CV:遠近孝一
概要
4機のダグビークル(ファイヤービークル)が、「火炎合体」することにより完成する赤い勇者。炎を象った額の前立てに、胸の鳥を模した意匠、ビークル由来の巨大な両翼などが特徴である。
合体の際には、ファイヤージャンボがボディの大部分を構成する形で変形し、そこに格納されていたファイヤーラダー・ファイヤーレスキューがそれぞれ右前腕・左前腕として合体。そしてダグファイヤーがコアとして胸部内に格納されることで合体を完了する。
本作における1号ロボに相当し、物語前半の主戦力として数々の戦いを勝ち抜いてきたが、物語後半でのアーク城破壊の際にファイヤージャンボが失われたため、新たに投入されたパワーダグオンに主戦力の座を譲ることとなる。
後に、ワルガイア三兄弟の登場やそれに伴う戦況の激化を懸念し、ブレイブ星人の手によってファイヤージャンボが修復されたことで、再び合体可能な状態となった。これ以降、ファイヤーダグオンとして戦闘に及んだ回数は極めて限定されたものの、一方でファイヤーダグオンを中核とした最強合体形態・スーパーファイヤーダグオンも使用可能となった。
能力
全高 | 20.7m |
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重量 | 70t |
最高出力 | 260,000ブレイブパワー |
最高走速度 | 420km/h |
最高飛行速度 | マッハ5.5 |
20mを超える大型の機体ではあるものの、ボディの大部分をファイヤージャンボが構成していることもあってか、空中戦に優れた性能を発揮し、その要となる両翼に備わった4基のジェットエンジンからは、連射可能な「ジェットファイヤーミサイル」や渦状の「ジェットファイヤーストーム」を放つこともできる。
遠距離に対応した武装としてはこれ以外にも、額から放つ星型の光線「ファイヤースターバーン」を備えており、キラード星人との戦闘では相手が石油タンクを取り込んでいたこともあり、それに引火・爆発するという形で決まり手ともなった。
他のシリーズ作品の勇者たちとは異なり、手持ち武器としての剣や火器はデフォルトでは備わっておらず、右前腕のファイヤーラダーの梯子部分から伸長する「ファイヤーブレード」が、近接戦闘における主武装として用いられる。
胸部の鳥の口の中から放たれる光線「ファイヤーホールド」で敵の動きを封じ、その上で相手に肉薄してすれ違いざまにファイヤーブレードで十文字に切り裂き、これを撃破するのが物語序盤での必殺技である。使用後にはファイヤーブレードも梯子内へと自動的に収納される。
後に、このファイヤーブレードが通用しない宇宙人も登場したために、時同じくして仲間となった剣星人ライアンの力を借り、彼が変形する「ライオソード」を新たな必殺武器として用いるようになった。
ファイヤーホールドで対象を拘束した上でこれを斬り裂く、という流れはファイヤーブレードと同様であるが、ライオソード使用時にはファイヤーホールドも構えた切っ先から放たれる形に変化する他、決めの一撃である「ファイヤーライオソード」もライオソードのリーチを活かして離れた距離から大きく振りかぶり、縦に一刀両断するスタイルとされている。
物語中盤から仲間に加わったガンキッドとの連携も可能で、彼の変形する「無限砲」による砲撃も必殺級の威力を発揮する。使用の際には、ガンキッドから射出される専用コネクタが腰に装着され、これを介して右腰へと接続されるようになっている。
立体物
完成品
放送当時、「DX 火炎合体ファイヤーダグオン」がタカラより発売。インパクトを重視した30cm超えのビッグサイズが売りであり、変形合体を始めとする作中通りのギミックも一通り再現されている。また、初回版パッケージの36,000箱には特典として、玩具紹介や実写のダグテクターの活躍を収録したスペシャルビデオも同梱されている。
従来のシリーズ作品での定番商品の一つであったSTD(スタンダード)版は、本作ではHG(ハイパー合体)へと変更されており、こちらでもファイヤーダグオンがラインナップされている。廉価版という位置付けなだけに、DX版と比べると一部の変形が差し替え式とされている他、ギミックについても省略されたものがいくつか存在する。
2007年には、シーエムズコーポレーションより「サンライズメカアクションシリーズ」として、ファイヤーダグオンのアクションフィギュアも発売された。基本的な仕様は同シリーズの他商品、それに前年にリリースされた本作のDVD-BOX付属特典のアクションフィギュアに準じており、付属のライオソードだけでなく、DVD-BOX特典のスーパーファイヤーダグオンに付属する無限砲も、専用パーツを介して装着することが可能となっている。
シーエムズコーポレーションからはこれ以外にも、「BRAVE合金」シリーズとして変形合体可能なファイヤーダグオンが、パワーダグオンと合わせて試作されていたが、同社の自己破産により商品化には至らなかった。
2023年には、千値練からも「METAMOR-FORCE」シリーズでの商品化がアナウンスされた。作中イメージを意識した造形と、変形合体ギミックの完全再現の両立が志向されており、付属のファイヤーストラトスも当初非変形のタイプのみが付属する予定であったが、受注開始後にダグファイヤーに変形可能なタイプも新たに付属することが発表された。
発売は当初同年12月を予定していたが、後に2024年1月へと変更されている。
食玩・プラキット
放送当時、カバヤより「ダグオンガム」「BIGダグオンガム」「ダグオンチョコ」として、プラキットやミニモデルが複数種発売されている。
このうち「BIGダグオンガム」については、第1弾・第2弾ともにラインナップされており、番組前半の時期に発売された第1弾では(一部省略はあるものの)変形合体ギミックを概ね再現。番組後半に発売された第2弾は、ビークル形態への分離変形こそオミットされているものの、同弾のパワーダグオンとの合体ギミックを備えたものとされている。
2020年には、バンダイからも「スーパーミニプラ」として「勇者指令ダグオン」の商品名でプラキット化がなされた。勇者シリーズとしては『ガオガイガー』に続いてのラインナップであり、全3種類のうちファイヤージャンボは2箱、残りの各ビークルは1箱という商品構成となっている。
ファイヤーストラトスは合体可能な小サイズのものの他に、ダグファイヤーへ変形可能な大きめなサイズのものも付属。変形合体ギミックも(一部差し替え箇所はあるものの)概ね再現されており、説明書には未記載かつストラトス用のスロープまでは再現されていないものの、ファイヤーベースへの変形も可能である。
備考
ダグファイヤーがそうであったように、ファイヤーダグオンもまた頭部や胸部のデザインには特に難航したようで、準備稿の一部には従来の主役勇者とは一線を画した、ハッキリとした口や鼻を備えたものも存在する。胸部も炎を象ったエンブレムなど多岐に亘るパターンが検討された末に、ダグファイヤーで没とされた鳥のモチーフを転用する形で決定に至った。