「今度はさっきのようにはいかねぇぞ! 俺の新しい技を受けてみよ!」
CV:遠近孝一
概要
物語後半の第31話から登場する赤い巨大ロボで、本作における2号ロボに相当する。
ダグファイヤーがファイヤーショベルと「剛力合体」することにより完成。ファイヤーショベルが変形したボディの胸部内に、ダグファイヤーがコアとして収まるという点はファイヤーダグオンとも共通したものがあるが、パワーダグオンの場合はダグファイヤーがビークル形態に再変形せず、ほぼそのままの形で格納されるという相違点も見られる。
また、合体プロセスに移行する際、ファイヤーショベルのバケットの上にダグファイヤーが乗った状態から号令を発するという、外連味に溢れたシークエンスも盛り込まれているのも特徴の一つである。
ファイヤージャンボの大破し海へ沈没後、ギャラクシールナの協力を得て新たに獲得した合体形態であり、単純な戦闘能力の高さだけにとどまらず、「猪突猛進」をモットーとする炎とも相性がよかったのか、ファイヤーダグオンに代わる物語後半の主戦力として多用された(※1)。
(※1 第4クールに入って、ファイヤーダグオンへの合体能力も再び取り戻しているものの、こちらは復活後の登場は1回のみに留まっている)
能力
全高 | 20.2m |
---|---|
重量 | 72.0t |
最高出力 | 395,000ブレイブパワー |
最高走速度 | 370km/h |
その名に違わぬ剛力の持ち主であり、ファイヤーダグオンは言うに及ばず、ダグオンチームの他の合体形態をも凌ぐパワーを発揮する。
難点としてはファイヤーダグオンのような飛行能力を有していないことや、機動力がやや低めという点が挙げられるが、後者については下半身をビークル形態に戻した「パワータンクモード」へと変形することで、地上での高速走行を可能としている。
また単に力自慢なだけでなく、右腕に装備された巨大な「パワーショベルアーム」や、その先端の換装可能なユニットなどを活かした多彩な技もまた、パワーダグオンの持ち味の一つと言える。ショベルアームを駆使した技だけに限っても、
- 強烈なアッパーカットを決める「ショベルアッパー」
- 高速回転で敵の攻撃を弾く「ショベルシールド」
- 対象を挟んで握りつぶす「パワークローアーム」
- クローに炎を纏わせた状態から繰り出す「ファイヤークロー」
- 破壊力抜群の突貫を可能とする「パワードリルアーム」
- ドリル装着状態でアームを振り下ろす「ドリル落とし」
といった具合の豊富さである。このうちパワードリルアームについては、初陣となったクイーンザゴス戦での決まり手ともなった。
これら以外にも、胸部に備わった恐竜の口より火炎を放つ「マグマブラスト」や、額から星型の火炎弾を発射する「パワーバーン」(※2)といった技も備えている。
ファイヤーダグオンと同様に、ライアンやガンキッドとの連携も勿論可能である。
このうち、ガンキッドの変形する「無限砲」については、当初からファイヤーショベルにコネクタが内蔵されており、これを介して左肩に担ぐような形で装備されるため、設定上はライアンの変形した「ライオソード」との併用も可能。
さらに発射時にはパワーショベルアームをアンカーとして地面に打ち込むことで、姿勢安定を図ることもできる。
ライオソードは、ファイヤーダグオン時と比べると使用頻度は少なめ(※3)であるものの、それでも必殺級の剣撃を繰り出すことが可能で、作中ではワルガイア星人ゲドーとの戦闘に際して「パワーライオソード十文字斬り」で相手を撃破せしめた。
(※2 劇中では「パワーバーン」だが、一部書籍においては「パワースターバーン」と表記される場合もある)
(※3 作中では第34話と44話の2回のみ使用。このうち第34話では装備こそしたものの、上空からパット星人の要塞による狙撃を受けたために不発に終わっている)
立体物
玩具
放送当時、タカラからDX版と、廉価版の「HG」(ハイパー合体)の2種類の玩具が発売されている。
前者は変形合体を完全再現可能な他、ショベルアームのアタッチメントも本体に接続可能(※4)とされている。また、変形ギミックをほぼオミットしたダグファイヤーも付属し、作中通りに胸部に格納することができる。勿論「DX 火炎合体ファイヤーダグオン」付属のダグファイヤーも問題なく合体可能である。
HG版は脚部など一部差し替えを要する箇所もあるものの、こちらもアームの換装やタンクモードへの変形など、概ね特徴的なギミックは押さえた形となっており、付属する同スケールのライオソードと無限砲を装備させることもできる。
2024年には、千値練からも「METAMOR-FORCE」シリーズとしてパワーダグオンが発売された(2024年4月発売)。こちらも一部組み換えではあるものの変形合体ギミックを再現し、上記DX版以上により作中の印象に近付けたフォルムと、豊富な可動が売りとされている。
また、先行して発売が予定されている同シリーズのファイヤーダグオン(2024年1月発売)とも勿論合体が可能な仕様である。
(※4 ビークル状態では本体後部に、合体状態ではアーム裏側にそれぞれジョイントされる)
食玩・プラキット
放送当時にカバヤより、3種類の食玩が発売されている。このうち「BIGダグオンガム」(第2弾)にてラインナップされたパワーダグオンのみ、簡易的ながらも同弾のファイヤーダグオンとの合体を可能としている。
バンダイより展開されている「スーパーミニプラ」シリーズにおいても、2021年に「勇者指令ダグオン2」としてパワーダグオンのプラキットが一般発売された。合体説明書は必見。
全3種類のうち、パワーダグオン(ファイヤーショベル)は2箱に分割という形とされており(残りの1種類はアクションフィギュア仕様のファイヤーエン)、前出の「METAMOR-FORCE」版と同様に造形・可動を重視した作りである他、合体用に加えてディスプレイ用に固定ポーズのダグファイヤーも付属し、合体シークエンスをより忠実に再現可能となっている。
先行して同シリーズで発売されたファイヤーダグオン(2020年11月に一般発売)や、同時期にプレミアムバンダイ限定で受注生産販売が行われた「ライアン&ガンキッド」(2021年5月発送)とも合体可能であるが、前者については差し替え無しでの完全合体の他にも、一部パーツの差し替えによりプロポーションを重視した形とすることもできる。
備考
基本的なスタイリングや、未使用時のアームユニットの装着ギミックなどは当初から概ね固まっているものの、胸部の意匠については同じ恐竜の頭ながらも、初期の段階では決定稿にもあるティラノサウルスではなく、トリケラトプスがモチーフとされている。このモチーフの選定は、鳥やライオンなど主だった動物をやり尽くした感があったことに起因したものでもある(もっともライオンは次回作の主人公ロボのモチーフに使われたが)。
頭部のデザインについてもやはり様々に検討が重ねられており、デザイン案の中にはサンダーダグオンのような三日月状の前立てを備えたものも存在する。
第34話にて登場したパワータンクモードは、タカラからの登場要請を受けて盛り込まれたものであることを、後年監督の望月智充が述懐している。
関連タグ
ジャンボーグ9 - 『ジャンボーグA』に登場する巨大ロボの一つ。こちらも陸上車両から変形する2号ロボであり、飛行能力を備えた1号ロボに対してパワーと地上戦を重視した性能の持ち主であるなど、パワーダグオンとも共通する部分が複数見受けられる
マックスグリッドマン - SSSS.GRIDMANに登場するグリッドマンとバトルトラクトマックスが合体した強化形態
合体コードが剛力合体超人という点と強大な腕力が共通している