概要
クレヨンしんちゃん内で放送されているロボットアニメ。アニメでは、スペシャルの際に劇中劇として「超電導カンタム・ロボ」が3話制作された。(劇中での第8話、第20話、最終回)
元々はただのガンダムのパロディキャラだったカンタムロボを主役とした作中作であり、アニメでは通常のクレしんからは考えられない程の激烈クオリティで作画が行われていることもあり、熱心なファンが意外と多い。
更には、主人公の一人であるカンタムが地球人類を守る為に故郷を裏切り、親族達に裏切り者として罵倒されながらも彼等を破壊しなければならず、最後には息子を信頼できるパートナーに託して妻と共に敵の首領に特攻し相打ちになる等、ストーリー内容も並のロボットアニメよりハードそのもので、最終回を見たひろしとみさえでさえも、その悲しくも地球人類が守られた結末には、感動しすぎて涙を流していた程。
その後、映画『逆襲のロボとーちゃん』でなんと劇場化が決定した。
劇中での放送は毎週火曜日午後18時からのようだ(主題歌と最終回の時の劇中のカレンダーから)。しんのすけは録画をして、放送30分前にもう一度先週のものを観ておさらいする程にはまっている。
現場の制作スタッフが予算納期を完全に無視して暴走してしまったため、上のほうからカンタムロボ禁止令が出されたという、嘘か本当かわからない都市伝説が存在する。
名前こそガンダムのパロディだが、見た目や性能はマジンガーZのようなスーパーロボットタイプ、世界観は二つの鉄人を基にしている。
なお、この名称はアニメ版で与えられた名前であり、原作ではしんのすけが散らかした玩具の一つとしてしか登場していないので、外見以外の設定は存在しない。
あらすじ
歴史改変を目論み、人間社会を滅亡させるために未来から来襲する機械生命体ロボット族からなる秘密結社『ミッドナイト』。ミッドナイトの過激な思想についていけず離反したカンタムロボは、現代の少年・ジョンと共にミッドナイトの刺客を次々迎え撃つ。
登場人物
主要人物
東京東村山に住む少年で、探偵を営んでいる。とある事件でカンタムロボと出会ったことをきっかけに共闘することに。続編でも主役であり何年経ってもカンタムと戦い続ける漢。
未来からきた巨大ロボット。ミッドナイトのロボット族(ロボノイド)は自身を模した巨大ロボットの中で常時暮らすため、内部に操縦者(メインコンピューター)たる本体のカンタムがいる。最初は中にカンタム本人がいる事を隠していたが、ジョンをパートナーとして認めたため素性を明かした。正常合体という分離再合体機能をもち、これによって超カンタムという強化形態に変形する(第8話にてこれらの内容を展開)。更に超超カンタムロボと呼ばれる高速状態を短時間だけ発動可能(第20話にて初披露)。この分離再合体や高速状態にはサブパイロットが必要であり、カンタムはジョンにその役を託した。
ロボだからかいろいろシニカルな名(迷?)言を言う。
秘密結社ミッドナイト
ミッドナイト大統領。未来世界(メカ世界)における伝説の存在。一部にしか自身の存在を明かさなかったようであり、元構成員のカンタムも実在していたことを知らなかった様子。全身をローブで覆った巨大な姿だが、実体がないエネルギー体であるようで、自身の戦闘の際には後述のように他のロボットを吸収する形で最終形態をとる。20話では変声機を通したような声だったが、最終話では壮年の男性的な声。何らかのパワーアップイベント的な話などがこの間にあったのかもしれない。
主人公の兄を部下としている、通常時はマント状のものを羽織った姿、実体が事実上なく最終決戦で部下達の身体を合体させ顕現するなどの特徴は某ロボットアニメのラスボスを彷彿とさせる。
- ウルトラトラトラカイザム
ギルギロスの最終形態。その際にカイザムを含む破壊された五人衆を吸収している。最終形態なのに『カイザム』の名前があるのは、彼が肉体の一部になっているためか、あるいはミッドナイト最強の戦士とギルギロスが認めているからか。凄まじいエネルギー量の攻撃を誇り、(既に満身創痍だったとはいえ)超カンタムロボを一瞬にして戦闘不能に追い詰めた。
- カイザム(CV:石井康嗣)
カンタムの兄。ミッドナイト最強の勇士にして最高幹部ミッドナイト5人衆の筆頭。裏切者である弟をミッドナイトに連れ戻すために幾度となく激闘を繰り広げる(初登場回が第20話)。人間を地球毎自らを滅ぼす悪しき愚かな存在と断定し、全ての人間が悪ではないと説くカンタムの言葉を聞き入れなかった。最終回で他の4体と共に人間社会に総攻撃を仕掛け、カンタムに組織復帰か自分達との戦闘かを迫る。カンタムが泣く泣く復帰を拒否したため、5人衆総力で一気にカンタムを破壊せんとするも、超々化したカンタムによって一瞬の隙を突かれて他の5人衆メンバー諸共、破壊された。
- オータム(CV:郷里大輔)
カンタムのおじさん(叔父)。
- ザンザム
カンタムのいとこ(従兄弟)。
- キンタム(CV:京田尚子)
カンタムのおばさん(叔母)。
- ジジザム
カンタムのじいさん(祖父)。カイザムまでを含めた彼等5体のカンタムの親族達こそ5人衆である。基本スペックはカンタムロボと互角かそれ以上の力を持ち、カンタムロボと違い正常合体なしでの強化形態変形(ハイパー化)ができるが超々化はできない模様(カンタムロボと異なりサブパイロットがいない事と関連しているのかもしれないが詳細不明)。
- アコギデス・ブッコロス(CV:立木文彦)
『逆襲のロボとーちゃん』の作中内の「劇場版カンタムロボ」に登場する黒幕。ミッドナイトの第15代党主。立方体のキューブ状の外見をしているが、「チェンジアコギデス」の掛け声と共にエイリアンのような姿へ変身する。必殺技は腹部にあるブラックホールであらゆる物を吸い込む「アコギデストラクタービーム」、背中の巨大なドリルで突進する「アコギデスブラックダークデビルデスゾーゼージゴクショック」。
カンタムJr.の秘密兵器「超超超超超カンタムロボ」と激戦を繰り広げた後、最後は「超超超超超カンタム超超超超超カンタムドーリル超超超超超超超アターックNo.1」を受けて倒された。
その他
最終回で登場したカンタムの婚約者。ミッドナイト側ではカンタムの平和を愛する心を理解した唯一の人物。カンタムの絶体絶命のピンチ時に彼を助けんと未来世界から駆け付ける。カンタムロボとシーラロボの合体(「究極極限正常合体」)によって最終最強形態・究極カンタムロボに変形する。究極カンタムロボ時には彼女がサブパイロットとなる。
- カンタムJr.(CV:戸谷公次(雲黒斎の野望)→大滝進矢(逆襲のロボとーちゃん) )
カンタムとシーラの子供。容貌は父のカンタムに瓜二つ。カンタムが未来世界にいた時に出来たが、シーラが密かに育てていたためカンタムは最終回まではその存在を知らなかった。のちに成人したジョンと共に、復活したミッドナイトと戦うことになる(続編「カンタムロボ・Jr」)。