スペック
全高 | 24.8m |
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重量 | 125.0t |
最高出力 | 500,000ブレイブパワー以上 |
最高走速度 | 430km/h |
最高飛行速度 | マッハ10以上 |
概要
物語終盤より登場する、ダグオン最強の勇者。
ファイヤーダグオンとパワーダグオンが「超火炎合体」することによって完成し、後述の理由から無限大の力を秘めた、事実上の「最後の切り札」とも言うべき存在として扱われている。
他方で、初登場が第4クールに突入後の第41話と非常に遅いことなどもあり、作中での出番もわずかに3回のみに留まっている。後期オープニング映像には第31話より先行して登場しているが、恒例の合体バンクも戦闘シーンも映らずラストシーンに映るのみとなっている。また、最後の合体となったジェノサイド戦に至っては、ファイヤーダグオンを介して地球と融合しつつあった相手を、これと引き離すために強制合体におよび、その戦闘もあくまで精神世界上で繰り広げられる(※)など、グレート合体形態の勇者(というよりグレート合体全体)としては何かと異例ずくめの存在でもある。
(※1 そのため、スーパーファイヤーダグオン自体は特に目立った立ち回りは見せておらず、精神世界上での戦闘の影響で機体が自壊していった末に、炎が捨て身の一手として大気圏突破におよび、機体もろともジェノサイドを消滅させるという決着の付け方もまた、その異例ぶりに拍車をかける形となっている)
合体プロセス
玩具の構造との兼ね合いもあってか、合体プロセスの複雑さや合体時の前後のやり取りまで合わせた長さはシリーズ中でも屈指のものとなっている。
- パワーダグオンがダグベースに合体要請を行い、初回はルナ、二度目はライがファイヤージャンボをダグベースから発進させる(ここは大半が新規作画)
- ダグベースから発射された超火炎合体光波を、パワーダグオンとファイヤージャンボがまとうことで合体態勢へと移行
- ファイヤージャンボがパワーダグオンの背中に合体し、そのままの状態からファイヤーダグオンへと合体。2体の勇者が炎に包まれ、その中でファイヤーダグオンからは前腕部であるファイヤーラダーとファイヤーレスキュー、パワーダグオンからは四肢と胸部角と翼が分離する
- 足首へと変形したファイヤーショベルのキャタピラ部分に、ファイヤーラダーとファイヤーレスキューが合体し、その状態からファイヤーダグオンの脚部内(ファイヤージャンボの格納ブロック)に合体
- 上腕を縮めた状態のパワーダグオンの両腕が、ファイヤーダグオンの前腕部として合体
- パワーダグオン内部に収まっていたダグファイヤーが、ファイヤーダグオンの内部へと移動
- ファイヤーダグオンの胸部に、パワーダグオンの背面が変形した胸部装甲が被さり、頭部にもパワーダグオンの胸部から分離した角が合体
- エンの顔が重なるようにスーパーファイヤーダグオンのカメラアイに光が灯り、左腕→右腕→頭部の順にシンクロする動きを見せた後、名乗りとポーズを決める
合体バンクのフルバージョン、更に前後のプロセスまで含めると実に3分以上にも及ぶこの合体プロセスであるが、炎に包まれた状態からの合体描写(上記の4~6に該当)は、初合体時にダグベースのモニターで描写されたのみであり、以降の合体時には割愛されている。一方で、後年制作されたゲーム『新世紀勇者大戦』では、部分的ではあるが合体シーンが追加されている。
能力
前述の通り無限大の力を秘めているだけに、融合状態にある大堂寺炎がその力を引き出せばその分凄まじい力を発揮する。
実際、初合体の際にはダグオン全員をダウンさせたほどの攻撃を、片手一本で受け止め無傷でいるほどの耐久性を示したばかりか、返す刀で繰り出した通常技一発だけで敵を瞬殺せしめる等、攻防両面においてずば抜けた実力を見せつけている。
主要な攻撃手段として、右前腕に装備された「パワーショベルアーム」や、額から熱線を放つ「スーパーファイヤーバーン」が挙げられるが、これらは作中では最後まで使用されることはなかった。前者はソーグレーダーのキービジュアルで使用が確認されているものの設定などは未公開、後者は設定のみ公開されている。
唯一、スーパーファイヤーダグオン単体で発動した技が「スーパーメガ光波」(※2)である。ダグファイヤーのバーニングスターアタックの強化版とも言うべきこの技は、胸部装甲にエネルギーを集めた状態から、巨大な火の鳥型の光波を撃ち出すというもので、その威力は光波が通過した後、地面に深い亀裂が入る程である。
そして、ライオソードと無限砲を同時装備した状態で繰り出す合体技が「トライアングルクリスマスビーム」であり、前面に展開した三角形のエネルギーフィールドから撃ち出されるらせん状のこの光線は、サルガッソの囚人の中でも最強のワルガイア星人マドーを相手に、彼の繰り出すマドー超光波と攻撃吸収能力を打ち破って勝利してみせた。
もっとも、必殺級の威力を備えているとはいえこれらの技もまた、あくまでこれはスーパーファイヤーダグオンの武装・技の1つでしかなく、前述した機体の性質上さらに強力な技を繰り出す可能性もない訳ではない。
(※2 作中では技名の呼称なし。一部媒体ではファイヤーメガ光波と表記するものもある他、『新世紀勇者大戦』ではこの2つの呼称を合わせたスーパーファイヤーメガ光波とされている)
デメリット
このように、名実ともにダグオン最強の戦力というべきスーパーファイヤーダグオンであるが・・・実はこの形態には登場タイミングの遅さと登場回数の少なさの要因ともされている2つの重大なデメリットが存在する。
まず第一のデメリットとして挙げられるのが、合体の際にダグベースから「超火炎合体光波」を浴びる必要があるというものである。
元々、スーパーファイヤーダグオンの合体プログラムは、宇津美雷がダグベースのコンピュータから偶然見つけたものであるが、この時点では炎が任意で合体させられる手段までは見つかっておらず、またそれを発見する暇もなく超火炎合体を発動させる必要に迫られたために、外部から合体プログラムを送信することで、合体可能な状態へと持って行かねばならなかったのである。
そしてもう一つのデメリットは、「融合している大堂寺炎の体力を急激に消耗させてしまう」というものである。
前述した「無限大の力」は、別々のシステムで動いている機体同士を合わせて同時に運用することによって生み出されたものとも言えるが、それだけに炎の身体にかかる負担も相当なものがあり、初陣の直後にはその負担に耐えきれなかった炎が、融合状態のまま意識を失い倒れてしまってもいる。このような膨大な力を制御するには炎ひとりでは負担が掛かりすぎてしまう(炎自身は普通の人間であるため強大な力を扱いきれない、と考えるべき)ため、本来ならサポートする手立てが考えられていたのかもしれない。
これら2つのデメリットは、作中を通して最後まで解消されることはなかったため、スーパーファイヤーダグオンも結果として「万策尽きた時の最終手段」という位置付けに落ち着いている。
立体物
放送当時、タカラよりDX版と廉価版のHG(ハイパー合体)の2シリーズにおいて、スーパーファイヤーダグオンの合体セットが販売されている。いずれも既発売のファイヤーダグオンとパワーダグオンを同梱したもので、このうちHG版は一部の合体機構が変更・省略されている代わりに、同スケールのライオソードや無限砲(非変形)も武器として付属している。
1号ロボの肘から先に2号ロボの両腕を武装として追加する方式を採用せず、両腕を丸ごと差し替えるという構造や、2号ロボの大きな胴体を背中に隠すようにしたため、プロポーション自体は良好な部類である。ただし、全身のパーツが大きくなりゴテゴテするため動かして遊ぶのには少々不向き。
番組放送から10年を迎えた2006年には、DVD-BOXの初回特典としてアクションフィギュア化もなされており、非変形ではあるものの、フィギュア製作を手掛けたシーエムズコーポレーション発の「サンライズ メカアクションシリーズ」などと同フォーマットとされている。
シーエムズコーポレーションからはこれ以外にも、「BRAVE合金」シリーズとして変形合体可能な玩具も試作されていたが、同社の自己破産により商品化には至らずに終わった。
令和年間に入ると、バンダイでも「スーパーミニプラ」としてプラキット化がなされた(2020年~2021年)ほか、千値練からも「METAMOR-FORCE」シリーズで商品化されている(2024年発売)。これらの商品も、プロポーションと可動性を再現するため一部組み換えを要する箇所があるものの、劇中の構造がパーツのサイズ差をあまり誤魔化さないものであったため、余剰なしで作中の変形合体を再現可能な仕様となっている。
備考
前述の通り、作中への登場回数が3回のみなスーパーファイヤーダグオンであるが、本作の監督を務めた望月智充の語るところによれば、タカラの方からも「3回は出して欲しい」とのオーダーがあったといい、そのノルマは最低限果たした格好とも言える。
そうした出番の少なさと反比例するかのように、合体シーンについては1,000枚以上の動画を使うのみならず、エリアル合成までも導入した実に力の入ったものとされている。
デザインはパワーダグオンと同時並行で進められており、基本的なパーツ構成や胸に鳥の意匠を配するという点はごく早期に固まっていたものの、その意匠の盛り込み方や頭部の角の形状については、決定稿に至るまでに様々な案が提示されている。
関連タグ
ジェネシックガオガイガー:『勇者王ガオガイガーFINAL』に登場する勇者の一人。こちらも同作中における最強の存在であり、登場回数が極めて少ない点でも近似しているが、他方で『ガオガイガー』シリーズ全体で言えばさらに上の形態がある、という相違点も存在する。
ダンクーガ:『超獣機神ダンクーガ』に登場する巨大ロボの一つ。TVシリーズにおける出番が少なく、なおかつ本来は「万策尽きた時の最終手段として物語の重要な局面でしか登場しない」存在として予定されていたなど、様々な部分で共通・近似項が見受けられる。
ガイキング・ザ・グレート:『ガイキングLOD』に登場する巨大ロボの一つ。こちらも作中への登場回数が3回のみという最強合体形態であり、そのうちの1回が戦闘目的ではないという点でも近似している。
アルティメットグラヴィオン:『超重神グラヴィオンZwei』に登場する巨大ロボの一つ。同作における最強合体形態にして、火の鳥を模した必殺技を持つなど共通・近似した部分も見られる一方、作中への登場回数は1回、登場時間に至ってはわずか1分30秒と、スーパーファイヤーダグオンに輪をかけて出番の少ない形態でもある。
グッドクルカイザーVSX:『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』に登場する巨大ロボの一つ。こちらも登場回数が4回と、スーパーファイヤーダグオンと同程度の最強合体形態であるが、こちらはCG制作の都合上、最初から登場回数が限定されていたという点で相違している。
グレートゴルドラン←スーパーファイヤーダグオン→グレートバーンガーン