残っているのかもしれない…
レジェンズ
玩具は未発売だが、コミックの設定上は「LG59 ブリッツウイング」に付属の象型のドローン「ビッグファイト」が彼である。
コミックにはWEB版第50話「LG59ブリッツウイング前日談」から登場。コンボイの名はすでに「アクサロン商事のコンボイ社長」としてビーストコンボイに充てられているためか、今回はビッグ先生となり職業も原作になぞらえて教師と設定された。
本作では隙あらばTFの授業をしたがったり、何かにつけてフォースチップ(ギャラクシーフォースの玩具に付属)を生徒に譲ったり、騎馬戦で配置を変えることをスクランブル合体と呼ぶなど筋金入りのTFオタクとなっている。
TF病を患ってマンモス型ロボットに変貌したときは大喜びし、特効薬の使用を即時に断った。この状態ではタンクモード(戦車)とウェポンモード(武器)を備え、クインテッサ星人と戦うブリッツウイングに手を貸した。
そしてG1世界のビースト星における最終決戦にも、TF病で変身したビッグコンボイとして参加。レオプライム、ビーストコンボイと化したコンボイ社長と共に人工要塞ネメシスの中枢を破壊し勝利に大きく貢献した。
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