解説
勇者シリーズの第5作目にあたる1994年のロボットアニメ。モチーフは刑事ドラマ。
自分たちが心を持つ意味に悩み、仲間の殉職など、シリーズ中シリアス話が多いが、主人公が女装してミッション高に潜入など次作に続くコメディタッチな回も多い。毎回戦う敵が違い、災害救助のみで敵がいない回や、7度8度にわたり怪獣と戦い、他のグレート合体と比較して出番が少ないのも特徴。
また、ビルドチームを筆頭に各ロボットがブレイブポリスの外にもそれぞれの交流を持つなど、それまでに比べ各ロボットの個性が強く描写されている。
刑事ドラマモチーフではあるものの、推理主体やサスペンス等の要素は皆無で、登場する犯罪者も従来のロボットアニメからの影響か、自分たちの方からわざわざ現れてブレイブポリスに戦いを仕掛けるケースが頻発した。
あらすじ
2020年。小学生4年生の友永勇太には、誰にも言えない秘密の友達がいた。
近年増加傾向にあるハイテク犯罪に対抗するため、警視庁が秘密裏に製造していた新型ロボット刑事デッカードである。
ひょんな事から工場に迷い込んだ勇太はそこでデッカードと出会い、以後毎朝人目を盗んで工場に忍び込んでは、外の世界を知らないデッカードに様々な事を教えていく。日々を重ねていくうち、何時しかデッカードは "心" を持つようになる。
しかし、完成した暁にはデッカードからテストデータを消去…これまでの記憶を消去される辛い現実が待っており、勇太は涙ながらにデッカードと離別する。
完成披露イベント当日、パレードで街が盛り上がっている最中に突如、世界各地でロボットを強奪しては犯罪組織へと流す死の商人「ドクトルガウス」が現れ、デッカードを強奪しようと襲撃。
周囲が混乱している中、様子を見に来ていた勇太の叫び声を聞いたデッカードは、消去されたはずの記憶を取り戻して自らの意思で起動、ドクトルガウスの前に立ち塞がるという奇跡を起こした。
そのままデッカードは勇太をボスに見立て、また勇太もデッカードに指示を送りながらガウスの乗るロボットを撃破し、現行犯逮捕する快挙を成し遂げる。
その事件の一部始終を見ていた警視総監冴島から、特例として世界初の少年警察官に任命され、また特殊刑事課「ブレイブポリス」のボスとして、ロボット刑事たちと共に様々な難事件に立ち向かっていく事になる…
登場人物
コンバット刑事マクレーン(CV:置鮎龍太郎)
カンフー刑事 パワージョー(CV:山崎たくみ)
レスラー刑事 ダンプソン(CV:星野充昭)
サッカー刑事ドリルボーイ(CV:結城比呂)
白バイ刑事ガンマックス(CV:巻島直樹/野島裕史※)
※巻島氏療養によるスパロボ30での代役。
ダイバーズ(仮)
英国支部で誕生した、各々がビートルズの名を冠す4人組。テレビマガジン12月号掲載。彼らの存在から、デュークに帰郷する予定があったのかは不明瞭。ただし、合体後の名前は想像がつく。
レジーナ・アルジーン(CV:宮村優子)
ビクティム・オーランド(CV:子安武人)
ノイバー・フォルツォイク(CV:飛田展男)
エヴァ・フォルツォイク(CV:伊藤美紀)
スパロボ参戦
2021年に発売予定のスーパーロボット大戦30にて勇者王ガオガイガーと共に参戦。
前年である2020年はジェイデッカーの舞台となる年かつ勇者シリーズが30周年を迎えた年である。
なお、同作ではGGGの勇者ロボの後輩にあたり、「GGG追放事件」と「フォルツォイク事件」が原因で凍結されていた超AIの開発が再開され作られたという形に。
また、主人公の名前繋がり(友永勇太と響裕太)で、SSSS.GRIDMANとの絡みも見せている。
また、前述のガオガイガーに関与されてか敵側としてバイオネットの疑似ゾンダーロボを運用してくる。
小話
OPアニメーションの演出が、物語が進むごとにバージョンアップしつつ整理されていく。
EDではOPほどの変化はないが、メンバーが増えるごとにSDビークルモードの数が増える演出がなされた。
サブタイトルの中にはママは小学4年生をパロった『ボスは小学4年生』という話がある。
放送中にサンライズがバンダイグループの子会社となり、本作を最後に勇者シリーズ終了も検討されたと同時に、次作(後の黄金勇者ゴルドラン)も一時企画がストップした(最終回のビクティムの姿があの勇者に似ているのはこの作品でラストになることを考えてのサービスであり、初代監督である谷田部勝義監督に勇者シリーズを返すための演出、とのこと)。
処が、スポンサーだったタカラ(現・タカラトミー)が他社を含め、代替作品が間に合わなかった為、代替作品が決まるまで続投となり、一時は勇者指令ダグオンで完結が決まるも、サンライズとメ~テレの懇願で勇者王ガオガイガーまで延命される。
韓国では『로봇수사대 k캅스(ロボット捜査隊K-Caps)』というタイトルで放送された。
他作の勇者シリーズの韓国語版がほぼ日本語版を踏襲したタイトルなのに対して本作が大幅にタイトル変更をされたのは、当時の韓国は軍事独裁時代の警察官の汚職に対する悪評が非常に根深く、国民が警官に対する強い不信感を持っていたことが理由であり、そのイメージを良くしたいという当時の韓国側のプロデューサーの意向から変更したという事情がある。
その影響からブレイブポリスのエンブレムは全て国旗に使われている太極に修正されたり、日本語で入ったマーキングを全て韓国語で修正する必要があったため、非常にローカライズ作業が大変であったと語られている。
しかし、そんな熱意のおかげもあってか熱狂的な支持を集めたとされ、韓国側の要望からスパロボ出演の要望が多かったことからスパロボ30参戦の決め手となった。