概要
1994年12月26日放送の『クレヨンしんちゃん 年末スペシャル』で放送された「カンタム最後の戦いだゾ」に登場した最強最後のカンタムロボ。
ミッドナイト首領ギルギロス大統領により半壊に陥った超カンタムが、カンタムの婚約者(実質的には内縁の妻)・シーラの愛機シーラロボと合体(究極極限正常合体)することで完成した。カンタムとシーラの本体が直接複数のコードで繋がれた上で台座型の端末に二人の手を置く形で操縦される。
カンタム曰く「僕(カンタム)とシーラでなければ操縦できない」。パイロット以外の存在が搭乗することが可能な広いコクピット(座席はない)ではあるが、カンタム・ロボ時のパイロットであったジョン少年は合体直後にシーラに託されたカンタムJrと共に脱出させられている(おそらくは二人を後述する自爆技に巻き込まないための方便なのだろう)。
外見は白を基調としたものとなり、シーラ同様右目が隠れているが顔立ちはカンタムロボの特徴が強く現れている。体格もギルギロスには及ばないものの、カンタム・ロボ時から比較するとゆうに2倍を超える身長になっている。おそらくシーラロボが変形した外装にカンタムロボが纏うことで完成するシステムなのだろう。
指から放つカンタムビームはカンタムロボ単体時と比較して威力・射程・精度全てが遥かに向上しており、ギルギロスがジョンとカンタムJrを抹殺するために放った無数のミサイルを一発残らず撃墜している。設定上は今までのカンタムの武装はすべて使用できる設定ではあるが、劇中では語られていない。
息子であるカンタムJrと相棒であるジョンがミッドナイトの魔手から逃げ延びたのを見届けると、究極カンタムロボは自ら全エネルギーを開放し究極・極限・限界・名物カンタムかにばさみを発動してギルギロスを羽交い絞めにする。
「こんなお前、死ぬ気かぁぁっ!?」
絶叫するギルギロスに向け、カンタムは返した。
「生き残る気さ!」
爆発と共に究極カンタムロボはギルギロスを伴い、次元の壁を貫いて未来の世界へと旅立っていった。
二人の遺志を継いだカンタムJrとジョンは、その後15年の月日を経てミッドナイトの打倒を完遂することとなる。
余談
『クレヨンしんちゃん』内の劇中アニメである為、数回のエピソードでカンタムロボのオープニングが流れる機会があるのだが、クレヨンしんちゃん内の番組としては最終回のオープニングのみ最後の一瞬に究極カンタムロボの姿が映し出されるといった形で初登場している。
作中最強の存在ではあるが、ギルギロス大統領に対し「もうパワーアップしていくだけの殺し合いは沢山だ!」と非常に厭戦的な台詞を言い放っており、大人の都合でインフレしていく傾向にあるロボットアニメに対する強烈な皮肉となっている一面がある。
必殺技の「究極極限限界名物カンタムかにばさみ」の形は柔道の「蟹挟」ではなく吉本新喜劇の池乃めだか師匠のカニばさみ。柔道にもこの形の技自体は存在するが「胴絞」という別の名前である。
クレヨンしんちゃん番組内ではその後、1995年2月13日に放送された第133-2話『福ぶくろを買うゾ』内でみさえが購入した福袋内の玩具として登場している。